市議会だより 2007年10月発行分





2007年10月28日 (584号)

住民の意向を無視して、熊本市・富合町の合併 すすめないで!
平和と民主主義・くらしを守る市民連絡会と日本共産党市議団で、幸山市長・熊本市議会に申し入れ

10月23日、最後の合併協議会開催を前に、熊本市民連絡会は、熊本市と議長に対し、以下の3点を申し入れました。
@ 富合町の住民投票の結果が出るまで、合併協議を中断し、臨時議会の開催を拙速に行わないこと。
A それぞれの住民に、十分な情報提供を行い、説明責任を果たすこと。
B 合併についての住民の合意を得ること。

 今年、1月に「熊本市・富合町合併協議会」が設置されて10ヵ月、42項目にのぼる協議事項が審議され、10月23日に協議が終了しました。 しかし富 合町では、「富合町住民投票を求める会」の方々によって、「熊本市との合併の賛否を問う住民投票」実施の条例制定を求める直接請求の署名活動が行われてい ます。富合町有権者の50分の1の署名が集まれば、住民投票条例の制定を求める議案が議会に提案されます。
 富合町住民から、熊本市議会に対しても、住民投票が行われるまで、静観の立場を採り、早急な合併調印をしないよう求める要望書も提出されています。
 こういう中で、法定協議会の論議をすすめることや、臨時議会を開催して配置分合議案を採択しようとすることは、大きく住民自治を侵害するものです。
 住民の意向を無視して、強引に合併を決めるべきではありません。

住民の要望に耳を貸さず、11月6日の臨時議会開催を決定!
  10月24日の熊本市議会運営委員会で、幸山市長は、富合町との合併を進める配置分合議案や議員定数、合併特例区の設置などを審議するための臨時議会を 11月6日午後3時から開催することを表明しました。  
日本共産党は、「富合町では、『熊本市との賛否を問う住民投票』に向けた署名運動が行われており、その結果を待たず、臨時議会を開催することは、住民自治 の侵害になる」と反対意見を述べました。
 法定協議会で承認された合併の期日は、来年10月6日であり、臨時議会を開催しなくとも、配置分合議案 等の審議は、12月議会または来年3月議会でも十分に論議できます。 
 2010年3月の合併新法期限切れまでに、70万人以上の政令市要件を満たすためには、住民自治の大事な行使である「住民投票」も待てない幸山市長や市 議会のあり方が問われています。

安心・安全は大丈夫?
駅前開発 超高層マンションは住宅には不向き
 10月20日、NPO法人くまもと地域自治体研究所の主催で、駅前開発に関するシンポジウムが開かれました。
 元市議の重松孝文氏など各専門分野のパネラーから、まちづくりの観点、住居の安全などの面から報告が行われ、会場では多面的な意見や質問などがだされま した。

住宅 VOL.50,2001「超高層住宅の特性とその評価」より
(三重大学工学部建築学部助教授 高井宏之)

 シンポジウムでは、駅前再開発による高さ約108メートルのマンション建設について、住環境の安全性の面から大きな問題があるとの指摘がなされました。
 発言では、イギリスにおいて6階建て以上の住居に子どもが住むことが禁止されている例などが紹介され、超高層マンションでの生活は、防犯面、防災面、そ の他交通面など(上表をご覧下さい)マイナスの要因が大きく、安心・安全のくらしという面で、大きな課題が残るとの研究成果なども示されました。
 駅前に限ったことではありませんが、超高層マンションが将来にわたって安心・安全のくらしを保障するものなのか、一度たちどまって考えてみる必要がある のではないでしょうか?

生活道路の改善・街灯の設置など要望
 17日、市民団体とともに市に対して、市道の整備や街灯・カーブミラーの設置などを市内全域約40箇所の改善を要望しました。
 舗装の痛み、雨水で冠水する道の改善、通学路の安全確保などを求めました。市からは、「対応できるところについては速やかに対応する。舗装のはがれな ど、市民生活の安全のためにも気づいた点は、ぜひ知らせて欲しい」との回答がありました。

「ピースジャムくまもと」に参加             なすまどか
 ピースジャムって何?と思われた方もいらっしゃるかと思います。
 昨年から始まり、今年で2回目を迎えたピースジャム。平和のことを一緒に考え、思いを交流しようということで、青年のみなさんが中心になって企画、運営 をしているイベントです。
今年は、キャンプ場を貸しきり、学生、社会人、子育て真っ盛りのお父さんお母さんなど60名を超える方々が参加されました。
 戦争体験談・企画などを通じて、参加者一人ひとりが、日常の生活や現実の社会のなかで、「平和のためになにができるのか」「どのように平和を発信してい くのか」など、楽しく学び、そして真剣に考える姿が印象的でした。
 夜の企画は、キャンプのような感じなのですが、DJ(ディスクジョッキーというそうです)あり、ダンスありということで、今風のものでした。キャンプ ファイヤーの前で肩を組んで、歌を歌ってという、私の時代のものとはずいぶん違い、少々戸惑いながらも、大いに盛り上がるものとなりました。
 青年らしい感性や発想で、平和な社会のために、共に考え、力を合わせようという姿に触れ、憲法9条を守る希望が大きく膨らみ、心のそこから元気が沸いて くるイベントでした。

