市議会だより 2007年11月発行分





2007年11月25日 (588号)

来月4月スタート  後期高齢者医療制度
保険料などが広域連合議会で可決
 11月19日、熊本県後期高齢者医療広域連合議会が開かれ、保険料率などを定めた条例などが可決されました。
 来年4月から、75歳以上の方は、現在加入している医療保険から脱退し、新たにつくられる後期高齢者医療制度に入ることになります。
 県内の保険料の平均は、年77600円。国が試算した全国平均77400円より3200円高い保険料です。扶養家族で負担がなかった方も、半年以後は保 険料が発生し、保険料を払えない方には資格証明書(10割負担)なども発行されます。
 日本共産党は、制度の中止・凍結を求めると同時に、減免制度の充実を求めています。


単身者の後期高齢保険料額
年金収入  保険料 
   14010円
 50万円  14010円
 100万円  14010円
 150万円  14010円
 200万円  77874円
 250万円  130314円

※世帯主の場合

第4回定例市議会の日程が決まりました
 市議会の日程が、下記のとおり決定しました。請願、陳情は12月10日の午後5時までに提出をお願いします。
12月10日 開会・提案理由説明
    12日〜14日 一般質問
    18日  委員会
    21日 本会議・質疑・討論等

上野みえこ議員が一般質問を行ないます
 上野みえこ議員が一般質問を行います。ご意見・ご要望がありましたら、ぜひお寄せください。
また、傍聴においでいただきますようお願いいたします。
日 時
12月12日(水)
午後2時の予定です

議会運営委員会視察報告
議会運営委員会では、11月14日、15日にわたって川崎市・仙台市議会の調査を行い、益田牧子議員が参加しました。特徴を報告します。

川崎市議会:市民の声を大切にし た議会運営
費用弁償は公共交通による実費支給に改善
 川崎市議会では、費用弁償は、1日7000円から、公共交通機関(鉄道・路線バス)利用換算による実費支給に、07年11月から引き下げられていまし た。歩いて登庁する場合は0円、最高支給額は、1340円とのことでした。
 政務調査費は、会派交付で、議員1人当たり月額45万円支給されています。収支報告書への領収書添付は、国に準じて5万円以上とのことでした。日本共産 党市議団は、1円からの領収書の添付を要求しておられました。議会事務局からは、「個別外部監査が実施されており、大きく変わるのではないか」との話でし た。

請願・視察は現地調査を行うなどていねいに審査し、報告
 一番感心したのは、市民からの請願・陳情に対する議会の対応です。閉会中も、常任委員会で審査を行い、マンション建設などの場合は、現地調査を実施し、 ていねいな審議が行われるとのことでした。直接委員会室で傍聴でき、その結果は、請願・陳情共に、提出した市民に報告されています。(熊本市の場合は、請 願の場合のみ結果報告)
 代表質問制を採用し、各議員の一般質問は、回数や時間の制限もないものの、答弁を含め、概ね1人30分程度とし、1日14人、63人中55人の議員が地 元の要望などを質問するとのことでした。
 議場には、日の丸もなく、議長の演壇も低く、答弁席には、市民オンブズマンの席もあり、市民参加・民主主義の成熟度を感じました。

川崎市:人口135万人(1972年4月100万都市となり、政令市)
議会会派構成:自民党18人、民主党18人、公明党14人、日本共産党10人、ネットワーク2人、無所属1人 計63人

仙台市議会、当初予算を全員参加 で11日間論議
 仙台市議会の一番の特徴は、全員参加での予算及び関連条例などの審査を11日間掛けて行い、決算審査も、議会選出の監査委員2名を除いて、58名の参加 で、本会議と同じように、会派代表による通告による質疑が行われています。
 費用弁償は1日1万円、政務調査費については、改選後の07年6月に議長の下に、検討会議が設置され、10月2日に『答申』、現在、『条例等整備会議』 を設置し、検討中とのことでした。ちなみに、交付対象は会派、交付額は、1人当たり月額38万円です。
 本会議場には、日の丸が掲げられていました。熊本市同様に、議会の多数で押切られたようです。

