議会での活動・一般質問など



2020年6月議会・最終日質疑「新型コロナ2次補正」について 上野 みえこ

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 2020年6月24日
 緊急に提案されました新型コロナ感染症への対応にかかる補正予算について、通告に従いお尋ねします。
 はじめに、児童育成クラブです。
 児童育成クラブの感染防止対策経費として、95カ所のクラブにマスクや消毒液、体温計を購入したり、網戸を設置したりするための費用1360万円が提案されています。今回の補正予算は、国の10割助成による事業であり、国からの財源を有効に活用する立場で伺います。
 第1に、新型コロナ感染症の中で日々子どもにかかわっている現場の実態把握・要望聴取は、どのように行われているでしょうか。把握している内容、要望等についても、説明をお願いします。
 第2に、放課後児童健全育成事業の「新型コロナウイルスの感染拡大防止を図る事業」は、1カ所あたり50万円が基準額とされています。今回補正に提案されている支援は、1ヶ所約14万円程度です。この事業は、今回予算化されている内容以外にも空気清浄機やうがい薬など、感染予防の観点から必要とされるものには柔軟に適用されます。空気清浄機の設置をはじめ、事業の許す範囲で、内容や事業費額を拡充し、効果的に活用すべきではないでしょうか。
 
 合わせて、文部科学省が打ち出しているコロナ下での効果的な学習保障について伺います。
 第1に、文部科学省が2次補正に打ち出している「教員の加配」、小中の最終学年である小学6年生、中学3年生を対象に少人数学級を編成することについての検討はなされたのでしょうか。理由も含めてご説明ください。
 第2に、文部科学省が、「教員加配」の対象学年を中3、小6としていることの教育的目的とは何でしょうか。
 第3に、中学3年、小学6年生を35人学級、あるいは30人学級にするために必要な教職員の増員数をそれぞれお示しください。
 第4に、学校教育の節目となる小中学校の最終学年に少人数学級を導入するチャンスとして、今回の国の補助制度を活用し、少人数学級を実施していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
 以上2つの点について、教育長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 児童育成クラブは、新型コロナ禍の中でも、子どもの居場所として大きな役割を果たしています。以前に比べ、指導員の処遇改善をはじめ、内容の充実に取り組んでこられてはいますが、現場の指導員全員が会計年度任用職員という非正規雇用でありながら、現場のみなさんの頑張りによってこの事業が支えられていることを考えると、指導員の更なる処遇改善や保育環境の整備拡充が必要だと思います。よって、新型コロナ感染症の対応においても、現場の声を受けとめることはもちろん、教育委員会としての積極的なかかわりによる支援をお願いしたいと思います。感染拡大防止については、1ヶ所50万円は国の予算措置があるので、空気清浄機くらいは早々に取り付け、感染防止を一歩進めていただきたいと思います。
 また、国が打ち出している学習保障についても、それぞれのメニューの積極的活用が求められていると思います。現在、教育委員会としては、少人数の学級編成よりも、少人数指導の方に重きを置いているようですが、果たして、現場の声はどうでしょうか。学級編成そのものを少人数化していけば、恒常的に教職員の人数を増やさなければなりませんし、場合によっては、教室も必要となるでしょう。いずれにしてもお金のかかることではありますが、現場に根強くある要望は、少人数の学級編成です。以前から言われてきた欧米と比べても異常に多い日本の学級人数は、新型コロナ感染症のもとで、3密回避が迫られ、ますます大きな矛盾を呈することになりました。国が2次補正に盛り込んだのは、小中学校の最終学年を少人数編成することです。40人のクラスでは、児童生徒の間隔を1メートル空けることもできず、レベル1にも対応できません。この現実を直視すべきだと思います。3密を回避し、答弁にされた「より手厚い対応」を行うためにも、今回の国の教員加配メニューで、小6、中3の少人数学級を実施していただきたいと思います。必ずや、お金に換えられない将来の財産になっていくと思いますので、今後の検討をお願いしておきます。
 
 つぎに、障がい者福祉サービス事業所への支援です。
 今回の補正に、就労系障害福祉サービス等機能強化事業として、作業所等の生産活動再開に必要な設備のメンテナンス等に対する助成が提案されています。1ヶ所50万円を上限に120カ所分約6000万円の予算です。この支援が、障がい者作業の実情に合ったものとなるよう、また積極的に活用されていくよう、お尋ねいたします。
 第1に、新型コロナ感染症が広がり、就労系に事業所では、さまざまな理由から収入が減少し苦労されている。作業所の抱える困難をどのように把握されていますか。相談窓口は設置されているでしょうか。
 第2に、今回の補正に提案された就労系障害福祉サービス等機能強化事業の対象となる事業所は、市内にどのくらいありますか。
 第3に、就労系障害福祉事業所の行う事業は幅広く、障がいのある方々のさまざまな障害種別に応じて、特色のある事業が展開されています。提案された事業が効果的に活用されるためには、柔軟な対応も必要だと考えます。事業の効果的で柔軟な運用について、考えをお聞かせください。
 第4に、この助成は、事業実施後の助成となりますか、それとも先に資金として提供されるのでしょうか。
 第5に、就労系障害福祉サービス事業所では、新型コロナの影響によって減っている販売先の確保に苦労されています。販売先確保で、現在検討されている内容と、今後の拡充についてお尋ねいたします。
 第6に、新型コロナ感染症の中で、就労系障害福祉サービス事業所等を利用しながら、日々頑張っていらっしゃる障がい者の方々の置かれている状況について、市長はどのように認識しておられるでしょうか。新型コロナに向き合いながらも障害を持った方々が、生きがいを持って、日々元気に暮らしていただくよう、今後、市としてどのように取り組んでいこうとお考えでしょうか。
 1から5は健康福祉局長に、6点目は市長にお尋ねいたします。 
 