2007年10月21日 (583号)

たくさんの課題を残したまま、富合町との合併を 急ぐべきではありません!
町民の意思を問うことなしに合併をすすめるべきではありません
 富合町議会には、「熊本市との合併の是非を問う住民投票か、町民アンケートの実施を求める請願」が提出されています。町民の意思を問うてほしいという町 民の切実な要望の中、請願は継続審議で先送りにされています。これに対し、町民による地方自治法にもとづく住民投票条例の制定を求める署名運動がはじま り、「合併に賛成でも、反対でも、富合町の将来は町民自身の投票で決めましょう」と、呼びかけられています。

熊本市と隣接している地区でも
  熊本市との合併支持は27%

これまで、各地域で行われた町民アンケートの結果は 【%】
      (熊本市希望) (宇土市希望)
 田尻     33.5      61.1 
 南田尻   32.1      64.6
 平原     35        58.9
 新      41.8      57.8
 菰江     27        66
 *菰江地区は、熊本市と隣接している地区です。


富合町住民から、熊本市議会に要望書提出!
「住民投票が行われるまで拙速な合併調印を行わないよう求める要望書」

 10月17日、熊本市議会に対し、「富合町住 民投票を求める会」から、住民投票が行われるまで、拙速な合併協定の調印を行わないことを執行部に求める要望書が提出されました。
 富合町では、現町長が宇土市との合併を白紙にした際、その理由が宇土市との合併支持が半数に達してなかったことでした。しかし、熊本市との合併支持は、 さらにそれを下回っているからです。住民投票による町民の意思の確認は当然です。

下水道整備には約128億円、上下水道整備には問題が山積
  富合町民から、一番望まれている上下水道の整備には、下水道だけでも128億円の投資が必要です。しかも、整備上の問題が山積です。
 上水道は、現在地区ごとにある簡易水道の「町営化」が合併の前提になっていますが、町営化するための簡易水道の無償譲渡に 81%の住民が反対している地区もあります。町営化も簡単にはすすまない状況です。
 下水道は、今後の整備について宇土市が受入れを拒否しています。

「消防・ゴミ処理・火葬場・し尿処理」
宇城広域連合で行う事務は、期限もあいまいなままです

 宇城広域連合で行われてきた消防・ゴミ処理・火葬・し尿処理は、「当分の間」と期間もあいまいに、広域連合で引続き行われます。
 合併は、それぞれの自治体が一体となることでもあり、期間などもあいまいにしたまま、合併先にありきで拙速にすすめるべきではありません。


高い公債費比率、厳しい財政運営の熊本市
財政規模と財政力は違います!
 「熊本市は、財政規模が大きいので、福祉が充実するだろう」とは、周辺の合併推進派の論理です。しかし、財政規模の大きい政令市や中核市ほど借金も大き く、借金返済などのために、公債費比率が高くなり、財政運営に四苦八苦しています。
 熊本市は、他の中核市と比較しても、借金は多く、貯金(基金)は少なく、例外ではありません。合併・政令市を実現しても、益々厳しい財政運営が待ってい ます。
 財政悪化の原因である、国の「三位一体改革」による地方交付税削減や、身の丈を越えた大型公共事業のムダ使いなどに、メスをいれ、住民本位の財政改革に 乗り出す時です。

市民一人あたりの地方債現在高、公債費比率、起債制限比率の状況(06年度決算)


公債費比率…一般財源に占める元利償還金の割合。この数値が高いほど市独自の政策的予算が縮まります。
起債制限比率…地方債の許可制限に係る指標。20%を超えると地方債発行の制限を受けることになります。

周辺自治体では最低の、熊本市乳幼児医療費助成制度
 熊本市は、07年度から入院に加えて、通院の就学前までの医療費助成が始まりました。しかし、下記表の通り、周辺の市や町では、小学3年生までに医療費 無料化が広がっています。周辺の自治体で就学前までは、富合町、城南町、植木町だけになりました。しかも、自己負担を残しているのは、熊本市と富合町だけ です。「日本一住みやすく暮らしやすいまち」の幸山市長の公約が泣いています。

