市議会だより 2007年12月発行分





2007年12月23日 (592号)

上野みえこ議員の一般質問報告
「中学1年生の少人数学級」、幸山市長が任期中達成にあたると約束
市長がマニフェストに掲げている「中学校1年生の少人数学級・1年以 内に実現」を強く要望

 市の少人数学級検討委員会報告でも、「小学校からの移行期で、きめ細かな指導が必要である」と、その必要性を指摘している「中学校 1年生の少人数学級」は、幸山市長も昨年11月の市長選挙で「中学校1年生の少人数学級を1年以内に実現」とマニフェストに掲げていました。
上野みえこ議員は、その実現を一般質問で強く求めました。
 答弁で幸山市長は、任期中に達成に向け全力であたると答弁しました。

※学力世界一のフィンランドは、20人学級・学力テストなし、余暇や遊びによる人間形成を重視した教育です。


全国都道府県教育委員長協議会・教育長会議の意見でも、「教育の機会均等・水準の確保、教育予 算拡充と教員定数の改善が必要」と指摘
 今年6月に出された教育再生会議・第二次報告では、徳育の教科化・教育予算の効率化徹底などが打ち出されています。
 しかし、全国都道府県教育委員長協議会・教育長会議は、教育行政の責任者の立場から、「地域の実情に応じた教育を責任を持って展開していくものである が、教育の機会均等と水準確保、さらに問題解決に向けた改善のためには、国が教育予算の総額拡大も含め、充実した財源措置と教職員定数の改善を行う必要が ある」と、その問題点を指摘し、国への意見を上げています。

「教育現場にとって、何よりも必要なのは“人”」教育委員長が答弁
 一般質問で教育委員長は、「教育の場において、教職員がしっかりと子ども達に向き合う必要があると考える。そのためには、教職員配置の充実と財源措置の 拡充が、重要な問題であると認識している」と、人的配置に拡充の必要性について述べました。
 また、専門家の立場から、「科学的なものに興味を示さないいわゆる「理科離れ」は、効率を優先する社会の風潮や知識中心の教育に問題があったのではない かと考える。論理的に思考する能力を育てるためには、ひとつひとつの事象をじっくり観察し、考えるために必要な時間が欠かせません。」と、意見も述べられ ました。
 上野議員が指摘したように、子どもの全面的な発達を保障するためには、真の「ゆとりある教育」が必要であり、そのための教育環境整備をすすめなければな りません。


大型開発・合併への巨額な投資は「聖域」にして、住民要求は切捨て!
妊婦健診の公費負担拡充・子どもの医療費無料化対象年齢拡大・第3 子以降の保育料無料化こそ実現すべき

政令市「バラ色」論の「偽」
根源・財源が増えるという市長の答弁に根拠なし

 一般質問で幸山市長は、「交付税や宝くじ販売収益金など一般財源が約 140億円増額」と答弁しましたが、政令市になり移譲してくる事業に必要となる事業費は示しませんでした。
 上野議員は、道路整備を例に挙げ、政令市市長会・議長会が毎年まとめている「財源拡充についての要望」に示されている全国の政令市の財政の現状を具体的 に示し、反論しました。全国の政令市では市に移譲される国・道府県道管理の必要経費は年間3182億円、それに対する国の負担を引いた自治体負担は 2526億円あり、これに当てられる道路特定財源は1571億円で、955億円が市の持ち出しです。交付税算定分を当てても、道路管理経費は不足し、その 分が住民に一番身近な市道の改良・舗装の遅れとして影響しています。

小さくても輝く自治体
人口8500人の福島県大玉村では、妊婦健診15回無料、中学校3年生までの医療費・第3子保育料が無料です。

総事業費200億円の駅前再開発ビル
高層マンションが「熊本らしさ」といえるでしょうか?

