議会での活動・一般質問など



2018年3月議会・当初予算関連しめくくり質疑

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2018年3月議会・当初予算関連しめくくり質疑
 上野みえこ 2018年3月20日

 今回の当初予算には、花畑別館跡地利活用検討経費・3,020万円に加えて、熊本城ホール整備経費・72億8500万円、桜町再開発事業・41億9670万円、シンボルプロムナード等整備事業・1億5300万円等の中心市街地活性化にかかる各種事業費予算が提案されています。花畑別館跡地利活用を中心に、これまでの議論を踏まえ、お尋ねいたします。
 はじめに、花畑町別館跡地利活用の検討経緯について伺います。
 1、公共施設マネジメント特別委員会では、「昨年夏にみずほ銀行に話を持ち掛けた」という説明があったそうですが、最初話を持ち掛けたのはいつで、その後何回くらい打ち合わせ・お話をされたのでしょうか。
 2、みずほ銀行との共同整備ということは、これまで議会に全く説明されていませんでした。協議を行う過程の中で、議会や市民への説明を行うべきではなかったでしょうか。なぜされなかったのか、理由をお聞かせください。
 3、今回、公共施設マネジメント特別委員会に出された基本構想(素案)には、隣接地権者・みずほ銀行との共同整備による公民連携手法による4つの整備パターンが示されています。共同整備に関するみずほ銀行との合意形成は、どの程度行われているのでしょうか。
 4、昨年3月の一般質問で市長は、「解体後の跡地利用は検討中」と答弁されていました。3月議会の後、みずほ銀行に話をするまで、どのような検討をされてきたのか、その経緯をご説明ください。また、その時点でなぜ議会や市民への説明をされなかったのでしょうか。
 市長にお尋ねいたします。
  (答弁)
 
 答弁では、隣接地権者・みずほ銀行に昨年7月に共同整備の可能性に関して確認したということでしたが、これまで何回くらい打ち合わせをされてきたのか、お答えがありませんでした。おおよそ何回くらいのお話をされたのでしょうか。
  (答弁)
 
 ・・・・・(お答えがありませんが、)民間事業者であるみずほ銀行と数回にわたり何らかの話をされてきたことは間違いありません。そうでなければ、民間と一体になった整備をすすめるという方針で、基本構想に民間一体型で公民連携手法による整備パターンを4つも示すなどできないはずです。
 昨年の3月議会からまる1年、みずほ銀行に打診された昨年7月からでもすでに7カ月以上が経過をしているのに、その間、議会に対して何ら説明がされていません。市長は、昨年3月の一般質問に対し、「適宜議会を初め市民の皆様に対し丁寧に説明してまいりたいと考えております」と答弁なさったことはお忘れになったのでしょうか。1年間、何の経過説明もしないで予算を提案されたことは、説明責任が抜け落ちていると思われますが、いかがでしょうか。市長の見解を伺います。
  (答弁)
 
 ・・・・・・・・・・
 
 次に、花畑町別館跡地利活用の手法等について、お尋ねいたします。
 1、公民連携手法による整備を検討していく理由として、ライフサイクルコストの削減や中心市街地の賑わい創出等に資する機能を誘導する効果を発揮させることができることを挙げられていますが、具体的にどのような効果があるのか、ご説明ください。
 2、共同整備による公民連携手法で新たなビルを建設する場合、どのような利活用によって、賑わい創出につながっていくのでしょうか。また、そのように判断された根拠をお示しください。
 3、公民連携手法による4つのパターンで財政的な収支見通しが示されていますが、花畑町別館跡地だけで直営による従来方式による延べ床面積16,500平方メートルのビルを建設した場合の50年間の収支見通しはどのようになるのでしょうか。
 4、「花畑町別館跡地だけで直営による従来方式」にするのか、「共同整備による公民連携手法」ですすめていくのか、議会や市民への説明を行い、意見を聞くべきではないでしょうか。
 5、整備にあたって、国庫補助の活用見通しはどのようになっているでしょうか。
 6、新ビルの高さは、海抜何メートルを想定されているのでしょうか。
 市長ならびに政策局長に伺います。
  (答弁)
 
 市長は、公民連携手法による整備の具体的な効果については、「今後行われる利活用検討経費による整備内容の整理や整備手法ごとのトータルコストを精査する」という答弁をされました。それは当然のことですが、なぜ公民連携手法による整備が効果的であるのか、基本構想に「公民連携手法を前提に検討する」と書かれた今の時点で、基本的な点くらいは説明すべきです。
 花畑町別館跡地だけでの直営の従来方式による整備の収支は説明がありませんが、財政面で必ずしも公民連携手法が大きく有利になるとは言い切れませんし、私たち議会には判断の材料すらいただいておらず、判断することができません。きちんと比較し、判断できるような説明こそ必要ですが、議会に意見を求めることなく、現在示されている「基本構想」(案)を見る限り、「公民連携手法先にありき」となっている点は問題だと思います。それぞれの手法における収支見通しやメリット・デメリットを示し、議会へも意見を求めながら、利活用についての検討をすすめていくべきであり、今回の利活用検討経費の予算提案は、議会や市民をあまりにも軽視したすすめ方ではなかったかと思います。
 また、公民連携手法ですすめていく場合の問題点は、事業全体が民間の儲けという目的に沿って展開されていくことです。財政の平準化やコスト削減、街の賑わい創出など、前向きな面が強調されて事業がすすめられていきますが、民間事業となれば、桜町再開発事業がそうであるように、許される条件の範囲内で、最大限の高度利用が図られ、総実用面積がより多く創出されます。ビルの高さは、海抜55メートルの範囲を超えないとのお答えでしたが、8階というのが整備イメージに書かれており、景観形成基準ギリギリのところでビルの高さが決められるのではないかと思います。高度利用によってフロアー面積が広がれば、建設を行う民間事業者にとっては、大きなメリットとなっていくでしょうが、熊本城の目の前に、敷地面積も広いことからボリュームのある、景観基準ギリギリの高いビルを建てることについては、市民のみなさんの中にも様々な意見があるのではないでしょうか。この点については、市民のみなさんの意見を十分に聞くべき必要があることを指摘しておきます。
 そこで、市長に1点伺います。
 市長は先ほど、今後、「今回示した基本構想案に沿い、議会はもとより利用者や関係団体等のご意見を拝聴しながら、具体的に検討をすすめていく」と答弁されました。私たち議会や関係者のみなさんが意見を述べていくためには、事業の内容について、きちんとした情報を提供していただくことなしには、適切な意見を述べていくことはできません。これまで、民間主導の開発事業は、事業費の負担はもちろん、公が様々に関与する事業であるにもかかわらず、民間事業であることを理由に、その内容が十分に説明されないことが多々ありました。議会や関係者の意見を聞くというのであれば、それができるような情報提供をきちんと行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
  (答弁)
 
 ・・・・・・・・・・・・・・・
  続いて、中心市街地活性化策に伴う財政見通し等について伺います。
 中心市街地の活性化にかかわって実施していく事業は、桜町地区再開発、熊本城ホール整備、シンボルプロムナード等整備、花畑町別館跡地整備など、今後数年間のうちにかなりの費用をつぎ込んですすめられます。2022年度までの財政の中期見通しの年度ごとの投資的経費にどのように反映されているのでしょうか。また、現行の財政の中期見通しには含まれないものの、その後の本市財政に反映されてくるものもあります。長期にわたり多額の経費をつぎ込んでいく事業であることから、今後の本市財政にどのように影響してくるのか、長期にわたる財政見通しを作成し、議会や市民に対し、十分に説明すべきではないでしょうか。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 2018年度から2022年度までの5年間の現行中期財政見通しでは、熊本地震分を除く、各年度の投資的経費額は、2019年度461億円をピークに、どの年度も400億円を超えています。
 市長は、長期見通しの必要性について、明確に答弁なさいませんでしたが、「今後とも、本市財政の将来的な見通しの精度を高めながら、計画的な財政運営に努めるとともに、市民や議会のみなさまにお示しし、しっかりと説明してまいる」と答弁されました。しかし、現行の中期見通しにおいてすら、2020年度以降は、投資的経費の積算を「直近3カ年の決算の平均値である400億円を目安に推移していくものと整理している」と説明されましたが、これは希望的な見通しによる説明であると言わざるを得ません。
 そこで市長に伺いますが、私は、財政について長期的な見通しを持ち、何らかの形で示していくべきであると考えています。市長が「将来的な見通しの精度を高めながら、計画的な財政運営に努める」と言われるのであれば、せめて現行の中期財政見通しにおいては、投資的経費も必要な事業費を積み上げて、その内容を市民に示していくべきではないかと思います。そうでなければ、精度は上がりません。いかがでしょうか。
 