 (答弁)
 
 就労系障がい者福祉サービス事業所については、一定の支援が行われているには違いありませんが、決して十分ではありません。福祉事業所は、利益が目的でなく福祉の現場であるため、多くの余剰資金はありません。今回の補助事業については、先に資金として提供できるような運用を検討していただきたいと思います。また、福祉事業所であるために、一般の事業所系サービスが十分に適用とならない面もあります。国や県が行う持続化給付金や持続化補助金などが、売り上げ減少率が足りない、補助を受ける際の自己資金がないなどから、なかなか受けられないということを聞いています。一方、そこで働く障がい者の方々にとっては、作業所は、単なる仕事の場ではなく、障がいを持つ人を支える場ですから、休業補償を受けて休むということを単純に喜べるものではありません。市長にも、新型コロナ感染症の影響下で頑張っておられる障がい者の方々が、希望を持って活躍するために更なる雇用の場の確保や相談支援の充実に努めると答弁していただきましたので、よろしくお願いいたします。
 私も、障がいを持つ方々への支援はじめ、あらゆる分野で、市民に寄り添った支援が行われていくよう取り組んでいく決意を述べ、質疑を終わります。

2020年6月議会・最終日「新型コロナ補正予算」賛成討論 上野 みえこ

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 2020年6月24日
 議第185号「令和2年度熊本市一般会計補正予算」について、賛成の立場から意見を述べます。
 国会の会期末が市議会の後半となったことで、今回の補正予算提案は、タイトな日程での検討が必要だったと思います。しかし、速やかに補正予算の提案が行われたことは、スピーディさが求められる新型コロナ感染症への対応ということで、現場職員のみなさんのご努力があってのことと思います。多岐にわたる国の2次補正、数多くのメニューをさまざまに活用し、今回の補正予算が提示されたことはたいへん評価するところです。
 住宅確保補給付金については、申請が殺到し、予想を超えたことにより、今回の補正で、予算が大幅に増額されたことは、住民要求に応えるものとして、とてもよかったと思います。また、国のメニューに加え、市独自の事業が提案されたこと、児童扶養手当の受給世帯に対する1世帯2万円の上乗せは、日頃苦労されているひとり親世帯の方々に寄り添った対応として、たいへん喜ばれるものと思います。
 一方、質疑で取り上げました、児童育成クラブ、少人数学級編成や障がい者作業所への支援、クラウドファンディング、市電事業への支援などは、提案されている補正予算の内容や運用の仕方などについて、現場の実情に即し踏み込んだ対応が必要なものもあります。各事業への対応につきましては、質疑で指摘した点を踏まえ、今後の検討と前向きな対応をお願いしておきます。
 さらにいくつか、指摘しておきます。
 
 第1に、今回、国の補助で救護施設に勤務する職員への慰労金が支給されることになりました。1人5万円の一般的な対応に加えて、感染者への対応の場合は20万円が支給されるという手厚い支援です。こういう形で、接触の危険に対し、手当てが支給されていくことは大切なことだと考えます。しかし、他にも多くの人に接しながら業務を行う部署は多数あります。救護施設での対応と同様の対応がさらに広げられていくようにと願います。全国的には、児童育成クラブの指導員にも危険手当を支給している自治体もあり、国への要望とともに、自治体独自策の検討も要望しておきます。
 
 第2に、感染予防策です。マスクや消毒液等の購入が各局で予算化されています。保育園や児童館に対し、1施設50万円が重ねて支給されることになったのは良かったと思います。しかし、障がい者の施設では未だ「届いていない」という声が聞こえてきました。50万円を上限に各施設で調達し、購入に対する助成を行うという方法ではなく、現物による給付であったことや物品の量そのものが少なかった点に問題があったのではないでしょうか。未だに、全く届いていない施設もあるようです。3月には障がい保健福祉課において、「衛生用品の必要数調べ」もなさったようですが、その結果はどのように活用されたのでしょうか。あらためて実態を把握し、支給方法の検討も含めて、対策を講じていただきたいと思います。障がい者の施設は、日頃よりさまざまに苦労されていますので、寄り添った心ある対応をお願いしておきます。
 また、熊本城の特別公開第2弾における3密防止策として必要な人員配置等の経費が予算化されました。これは、雇用確保にもつながるので評価できると思います。しかし、熊本城に限らず、他の施設についても活用できればと思います。動植物園、博物館、美術館など多数の来場者を迎える施設については、同様に臨時的な雇用による3密防止策の実施を検討していただくよう要望しておきます。
 