 教育市民委員会の視察先となった東京・豊島区中央図書館は、地下鉄東池袋駅前で、42階建マンション棟、図書館・ホールのある業務棟からなっています。 全国どこにもある再開発ビルが「熊本らしさ」といえるのかと、上野議員は指摘しました。
 まちづくり・建築の専門家も、「駅前に高層マンションを建設すれば、その周りも高層化し、街のよさを打ち消してしまう」と、高層建築に頼ったまちづくり の問題点を指摘しています。

妊婦健診の公費負担拡充
厚労省が求めている「最低5回」は実施すべき

 厚生労働省が「望ましい妊婦健診は14回、最低でも5回」という通知を出して1年、今年度すでに公費負担を拡充した自治体が全国で 316(17.3%)、今年度中・来年度に拡充を予定している自治体を含めれば8割の自治体が公費負担の拡充を決めています。
 厚生労働省は、交付税を増やし、財政的にも後押ししています。熊本市に増額算定された交付税は1億3700万円、現行2回を5回に拡充する費用は 9700万円、十分に拡充できます。しかし市長は、実施を明言せず、検討止まりでした。

乳幼児医療費無料化
周辺市町、各地の自治体が小中学校への拡大に踏み出しています

 今年度より、本市でも就学前までの子どもの医療費無料化が実現しました。しかしながら、嘉島町・小学6年まで、合志市・菊陽町・益城町・大津町などは小 学3年生まで引き上げるなど、周辺市町では更なる対象年齢拡充が行われています。
 東京都議会では、都知事が現行小学6年までを中学校まで引き上げることを表明しています。
 自己負担も県下の市町村はほとんど取っておらず、上野議員は、対象年齢の拡充と自己負担の撤廃を求めましたが、一歩も出ない答弁でした。

第3子以降の保育料無料化
次年度は、県下のほとんどの市町村で実施の見通し

 保育園・幼稚園の第3子無料化は、県の補助制度が改善され、次年度より県48市町村のうち、4自治体を除くすべてが無料化を実施します。
しかし、本市ではその実施も棚上げです。
 再開発や合併による巨額な投資が聖域のまま、住民の願いには冷たい市政となっています。

[ 控室から ]
 スピリチュアルブームのかげで   なすまどか


 先日の赤旗新聞には「死後の世界」や「生まれ変わり」を信じる「スピリチュアルブーム」のかげで、若者を中心として悪質な商法が急増しているとの記事が ありました。被害額も22億円と5年前と比較し2倍以上となっているようです。
 就職難、ワーキングプア、ネットカフェ難民などが大きな問題となるなか、努力してもそれが結果としてなかなか自分に返ってこない社会のもとで、前世、転 機、オーラ、開運など、なにかに頼りたいという気持ちが出てくることはごくごく当たり前の気持ちだと思います。ただ私は、この社会の中のすべての事柄に は、必ず因果関係が存在するということも忘れてはならないことだと思うのです。
 就職難は「前世が悪かったから」「オーラがないから」起こるのではありません。規制されていた派遣労働を原則自由化し、非正規労働を増やし、就職難を悪 化させた原因は政治にあります。複雑化した社会のもとでは、貧困や生活苦の原因がどこにあるのかわかりにくい状況です。スピリチュアルブームのかげで、悪 政が免罪されないよう常に社会に目を向けることが必要だと感じています。

2007年12月16日 (591号)

08年4月〜「子ども未来局」設置を12月議 会に提案
「子どもの最善の利益」保障・子育て支援策を豊かに!

 幸山市長は、12月議会に「子育てしやすく子どもたちの健やかな成長を育む環境づくりに一体的かつ総合的に取り組むため、「子ども未来局」を4月から新 設することを提案しました。
 子どもの権利条約で謳われた、「子どもの最善の利益」保障をするためには、「子ども未来局」の名前にふさわしい政策の強化・拡充や予算の増額・体制を豊 かに発展させることが求められます。
 12月10日の一般質問では、日本共産党の上野美恵子議員が、子育て支援策の充実を求め、一般質問を行いました。