 (答弁)
 
 ・・・・・・・・・・・・・・・
 大雑把な説明や見通しで、大きな事業をどんどんすすめることにはたいへん危惧します。
 過去には、超豪華なハコモノ建設や用地買収、大型開発など様々な無駄遣いがあり、市の財政を悪化させてきました。そのたびに、財政健全化に取り組みましたが、縮減されてきたのは、福祉や暮らしの予算でした。一方、ハコモノ建設等によって増えた公共施設やインフラ等の老朽化によって、維持管理・修繕費が市の財政を圧迫する時代となりました。無駄を正すだけでは、財政状況は改善しない、合わせて公共施設マネジメントにも取り組む必要性に迫られています。
 そういう中で、桜町再開発・熊本城ホール整備事業への補助金含めて450億円の投資、20億円もかかるシンボルプロムナード等整備事業などがすすめられ、加えて、花畑町別館跡地への100億円規模のビル建設に熊本市もかかわっていくとなれば、市の財政を心配するのは私だけではないと思います。
 最後に一つ市長に伺います。今後、花畑町別館の跡地利用が公民連携手法で、民間事業者によって整備されていくとなれば、計画の段階から十分に説明が行われていくのか、契約業務が公に準じた入札方法で行われていくのか、その情報は公開されるのか、熊本市の資産が適正価格に活用されていくのか、民間事業ではあっても、それぞれの段階において、議会や市民への十分な情報提供と説明責任、意見聴取が行われなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
 
 (答弁)
 
 ・・・・・・・・・・・・・・
 今回の質疑で指摘した点を十分に踏まえて、今後取り組んでいただくことを要望いたしまして、しめくくり質疑を終わります。

2018年第1回定例会一般質問

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2018年第1回定例会一般質問
 上野みえこ 2018年3月9日

 日本共産党熊本市議団の上野みえこです。
 熊本地震の発生から2年目を迎える年度の当初予算案が、提案されています。私ども日本共産党熊本市議団は、2月から市内全域に10万枚の議会だよりを配布し、合わせて市民アンケートに取り組んでいます。3週間余りで、約500人からの回答がありました。
 今日は、その声も紹介しながら、市民の皆さんの思いを届ける立場で質問いたします。発言通告の順序を一部入れ替えお尋ねしてまいりますので、市長ならびに執行部のみなさまには、心ある答弁をお願いいたします。
 
 それでは、熊本地震の復興からお尋ねしてまいります。
 はじめに、住いの再建支援です。
 先ほど紹介した市民アンケートでは、熊本地震での意見・要望が多数ありました。一部損壊世帯で、家の外側は修理したが、家の中までは手が回らないという方、外壁だけは修理したものの、水回りの修理はお金がかかるので、お風呂の修理に手がつかないなど、地震からやがて2年を迎えようというのに、週に何度かお風呂に入りに出かけているというお年寄りがいらっしゃいました。半壊以上で年金生活の高齢者は、資金が調達できずに自宅再建ができないという方は、多数いらっしゃいます。やむなく自宅の土地を売りに出し、復興住宅を申し込んだ方もおられます。借家で被災し、基礎支援金はもらったものの、被災した建物の立地条件もあって解体が行われないために加算支援金がもらえず、次のステップにすすめない方もいらっしゃいます。
 一つ一つの事例は様々ですが、私どもが繰り返し指摘してきましたように、一部損壊世帯に何の支援もないことと、半壊以上でも、義援金・支援金があまりにも少ないことなどが、現在のような事態を招いています。
 そこで伺います。
 第1に、私たちのアンケートでは、一部損壊世帯では、70歳代で「老後に向けて蓄えていたお金を屋根の修理等に使い果たし、まだ内壁はそのままになっている。不安が強い。」という声がありました。半壊世帯でも「修繕はまだ途中で、外壁は8割終わったが、家の中は諦めた」という声がありました。先ほど紹介した、お風呂の修理すらできていないというような、普通の日常生活を送ることができない方々が、まだ多数いらっしゃる状況を放置していいのでしょうか。せめて普通の生活ができるよう、修繕等への速やかな対応が必要ではないでしょうか。
 第2に、一部損壊世帯には、3万円、あるいは10万円というわずかな義援金支給があったものの、すべてを被災者として位置付けた支援は行われませんでした。半壊以上の世帯でも、壊れた住宅を修理、あるいは立て直すに十分な支援は行われず、復旧道半ばで行き詰っている世帯が多数いらっしゃいます。一部損壊全体を対象にした支援を実施すること、また、半壊以上についても基金を使って、復旧に足る支援金の上乗せ・拡充を行うべきではないでしょうか。
 第3に、全壊で解体・建て替えをした場合、義援金・支援金合わせ最高でも382万円しか出ません。あまりに少ない支援金制度を、住いの再建が可能となるような金額へと抜本的に拡充するよう国に求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 市民アンケートには、「一部損壊で、公的支援が全くなく、自己資金にて修理を行い、老後のための資金を回したため、余裕が全くなく、心細くなった」「屋根の修理に140万円かかりました。10万円では助けになりません」という声がありましたが、今のままでは、修理や再建ができずに暮らしていくことになる方が多数おられます。すべての方が被災前の暮らしに戻るために、支援の抜本的拡充を行い、復興基金を使って、様々な事情に応えられるような施策を展開していただくようお願いいたします。
 
 次に、みなし仮設の期限延長について伺います。
 みなし仮設の期限延長については、今年4月に満了を迎える1,120世帯に、昨年案内が送られ、今年1月31日時点で581件の延長申出でがあり、430件が許可されました。一方、延長を不可とされた世帯が66世帯あり、審査保留が85件です。その理由は、「現在の住まいをそのまま恒久的なものとして再建する世帯」や「自力再建が可能と推定できる収入の世帯」だからということでした。私どものアンケートには、「東日本・阪神大震災の場合は、無条件で3年延長されたのに、熊本は条件付きで1年延長というのは厳しすぎる。」という意見がありました。同じ被災者が、災害によって、制度の運用が変えられ、同じ支援が受けられないのは、公平性を欠き、支援から被災者を遠ざけるものでしかありません。
 第1に、東日本大震災では、仮設・みなし仮設は、2年の入居期限が過ぎた後、無条件で3年間の期限延長が行われました。熊本地震では、なぜわずか1年の期限延長に条件が付けられたのでしょうか。無条件で延長するという検討はされなかったのでしょうか。それはなぜでしょうか。
 第2に、被災者生活再建支援金は、今年1月末時点で、基礎支援金が21,563人に支給されながら、加算支援金はその4割の8,644人にしか支給されていません。6割の人が加算支援金を受け取っていないということは、とりもなおさず、住いの再建道半ばという人が圧倒的に多いということの証明です。そういう状況の中で、仮設・みなし仮設の延長は、当然必要となってくることです。住いの再建には、経済的な負担にとどまらない、様々な困難があり、被災者の方々は大変苦労されています。希望される方には無条件で期限が延長できるよう、今からでも県や国と協議を行い、無条件の期限延長を実施すべきではないでしょうか。
 政策局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 東日本大震災では、無条件で3年も延長されたのに、なぜ、熊本では条件付きになるのでしょうか。罹災証明の基準は全国統一です。同じ損壊の判定を受けて、災害によって対応が区別されるようなことがあってはなりません。条件を付けてみなし仮設の延長を認めないというのは、今後熊本で延長を申請される方はもちろん、今後起こる災害へも影響する、極めて重大な問題です。市として、国・県へ見直しを求めていただくよう要望いたします。
 