 第3に、経済観光分野では、旅行商品割引事業に3億6,000万円の補正が提案されています。相当の事業費が確保されていますが、他の事業についても、内容・事業費規模ともに抜本的な拡充が必要ではないかと思います。多岐にわたる経済分野の事業の実態についてきちんと掌握し、応分の経済対策を検討・実施していただくよう要望しておきます。
 いろいろと申し上げましたけれども、今回の補正予算では、短い期間にもかかわらず、健康福祉局や経済観光局、教育委員会に置かれては、新型コロナ感染症への対応で多忙な中にもかかわらず、たくさんの事業について起案し、予算を提案されたことには、現場のみなさんのご苦労があったことと思います。
 新型コロナウイルス感染症が大きく広がってきた3月以降、感染防止やその拡大防止、影響への対策など、多くの対応が迫られ、かつ刻々と状況が変わる中で、度重なる対応の変更も求められ、対応は複雑多岐にわたってきました。並々ならぬ毎日ではなかったかと思います。国内では、緊急事態宣言の解除によって、自粛一辺倒から、新しい生活様式に沿った暮らし・事業のあり方が求められるようになってきました。しかし、世界的には爆発的な感染拡大の域を脱しておらず、国内でも新たなクラスター等の発生も見られるなど、まだまだ予断を許さない状況にあります。その時々の状況にあった対応策、支援策が必要であり、この状況はいましばらく続いていくことが予想されます。
 落ち込んだ地域経済を立て直し、市民のいのちと健康・暮らしをしっかり守っていくためにも、これからも、その時々の市民の声やニーズをしっかりと受け止め、寄り添った支援を行っていく必要があります。地域住民の切実な声を国へと届け、国の支援策の充実を求めるとともに、住民に一番身近な自治体ならではの独自策もさらに検討し、実施していただくようお願いして、討論といたします。

令和2年度コロナ関連についての6月補正予算について質疑 那須円

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 2020年6月24日
 日本共産党熊本市議団の那須円です。
 令和2年度コロナ関連についての6月補正予算について質疑をいたします。コロナ関連の補正については、国の2次補正予算成立から短期間で、各局において補助メニュー等を洗い出し、当6月議会への予算計上となりました。本市単独の事業も含め、早急な対応に尽力された職員の方々に心から感謝申し上げます。とはいえ、感染拡大防止のための自粛により地域経済は大きな打撃を受けており、様々な分野や団体・個人への支援をより充実させていく必要があると考えています。こうした視点で、3点お尋ねいたします。
 
 1点目は、経済観光局のクラウドファンディング活用支援事業についてです。当事業は、クラウドファンディングにより販路拡大等に取り組む中小企業等に対し、1件当たり上限30万円を助成するものです。コロナに対応するために、各分野においてクラウドファンディングを活用した資金調達・確保が進められています。今回の事業についてはこれらを後押しする予算であり評価できるものですが、対象者が中小企業・小規模事業者と限定されており、件数も10件と決して多くはありません。
 クラウドファンディング運営会社の一つである株式会社キャンプファイアーの公表した資料によれば、今年5月の流通額は40億円に上り前年同月比較で、590%、過去最高額を更新しています。業種・分野別の調達実績を見てみると飲食が最も多くなっていますが、音楽・芸術が2番目となっているほか、例えば障がい者の就労継続支援事業所へのサポートなど福祉関連のクラウドファンディングも少なくありません。本補正予算については、中小企業を支える大事な取り組みでありますが、障がい者施設の運営や支援、文化・芸術活動を維持・支援するクラウドファンディングなども対象とし、新たに予算化すべきだと考えますがいかがでしょうか?
 
 2点目は、同じく経済観光局の誘致戦略事業についてです。同事業については、感染防止対策を講じたコンベンション主催者への助成金等であり、会場使用料増額に伴う開催助成金の加算や3密回避を目的としたバス増車への助成などがその内容となっています。
 ホールや会議室の利用にあたっては、コンベンション主催者にとどまらず、多くの市民や団体においても、3密を避けるために入場制限を余儀なくされ、倍程度の収容面積の会場を確保するなど苦労されている状況です。実際に市内ホールや会議室の利用状況や実態など聞き取りを行いましたが、3密回避のために利用制限があり、収容人数の50%以下としていることから、ホール利用の採算が取れないケース、会場規模を広げることによる費用が増大するケースなど発生しています。コロナ感染防止によるキャンセルなど、市民の利活用が大きく減少しています。予約状況は、昨年同時期に比べ大きく落ち込み、5割以上の減少が大半であります。そこでお尋ねいたしますが、コンベンション主催者のみ支援の対象とするのではなく、公共ホールや会議室を利用する市民・各種団体に対しても、増加した使用料分の補助を行うなど支援拡充を行う必要があると考えますがいかがでしょうか?
 
 3点目は、都市建設局の地方バス路線維持経費助成についてです。同予算については、コロナウイルス感染拡大に伴い大幅な減収となったバス事業者に対する運行費助成となっています。民間バス事業者に対し、前年度より約20%の収益減となるとの試算で、3億6320万円の予算が計上されています。必要な支援であると考えますが、市民の移動手段や公共交通を守るという意味ではバスのみならず、市電も同様であると考えます。市電の直近の4月、5月の利用状況は、昨年同時期の月90万人を超えていたものが、今年度は30万人程度と3分の1に、それにともない運賃収入も3分の1に減少しています。利用状況は今後徐々に回復をしていくことを期待していますが、バス事業者と同様に、市電の運行維持のために交通局に対して一般会計からの助成を行うべきだと考えますがいかがでしょうか?
 以上3点を大西市長にお尋ねいたします。
 
 クラウドファンディング活用支援事業については、どのような分野で活用できるか調査研究していくとの答弁でありました。先に紹介した障がい者就労継続支援事業所は、様々な事業を訓練の場として障がい者の生きがいを生み、スキル向上や就労につなげていく施設です。コロナかの影響を受け販路の減少などにより、非常に厳しい運営が余儀なくされています。ぜひ、福祉分野、文化芸術分野など様々な分野において、コロナ危機を打開する一つの手段としてのクラウドファンディングに取り組む団体への支援、さらにはノウハウのアドバイスなども含めた活用促進を強めていただくよう求めるものです。
 