周辺自治体からも遅れた子どもの医療費無料化を小学6年生までに!
 熊本市周辺自治体では、嘉島町は小学6年まで、合志市・菊陽町・益城町・大津町は小学3年生までの子どもの医療費無料化をすでに実施しています。益城町 は、来年度から小学6年生にまで引き上げる条例案を12月議会に提案しています。日本共産党は、熊本市でも、小学6年生までを目標に、当面は、小学3年生 まで、完全無料とすることを求めました。今年政令市になった新潟市では、就学前から一挙に小6まで入院医療費の無料化が進められました。横浜市や川崎市 は、中学生までの入院医療費無料化を実施しています。

「子ども未来局」の組織体制・・・児童の健康福祉や児童及び青少年の健全育成に関することを所管し、青少年育成課(市民局)、 子育て支援課・保育課(健康福祉局)、幼稚園・子ども文化会館(教育委員会)などを統合します。また新たに、来年4月に大江交通局の横にオープンする総合 保健福祉センター内に子ども発達支援センターや、子ども総合相談室も「子ども未来局」に加わります。

妊婦健診無料化を現行2回から5回以上へ!
 厚生労働省は、今年1月、「妊婦健診の望ましい回数は14回、少なくとも5回程度の公費負担を実施することが原則」との見解を示し、公費負担の充実を求 める通知を出しています。妊婦健診は、定期的に母体と胎児の健康を見守り、妊娠中毒症や切迫流産などを予防するなど大切な役割を持っています。妊婦健診 は、医療保険が利かないため、経済的な理由で、未受診になれば、母子共の健康に大きなリスクとなります。
 今年度から公費負担の回数を増やした自治体は、全国で361自治体、17・3%、今年・来年度以降に増やす予定で検討している自治体は、約8割の 1500を超える見通しです。
 熊本市では現在2回の無料妊婦健診に止まっており、5回に増やすために必要な経費は9700万円です。国の財政支援もあることから、来年度予算での5回 以上の拡充を強く求めました。


年金・国保料の引き下げ・少人数学級・最低賃金の引き上げ などなど
切実なおもいが込められた請願が議会に届けられました
 12月10日より、定例市議会が開会されました。格差と貧困の広がりが大きな社会問題となっているなか、市議会には、毎回多くの請願が寄せられます。い ずれも、人間らしい暮らし、安心できる福祉制度、将来への希望が持てる労働環境などを求めているもので、多くの市民の声を代弁しているものです。
 今議会には、8つの請願が出されていますが、そのうち日本共産党が紹介議員となった請願をご紹介します。
 なお、各請願はそれぞれの委員会に付託をされた後、委員会での採択・不採択の結果が最終日の本会議にはかられ、採択か不採択かが最終決定されます。
 最終日12月21日午前10時から開かれる本会議に、ぜひ、傍聴にお越しください。

請願とは別に、日本共産党市議団として「後期高齢者医療制度の中止・撤回を求める意見書」「障害者自立支援法の応益負担の中止等を求める意見書」「生活保 護水準の切り下げ中止を求める意見書」を提出しています。


国民健康保険料の引き下げ・保険証の未交付改善を求める請願
 県下14市のなかで最高額となっている熊本市の国保料の引き下げ、滞納を理由とした短期保険証・資格証明書の発行を止めること、保険証の更新がすんでい ない未更新状態を解消すること、低所得者への保険料の減免制度を拡大することなどを求めています。

学級定数を減らしゆきとどいた教育を求める請願
 現在、熊本市は小学校4年生まで35人以下学級を導入し、父母や教師からも高く評価されています。
 請願は、こうした少人数学級を中学校にも広げるよう求めているものです。特に中学校1年生は小学校からの移行期であり、よりきめ細かな指導が必要となり ます。生徒へゆきとどいた教育を保障するためにも、少人数学級の拡充が求められます。

最低賃金の大幅引き上げ・中小企業振興策を求める請願
 真面目に働いてもまともな生活を送ることができないワーキングプアが広がっています。請願は、現在の最低賃金では、憲法で保障された最低限度の生活を営 むどころか、健康に生きていくことすら保障できない金額と指摘。最低賃金の大幅引き上げと全国一律最賃制の法制化、それを支える適切な中小企業振興策を求 めています。