 ・私道復旧の補助事業拡充
 私道復旧の支援拡充は、以前も要望しましたが、現在、通常の「私道整備補助金」に加えて、熊本地震に被災した私道の復旧を目的とした「私道復旧補助金」が基金事業として実施されています。しかし、2017年度に補助が行われたのは、わずか2件でした。せっかく作られた「私道復旧補助金」は十分活用されず、被災した私道は無数あるのに、実際には手付かずの状況ではないかと思います。液状化の発生した南区でも、私道復旧整備への助成拡充をもとめる声が出されていましたが、道路が傷んでいる地域は、建物や地盤の被害が大きく、自宅の復旧に多額の費用が必要となるために、隣接道路等までの復旧にはお金を出せないというのが実情のようです。復旧補助金は、現状復旧に限られることや、上限額が1000万円に引き上げられたものの、補助率75%が引き上げられていないために、事業費額が大きくなるほど地元負担が増えて、活用しにくくなるなどの問題があります。私道は、隣接地の住民はもちろん、広く地域住民が利用する公道です。被災したままに放置しておけば、歩行者が転倒するなどの事故のリスクも上がるので、一刻も早く復旧すべきです。速やかな復旧のために、補助率を引き上げること、使いやすい道路となるよう柔軟な運用をすべきと思いますが、いかがでしょうか。
 都市建設局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 私道の速やかな復旧には、地元も負担軽減が必要です。補助率引き上げを是非お願い致します。
 ・歴史的建造物等の復旧・存続
 昭和25年以前に伝統工法で建てられた木造建造物、町家等は、熊本地震によって大きな被害を受け、川尻地区では8割近くが残っているものの、新町・古町地区では、地震前に359棟あった町家が昨年12月には201棟へと、4割以上がなくなっています。今後熊本城を復旧し、歴史文化と伝統が息づくまちづくりをすすめていくためにも、城下町を形成する新町・古町等の歴史的な街並み、町家等を復旧・存続させ、後世に伝えていくことは極めて重要です。そこで、お尋ねいたします。
 第1に、「城下町の風情を感じられる町並みづくり事業区域」である新町・古町地区においては、158棟もの町家がすでになくなり、「歴史を活かした町並みづくり事業区域」の町並み協定地区内・川尻地区でも、26棟の町家がなくなっています。地域の伝統文化を保存・継承しながら、熊本の魅力を創造・発信していくことは、「第7次総合計画」に掲げられ、2010年に策定された「熊本市文化芸術振興指針」でも、「城下町の趣を残す町並みや後世に残すべき優れた建造物を保存し、活用する取り組みをすすめること」が謳われています。大きな被害を受けながらも、現在残っている町家等の歴史的建造物は、城下町・熊本の貴重な財産として残す努力が必要ではないでしょうか。
 第2に、町家を含む文化財の復旧では、現在、県を窓口とした文化財災害復旧事業があり、未指定文化財でも登録有形文化財となることの同意があれば事業費の3分の2の補助が受けられます。また、生業のために利用している部分は、グループ補助金の活用で4分の3の助成が受けられます。今年1月から募集が始まった町並み復旧」保存支援経費では、補助の上限を1500万円として2分の1補助が行われます。しかし、これらの助成制度は、同じ対象部分に重複して利用することができないため、歴史的町並みの中核ともいうべき、大型の建造物・町家等の場合は、所有者負担額が大きいために、補助の活用も困難です。2000万円程度の復旧費であれば、所有者負担は600万円程度ですが、復旧費が1億円を超える大型の建造物の場合は、数千万円もの所有者負担となります。歴史的町並みの中核をなす大型建造物の復旧困難な現状をどのように受け止められているでしょうか。
 第3に、所有者負担がネックとなって、歴史的町並みの中核施設がなくなっては、元も子もありません。そうならないためにも、復旧費が一定額を超える大型の町家等への支援策が必要です。所有者負担が数千万というような大きな負担となる場合、起債に対する利子補給や、起債そのものに対する何らかの支援措置、あるいは復旧した町家を観光やまちづくりなど、地域の財産として活用する場合に、活用への支援として財政的な補助をするなど、様々な支援を検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 第4に、地域住民の拠り所となっているお寺等は、大型の歴史的建造物と同様、かなりの復旧費用が必要となっています。お寺等は、宗教施設ではあっても、地域コミュニティの場として、地域住民に利用され、地域の拠り所となっており、古い歴史あるものも多く、大型の歴史建造物ともいえます。しかし、集落や自治会等が管理していない場合が多く、「地域コミュニティ施設等再建支援事業」の対象となっていません。復旧の費用は、1億円、2億円以上のところも少なくありません。屋根の修復だけで億の費用が掛かったところもあるそうです。保険や本山等からの支援以外の支援はなく、少なくないお寺等が頭を抱えておられます。暮らしや生業・地域の再生というとき、お寺のような住民の拠り所についても、被災の実態を把握し、復旧が進むように意を用いるべきではないでしょうか。
 市長ならびに、市民局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 市長は、「地域住民による文化財保護活動の支援」や「城下町としての町並み再生」を公約に掲げられています。町家等の復旧は、今の支援が精一杯だと言われますが、壊されてしまったら、城下町の魅力は激減します。文化に造詣の深い市長であっていただきたいと願う立場から、せめて借り入れに対する利子補給ぐらいは実施していただきますようお願いいたします。お寺等についても、財団の管理する基金をつくり支援するなど、検討をお願いいたします。
 熊本地震の復旧では、未だ多くの課題が残り、修理や再建が途中で止まったまま、ブルーシートさえかかった家も見受けられます。市長は、2019年度をめどに住いの再建をすすめると言われていますが、今のままでは壊れた家は元に戻りません。暮らし・生業の再建、地域の再生、健康で文化的な生活を営む権利を回復し、その人らしく生きていくことを可能とすることこそ、真の復興ではないでしょうか。最後の一人まで、復旧・復興が遂げられるような支援なくして、市長の言われる「上質な暮らし」などないということを肝に銘じていただきたいと思います。
 
 ●国民健康保険
 4月から国民健康保険財政が県へと移行します。保険料の負担増が懸念されていましたが、昨年12月、最終的に示された県の試算は、本市の保険料を、2016年と比べ、一人平均で年間8,700円も引き上げるものでした。4人世帯で、年3万5,000円もの引き上げとなることから、私ども日本共産党熊本市議団は、政令市一高い国民健康保険料をこれ以上引き上げるべきではないと、予算編成も最終版を迎えていた1月11日、緊急に大西市長へ「国民健康保険料の引上げをしないことを求める申し入れ」を行いました。その後、市が予算化して提案してきた保険料額は、一般会計繰り入れも行ったうえで、一人平均4,400円引き上げるというものでした。この引き上げ提案を見て、ますます払えない保険料になっていくと心配しています。
 そこで、伺います。
 1、国が保険料を抑えるために出していた1,700億円の熊本市への反映額、さらに、県単位化に向け、2018年度から新たに追加される国費額1,700億円の熊本市への影響額はいくらになるのでしょうか。
 2、熊本市では、2016年度からの保険料値上げによって、政令市で一番高い保険料が賦課されています。この高い保険料を今以上に引き上げないための努力は、どのようにされたのでしょうか。
 3、保険料をこれ以上引き上げないためにも、一般会計繰り入れの確保が必要だと思いますが、新年度予算で、一般会計繰り入れの赤字補てん分は、昨年度と比べて約1割、7,000万円減額され7億3,000万円となりました。国民健康保険は国の制度設計に問題があることや国庫負担の減額などで、全国どこの自治体でも大変苦労しています。特に熊本市では、過去に一般会計繰り入れを減額した時期があったことから累積赤字が80億円を超えるまでに膨れ上がるなど、矛盾が拡大し、前市長の時代に国保健全化10カ年計画が取り組まれ、一般会計繰り入れを大幅増額し、膨大な累積赤字の解消に努めてきました。前市長時代の3分の1程度に減っていた一般会計繰り入れをさらに減額すれば、累積赤字は膨れ、政令市一高い保険料はさらに値上げとなります。やっとふさがってきていた傷口を広げるような赤字補てん分の一般会計繰り入れ減額はやめて、拡充すべきではないでしょうか。
 4、政令市で一番高い、負担の限界を超えた保険料の負担感を、市長はどのようにお感じでしょうか。国民皆保険制度として、市民の命を守る医療保険制度であるためにも、保険料はこれ以上引き上げるべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
 市長ならびに健康福祉局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 答弁にありました国の保険者支援制度拡充分は、保険料負担を抑えるために使われるべきでしたが、本市では一般会計繰り入れの減額補てんに消えていたことが大きな問題です。法定外一般会計繰り入れは、今後6年で解消・削減すべきと位置付けられているようですが、ならば6年にならないうちに、今増額して保険料の高騰を抑えるべきではないでしょうか。
 高額な保険料が家計を圧迫しています。市民アンケートには、「会社員の時に比べて年間約5万円も増え、その高さに驚いた。これがさらに値上げされるとなると年金生活者には大打撃。」「アルバイトで、国保料をまともに支払えなくて、病院に行きたくても考えてしまう」などの声がありました。
 このような切実な声に耳を傾けるならば、今でも削減されている一般会計繰り入れをさらに削り、保険料を上げるなどできないはずです。政令市一高い保険料の引上げ撤回を強く求めます。
 