仙台市:人口102万人(1989年合併により、政令市となる)
市議会の会派構成:改革ネット・自民20人、民主クラブ12人、きぼう8人、公明党8人、日本共産党6人、社民党6人 計60人

熊本市議会では政務調査費の使途基準・領収書公開を検討中
 熊本市議会では、政務調査費を透明にする会から出された『政務調査費の透明化に関する請願』(すべての領収書原本の添付・公開、使途基準の明確化、禁止 項目の明文化)を受け、議会活性化検討会での論議が行われています。(会議は、公開を要求しましたが、非公開で行われています)
 日本共産党市議団は、『領収書原本を1円からの添付公開』『交付対象を会派も対象にすること』『議長の調査』などを明記した政務調査費の交付に関する条 例の改正案を12月議会に提出することを提案しています。
 使途基準については、実費弁償を原則とし、『支出できない禁止項目』を明確にし、事務所費、人件費などについては、項目別運用指針を明らかにすることを 要望しています。

 久しぶりの野球            なすまどか

 先日、市議会野球部と市役所野球部との交流試合が行われました。幸山市長はじめ局長の方々もユニホームに袖を通され、議会の雰囲気とはまた違い、真剣な なかにも和気藹々とした雰囲気のなかで試合が行われました。私自身、高校までは甲子園を目指す球児でした。十数年ぶりの野球。頭のイメージは高校時代のス ピーディーな動き。しかしイメージについていけない運動不足の体。このギャップに悩まされながらも、試合を楽しむことが出来ました。心残りは最終回。投手 の幸山市長との対決です。力んだスイングにボールはバットの芯をはずれ、センターフライ。この試合で一番くやしいと思った瞬間です。結果は、1点差で議会 が負けてしまいましたが、会派を超え、また、議員と執行部の立場を超え、野球を楽しみながら多くの方と交流ができた貴重な時間でした。
 さあ、まもなく12月議会も始まります。合併・政令市問題、駅前再開発、暮らしと福祉の充実等々、取り組むべき課題は山積しています。野球とはまた違っ た緊張感を持って、全力で臨みたいと思います。

2007年11月18日 (587号)

幸山市長に、2008年度の予算要望
いのち・暮らしを大切にする予算に!
 11月12日、党熊本地区委員会・市議団で、幸山市長に対し、来年度の予算編成についての要望を行いました。
 国のすすめる庶民増税や社会保障のあいつぐ改悪による負担増やサービスの切りすて、非正規雇用のひろがりによるワーキングプアの増大など、市民の暮らし はたいへん厳しい中にあります。お年寄りや障害者、母子父子家庭や経済的困難を抱えた方々に配慮し、いのちや暮らしを大切にする予算編成を強く求めまし た。
 幸山市長は、「格差や貧困、ワーキングプアについては認識しているので、できるだけ応えていきたい」と答えました。

【主な要望】
・ 国民健康保険料の引下げや機械的な短期保険証の発行中止
・ 介護保険や障害者自立支援法の負担軽減、サービスの拡充
・ 憲法25条の理念が生きる生活保護制度の運用(申請権の保障や車の保有)
・ さくらカードの障害者無料化
・ 認可外保育園への助成拡充
・ 妊産婦検診の補助拡充
・ 多重債務対策の充実
・ 少人数学級の拡充他、教育の充実
・ 駅前東A地区再開発ビルの建設中止
・ 大型店の出店規制と、地域商店街支援
・ 市営住宅の改修・修繕予算の拡充
この他、政令市や行政改革についても要望。


国民健康保険で、厚生労働省は「短期保険証の機械的発行はダメ!」
10月29・30日、いのち暮らしネットのみなさんとともに、各分野の要求を国の各省庁に届けました。

【国民健康保険】
 熊本市の国民健康保険料滞納者に対する資格証明書・短期保険証発行(制裁率)は、全国一です。それは、機械的な短期保険証の交付によるものです。短期保 険証交付世帯は、期限がきても更新ができないため、多くの人が無保険状態になっています。(昨年11月には9000世帯)
 厚生労働省は、これまで2度にわたって「資格証明書や短期保険証は、交付基準に基いて一律に交付してはならない」との通知を出しており、
「機械的な短期保険証の発行はダメです。そのようなことは指導していない」と答えました。
 市議団としては、市に対し是正の指導を行うことを求めました。