「消えた年金」問題の早急な解決と最低保障年金制度を求める請願
 消えた年金問題を一人も残すことなく早急に解決を図ることや生存権を保障する立場で、年金の底上げ・最低保障年金制度の創設を求めています。なお、財源 として、大企業・資産家への優遇税制の見直し、軍事費の縮減により財源を創出し、消費税増税に財源を求めないことも指摘しています。

※このほか、消費税増税に反対する請願、後期高齢者医療制度の中止・撤回を求める請願、資源ごみ業務の随意契約の見直しを要望する請願の紹介議員となりま した。


行財政改革
 12月議会に行財政改革に関わる予算として、ごみ収集運搬業務の委託経費、給食調理業務の委託経費が提案されています。ごみ収集については、北・東・西 の各クリーンセンターあわせ8台分が民間業者に委託をされます。また、給食調理については、井芹、長嶺、出水南協働調理場が委託されることになります。財 政的なものさしだけではなく、住民サービスへの影響、職員への待遇など総合的な検証が必要です。


(控室から) 
  子どもには未来がある!    益田牧子


 今年、我が家の一番の記念すべき出来事は、長女の出産・孫・息吹の市立産院での誕生でした。8ヶ月を過ぎ、おっぱいだけだったのが、離乳食が進み、運動 面も、腹ばいから高這いへ、つたい歩き、「昨日は、手をたたいた」とその成長ぶりは、目を見張るものがあり、毎日が楽しみです。つくづく、「子どもは未来 と夢のある」存在だと夫婦で孫にはまっています。 
 しかし、娘にとっては、初めての出産・子育てと、育児休業中の経済的な不安も重なり、容易ではなかったと思います。けれども、母乳をやる親子の姿は、安 心感とやさしさに包まれています。市立産院や地域の助産師さん仕込みの母乳育児は本当に素晴らしい!現在は、少し余裕が出て、子育て支援センターや地域の コミセンでの子育て支援活動に参加し、大いに励まされており、関係者の方々に感謝でいっぱいです。娘も、いよいよ来春からは、職場復帰です。
 熊本市が、「こども未来局」の新設を契機に、「日本一子育てしやすいまち」になるよう、私も、市民の皆さんとがんばります。

2007年12月9日発行 (590号)

有効期限付の保険証
短期保険証の機械的な発行の中止を!
 現在、熊本市は、収納率向上対策として、一定の収 納率以下の世帯(約24000世帯・加入世帯の約5分の1)に3ヶ月間、6ヶ月間の有効期限付の短期保険証を発行しています。しかしながら、滞納が続き、 保険証の更新ができない方も増え、未交付世帯が9000世帯にのぼっています。病気になっても病院にかかれない方もうまれています――先日、おなかの痛み に我慢ができなくなり、市議団に相談にこられた方がいらっしゃいました。聞けば、医療費を心配して病院に行くことをひかえていたそうです。検査をした結 果、大腸ガンということでした。生活保護を申請し、手術を行ったものの、今度は肝臓にガンの転移が見つかり現在は闘病生活を送られています。所得の差が命 の差につながることがあってはなりません。
 11月30日、日本共産党熊本市議団は、幸山市長に対し、短期保険証の機械的な発行の中止を求める申し入れを行いました。
 申し入れでは、「短期証の交付は、滞納者に一律に交付するのではなく、個別事情を勘案し、交付するように」とした厚労省の事務連絡もしめしながら、改善 を求めました。