 ホールや会議室の利用については、市民や各種団体に対しての使用料増加分も含めて、支援のあり方を工夫していくとの答弁でありました。
 熊本城ホールにしても市民会館にしても、地域経済の発展という目的とともに地域文化の発展や振興という目的が条例に明記されています。コンベンション主催者には会場費の増額分を支援するが、市民には支援をしないと、利用者によって支援のあり方に差があることは納得できません。コロナに対する新しい生活様式のもとにおいても、多くの市民にとって、利活用しやすいよう支援の強化を求めます。
 
 市電への支援については、交通局の収支等を踏まえ検討との答弁でありました。交通局の当初予算・収益的収支を見ましても、運輸収益は収益・収入の7割以上を占めます。費用いわゆる支出ですが、この収益をもとに、運転手の人件費など運行経費、線路や車両のメンテナンス維持補修などが行われ、安全な公共交通が維持されています。現在は、減価償却分の車両更新などの費用を当て対応しているとのことですが、コロナによる大幅な減収が現に発生していますので、バス事業者と同様に利用者の減少にともなう収益悪化に適切な支援を行っていただくよう要望いたします。
 
 新型コロナウイルスの感染防止や第2波への備え、さらには生活や生業の支援も含め地域経済の立て直しなど取り組むべき課題は多々ありますが、最大限の支援に取り組んでいただきますよう要望し、質疑といたします。

2020年6月議会

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 2020年6月15日
 世界的な感染の拡大に、WHOがパンデミックを表明し、日本でも、全国で緊急事態宣言が発令されるなど、新型コロナウイルス感染症の猛威が、いのちや暮らしを脅かしています。緊急事態宣言が解除されたとは言え、まだまだ予断を許さない状況にありますので、今回は、新型コロナ感染症への対応等を中心に伺います。市長ならびに執行部のみなさまには、市民の思いや声を受けとめた、心ある答弁をお願いいたします。
 まず、前半の新型コロナウイルス感染症対策の1番目、国民健康保険です。
 
 第1に、昨年に続き今年度も、保険料の最高限度額が3万円引き上げられ99万円となりました。新型コロナという未知の脅威から市民の命と健康を守るため、負担の限界を超えた保険料は軽減こそ必要です。本年度の最高限度額引き上げは今からでも撤回し、負担増を中止すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第2に、2月に「国保をよくする会」から、約8000筆の保険料引き下げを求める署名が市に提出されました。その時、参加者から「所得の2割もの保険料が適正な保険料と言えるのか」との発言がありました。本市では、保険料が高いため、滞納世帯が他都市の2倍、3世帯に1世帯です。約3万世帯が保険料をちゃんと払えない異常です。これでは、まともな制度運用はできません。
 また本市では、子どもから大人まで、収入があろうとなかろうと加算される均等割が政令市で高い方から3番目、平均額より一人13,000円も高く、年間44,700円です。政令市で一番安い札幌市の約2倍です。子どもが1人生まれると44,700円も保険料が上乗せとなり、多子世帯の保険料を引き上げています。少子化が大問題の現在、収入のない子どもに5万円近い保険料を払わせる子どもの均等割は廃止し、政令市でも格段に高い均等割額を軽減すべきではないでしょうか。そして、政令市一番高い保険料は引き下げるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第3に、保険料の滞納世帯が多い本市では、厳しい滞納処分・取り立てを行う一方、滞納処分の執行停止はわずか383件、全国の政令市で少ない方から2番目です。千葉市・川崎市は、約3万の滞納世帯を100%すべて執行停止にしています。執行停止世帯は、政令市平均で18%です。自治体によっては、「滞納処分の執行停止取扱要綱」に生活困窮や処分する財産がないなどの、執行停止要件を定めて適正に執行停止を行っています。保険料が高く滞納の多い本市こそ、この要綱を定め、必要な世帯への執行停止措置を適宜実施すべきではないでしょうか。
 第4に、新型コロナへの対応で、現在資格証明書発行が中止されています。現在発行している短期保険証は、8月頃に切り替え時期を迎えます。新型コロナ感染症が未だ収束しておらず、引き続き資格証明書発行は中止の対応を続けるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 第5に、今回、新型コロナで傷病手当金が支給されることになったのは、大きな前進ですが、保険料を負担しながら、自営業者・フリーランス等の方々は、支給対象となっていません。新型コロナの影響を受けるという点では同じなので、持続化給付金同様、傷病手当の対象とすべきだと思います、いかがでしょうか。
 第6に、国民健康保険では出産育児一時金が42万円支給されます。ところが本市では、収納率向上のため、入院費等を払った残りの一時金を保険料に充当するという扱いが行われています。昨年度実績で、20件もの出産一時金取り上げが行われています。市長は、このような実態をご存知ですか。本来の趣旨に反する出産育児一時金の保険料充当はきっぱりとやめていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 以上、市長にお尋ねします。
 
 (答弁)
 
 出産育児金では、「充当依頼書」をつくり無理やり書かせているのが問題です。子どものために支給された出産育児金の取り上げは、即刻辞めていただきたい。
 加入世帯の8割以上が年間所得200万円以下という低所得世帯構成された国民健康保険には、制度上の矛盾が大きいです。しかし、大西市長になって、料率改定や最高限度額引き上げで毎年の値上げです。一方で、国言いなりに一般会計からのルール外赤字補てん分を大きく削減、前市長の時代の4分の1に減っています。これが矛盾を拡大しています。新型コロナに向き合う中で、国保がいのちを守る制度として機能するよう、保険料引き下げや子どもの均等割廃止をはじめ、指摘した点の改善に努めていただくよう要望いたします。
 また、これから始まる新型コロナでの傷病手当金の支給や、保険料の減免・免除については、対象となる方々が、もれなく速やかに手続きがなされるよう、迅速で丁寧な周知と対応をお願いいたします。
 