【学校施設耐震化】
 学校耐震化の促進については、 「国としても、学校施設耐震化は最重要課題に位置付けている」との回答でしたので、国の補助率の引上げと、補助単価の引上げを求めました。

【小中学校の冷暖房設備設置】
 熊本市は、全国一ともいえる暑さでありながら、図書室や一部の普通教室を除き、冷暖房施設設置はPTA頼みです。文部科学省は、学校施設への冷暖房設置 の必要性を認め、特別教室にしか認めていなかった冷暖房施設設置への補助を、H15年度より普通教室も補助対象としているとの回答でした。
 市としても、国の補助制度を活用して冷暖房設置をすすめるべきです。

 その他、ホームレス対策や生活保護の問題、妊産婦検診への補助、障害者自立支援法の問題など要望しました。


政令指定都市 道州制の州都で暮らしはよくなるか ご一緒に考えてみませんか?
  市政だより、市のホームページをみていると、政令市に移行すれば、住民サービスの向上、強い財政基盤、九州での拠点性の確保など、まるで、バラ色の将来が 約束されたかのような感覚になります。政令指定都市移行への人口要件が80万人程度から70万人程度に緩和され、今、熊本市は、政令市に向け周辺自治体と の合併の動きを急速に進めています。
 しかしながら、政令市になれば本当に私たちの暮らしが豊かになるのでしょうか?このことについて、はっきりとした根拠が示されているわけではありませ ん。「合併すれば本当に住民サービスはよくなっているのか」「財政は豊かになるのか」など、一度立ち止まり、ご一緒に政令市について考えてみませんか?


本来の政令市移行 魅力あるまちづくり⇒人口増⇒様々な問題⇒政令 市へ

熊本市の場合 政令市をめざす(そのために)⇒人口をふやす(その ために)⇒周辺との合併

 現在の政令市、杜の都「札幌」、みなと「横浜」「神戸」、いにしえの都「京都」などのイメージは魅力的です。しかし、これらの都市は、政令市になったか ら「魅力的なまち」になったのでしょうか?政令指定都市は、県に匹敵する人口や規模をもち、歴史、文化、産業の集積された都市に、県に準ずる権限を付与す る制度です。つまりは、市民が長期にわたり、そのまちの特性をいかし、歴史や文化、産業を大事に育てるなかで、人が集まるようになり、大都市となったため に、その規模にふさわしい権限を与えなければ自治体として運営が困難となったから、政令市として特別に指定されたものです。
 熊本市の目指す政令市は、こうした過程を逆走するものです。住民合意が不十分なままでの、合併が進められることも大きな問題です。


「権限・財源」と一緒に借金も引き継ぐことに
 政令市になることで、国道・県道の維持管理、都市計画の決定、文教行政に関する事務などこれまで以上の権限が増えることは確かです。しかしながら、国 道・県道の権限委譲にともない、「石油ガス税」など、ある程度の財源は国から移譲されますが、同時に道路を建設する際の多額の借金が引き継がれることにな ります。
 今後、県と道路建設の借金についてもどの程度市が負担するのか協議されることになります。昨年から政令市に移行した堺市では、大阪府の財政が厳しいなか で、約460億円という莫大な借金を引き継ぐことになっています。

  国道・県道の権限移譲とともに引き継いだ借金
都市名   堺 市 静岡市  さいたま市 
 政令市移行時期  064  054  034
 引継ぎ期間  過去の借金全額  過去7年 間分  過去7年 間分
 引き継いだ借金  460億 円  97億 円  183億 円

合併に向けた多額の投資のツケは市民へ
 富合町との合併では、新規事業58億円、下水道整備に128億円、いまだ試算されていない上水道整備費、富合町の借金58億円と、多額の投資や借金を引 き継ぐことになります。今後、合併が進めばさらなる投資が必要です。こうした投資のツケは、私たち市民が将来にわたり背負うことになります。
 政令市・州都となって、気が付けば多額の借金。これで、住民サービスの向上、福祉の充実がはたせるでしょうか。