 ●生活保護
 厚生労働省は、今年10月から生活保護世帯の扶助費見直しを段階的に進めていくための考え方や基準を示しています。内容は、一般低所得世帯の消費実態との均衡を理由にした生活扶助基準の見直し、児童養育加算及び母子加算等の見直しによるもので、厚生労働省が示す見直し影響では、生活扶助費の上がる世帯が26%に対し、下がる世帯が67%にも上り、減額の割合は最大で5%、平均でも1・8%、削減される生活扶助費の総額は210億円におよぶとされています。
 生活保護は、利用世帯だけの問題ではありません。今日の日本では、貧困は特別のことではなく、倒産、失業、リストラ、病気、親や家族の介護などで職を失えば、誰もが貧困に陥ります。生活扶助基準の引き下げは、住民税、保育料、介護保険料、就学援助、最低賃金などに連動し、広範な国民の生活に影響を与えます。憲法25条に明記された生存権を保障する最後のセーフティーネットとして、生活保護のあり方は、すべての国民の権利にかかわる重大な問題です。
 そこでお尋ねいたします。
 1、市長は、本市における市民の暮らしの実態をどのように把握し、貧困の実態についてはどのように感じていらっしゃるでしょうか。
 2、見直しの一つに、一般低所得世帯の消費実態との均衡を理由とされていますが、総務省の計算でも「貧困ライン」が下がり続け、これまで貧困ライン以下だった人たちが、貧困世帯にカウントされなくなっています。この5年間で、働く人の実質賃金は年間15万円も減り、貧困ラインに近い低所得世帯の暮らしがますます厳しくなっているところに連動させて生活保護基準を引き下げていけば、保護世帯の暮らしはますます悪化するばかりです。受給世帯の7割近くが、減額となる今回の見直しについて、市長はどのように受け止められているでしょうか。
 3、日本の生活保護制度は、制度の対象となる人のうち、受給している世帯が極めて少ない、捕捉率が低いことが、問題点として指摘されています。2007年の厚生労働省推計では、所得のみで推計した場合15・3%、資産を考慮した場合で32・1%という数値があり、研究者の推計では、およそ2割程度とも言われており、極めて低いものとなっています。貧困の解決には、この捕捉率を引き上げ、必要な人が、制度をきちんと受けられるようにすることです。熊本市の生活保護の捕捉率は、現在どうなっていますか。また、定期的に捕捉率を調査・公表し、その向上に努めるべきだと思いますがいかがでしょうか。
 4、生活保護が国民の生活保障のための権利であることを明確にして、制度の広報に努めること、合わせて、申請権を侵害しないという立場を明確にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 5、今回国がすすめる生活保護の削減は、子育て世帯、母子世帯、若年層まで含めた単身の保護世帯等を直撃するものです。貧困をなくし、すべての市民が憲法に保障された健康で文化的な生活を送るためにも、今回の生活保護基準引き下げは中止するように国に求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 6、適切な保護行政を進めていくためには、人材配置が重要です。配置基準に対するケースワーカーや査察指導員の現行配置状況はどのようになっているでしょうか。また、速やかに配置基準を満たし、100%とすべきではないでしょうか。
 市長ならびに健康福祉局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 答弁を聞き、市長は、今回の生活保護の見直しを理解されているのかと、疑問に思いました。経済的な困難を抱えた子育て世代や母子世帯など、一番困っている方々の暮らしを直撃する制度改悪をなんとも思わないという市長の冷たい感覚は、私には理解できません。市長は、生活保護世帯の方々の暮らしぶりをご存知ですか。昼間は電気を消して、寒いときは布団にもぐって、食事は2回にして、人とのお付き合いはなるべくしないで、そういうことができますか。苦しい生活の人にこそ、暖かい手を差し伸べ、74万市民すべてが豊かに生活することこそ、上質な生活ではないでしょうか。国の生活保護改悪ストップに、市としても力を尽くすよう強く要望いたします。
 
 ●子ども医療費助成
 子ども医療費助成制度が、今年1月から見直され、対象年齢は中学3年生まで引き上げられたものの、対象年齢が拡充された部分では医科と薬剤で月1,400円の自己負担となり、4歳から小学校3年生までは月500円の自己負担であったものが、医科・薬剤合わせて一挙に3倍近い1,400円の負担となりました。
 今年12月からは、更なる制度改正で、小学4年生から6年生までの自己負担を医科・薬剤ともに1,200円から700円へと若干軽減されます。
 当事者の方々の声を聞いてみました。4歳から小3までの自己負担が500円から、医科薬剤合わせて1400円の負担になった方々は、「とにかく負担が増えた。お給料日前には、子どもが病気しないかハラハラする」といった声がありました。ゼロから700円となった薬剤費の負担では、「お薬はいりません」といった方もおられたと聞きました。一方、市長が拡充を強調されている小学4年以上では、病院と薬局で2400円の負担があるので、助成を受けているという実感がないという声がありました。
 そこで、伺います。
 第1に、対象年齢は引き上げられたものの、自己負担額が大幅に増え、負担を感じるという声が圧倒的多数です。今回の自己負担引き上げについて、対象者に、アンケートなどを実施し、当事者の声を聞いていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 第2に、全国すべての自治体で実施されている子ども医療費助成制度は、関係者の皆さんの粘り強い運動の中で、子育て世代の経済的負担軽減の制度として、拡充されてきました。県下でも一番身近な熊本都市圏市町村では、圧倒的多数となる3分の2の自治体が中学あるいは高校終了までの完全無料化を実施しています。政令市でも、人口約130万人のさいたま市、人口220万人の名古屋市で中学3年生までの完全無料化を実施しています。市長が、子育て世帯の経済的負担軽減の制度という認識があるのならば、中学3年生までの完全無料化こそ実施すべきではないでしょうか。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 完全無料化は、市長の姿勢が問われる問題です。
 市民アンケートでは、4人に一人が「医療費の負担が重い」と回答され、すべてに年齢の記載はなかったものの、その中には、20代・30代で、2人・3人と子どものいる世帯の方もおられました。国が就学前にかかるペナルティを廃止するなど、子ども医療費助成制度は、国もその必要性を認めるまでになってきました。子育て世代の経済的負担がほんとうに軽減されるよう「完全無料化」を強く要望いたします。
 