乳幼児への医療費助成比較表
 自治体名   対象年齢  自己負担 
 入院 通院 
 熊本市  就学前  就学前  3歳児以上500円/
(歯科は5歳以上)
 菊池市  小3まで  小3まで  
 大津町  小3まで  小3まで  
 菊陽町  小3まで  小3まで  
 合志市  小3まで  小3まで  
 嘉島町  小6まで  小6まで  
 益城町  小3まで  小3まで  
 城南町  就学前  就学前  
 富合町  就学前  就学前  3歳児以上1000円/月
 植木町  就学前  就学前  
 宇土市  就学前  就学前  

小3まで…和水町、菊池市、大津町、菊陽町、合志町、益城町、苓北町、芦北町
小6まで…阿蘇市、嘉島町、氷川町
中学まで…産山村、美里町、南阿蘇村

  【控室から】
 すべての加入者に保険証を! 益田牧子

 「シッコ見ましたよ」この欄でマイケル・ムーア監督の映画シッコを紹介したこともあり、声を掛けられました。私自身、映画から衝撃を受け、身近な問題と して、熊本市の負担の限界を超えた国保料の引き下げとすべての加入者への保険証交付実現への決意を新たにしました。
熊本市は前市長の時代に、滞納者に対する、3ヶ月・6ヶ月の短期保険証発行基準を強化しました。目的として、滞納者に対し、「納付相談、納付指導の機会を 増やし、保険料収納率の向上」を掲げました。しかし、血も涙もない機械的な短期証の発行で、保険証未交付を約9千世帯に増やしました。また、相次ぐ保険料 の引き上げにより、収納率は低迷し、累積赤字は65億円に膨れ上がりました。
 誰もが安心して払える保険料にするために、一般会計からの繰入れを増やし、県下で一番高い国保料の引き下げを早急に行うべきです。保険証未交付の解消も 当然のこととして、実現にがんばります。

2007年10月14日 (582号)

準備中

2007年10月7日 (581号)

教室の冷暖房 PTAだのみでいいのでしょうか?
日本一の高温の教室にクーラー設置を!

 日本一暑い熊本の夏。学校施設への冷暖房の設置が求められています。しかしながら、乏しい教育予算のため、通級指導教室や騒音対策での設置など、限られ たなかでの設置です。PTAによる寄付だのみでいいのでしょうか。

熊本市によるエアコンの設置
図書館…松尾北(1)、池上(1)、託麻(1) 
通級指導教室…慶徳(7)、五福(1)、黒髪(2)、出水(2)、健軍(6)、東町(1)、湖東(3)、楠(1)、藤園(3)、日吉小(3)
音楽室など…川上(音1・家1)、西里(2)、北部東(1)
普通教室…一新(11)JR騒音対策
※コンピューター室、保健室は熊本市により全校設置
  PTAなどによる設置 
 小学校  中学校




 
 図書館  飽田東(1)、松尾西 (1)、帯山西(1)、慶徳(2)、桜木東(1)、託麻原(1)、五福(1)、西里(1)、託麻東(1)、碩台(1)、白川(2)  飽田(1)、出水(1)、楠 (1)、出水南(2)、京陵(2)、帯山(1)、武蔵(2)、桜木(1)、桜山(1)、湖東(1)、北部(1)
 その他  向山(会1)、帯山(相 1)、城東(和室1)、白川(会 1) 出水(P1)、花陵(音 2)、帯山(音2)、北部(音1)、日吉(体1) 



 
 図書館  向山小(3)  
 その他  壺川(普18)、麻生田(普 36)、田迎(普46・家4・理4・音4)、健軍(普50)、向山(普54・音3・理3・図3)、田迎南(普30・音4・ラ2)、日吉(普48・児3・多 3・ラ3)  帯山(普62)
普…普通教室、家…家庭科教室、音…音楽室、理…理科室、ラ…ランチルーム

自衛隊が住民基本台帳を大量閲覧
情報提供の中止を求め申し入れ
 06年度一般会計・特別会計決算委員会において、熊本市において、自衛隊による住民基本台帳の大量閲覧が行われていることが明らかになりました(件数は 下表)。自衛隊による憲法違反の国民監視などが大きな社会問題となっているなか、日本共産党市議団は、10月3日、市民のプライバシー権の侵害につながる として、自衛隊への情報提供を中止するよう幸山市長に要請を行いました。
03年度 4219件のうち自衛隊の閲覧4158件
04年度 6642件のうち自衛隊の閲覧3905件
05年度 5549件のうち自衛隊の閲覧3842件
06年度 6532件のうち自衛隊の閲覧3843件

土木交渉を行います。ご要望をお寄せください
道路、河川、公園などの改修や改善を求め、今月17日に土木交渉を行います。ご要望がありましたら10日までにお寄せ下さい。