 続いて、介護の問題でお尋ねいたします。
 介護現場でも、新型コロナ感染症のもとで、「感染しないか」「感染させてしまわないか」「感染者が出ると事業を継続できなくなる」という不安や緊張の日々が続いています。日常のケアでも、利用者との「密」を避けることが難しく、常に感染リスクと向かい合わせです。加えて、集団感染の不安もあります。必需品であるマスクやガウン等の衛生・防護用品は不足しています。各事業所では3月以降利用者が減り、収入減となり、事業の継続が困難な状況も生まれています。この状態が続けば、「介護崩壊」です。一方、利用者側では、利用の控え、事業側の都合で介護サービスが受けられなくなり、状態の悪化、鬱・認知症の進行などが生じています。家族の介護負担も増大しています。介護現場の抱える困難を早急に打開し、「第2波」「長期化」に備えるためにも、介護事業所や介護従事者への速やかな支援が必要です。
 第1に、介護現場に不足しているマスクやガウン等の衛生・防護用品など、必要な物資の安定的な確保、供給について対応策をお示しください。
 第2に、介護事業所で感染者が発生した場合の対応・支援として、 @ 感染者が速やかに入院できるための医療体制強化 A 必要な衛生・防護用品の優先的供給と、発症者や濃厚接触者隔離のための施設整備、備品確保等への費用助成 B具体的なガイドラインの明示 C 医療専門チームや支援職員の派遣、行政による支援体制の確保等の対策が必要です。現状と、今後の対応についてお聞かせください。
 第3に、介護保険では、多くの高齢者から「とにかく保険料が高い、負担が重い」という声が寄せられます。制度開始以来20年間、上がり続けてきた保険料は2倍以上になりました。年金が減るのに保険料が上がり、「月額年金1万5千円以下」の普通徴収となっている困窮世帯の滞納が急増しています。全国の政令市で2番目に高い保険料の負担を軽減すべきです。保険料の引き下げ、市独自の減免制度実施についてお尋ねします。
  つづいて、障がい者分野での支援について伺います。
 きょうされん全国事務局の調査では、イベントの自粛等による販売機会の減少で作業所の半数以上で工賃が減っていると回答しています。熊本市内の作業所からも、販売先が減り、収入が大きく減少していると聞きました。特に労働契約になっているA型作業所では賃金の支払いが困難だと言われていました。必死になって販売先を探すも、コロナへの対応でなかなか見つからないと嘆いておられました。障がい者施設は、訓練の場であったり、働く場であったり、生活する場であったり、さまざまな役割があり、欠かせない存在です。施設やサービスが利用できなくなったことで、生活が成り立たなくなる方もいらっしゃいます。重症心身障害の方にとっては、新型コロナは命にかかわる脅威です。障害を持った方が、新型コロナのもとでも、障がい者サービスをきちんと利用することができるような支援が必要です。
 第1に、障がい者福祉の現場に不足しているマスク・消毒などの材料がきちんと届くよう、速やかな支援が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 第2に、事業所への減収補てんがきちんとなされるよう、国と協力しながら取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 第3に、作業所の販売先が減っているので、販路拡大に対する市の支援をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 以上、介護と障がい者福祉について、健康福祉局長に伺います。

(答弁)
 
 いずれも、現場の声をしっかり聴いて取り組んでいただくようお願いしておきます。
 

 次に、暮らしへの支援について伺います。
 まず、社会福祉協議会の生活福祉資金貸付についてです。
 今年3月、厚生労働省は、新型コロナ感染症の影響で生活が窮迫している世帯が急激に増えていることへの対応として、個人向け緊急小口資金等の特例貸付拡大を打ち出し、「緊急小口資金」と「総合支援資金」の貸し付け対象者・貸付上限・措置期間・償還期間・利子の緩和・拡大措置がとられていますが、現場の運用に問題があるとの声がありましたのでお尋ねいたします。
 第1に、「この特例措置では、償還時に、なお所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除することができる」という規定があります。もともと困窮している人が、返済時に窮迫した状況が続いていれば返済が免除されるという措置を知れば、安心して借りることができます。この点についての周知をきちんと行っていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
 第2に、この間「生活と健康を守る会」の方々と、県・市の社会福祉協議会に要望・交渉を行ってきましたが、熊本は過去の返済が一定残っていれば、新たに新型コロナで新たに貸し付けを受けることができません。福祉の制度でありながら、困っている人を締め出すような不適切な運用です。全国の都道府県で、熊本のように返済が残っている人を門前払いしているのはわずか3ヵ所です。政令市20市でも、滞納を理由に貸付をしていないのは、千葉市・熊本市の2市だけです。全国のほとんどの自治体が返済状況の如何を問わず、新型コロナでの特例貸付を行っています。困窮した実態を見ない熊本市の運用は改善すべきではないでしょうか。
 