2007年11月11日 (586号)

政令指定都市実現の数合わせに、富合町との合 併を強行!
11月6日の熊本市議会臨時議会・日本共産党を除くすべての議員の賛成で富合町との合併を議決

来年10月の合併に、なぜ臨時議会まで開き強行するのか?
なすまどか議員が質疑

 合併の期日は、来年の10月6日です。臨時議会を開き、富合町の住民が住民投票を求める直接請求署名を無視して、合併の配置分合議案を強行することには 何の道理もありません。
富合町の住民投票を求める署名は2225筆、富合町の有権者の3割を超えています。熊本市に直せば、17万人分の署名です。その重みをしっかり受け止める べきです。

巨額な投資の合併の繰り返しを市民にどう説明するのか?
上野みえこ議員が質疑

 新市基本計画では、合併後の富合町で、新たな公共事業への投資が58億円計画されています。そ れに対する歳入が41億円で、17億円の不足です。これを合併による歳入増で賄うと言いながら、それでも足りないので、新たな借金を23億円、その利息が 4億円を超えます。
 学校施設改修 20億円
 道路整備費  10億円 など

 富合合併には、新規事業の58億円のほか、128億円の下水道整備、数十億円の水道事業(試算もされていない)などを併せれば200〜300億円の投資 が見込まれます。しかも、富合町の合併だけでは政令市へは移行できないので、新たな合併が必要です。数百億円をつぎ込む合併の繰返しは、市の財政悪化を招 き、そのツケが市民サービスにしわ寄せされることは、全国の多くの自治体で証明済みです。

政令指定都市をめざす、数合わせの合併に意義あり!
益田牧子議員が反対討論

1、 富合町での住民投票条例制定を求める直接請求の結果を待たず合併を強行することは許されません。
2、 長年培われた宇城地域の中でのつながりを断ち切る熊本市との合併には無理があります。
3、 期限をきって、合併強行のため、富合町の言うがままの協議内容です。
4、 合併の目的は、政令市実現のための数合わせです。両市町の住民のためではありません
5、 富合町の住民には、増税や国保値上げなどの負担増、熊本市は多大な投資による財政負担です。住民サービスの低下と職員数削減などのしわ寄 せがなされます。

太陽のような、あたたかい生活保護行政を!
北九州市での生活保護「取下げ指導」による餓死事件が、大きな波紋を広げています。問題点として、相談者に生活保護申請書を渡さず追い返す「波打ち際作 戦」と申請後の「取下げ」の強要があげられています。熊本市での生活保護行政を良くするために、益田牧子議員が10月25日〜27日に堺市で開催された 「第40回公的扶助研究全国セミナー」に参加しました。以下益田議員が報告します。

「目からウロコ」頑張る福祉労働者
 「貧困の根絶と人間らしい暮らしの実現を求めて」全国の福祉事務所のケースワーカー、弁護士、研究者など600人が集ったセミナー。記念講演は、多重債 務問題に取り組んで来られた木村達也弁護士でした。多重債務の背景に「貧困問題」があることに着目し、「生活保護問題対策全国会議」を立ち上げ、「生活保 護行政の改善と充実」に精力的に取り組んでいるとの心強い話がありました。
 リレートークでは、「大変だけどやりがいがある仕事。福祉事務所だよりを発行するなど、みんなで知恵を出し合い解決している」との21年のベテランケー スワーカーの発言に感動しました。不正受給をなくすためには、充分な説明と、利用者の立場に立った運用が大切。ケースワーカーは、市民の訴えに耳を傾け、 共感することが重要と強調されたのが、印象的でした。

貧困は社会的問題、生活保護申請をしてはじめて義務が発生する
 「生活保護ケースワーカーのための初級学級」では、元ケースワーカーの弁護士と大学教授からの講義を受けました。北九州での反省から、申請の「権利」が あって義務が発生し、面接における申請権保障が強調されました。
 また、「辞退届け」や「取り下げ」は、行政の自己責任の転嫁であり、行うべきではないとの厳しい指摘がありました。「家庭訪問は、相手の生活を理解し、 援助の手がかりをつかむために行うもの」「制裁的な援助ではなく、働く意欲を喚起する自立支援でなければならない。」との話しには、大いに共感・納得しま した。