 ●教育問題についてお尋ねいたします。
 ・初めに、少人数学級です。
 一人一人の子ども、そして保護者とも丁寧にかかわることができる少人数学級は、子どもの悩みやトラブルに対応するうえでも、また、子どもの発言の機会がふえるなど学習を豊かにするうえでも、重要な教育条件です。欧米では20人から30人学級が当たり前です。国として35人学級を早期に全学年で実施すること求めつつも、地方独自の少人数学級拡充が必要です。
 本市における少人数学級の取り組みは、2003年に小学校1年生に導入され、効果を検証しながら、順次拡充され、現在、小学校4年生までと、中学1年生の35人学級が実施されています。全国の政令市を見ると、何らかの形で、小中学校すべての学年で少人数学級を実施している市が7市あります。
 国立教育政策研究所は、2016年3月に「全国学力・学習状況調査」と「きめ細かい調査」の結果を活用した実証分析を行い、中学3年生を対象に、学級規模が学力に与える影響を、生徒の社会経済的背景も含めて検証しました。その結果、学級規模の縮小は生徒の正答率を向上させ、社会経済的地位が相対的に低い子どもたちが通う学校においては、少人数学級の効果がより高いことも明らかにされました。こうした効果は、少人数学級の導入という教育政策をすすめるうえで、環境や条件の違う子どもたちが、等しく学力をつけるという公平性の観点からも重要であると述べられていました。
 子どもの貧困が、社会的な問題となっている今、学力はもとより、ひとりひとりの子どもとの丁寧なかかわりのためにも、改めて少人数の学級編成推進の意義は大きいと思いました。
 熊本市で、小学校4年まで、中学1年までの少人数学級が実施されて、8年になります。教育政策の中でも、学級規模の効果は、科学的検証が進展している分野であり、研究の成果が蓄積されている状況にあります。そうした研究成果や本市における少人数学級の成果を改めて検証するとともに、先進政令市に学んで、現行の35人学級を今後段階的に拡充していただきたいと考えますがいかがでしょうか。
 
 (答弁)
 
 昨年9月に公表された教育予算の世界ランキングで、前回に続き、日本はOECD・34ヵ国中ワースト1になりました。このような低予算の下で、欧米では当たり前の一学級20〜30人の学級編成が、日本では小学校3年以上は40人学級のままです。少人数学級は、世界の常識です。教育現場では、ハード整備もさることながら、ソフト面での環境整備はたいへん重要です。丁寧な指導と、豊かな人間関係を結んでいくためにも、35人学級を早期に全学年で実施し、さらに30人、20人と少人数の学級編制が拡充されていくよう要望いたします。
 
 ・困難を抱えた子どもたちの学習支援について
 不登校の子どもは、2016年度、全国で、小学・中学・高校合わせて18万人を超え、過去最多となりました。日本共産党は、は、競争的で管理的な学校や社会のうみだした問題である不登校に対し、「子どもと保護者が安心して相談できる窓口の拡充」「学校復帰を前提としない公的な施設の拡充」「フリースクールなど学校以外の学びの場を認め、学校と同等の公的支援をおこなう」など、困難を抱える子どもと保護者の立場に立った施策を提案し、実現に取り組んできました。
 熊本市でも、不登校は年々増えており、学校に行けないけれど勉強はしたいと思っている子どもたちへの支援の必要性は高まっています。2年前の一般質問でも紹介した、不登校等、困難を抱えた子どもたちへの学習支援に取り組んでいる民間機関・社団法人「熊本私学教育支援事業団」の学習支援センターは、相談がどんどん増えて、現在、利用者は、高校生は通信制・定時制含め15人、中学生30人、社会人2人、合計47人を受け入れています。そのうち2から3割は、県・市の機関からの紹介です。今や満杯の状態で、小学生の相談は断っているとのことでした。「必要とする子どもたちはたくさんいるので、すべて受け入れ、応えてあげたいけれど、これ以上は無理です。」と嘆いておられました。資金は寄付等に頼っているために、かかわっている人は資格者でありながらすべてボランティアで、一方、相談者は経済的困難を抱えた家庭やひとり親家庭も多いために、子どもたちへの支援はすべてが無償で提供されています。
 2016年12月、「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」、いわゆる「教育機会確保法」が公布されました。この法律を策定する際、不登校の子どもの学校への復帰を前提とした内容に、「子どもと親をさらに追い詰める」と不安の声が広がり、当事者や保護者の声と国会審議により、「児童生徒の意思を十分に尊重して」などの付帯決議が付けられました。問題点を改善するための法改正も必要ですが、到達点をふまえ、子どもの意思を尊重する施策を進めるために役立てる立場でお尋ねしてまいります。
 第1に、不登校など、困難を抱える子どもたちを受け入れ、学習支援等の活動に取り組んでいる民間団体の状況をどのように把握し、果たしている役割についてはどのような認識をお持ちでしょうか。
 第2に、教育機会確保法の「基本理念」では、民間も含めた支援必要性が謳われ、第6条では「国及び地方公共団体は、教育機会の確保等に関する施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努める」と定められています。福岡県ではフリースクール等に最大で200万円を助成する制度設けており、2017年度6団体に助成しています。「熊本私学教育支援事業団」に限らず、子どもたちへの学習支援に取り組んでいる民間団体に対し、熊本でも、支援のための場所提供や、運営費の一部を助成するなど、公的支援を検討すべきではないでしょうか。
 第3に、「熊本私学教育支援事業団」の学習支援センターが、今や満杯状態になっているように、民間のボランティアでは受けきれない状況です。教育機会確保法を推進するための基本指針では、不登校の子どもたちの実態に配慮した教育を実施する学校・特例校や教育支援センター設置の促進を定めています。熊本市でも、公的な教育支援センター立ち上げを検討していただけないでしょうか。
 第4に、生活保護世帯の子どもが対象の学習支援を、保護世帯以外へも広げていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 関係局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 支援を必要とする子どもや保護者の立場に立ち、フリースクールなど民間団体との連携・経済的支援にも力を入れていただきますようお願い致します。
 
 ・教育施設の整備
 学校施設は、児童生徒が一日の大半を過ごす学習・生活の場であり、児童生徒等の健康・安全を確保することはもちろん、快適で豊かな空間として整備することが重要です。また、地域住民にとっては、最も身近な公共施設として、まちづくりの核であり、生涯学習等の場であるとともに、熊本地震を体験した私たちにとっては、地域の防災拠点としての役割がとりわけ重要なものとして感じられます。子どもたちに限らず、すべての地域住民が何らかの場合に学校を利用する場合、だれにでも利用しやすいバリアフリーな施設であることは大切ではないかと思います。文部科学省は、2004年に「学校施設バリアフリー化推進指針」を定めています。
 そこで、お尋ねいたします。
 第1に、文部科学省が定めた「学校施設バリアフリー化推進指針」における「学校施設のバリアフリー化に関する整備計画」につきましては、昨年2月の予算決算委員会で、那須議員から策定の推進をお願いしておりましたが、その進捗状況はどのようになっているでしょうか。熊本地震の発生もあり、子どもたちが毎日通う場としてのバリアフリー化にとどまらず、災害が発生した場合には、各学校が避難場所となることから、指針でも述べているように、既存施設を含めた整備計画を速やかに策定し、バリアフリー化を計画的に推進していくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 第2に、「学校施設バリアフリー化推進指針」では、既存学校施設のバリアフリー化を積極的に推進するよう求めています。学校施設のバリアフリー化の中で、特に災害の避難所となった場合に、地域の皆さんから要望が強いのが、トイレの洋式化です。以前に比べれば洋式トイレの設置は進み、小学校37・3%、中学校30・4%、高校57・9%です。遅れている小中学校の内容を見てみると、小学校で、校舎内は39・9%、体育館・武道場25・2%、屋外が14・4%です。中学校は、校舎内が33・5%、体育館・武道場が23・8%、屋外は9・7%となっています。地震等の災害への対応を考えると、体育館・武道場と屋外のトイレについては早急に洋式化をすすめるべきだと思います。校舎内についても、1階部分のトイレはさらに洋式化の推進が必要だと思います。整備の推進についての考えをお聞かせください。
 第3に、その他の項目になる部分ですが、合わせて伺います。熊本地震の際には、市内の公園も、大小にかかわらず、避難場所として大事な役割を果たしました。しかし、土木部所管の公園1,052カ所のうち、トイレが設置されているのは、3分の1しかありません。689カ所の公園には、トイレもないというのが実情です。トイレのある公園における洋式化率は23・7%、4カ所に1カ所です。そして、洋式化率が低いのは、古いトイレが多いということでもあります。公園のトイレの設置と洋式化率の推進に計画的に取り組むべきではないでしょうか。
 関係局長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 施設の整備は、災害が発生してからでは間に合いません。地震の教訓を生かし、一挙にということではなくても、段階的に改善していただくようお願いしておきます。
 