 続いて、同じく社会福祉協議会が行う「住宅確保要配慮者支援事業」です。
 一人暮らしの高齢者・障がい者や生活困窮者で、頼る人のいない方々を対象に、社会福祉協議会が、入居時の身元保証、入居中の家賃滞納保証、亡くなられた後の原状回復保証・死後事務保証などを一括して請負う「住宅確保要配慮者支援事業」を行っています。2010年の国勢調査で、本市の高齢単身世帯数は26,693世帯にも上り、住宅確保の難しい方は多いと思います。しかし、制度の利用状況は、一昨年・昨年ともに、年間約300人の相談者に対し、契約ができた人はわずか約1割です。なかなか利用されないのは、対象が困窮世帯でありながら、利用料金が重いからです。生活保護の方で年間3万4000円、一般の世帯で年5万4000です。今後ますます高齢化や貧困がすすみ、この制度の必要性は高まると思います。利用しやすい制度にするためにも、生活保護需給者の利用料免除や一般世帯の利用料軽減のため、市が一定の助成をできないでしょうか。
 合わせて、市営住宅について伺います。
 第1に、新型コロナに関し、市営住宅の災害減免の要件を緩和し、減免対象を広げるとともに、減額・猶予の周知を徹底していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 第2に、マスコミ報道でも、新型コロナの影響による失業・倒産・廃業が次第に増加しており、その影響で住いの確保に困難な方も増えています。埼玉県では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による解雇等で、住居確保が困難となった方を対象に、最長1年・敷金免除で県営住宅の一時提供を行っています。本市で、新型コロナの影響で住いを無くした方々への福祉的対応として市営住宅の一時提供が実施できないでしょうか。

 つづいて、水道・下水道料金の減免です。
 新型コロナ感染症は、経済や国民の暮らしに、かつてなかった甚大な影響をもたらしています。市民生活と経済活動支援のため、今、全国の自治体が水道料金や下水道使用料の減免に乗り出しています。5月19日までに少なくとも125の市町村・全水道事業者の約1割が、減額・免除の方針を決め、その後も増えているようです。在宅勤務や学校休校の長期化などで、家庭での水道使用量が増加傾向にあることや、事業所の収入が激減する中、固定費としての水道料金・下水道使用料の負担が重く、減免による公共料金の負担軽減は、生活困窮者や自粛・休業の影響を受けた飲食店等の個人事業者にとって大きな支援となります。上下水道の基本料の軽減や水道料金の使用料全額免除、期間も2カ月から半年程度まで様々ですが、政令市では大阪市、名古屋市、仙台市、堺市、九州沖縄の県庁所在市では、鹿児島市、宮崎市、大分市、那覇市と、半数の市で実施されています。本市の水道事業は、毎年大幅な黒字決算を続けており、私ども日本共産党市議団は、機会あるたびに、水道料金引下げや福祉減免実施を要望してきました。新型コロナ感染症という未曽有の危機に直面している今こそ、長年続いている黒字を市民・利用者に還元し、水道料金・下水道使用料の減免を実施していただきたいと思いますがいかがでしょうか。
 合わせて、2019年度の水道事業・下水道事業の収支見通しについてご説明ください。
 以上、暮らしへの支援について、市長ならびに関係局長にお尋ねいたします。

  (答弁)
 
 いずれも、福祉の心で、寄り添った対応をお願いしておきます。
 

 次に、事業者への支援について伺います。
 第1に、国の持続化給付金には申し込みが殺到していますが、売上が50%以上減少が給付要件のため、売上の減少が少ない事業者は対象となりません。神奈川県商工団体連合会が行った影響調査では、建設・製造・卸小売・飲食・サービスなど、幅広い事業者約200カ所のうち、8割の事業者が売り上げが減少したと回答しながら、3割以上の事業者が持続化給付金の対象外とのことでした。
 本市で、売上が減少しながら、持続化給付金の対象とならない事業者の実態をどのように把握されているでしょうか。
 また、制度の対象外の事業者への本市独自支援はできないでしょうか。
 第2に、緊急事態宣言に基づく県の休業要請を受けた事業所への県の休業協力金とともに、本市の緊急家賃支援金も、自粛要請外へと拡充されました。しかし、これらの支援対象外となる事業所はもとより、対象事業所であっても、学校が臨時休校となった3月から、緊急事態宣言解除の5月までの期間、その後も急速に元の状態へと戻っておらず、多くの業種で、長期の売り上げ減少に、固定費が負担となっています。新型コロナの影響が収束するまで、固定費への継続的な支援ができないでしょうか。
 第3に、新型コロナのもと、中でも小規模事業者は大変苦労されています。家族経営の商店・事業所は、もともと売り上げが少ない上に、昨年10月の消費税10%への増税で売り上げが落ち込み、そこに新型コロナです。地域の商店街での聞きとりでは、多くのお店が「もともと落ち込みようのないくらい落ちていた売り上げは5割も落ちない。5割落ちたら倒産だ」と嘆いておられました。埼玉県所沢市では、20人以下の小規模事業所へ一律10万円の独自支援を行っています。本市でも、小規模零細事業者への支援をぜひ実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 第4に、自粛や感染の不安などによるタクシー業界の落込みは、深刻です。日本モビリティ・マネジメント会議が公表した影響試算では、全国のタクシー業界で4400億円の減収が見込みだそうです。私ども党市議団へも、「1日仕事しても、ほとんど乗車がない」との声が寄せられています。
 お隣の益城町では、落ち込んだタクシー業界の支援と障がい者・高齢者の福祉増進の観点から、福祉タクシー制度の利用額を拡充しています。本市でも、障がい者福祉タクシー券の1回の乗車の助成額引き上げや発行枚数の拡充、さらには、さくらカードの利用できない高齢者を対象に福祉タクシー券を発行するなど、新型コロナの影響で、苦境にあるタクシー業界への支援ができないでしょうか。
 以上、市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 経済の面で、新型コロナ感染症は、インバウンドに頼った経済政策のもろさをはっきりと示しました。今後は、地元事業者を大切にした地域循環型の経済政策優先へと施策の転換が求められると思います。コロナと向き合いながら地域の中小・零細事業者を大切にした経済活動への支援をお願いしておきます。
 