国民健康保険料が払えず短期証の期限が切れ、お困りの方はいらっ しゃいませんか?
一人で悩まずにご相談ください


建設労働者職人の仕事の確保と賃金・労働条件の改善を要望
 11月29日、熊本県建築労働組合と国土交通省全建設労働組合が、仕事の確保や賃金・労働条件の改善を求め、熊本市に対して要請を行い、市議団も参加し ました。
 要望では、小規模修繕登録制度を充実・改善し、地元業者・職人の仕事を確保すること。公共事業の入札や契約の際、建設労働者への適切な賃金が保証される よう改善を図ること。地元業者者の仕事にもつながる住宅改修(耐震リフォーム推進)への助成制度を確立すること。建設業退職金共済制度の周知徹底を図るこ となどを求めました。
 市からは、「厳しい財政の中ではあるがしっかりがんばりたい。実態の調査を進めていきたい」との回答がありました。
 地元業者の活力は、地域経済への活力へとつながります。私たちも業者の方とも力を合わせ改善のためにがんばります。

市営住宅から暴力団を排除 12月議会に条例案が提案
 12月議会に「熊本市営住宅管理条例改正議案」が提案される予定です。条例案では、入居者の資格、同居の承認、入居の継承及び住宅明渡し請求に関する規 定の中に、暴力団を排除する内容が追加されます。公営住宅への暴力団入居に関しては、全国的にも大きな問題となっており、県の条例改定に続き、熊本市にお いても今回提案されます。
 また、ハンセン病療養所入所者の方について、これまでは、熊本市内に住所または勤務場所がなければ入居資格がありませんでしたが、条例案ではこうした規 定がなくなり、菊池恵楓園などに入所されている方でも、市営住宅への入居が可能になっています。

『地下水保全条例』の全面改正を12月議会に提案
地下水は公水(市民共通の財産)と基本理念を明記


「命の水」地下水の質・量保全対策を強化
  12月議会に地下水を「公水」とはじめて位置づけた「地下水保全条例」の全面的な改正強化が提案されました。熊本市で「地下水条例」がはじめて制定された のは、1977年(S52)9月です。きっかけは、健軍水源地の北部に隣接する現在の庄口公園への「日本住宅公団のマンション建設計画による基礎杭の打ち 込みは水源地を汚染する」と反対の住民運動が起こったことです。日本共産党も市民と共に取り組み、マンション建設は中止となり、市議会での76年3月『地 下水保全都市宣言』を生み、地下水保全条例が制定されました。新条例は、2005年(H17)11月に設置された『地下水保全条例見直し専門委員会』(林 勝美会長)からの提言を受けて全面改正されたものです。第1章総則第1条に4つの基本理念「水循環」「公水(市民共通の財産)」「市民協働」「総合的対 策」を掲げ、全7章、34条から成り立っています。以下特徴を掲載します。ご意見をお寄せください。

地下水の水質の保全対策〜硝酸性窒素削減対策を明記
  地下水は一旦汚染されると回復に長期を要し、市民生活への影響が多大であることから、第2章で、地下水質保全対策指針を策定、汚染の防止及び早期発見・監 視(第9条)、特に、近年増加傾向になる硝酸性窒素・亜硝酸性窒素の濃度の低減対策(第10条)が規定されました。

地下水涵養対策の推進〜涵養促進地域の指定と具体化
 熊本市を含む地下水涵養域の都市化による減少が、涵養量の原因の1つであることから、「涵養域保全対策の推進」が第3章で新たに位置づけています。地下 水涵養対策指針を策定(第12条)、涵養促進地域を指定し、雨水浸透枡設置の義務付け(第13条)、大規模採取者に対する涵養対策の市長への報告と公表 (第14条)などを義務付けています。

節水型社会づくり〜大規模採取者は節水対策の義務付け・公表
  地下水の減少傾向の中で、市民共通の財産である地下水保全の立場から、第4章に、節水社会の形成を位置づけています。市は、節水対策指針を策定し、目標値 を設定・具体化(第16条)、建築物の建築に際しては、節水に配慮した給水設備を設置(第17条)、大型採取者は節水計画を市長への提出・公表(第18 条)を規定しました。