 ・児童育成クラブ
 本市児童育成クラブの入所児童数は、年々増え続け、今年4月には5,939人となり、5年間で約1・3倍に増えています。昨年の厚生労働省のデータでも、全国の入所児童数は109万人を超え、前年度を上回っています。
 放課後児童健全育成事業を利用する児童が、明るく衛生的な環境で、適切な訓練を受けた職員の支援により、心身ともに健やかに育成されることを保障するために、厚生労働省は、2014年4月に、「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」を定めました。熊本市でも、これを受け、2014年10月に「熊本市放課後児童健全育成事業の設置及び運営に関する基準を定める条例」を制定しました。 そこで、伺います。
 第1に、新年度予算では、指導員の雇用に関する制度変更が行われ、より専門性を高めるための主任支援員配置が提案されるとともに、主任支援員・支援については雇用保険等を適用するなど、処遇改善も図られようとしています。国の基準に準じた条例では、放課後児童支援員を「各種有資格者でかつ都道府県知事が行う研修を修了した者でなければならない」と定めています。今回提案されている主任支援員は、資格や研修の終了という規定に沿った方々を起用されるのでしょうか。また、すべての育成クラブに配置されるのでしょうか。
 第2に、条例では一つの支援の単位を構成する児童の数はおおむね40人以下、専用区画の面積は、児童1人につきおおむね1・65平方メートル以上でなければならないと定めていますが、実際の運用では、条例の附則2条に書かれた「経過措置」での運用が行われ、施設面積は児童1人当たり1・125平方メートル、一の支援の単位を構成する児童は60人とされています。そのために、狭い施設で、多数の子ども達が所狭しと保育される環境です。おやつの時間などは特にぎゅうぎゅう詰め状態だとも聞きました。このような状況を改善するためにも、条例の経過措置は一刻も早く終了し、本来の基準での運用をすべきです。経過措置をいつやめて、本来の基準へと戻していかれるのでしょうか。
 第3に、条例では、必要な設備及び備品等を備えなければならないと定められています。各育成クラブでは、職員のローテーション、利用者の状況、ニュースの発行などの事務業務に個人のパソコン等を使っているという実態があります。せめて、各育成クラブに1台はパソコンを設置する必要があるのではないでしょうか。
 教育長に伺います。
 
 (答弁)
 
 学童保育の役割は、今後いっそう重要になると思います。新年度の支援員配置のような拡充を1歩ずつすすめ、更なる改善に取り組んでいただくようお願いしておきます。
 
 教育の問題では、予算が貧しいと思ってしまう答弁が多かったと思います。
 先月、来熊されたハイデルベルク市のヴュルツナー市長は、歓迎式典の講演の中で、2年間で教育予算を倍加したと言われましたが、友好姉妹都市である熊本市は、この姿勢にこそ大いに学ぶべきではないでしょうか。
 本市としても、将来の社会を支えていく子どもたちが、伸び伸びと、健やかに成長できるような教育現場にするため、教育予算の抜本的な拡充を強く要望いたします。
 
 ●桜町再開発・熊本城ホール
 450億円もの莫大な費用をつぎ込む桜町再開発事業と熊本城ホール整備事業も、完成まで1年半となりました。新年度予算には、熊本城ホールの床を取得する経費が72億8,500万円、桜町再開発事業への補助金が41億9,670万円、熊本城ホールの開設準備のための費用が委託費として5,638万円、熊本城ホールの開業記念イベント費用として1,952万円、再開発事業の周辺整備ともいえるような花畑広場整備を含むシンボルプロムナード整備に1億5,300万円、桜町・花畑周辺地区まちづくりマネジメント検討委員会経費等に560万円と、桜町地区の再開発関連とその周辺整備等に117億円を超える予算が計上されており、改めて事業規模と税金投入額の大きさには驚いているところです。また今議会には、熊本城ホールと地下駐車場・地下駐輪場の運営を担当する指定管理者に(株)コンベンションリンゲージを中心とした「熊本城ホール運営共同体」を指定する議案も合わせて提案されています。
 450億円という熊本市の財政負担の大きさが今後の市政運営にどのように影響してくるのか、福岡国際会議場を上回る利用料を徴集することになる熊本城ホールの運営がうまくすすんでいくのか、これからの課題です。
 そこで、お尋ねいたします。
 1、桜町再開発事業は、民間施行の再開発事業ではありますが、総事業の約6割を税金で賄うものであり、極めて公共性の高い事業であるといえるのではないでしょうか。市長は、この点についてどのように認識されているでしょうか。
 2、再開発ビルは、2019年夏の完成に向け工事がすすんでいます。予定どおりすすめば、オープンまで1年半程です。熊本城ホールの使用申し込みはいつから始まるのでしょうか。今の時点でのメインホールの利用見通しと、そのうちオープンする2019年度の利用確保見通しを伺います。
 3、桜町再開発ビルの商業スペースは、入居テナントを約160店舗と予定されているようです。参入店舗はどのくらい決まっているのでしょうか。入居決定で公表されているのは、福岡のスーパー「フードウェイ」、シネコンは東京に本社がある最大手の「TOHOシネマズ」です。ホテルは、名古屋に本社を置く「(株)リゾートトラスト」となっています。地元企業はどの程度入るのでしょうか。再開発ビルに入る地元企業の中には、県民百貨店やセンタープラザに入っていた企業がありますか。
 4、今議会に提案の指定管理者指定の議案では、熊本城ホールと一体に辛島地下駐車場・辛島地下駐輪場も一体管理となっています。駐車場部分の利用料金は、現行よりも高くなるのでしょうか。
 5、大型コンベンションの企画は、2年ないし3年前から、早いものでは、もっと前から行われます。熊本城ホールは、指定管理の期間を5年としていますが、指定管理の途中で、次の指定管理期間の催しの誘致もしていかなければなりません。また、利用料金は、条例の範囲内で指定管理事業者が決めます。指定管理者が次々に代われば、様々な催しの誘致・企画がなかなか難しく、採算ベースに乗せるための料金設定の変更など、対応の難しい点が出てくることが懸念されます。事業の継続性という点で、5年の指定管理期間による公募や利用料金制は、様々な矛盾をもたらすのではないでしょうか。
 6、熊本城ホール・地下駐車場・駐輪場、辛島地下通路の指定管理は、利用料金制が導入されて、指定管理料がゼロ円となっています。今後、具体的に利用申し込みが始まり、運営されていきますが、万が一赤字になった場合、その赤字は指定管理者が責任をもって負担するのでしょうか。市の持ち出しはないと言い切れるのでしょうか。
 7、桜町再開発は、工事費が抑制されるということで、ECI方式が導入されましたが、具体的にはいくらの効果額だったのでしょうか。
 市長ならびに、関係局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 熊本城ホールメインホールの利用見通しは、20件程度で、うち初年度が6件程度と答弁されましたが、これは問題ではないでしょうか。そこで、市長に伺います。いったいメインホールの稼働率は何%を目標にされているのでしょうか。合わせて、休館日を除いた1か月の開館日数と、オープンの予定も伺います。
 
 (答弁)
 
 稼働率の目標も決めなくて、どうやって熊本城ホールの採算をとっていくのでしょうか。市長にお尋ねします。
 
 (答弁)
 