 次に、子育てにかかわって伺います。
 以前から社会問題化していた子どもと貧困は、長期の休校により、食費が家計を圧迫する、家庭で十分な栄養を取ることができないなどの声が寄せられるなど、新型コロナ感染症の影響で、子どもをめぐるさまざまな問題があぶりだされることになりました。学校の休校中も、地域の子ども食堂、あるいはボランティアの方々により弁当提供も行われましたが、医療や健康、栄養面で子どもたちの健やかな成長をささえるこれらの支援は、本来ならば行政が責任を持って対応すべきことです。
 第1に、茨城県東海村では、独自に子ども一人1万円の子育て支援金が支給されています。ひとり親世帯や子どものいる住民生非課税世帯への給付金の上乗せや、子育て支援金の支給を検討できないでしょうか。
 第2に、新型コロナ感染症への対応が求められる中でも、子ども食堂やシングルマザー支援団体等が行っている子どもたちへの支援に対し、行政の助成は不十分です。新型コロナ感染症への対応も必要となっており、助成額の引上げとともに、マスク・消毒などの衛生材料の支給等も行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 また、これらの団体の活動は、単に食事や物資を届けるに留まらない、子どもたちの抱えるさまざまな困難を見つけて、専門的な部署へとつないでいく大切な役割を持っています。そのために、専門知識やノウハウを持つことが重要です。今後は、行政の責任で、各団体のスキルアップのための研修などを実施していただけないでしょうか。
 第3に、国の特別定額給付金は、すべての人が支援を受けられる制度として歓迎されています。しかし、終息も見えない中、支給の基準日が4月27にと規定されているために、その後に生まれた新生児は対象となりません。全国的には、札幌市が4月28日から5月25日まで生まれた新生児も給付金の対象に広げ、県下の山鹿市や千葉県習志野市では今年度中に生まれる新生児を対象に10万円を支給することにしています。本市においても、基準日以降に生まれた新生児への10万円の給付金支給を独自に実施できないでしょうか。
 第4に、国民健康保険では、保険料のコロナ減免が実施され、新型コロナ感染症にかかる傷病手当金支給も行われることになりました。新型コロナ感染症という未曽有の危機に直面している今だからこそ、子どもたちが安心して病院にかかることができるようにすることが必要です。本市の現行子どもの医療費助成制度は、先の制度改定によって薬剤分も含め、自己負担が大幅に引き上げられました。新型コロナ感染症に対峙している今、お金の心配なく、どんな時でも病院に行くことができるよう、自己負担を廃止していただきたいと思います、いかがでしょうか。
 引き続き、教育現場で新型コロナへの対策をしながら学びを保障していくための環境整備について伺います。
 3カ月もの長期となった小中学校等の臨時休校は、子どもたちの成長・発達に大きな影響を及ぼし、改めて学校が子どもたちの学習の場であるだけでなく、人として共に育ちあう場、貧困への対処の場、栄養摂取の場、障がいや発達の特別の支援の場としてなど、子どもの成長・発達、権利保障の上で欠くことのできない、高度な仕組みであることを再認識することになりました。休校の中で抱えてきたストレス、不安や悩みを解消しながら、感染リスクを下げた環境で、必要な学びを保障していかなければなりません。
 第1に、新型コロナに直面する時代、「新しい生活様式」を踏まえ、子どもたちを感染から守る学校現場にしなければなりません。文部科学省は、5月22日、「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」を公表し、「新しい生活様式」を踏まえた学校の行動基準として、地域の感染レベルに合わせた身体的な距離の確保の指標を示しました。レベル2・3では「できるだけ2m程度」、レベル1でも「1mを目安に学級内で最大限の間隔を取ること」とし、ゆとりある空間での授業を推奨、密集を回避するための目安として、レベル2・3では20人学級を例示しています。今後、子どもたちが感染リスクの少ない環境で学習できるよう、少人数学級の推進は重要です。私どもは、子どもたちへの行き届いた指導の面から少人数学級の拡充を求めてきましたが、新型コロナ感染症に直面している今、「学校の新しい生活様式」実践のうえでも、今後の目指すべき方向となっています。
 現行の35人学級を当面すべての小中学校・高校へと広げ、その後は、あらゆる感染のレベルに備えるためにも、学級人数をさらに30人、それ以下へと減らしてゆく取り組み、その検討が必要ではないかと思います。見解を伺います。
 第2に、3カ月もの長期休校で、子育て世帯の食費が大きく膨らみ、家計を圧迫することになりました。特に就学援助を受けている世帯へは大きな負担となりました。その支援として、就学援助世帯への休校中の昼食代を補助する自治体が広がってきています。朝日新聞社の調査では、道府県庁所在市・政令市・東京23区の74自治体のうち、24市区・32%の自治体で、昼食代補助の実施、またはその予定です。政令市は5市です。県下では山鹿市が、今年6月から来年3月までの学校給食費と保育園等の副食費の無償化を実施します。文部科学省は、5月19日、「新型コロナウイルス感染症対策による臨時休校に伴う令和2年度要保護児童生徒援助費補助金(学校給食費)の取扱いについて」の事務連絡を出し、各自治体への対応を求めています。本市でも、就学援助世帯への昼食代や、さらには保育園等の副食費への支援を実施できないでしょうか。
 以上、子育てと教育の問題について、市長ならびに関係局長に伺います。
 
 (答弁)
 