多重債務を早期に発見し、一緒に解決
 京都府山城北保健福祉室では、「生活福祉だより」を発行し、「クレジットやサラ金でお金を借り、返済に困っているけれども、誰にも相談できない・・そん な方は、遠慮なく担当ケースワーカーに相談してください。弁護士や司法書士などの法律の専門機関などを利用して、一緒に問題を解決していきましょう」と呼 びかけています。また、組織的に解決するために、多重債務解決支援プログラムを作り、多重債務に陥った原因・背景を明らかにし、受給者(申請者)が抱えて いる生活問題の解決を援助しています。

【控室から】
  熊本市民の願いは?     益田牧子


 三位一体改革による地方交付税の削減という兵糧攻めが、平成の合併を促進させています。「地方分権」の受け皿づくりと称して。私のふるさとの天草市も例 外ではありません。両親も「合併して、いっちょんよかこつんなかった」と言います。
 全国の合併した多くの自治体でも、バラ色の新市計画は、破綻し、同じことが言われています。今やらなければならないことは、全国各地での合併の検証では ないかと思います。
 ところが、幸山市長は、「2010年3月の新合併特例法の期限切れまでに、政令市を目指し、70万人にしたい。富合町に続き、城南町、植木町、益城町 に、合併を働きかけたい」と公言しています。熊本市の都合のみで、相手自治体の住民自治を踏みにじる征服者の論理ではないでしょうか。市民の切実な願い は、県下一高い国保料の引き下げや、菊地郡市なみに小学3年生までの乳幼児医療費の無料化をすすめることなど暮らしを守る政治ではないでしょうか。

2007年11月4日 (585号)

富合町での住民投票結果を待たず、臨時議会で合 併を強行することは許されません!
11月1日・富合町議会、11月6日熊本市議会の臨時議会で、両市町の配置分合議案等が提案されます

住民投票前に、配置分合議案を議決することは、住民自治に反します
 富合町では、熊本市との合併の是非を問う住民投票実施のための直接請求署名が取り組まれています。そういう中で、両市町の臨時議会を開催し、配置分合議 案を議決することは住民自治を無視するものです。

合併の期日は1年後の「2008年10月6日」
あわてて臨時議会を開く必要はありません!

 提案されている配置分合議案では、合併の期日は来年10月6日です。
あと1年もありますから、何もあわててこの11月に臨時議会を開く必要はありません。12月定例議会か、3月議会でも十分間に合います。
 合併という自治体の存在そのものにかかわる重要な問題は、住民の意向を最大限尊重すべきであり、住民投票の動きを無視して、早急に配置分合議案を議決し ようとすることこそ、異常です。

「6年半」もの長期にわたる議員の定数特例を認める
 ここ数年、大都市部で行われた合併では例を見ない「6年半」にも及ぶ長期の議員任期の定数特例です。
* 定数1の増員選挙を行います。合併後の残りの任期に加え、もう1期延長されます。(合計6年半)

富合町から「65億円」の借金を引き継ぎます
 富合町の借金は「65億5000万円」です。臨時議会には、この借金すべてを引き継ぐ議案も併せて提案されます。

年間「10億円」の工事契約を特例区の事業をすることは異例
 地域の特色生かした事業をすすめるために設ける特例区に、年間10億円もの工事契約を行う「新幹線車輌基地関連受託事業」を加えることは、全国的にも異 例です。公正な契約を実施するためにも特例区事業とすべきではありません。

(視察報告/合併・政令指定都市の検証  その2)
新潟市・浜松市の政令指定都市以降から半年、あいつぐ負担増をサービス切捨て

【新潟市の場合】 (2005年10月までに、4市5町5村を合併)
政令市になって、ゴミ有料化や民間委託が次々・・・
 来年6月からは一般家庭ゴミが有料化されます。コスト削減のため、公立保育園の民営化、学校給食調理の民間委託もすすめられています。民間委託の一方、 5年間で660人の職員削減も行われ、臨時職員やパート職員が増やされています。