市民のくらしを支えるあったかな市政を!
「国保会計への一般会計繰り入れ増額」・「就学援助制度の所得基準額 の明示」を要望

 2006年度一般会計・特別会計決算委員会が9月25日から10月3日まで開かれました。那須円議員と益田牧子議員が「市民の目線」から審査に参加しま した。国の地方交付税の削減など厳しい財政のシワ寄せが、市民負担増やサービスの切捨てに及んでいる実態が明らかになりました。その主なものをシリーズで 紹介し、市民のみなさんと遅れた熊本市のくらし・福祉・教育の予算拡充のために頑張っていきます。
 第1回は、中核市における国保料・収納率と一般会計繰入れの実態を見てみました。06年度は、国保料を6・2%引き上げ、払えない世帯を更に増やしてい ます。市民の負担はもう限界を超えており、一般会計繰入れの大幅な増額が求められます。
併せて、就学援助の認定率、認定基準の所得規準額の中核市比較を掲載しました。経済的に困窮を示すのは、所得の規準です。鹿児島市のような「生活保護規準 の1・35倍」の目安を作らせましょう!

就学援助の中核市比較(認定率上位10市)
 都市  決定率 順位  決算額(千円)   所得基準額
 東大阪市 21.2%   1 493,186  
 長崎市 18.1%   2 499,223  生保1.2倍
 鹿児島市 17.8%  3 693,079 生保1.35倍 
 岡山市 15.6%   4 481,479 生保1.3倍 
 金沢市 14.9%  5 381,913  生保1.3倍
 姫路市 14.0%  6 343,301  生保1.35倍
 福山市 12.7%  7 243,081 生保1.3 
 大分市 12.1%  8 382,874 生保1.25倍 
 熊本市  11.6%  9  483,147  
 奈良市  11.6%  9  190,719 市民税所得割
5000円以下

国保料・収納率・滞納額・繰入額の中核市比較(保険料上位10市)
都市   一人あたり
保険料
 順位 収納率   順位

滞納額
(千円)

赤字補てん
繰入金(千円)
 
 宇都宮市  97,893  1 84.01%  5,387,038  108,305 
 東大阪市 92,467   2 81.22%  10  7,936,865  1,205,042 
 金沢市 91,681   3 88.74%  2,844,235  695,002 
 熊本市 91,457   4 85.81%  6,850,584  973,462 
 岡山市 90,617   5 85.02%  4,143,931  0 
大分市  89,964   6  87.83% 3,536,113   342,510  
 豊田市 89,941   7 90.44%  2,776,735  813,323 
 船橋市 88,640   8 87.49%  4,660,147  3,000,000 
横須賀市  88,410   9 88.65%  8,229,737  1,931,119 
倉敷市  86,658   10 88.68%  3,145,658  280,033 

ペナルティ強化でなく、払える保険料に減免制度医の拡充を!
 熊本市の国保料は、今や県下で最高額です。中核市でも4番目に高くなっています。払える保険料にするために、一般会計の繰入れの増額、減免制度の拡充が 求められています。ところが、熊本市では、滞納者の66%に対して、短期保険証や資格証明書などペナルティの強化が目立ちます。
 幸山市長は、本会議で「これまでのやり方を検証する」と明言しました。収納状況だけでの機械的な短期保険証の発行をやめさせるために頑張ります。

【控室から】
  子どもと山へ        上野 みえこ

 9月議会も終わった日曜日、たまには家族サービスをと、「どこかに出かけよう」と家族を誘いました。それぞれに忙しく、結局応じてくれたのは一番下の娘 だけでした。「行きたいとこある?」と聞くと「別にない」の返事。それならばと、山行きを提案しました。
 九重の長者原から、坊がつるへ。雨が池では、マツムシソウやリンドウ・吾亦紅など、たくさんの花に迎えられました。花韮が一面に絨毯のようでした。坊が つるでは、川の流れに足を休め、大船・平治岳を眺めながら、おにぎりを食べました。十月になっても、連日三〇度を超す気温が続いています。でも、山の上で は、それが嘘のように涼しい秋風が吹いていました。久しぶりの山歩きに、心も体もリフレッシュしました。
 「また来ようね」というと、「中学生になったら、きっと一緒には来ないよ」の返事。子どもの成長でしょうが、寂しさも覚えました。
長男・長女が小さかったときから、あちこちの山へ。時にはキャンプもしました。子ども達との数えきれない山行きの思い出は、大切な宝物です。

連絡先

・日本共産党熊本市議団 熊本市手取本町1−1 議会棟3階
電話 328−2656   FAX 359−5047
メール: kumamsu@gamma.ocn.ne.jp
ホームページ https://www.jcp-kumamoto.com/