 確かに、管理・運営は指定管理者にお任せでしょうが、熊本市の公共施設である熊本城ホール事業に最終的に責任を持つのは市のはずです。市は目標をもって取り組む責任があると思います。
 12月オープンならば、初年度は4か月間です。6件程度だと、1カ月に1日か2日しか使われず、稼働率は3%から6%程度です。市民会館大ホールの稼働率は約8割で、月22日から23日利用されています。今のような稼働見通しでは、到底採算は取れません。赤字になっても市の持ち出しはないと答弁されましたが、採算が取れずに指定管理者が撤退した公共施設が全国にはいくつもあること、市長はご存じないのでしょうか。採算ベースに乗せるための誘致に今後どのように取り組まれますか。
 
 (答弁)
 
 誘致を頑張ると言われますが、市民会館大ホールや県立劇場ホールなど、ホールだけ使用のコンサートや演劇等でも、1年前がホール予約のため、その前に企画やツアーのコースなどが計画されます。MICE関連情報の総合サイトである「MICE・JAPAN」のホームページでも紹介されていますように、一般的に学会の開催準備は2年前ぐらいから始まり、開催時期・場所選定・会場、宿泊施設の仮予約などが行われていきます。大ホールを利用するような大規模コンベンションの場合であれば、なおのこと、早い時期からの準備が必要となります。初年度は、すでに2年を切っており、大型コンベンションを今から新たに誘致というのは大変厳しいものがあると思います。熊本城ホールは、本市のMICE施設整備基本計画に基づき整備されるMICE施設です。コンサートへの利用ということもあるでしょうが、交流人口の増加を目標にしたMICE誘致を推進しなければ、市が予測している経済波及効果につながっていかないのではないでしょうか。再開発事業への助成まで含め450億円もの税金をつぎ込んだ事業として、施設利用をどのように確保していくのか、何を誘致していくのか、その費用対効果が問われるのではないかと思います。
 市長に1点伺います。最初の答弁では、商業スペースへの店舗誘致の状況は説明されませんでしたが、協議をすすめているとの答弁でしたので、すべてが決まっていないことは確かです。また、工事費抑制ということで採用されたECI方式についても、効果額は示されません。熊本市が450億円もの莫大な事業費を投入する桜町再開発事業がきちんと成り立っていくのか、公共性が高いということで支援している事業が、公共事業なら当然の「最小の経費で最大の効果を上げる」という効果的な事業推進が行われているのか、市民に説明すべきではないでしょうか。
 
 (答弁)
 
 ・・・・・・・
 今世紀最大の公共事業ともいわれるリニア新幹線建設は総事業費9兆3,000億円です。JR東海が行う民間事業ですが、国が破格の措置を取り、財政投融資による超低金利で3兆円の融資が行われることになりました。事実上の国策事業への格上げということで、国会では採算性はもちろんのこと、計画そのものの問題点が国会でも議論になっています。財政投融資と言えば貸付、帰ってくるお金です。金額は大きくても事業費の3分の1です。本市の桜町再開発は、事業費の6割以上に税金を出す事業ですから、リニア事業と比べても、民間事業だからということで、事業の進捗や採算にかかわる点を説明しないでは済まされないと思います。徹底した情報公開と説明責任を果たすべきであると思います。
  
 ●白川の治水と立野ダム
 立野ダム建設も、議会のたびにその問題点を指摘してきましたが、今年2月になって、国土交通省九州地方整備局はいよいよ、立野ダム本体建設1期工事の発注者を決定、本体工事が強行されようとしています。世界の阿蘇と言われる豊かな自然を壊し、ジオパーク認定の今後が心配され、熊本地震の発生によって災害時の危険性が明らかになり、構造上も流水ダムの穴詰まりでダム津波も心配されている立野ダムの建設については、流域住民をはじめ、広く懸念と反対の声があります。「立野ダムによらない自然と生活を守る会」「ダムによらない治水・利水を考える県議の会」「立野ダムによらない白川の治水を考える熊本市議の会」等で、粘り強く国・県・市への要望も行い、ダム建設も中止と、ダムによらない白川の治水事業の推進を求めてきました。事業の主体である国は、熊本地震後のダムサイトの状況も考慮しないまま、住民・議員の会の公開質問状に全く回答もしないままの建設強行です。そして、最大の受益地である熊本市もまた、ダムの問題について主体的な情報収集や事業の検証をすることなく、市民へのまともな説明もしないで、国・県の事業推進を追認しています。2月24日には、この間白川流域の各地域で発足してきた「立野ダム建設とダムによらない白川の治水を考える流域住民の会」が一堂に会し、立野ダム工事はいったん中止し、地域ごとの住民説明会開催を求め、立ち上がりました。住民集会では、「ダムの問題について知らない人が多い」の声が相次ぎました。そこで、伺います。
 1、2012年7月の九州北部豪雨災害から5年が経ち、河川激甚災害対策特別緊急事業を経て、白川の治水は驚くほどすすみました。熊本市内部分の白川の主な地点における河川改修による流量の改善状況、基本高水のピーク流量についてご説明ください。
 2、立野ダムの建設費は、917億円と言われています。現在いくら執行されているのでしょうか。立野ダム建設工事をすすめるための熊本地震復旧経費はどの程度使われているのでしょうか。今後事業費が917億円で収まる見通しとなっているのでしょうか。国を通し把握されている状況をご説明ください。
 3、住民説明会の問題で市長は、12月議会で那須議員の質問に「流域住民から不安の声もあることから、わかりやすく丁寧に説明を行うよう、あらゆる機会をとらえて、国土交通省に対し要望した結果、現地見学会等の機会が設けられたことと理解している」と答弁されました。しかし、結果的には、7月29日から12月2日まで4回開かれた国土交通省主催の住民説明会は、1回10名前後の参加であったようです。私が参加したときは11名でした。参加者には市外の人もいらしたので、熊本市内の方はもっと少なかったと思います。これで十分な説明がなされたとは到底言えません。2月24日に開かれた「白川の治水と立野ダムを考える流域住民連絡会」でも、「立野ダムの問題についてまだまだ知らない人が多い」という声がありました。本体工事に着手されようとはしていますが、国と市の責任で、本格的な市民への説明機会を提供すべきではないでしょうか。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 河川改修による流量の改善状況については、河川整備計画の目標値を述べるにとどまった答弁でしたが、国土交通省は、白川の現況河道流下能力算定表で、基準となる代継橋地点における右岸の流下能力は、2008年2月に堤防高・スライド堤防高ともに2,326立方メートルであったものが、2017年2月にはいずれも3,753立方メートルへと増大したというデータを公表しています。ダムがなくとも、5年前の北部九州豪雨災害時の洪水でも家屋被害が出ないレベルに改善されています。このような国のデータを、ご存じないのでしょうか。
 
 (答弁)
 
 ・・・・・・・
 ダム工事の事業費の点でも、先月、西松建設・安藤ハザマ・青木あすなろ特定建設工事共同企業体に落札された「立野ダム本体建設1期工事」は107億円でした。1期工事の工期は2021年3月31日までで、基礎掘削と基礎処理、全体の1割強のコンクリート打設までが行われることになっています。この先、残りのコンクリート打設をする2期工事が同じ共同企業体に随意契約される模様ですが、先ほどの答弁では、本体工事に未着手の今、総事業費917億円の6割以上となる570億円がすでに執行されているということです。熊本地震の復旧もあり、事業費は予定よりも高くなっているはずです。高さ90メートルの巨大なダムの影も形もない今、3分の1しか残っていない事業費で、地震の復旧もしながら本体工事をやっていくのですから、事業費が足りないのではと、疑問を持つのは私だけではないと思います。
 基準点の代継橋における流下能力の問題、工事費の問題、きちんと把握して、市民への十分な説明を行うべきではないでしょうか。
 
 (答弁)
 