合併したら学童保育もサービス低下!
 合併後は、原則として各種制度は新潟市に統一という方針で、これまで旧市町村で4年生以上も受け入れていた学童保育は3年生までしか利用できなくなりま した。
 一方で、統一できない施策もあり、それぞれの旧市町村の住民は、地域の実情を考慮した一市多制度も望んでいます。

政令市移行にともなう大型プロジェクトに巨額の投資・・・8年間で 6500億円
 政令市移行後の8年間で、総額6500億円の公共事業を推進する計画です。その規模は、合併した旧15市町村の公共事業が最盛期だった1992〜99年 の公共事業費合計額6,092億円上回るものです。
 その中心は総額1445億円の新潟駅周辺整備事業で、その他、新潟空港滑走路3000メートル化、空港への新幹線乗り入れ事業など、不要不急の事業が目 白押しです。

政令市移行後、半年もしないうちに合併建設計画の見直し
  政令市移行から半年も経たない9月議会で、旧市町村ごとの合併建設計画の見直し方針が示されました。
 合併建設計画の事業費は2007年度186億円、これが来年は272億円と年々増え続け、2010年度・2011年度には最高の年間294億円です。
 新潟市に限らず、全国どの自治体でも、財政上の理由から見直しを迫られています。

【浜松市の場合】 (2005年7月、3市8町1村を合併)
旧市町村を大切にする「一市多制度」が合併後一転して「浜松市はひ とつ」の制度統一に
 合併して、全国2番目の市域面積になった浜松市では、合併にあたって、旧市町村の実情や条件を大切にするということで「一市多制度」が強調されていまし たが、合併後に一転して「浜松市はひとつ」ということで、旧市町村を大切にした事業が次々と取り止められています。
・ 旧市町村ごとに設けられた「地域協議会」はたったの1年で廃止
・ 旧市町村の教育委員会を地域の「教育事務所・分室」で残されましたが、これもすべて廃止
・ 山間地域を中心にサービス低下にならないようにと残された合併浄化槽設置補助金も再編廃止
(100万円の補助金が30万円に削減されるところもあります)
・ 選挙の投票所も、山間部などでは半分にも減らされます
  *一番遠い人は、投票所まで22qです。
・ 浜松・天竜の2ヵ所にあった「消費生活センター」は1ヵ所に統廃合されます

国民健康保険料・介護保険料の値上げ、学校図書購入費の大幅削減など負担増やサービス切捨ては、御多聞にもれず次々と

合併に賛成した議員までもが、「合併して何もいいことはなかった」
 先に訪問した静岡市でもそうでしたが、新潟市でも、浜松市でも、合併賛成派の議員からも「合併して何もいいことはなかった」とのつぶやきが聞こえている そうです。

【控室から】
  「住民不在」         上野 みえこ


 熊本市・富合町の合併協議ほど「住民不在」を感じたことはありませんでした。
 私は、選挙後の約半年間、法定協議会の議員部会に所属しました。この議員部会は、「非公開」で開催されました。熊本市の会議は原則公開です。それなのに 公式な会議が非公開、公開を求めましたが他の委員の反対で公開されませんでした。議員部会に付託された、期日・議員の定数任期・地域自治組織や一部事務組 合など、重要な事案の論議が密室の中で行われました。合併特例区問題論議の際、特例区の事務について、理解を深めるための詳細な資料の提供を求めました が、非公開のものではないにもかかわらず、委員会への提出は拒否されました。私の質疑に対し、「そういう突っ込んだ議論をする場ではない」と発言を抑制さ れる場面もありました。
 しかし、その突っ込んだ論議をしないままに、合併の協議項目はシャンシャンで承認されていきました。合併によって、市の財政負担はどうなるのか、住民 サービスはどう変わるのか、多くのことが住民には知らされないまま、合併がすすむことに怒りと疑問でいっぱいです。

連絡先

・日本共産党熊本市議団 熊本市手取本町1−1 議会棟3階
電話 328−2656   FAX 359−5047
メール: kumamsu@gamma.ocn.ne.jp
ホームページ https://www.jcp-kumamoto.com/