地下水管理の強化〜水道水源周辺工事の事前協議義務付けなど
 市民共通の財産である地下水を良好に保全するためには、適正な利用と管理が必要なことから、市の地下水の量・質の常時監視(第19条)や汚染などの緊急 時の対策(第20条)を規定しています。また、過剰な採取の抑制対策(第21条)や、自噴井戸の管理(第23条)、杭打ちなどを行う地下工事の届け出(第 24条)、水道水源周辺工事の水道事業管理者との事前協議(第25条)を義務付けています。

条例違反者には、公表及び罰則を規定
 地下水保全に顕著な功績のある市民や団体の表彰制度が創設(第30条)されました。涵養や節水などにおける義務の伴う役割には、指導・勧告・公表とし (27条、28条)、市民への健康被害や地下水障害などが想定される土壌汚染関係の命令違反や地下水採取制限の命令違反などには、罰則(第32条、33 条、34条)を設けています。

 日本共産党は、地下水を『公水』と位置づけ、涵養地域への開発規制、大口地下水汲み上げ事業者の公表と地下水保全協力金の徴収などを提案してきました。 また、節水努力が報われるように、少ない利用者に配慮した上・下水道料金体系への転換を要求しています。引き続き、地下水保全のために、県や周辺市町村と の連携、国の地下水保全対策の法制化などを求めがんばります。

2007年12月2日発行 (589号)

あなたはどんな熊本市を望みますか?
まちづくりの基本理念『基本構想審議会素案』がまとまる

 このほど、基本構想審議会において、熊本市の今後10年間の「まちづくりの理念」、「めざすまちの姿」等を定めた「熊本市第6次総合計画基本構想(審議 会素案)」がまとめられました。
 今後の予定として、来年1月に基本構想審議会案が市長に答申され、2月から3月にかけてパブリックコメントが行われます。また、3月市議会で説明が行わ れ、6月議会に提案される予定です。

新たに位置づけられた「政令市実現」「州都構想」
 素案は、「地下水を湛え、熊本城を中心とした賑わい、九州中央の交流拠点をイメージした『湧々(わくわく)都市』を目指すとしています。
 また、地域コミュニティの活性化、保健・福祉の充実、子育て支援、産業・経済の振興等々の基本方針が掲げられていますが、こうした構想を推進するための 具体的な方法として新たに「政令市実現」が位置づけられました。

これまでの市政の検証・財政計画の明確化は不可欠
  九州新幹線開業に合わせ急ピッチに進められる駅前再開発、政令市を視野に行われる合併――いずれも多くの投資が必要です。一方で、県内一高い熊本市の国民 健康保険料、乳幼児医療費の無料化も県内自治体との比較では低い水準です。
 福祉も教育も開発も政令市も掲げられる基本構想素案。
 全てのことが両立できうるのか、これまでの市政運営の検証をすすめると同時に、今後の財政計画の見通しなど明らかにする必要があります。

上野みえこ議員の一般質問
12月12日(水)午後2時より・議会棟5階本会議場
【質問項目】
1、 医療・福祉
 ・ 国民健康保険
 ・ 介護保険        
 ・ 障害者自立支援法   ほか
2、 子育て・教育
 ・ 保育(認可外保育園への支援)
 ・少人数学級
3、 まちづくり
 ・ 電磁波問題 
 ・ マンション建設とまちづくり条例  
 ・ 駅周辺のまちづくり 
4、 めざしたい熊本の姿
 ・ 合併・政令指定都市問題  
 ・ 第6次基本構想
5、 その他

どなたでも、傍聴できます。
ご意見をお寄せください。

もう黙っておれない!
「お金の切れ目が命の切れ目」の国保


          収入別相談件数
 

多重債務の最大の要因は経済的困難
熊本クレ・サラ・日掛け被害をなくす会  吉田洋一 氏
 借金は個人だけの責任ではありません。借金せざるを得ない現実があります。多重債務相談の約4割は、月額10万円以下の収入です。最近の相談者の特徴 は、パート・アルバイトの若い人や高齢者が増えてきたことです。あきらめないで闘う中で、『金利の引き下げ』が実現しました。多重債務問題に取り組んでき た弁護士や司法書士も、最大要因である貧困や生活保護問題に取り組み始めています。国は、生活保護基準の引き下げを狙っています。憲法25条を生かすため に、力を合わせましょう。
 「ヤミ金は違法です。苦しんでいる方はおられませんか。1円も払う必要はありません」・・最後に吉田さんが強調されました。
 吉田さんの相談所は  TEL 351−7400 です。