 ただいまの答弁は、とても責任ある市長の態度とは思えません。
 私どもの市民アンケートでは、今の時点での集計ではありますが、回答者の半数近い45%が立野ダム建設中止を求め、情報提供と十分な議論が必要・わからないが5割を超えています。建設すべきというのはわずか2%です。
 紹介しましたように、白川の河川改修は進み、1000年に一度といわれた5年前の北部九州豪雨災害時の規模の洪水に家屋被害が出ないレベルになっています。かけがえのない世界の阿蘇の大自然、ジオサイトを壊し、想定以上の洪水には機能せず、むしろダム津波等によって流域住民に重大な危険にさらされる可能性のあるダム建設は見直すべきです。川辺川利水事業は、計画から33年、長い年月を経て、今月2日やっとダム離脱が確定しました。十分な検証・検討と住民の粘り強い取り組みの結果です。本来、公共事業というのは、税金を使って「公共の福祉」のために行われるべきものです。川辺川利水事業、諫早干拓事業などのように、住民の暮らしや生業、そして環境を壊すような間違った公共事業を繰り返してはなりません。住民の反対を振り切って強行する公共事業の在り方は、後世に大きく問われるのではないでしょうか。
 安全性や効果もご自身で確認されることなく、ダム推進の立場をとられるべきではありません。建設を一旦中止し、住民への説明責任を果たす立場に立って対応されるようお願いいたします。
 
 ●その他の第1に、さくらカードについて伺います。
 新年度は熊本市優待証「さくらカード」のあり方を検討することになっています。「さくらカード」は、1996年に無料パス券制度として始まり、2004年度の制度見直しによって、高齢者・被爆者2割、障がい者1割または定額の制度に改悪されたものの、制度開始から22年間、なくてはならない制度として定着し、喜ばれてきました。この間、対象となる高齢者はどんどん増え、市の財政負担も一定増えたものの、現在は、高齢者は増えても、申請者は伸び悩むという状況もあります。4月に検討委員会が設置されますが、どういう方向で検討すべきか、お尋ねします。
 第1に、市が行った高齢者へのアンケートでは、「外出の機会は変わらない」が54%、「増えた」が40%です。現在、公共交通の利用状況は、市電の利用は若干増えているものの、公共交通の大きな部分を占めているバス事業については、利用者減少が大きな問題となっています。多くの人が、公共交通の利用を減らしているときに、高齢者の94%が、利用を減らさず、うち4割の人が外出を増やしているというのは、さくらカードの効果として大きいのではないでしょうか。
 第2に、対象となる高齢者のうち、交付を受けている人が減って、5割を切っている状況に対し、市の交通部門では、「運転免許証を持つ人が増えて、公共交通機関の利用が減っているのではないか」という考えも示されていましたが、この間、全国的にも高齢者による大きな車の事故が相次いで報告されていることを考えると、運転免許を持つことよりも、公共交通機関を大いに利用する方向へと転換させて行くことこそ必要ではないでしょうか。
 第3に、公共交通をもっと利用してもらうためには、制度を利用しやすくすること、利用者負担を軽減するなど、利用者の立場に立った見直しこそすすめていくべきではないでしょうか。
 第4に、検討の場には、高齢者・障がい者・被爆者の皆さんが複数参加され、当事者の声が十分に反映されるようなものとすべきではないでしょうか。
 
 (答弁)
 
 かみ合わない答弁だったと思いましたが、申請や利用が減っているならば、その理由を明らかにし、利用増へと取り組んでいく、高齢者の交通事故防止のためにも公共交通機関の利用を促進する、利便性向上のためには、バス利用者を増やしてどんな地域へもバスを走らせることができるような支援をしていく、検討の方向ははっきりしているのではないでしょうか。そのためにも、さくらカードは利用しやすい方向へとさらに改善していくべきです。そういう検討を行っていただくよう要望いたします。
 
 ・がん検診について
 第7次総合計画の基本計画では、「生涯を通じた健康づくりの推進」で「がん検診などの充実」が掲げられています。しかし実際は、受診率は低迷し、肺がんで目標値13・1%に対し9・8%、胃がんが6・7%に対し4・2%、大腸がん13%に対し8・9%、乳がん19・2%に対し14・5%です。
 大西市長のマニフェストでは、「ガン検診の完全無料化、受診率の向上を任期中実現」が掲げてあります。任期中のガン検診完全無料化は、どのように実施されるのでしょうか。
 
 (答弁)
 
 お尋ねいたしました「完全無料化」には一言も触れられませんでしたが、完全無料化にいくらかかると考えていらっしゃるのでしょうか。市長のマニフェストでの公約は「完全無料化を任期中に実現」です。「任期中」というからには、いつ実施されるのか、お尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 何十億円もかかるというのならば別ですが、4500万円というのは、桜町再開発・熊本城ホールに市が使う450億円のわずか1000分の1です。公約実現に責任を果たすべきではないかと思います。
 
 ・桃尾墓苑までの公共交通の確保
 市営桃尾墓園は、市営墓地の約半数があり、加えて家族・短期合わせれば1,500壇を超える納骨壇を併設する最大の市営墓地です。ところが、昨年10月以降は、平日・土曜に1日1本走っていた民間事業者によるバス路線が廃止されました。お彼岸とお盆だけは、三山荘からの臨時バスが出るそうですが、
 日常は、公共交通を利用して墓園に行くことができなくなりました。私どもには、「子どもを亡くし、墓参りを生きる支えとして毎日必死に生きているものもいます。タクシーに乗る余裕もありません。バス会社は、赤字路線だからやめたといわれました。大型施設とか、目立つところばかりに力を入れずに、市の霊堂墓地だから、週に何度かでも、小さいバスでもいいから走らせてほしいと願っています」という声が寄せられました。
 確かに、1回の乗車人員は少ないかもしれませんが、墓参や納骨など、規模が大きいだけに、公共交通を必要する人はいらっしゃると思います。桃尾墓園は公共施設であり、そこへ行くのに公共交通機関がないのはおかしいと思います。小型バスの運行やデマンドタクシーなど、見込まれる利用に合ったやり方で、何らかの公共交通を確保していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 都市建設局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 桃尾墓園への公共交通がぜひ確保されるよう積極的な対応をお願いいたします。
 
 ・公民館の利用について伺います。
 「社会教育法第23条第1項第2号の規定は、公民館の政治的中立性を確保するために設けられているものであり、例えば、特定の政党に特に有利または不利な条件で利用させることや、特定の政党に偏って利用させるようなことは許されないが、公民館を政党または政治家に利用させることを一般的に禁止するものではない。」というのが、国の考えです。熊本市においては、政党や政治家が市民を対象に、政策を発表したり、市政・県政等を報告する場合、公民館の利用は可能と判断しているのでしょうか。
 また、そのことを社会教育法の対象となる公立公民館等に対し、きちんと徹底しているのでしょうか。していなければ、徹底すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 
 (答弁)
 
 利用についての判断はきちんとなされているようですが、現場の各公民館への周知は、公民館の目的に沿って、広く市民の皆様に利用していただくためにも、徹底していくことが必要だと思いますので、よろしくお願い致します。
 
 私は、今回の質問を準備するにあたって、届けられた500枚のアンケート一つ一つに目を通しました。熊本地震という、想像もしなかった大きな災害を経て、市民の皆さんが、何とか前の生活にと、必死になっておられる姿を思い浮かべました。第7次総合計画にキャッチフレーズのように使われている「上質な生活都市」という言葉と、被災された方々の暮らしぶりとのギャップに、胸が痛くなりました。アンケートには、「細々と生活している私たちのことをもっと知ってほしい。」という70代の方の言葉がありましたが、このような言葉が市長の耳には届いているでしょうか。このような声に、真摯に耳を傾け、寄り添っていけるような熊本市であってほしいと切に願います。
 私も、届けられた思いや声をしっかり受け止めて、熊本地震からの復旧・復興、暮らしや福祉・教育が前進するような熊本市となるように頑張っていきたいと思います。その決意を述べ、質問を終わります。
 傍聴においでいただいた皆様、インターネットをご覧のみなさま、最後までありがとうございました。

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