高い国保料の引き下げとすべての世帯に保険証を!
 熊本市の国保の問題は、第1が、国保料が、県下で一番高く、払いたくとも払えないこと、第2は、滞納者に対する機械的な制裁措置として3ヶ月、6ヶ月の 短期保険証を日本で一番多く発行していることです。
 「一般会計の繰入れを増やし、払える保険料に引き下げさせ、医療の現場からの報告のように、短期保険証から無保険状態になっているすべての世帯に保険証 を発行させましょう!」と市議団から訴えました。


病気になっても治療が受けられない!〜医療現場から告発
(事例1)短期保険証から無保険になり高血圧治療ができなかったAさん
 健康診断で高血圧と診断され、治療を受けていたAさん(50歳女性)が、治療中断となりました。ハガキで受診を進めたところ、無保険になり、受診できな いことが判明しました。Aさん夫婦は、給料の殆どをヤミ金からの借金返済にあて、国保料が滞納になりました。分割納付することで、短期保険証が発行されま したが、約束の金額も、払えなくなり、今年1月からは保険証の更新ができず、無保険状態でした。中断により、薬を飲まなかったために、最高血圧が187〜 最低血圧110と上がり、このままでは、脳卒中が心配されました。保険証を発行してもらい、治療を再開できました。

(事例2)日雇い労働で無保険状態、必要な治療が受けられないBさん
 Bさん(52歳男性)は、日雇い労働者です。2年前から収入が減り、国民健康保険料が払えず無保険状態でした。尿管結石の痛みがあり、短期保険証を発行 してもらい、泌尿器科を受診しました。病院では、入院・手術を勧められましたが、治療費が払えず、薬で抑えています。左足の痛みもあり、閉塞性動脈硬化症 と診断され、血管外科を紹介されましたが、医療費が払えず、専門医を受診することができていません。

 熊本市民連は、11月21日、「県下一高い国保料の引き下げを実現しよう!」と『国保問題から見えてくる現代の貧困を考えるシンポジューム』を開催しま した。多重債務問題や医療現場からの実態報告があり、市議団からは「熊本市国保の問題と解決」を提起し、国保料引き下げへの決意を新たにしました。

  【控室から】
 子どもの成長を支える保護者と教師の連携              上野 みえこ

 十一月末、阿蘇で、九州の私立学校の子ども・教師・保護者が集まり学びあう教育研究集会が開かれました。子どもたちや先生のダンスによるアトラクション に始まり、講演は「子どもたちの未来は大丈夫?」と題した漫画家・石坂啓さんのお話。その後、「教育に公平を」という集会のテーマに沿っての分科会となり ました。
 私の参加した分科会は、子どもの成長を支える「教師と保護者の連携」について考える会でした。学級通信や、家庭訪問・懇談会など、形はさまざまですが、 いかに実りある連携にするのか、それぞれの立場から熱心に意見交換しました。特に、私が胸を打たれたのは、若い先生がいろんな困難を乗り越え、子どもや保 護者との関係をつくっていかれた経験でした。社会の厳しさを映して、子どもも大人もさまざまな困難を抱え、一口に連携といっても、簡単ではありません。言 葉に尽くせない苦労もしながら心通う人間関係をつくる、学校現場での先生方の集団の知恵と努力が、保護者との連携となり、子どもたちを育てる力になってい るようです。先生方の日頃のご努力に、「力」をいただいた二日間でした。

連絡先

・日本共産党熊本市議団 熊本市手取本町1−1 議会棟3階
電話 328−2656   FAX 359−5047
メール: kumamsu@gamma.ocn.ne.jp
ホームページ https://www.jcp-kumamoto.com/