  教育長は、「少人数学級のこれ以上の拡大は考えていない」と答弁されましたが、文部科学省の衛生管理マニュアルでは「40人学級では1メートル空けることも難しい」と指摘していることは、ご存知ですか。国会では安倍首相でさえ、「少人数学級に向けて努力を重ねてきた。コロナ後を見据えて検討していきたい」と答弁しています。学校は、子どもが長時間過ごすところです。衛生管理マニュアルを踏まえた対応を検討すべきではないでしょうか。教育長に伺います。

 (答弁)
 
 熊本市は、「人との距離は2メートル」というCMを流しています。教育長はご存知ないのでしょうか。新型コロナの中で、不安やストレスを感じている子どもたちへの丁寧な指導はもちろん、安全な環境は最優先です。教育長におかれては、教育者として子どもとその保護者に寄り添った対応をお願いしておきます。
 

 次に、学生・若者への支援についてお尋ねします。
 新型コロナの感染拡大により、学生が経済的苦境に立たされています。学生団体である「高等教育無償化プロジェクトFREE」の調査では、「5人に1人、2割の学生が退学を検討」という結果もあり、若者たちの危機的な状況が浮き彫りとなりました。家庭の収入が減ったり、自身のアルバイト収入が減ったりして生活が苦しいのに、オンライン授業導入による経費負担の発生や、実験・実習がないこと、図書館等の利用ができず研究がすすまない、学食が利用できず、食事の負担が増えるなど、不安や困難が次々と発生しています。学費の負担軽減を求める学生や関係者の要望に応え、大学が授業料の軽減を次々と打ち出し、国も「学びの継続」のための「学生支援緊急給付金」を創設し、県も独自に「困窮大学生等給付金」の支給を打ち出しています。しかし、これらの支援は、学生の1割にしか届きません。更なる支援拡充が求められます。これからの社会を担う若者の安心できる学び継続のためには、国や自治体がそれぞれに役割を発揮し、支援策に取り組む必要があります。新型コロナ感染症は、そもそも世界的にみても驚くほどに重い日本の高学費についても、問題を投げかけています。
 第1に、お隣の益城町では、アルバイトの収入が減少、困窮している県外からきている大学生・専門学校・大学院生・予備校生学生に一律3万円の給付や高校生等への町内で利用できる商品券・ひとり5000円の支給などが行われています。本市においても、国・県に上乗せし、学生への給付が実施できないでしょうか。
 第2に、高等教育無償化に近づくために、欧米では当たり前になっている給付型奨学金を実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  
 
 あわせて、文化芸術分野の問題で1点お尋ねいたします。
 現在、新型コロナの対策で、ホールの本来のキャパシティーの半分程度の人数しか入場することができません。会議室等も同じです。それでも、少しでも催しをやっていこうという方々の努力で、各種催しが少しづつ始められています。出演料は当たり前に払うことになるので、せめて会場費の負担が減らないかという声が寄せられました。半分程度の入場で、全額の使用料負担は重いと思います。舞台は、演ずる人、見る人、企画するひとが一体となって創り上げられていきます。新型コロナの中でも、文化芸術の灯を絶やさないためにと頑張っている方々への支援が必要だと思います。新型コロナ感染症への対応で通常人数が入場できない間、施設使用料は減免すべきではないでしょうか。
 
(答弁)
 
 奨学金については、任期中に実現とのことですので、速やかな実施を要望しておきます。
 また、文化芸術分野への支援では、会場費補助の実施はもちろん、答弁された文化芸術活動継続のための工夫ある取り組みとともに、国では第2次補正による「文化芸術活動への緊急総合支援パッケージ」がミニシアターやライブハウスなどの小規模団体等へも活用されていくよう、更なる拡充を国へ求めていただきたいと思います。
 
 続いて、医療・保健分野の課題について伺います。
 第1に、病院機能維持のための支援です。
 新型コロナの影響で、今全国の医療機関が危機に直面しています。
 全国公私病院連盟会長の邉(へん)見(み)公雄さんは、民医連新聞の紙上で、「新型コロナウイルス感染症患者の治療は診療報酬を2倍にしても全く足りません。感染者を1人でも受け入れるには、病棟を全て空けなければならない。毎日200万円以上の損失。国・自治体が大規模な支援がなければ、経営が行き詰まる医療機関が続出。新型コロナウイルスの第二波、第三波に備えることもできず、国民のいのちと健康は守れない。」と述べられていました。患者受け入れ機関に限らず、それ以外の医療機関でも、検診や検査などで緊急を要しない診療を中止するなど、新型コロナへの対応は迫られるのに支援はなく、自粛もあり患者が減少、経営がひっ迫、遠くない時期に資金ショートするような現状も指摘されています。東京保険医協会の調査では、4月、93%の診療所が収入減を訴え、そのうち30%を超える診療所が5割以上の減収との報告でした。新型コロナ感染症から、国民の命を守り、感染収束のためには、その第1線で頑張る医療機関への支援無くしてはできません。本市でも、感染症病床は、エボラ出血熱などを受け入れる第1種は2床が維持されているものの、この度直面している新型コロナはじめSARSやMERSなどを受け入れる第2種感染症病床は、5年前と比べて6床も減っています。これは、感染症病床の維持が難しいものであることを示しています。
 神奈川県知事は、5月に県下の医療体制を維持するためにも、現在の医療機関のダメージや、どのぐらいの支援をしなければ医療体制が維持できないかの調査に乗り出す意向を表明しました。本市でも、医療崩壊を回避し、必要な医療体制を維持していくためにも、早急に医療の現状を把握すべきです。県とも協力して、公立、民間問わずに市内の医療機関の現状について早急に実態調査を行い、必要な支援について検討していくべきではないでしょうか。
 また、国に対し、患者受け入れをしない医療機関も含め、すべての医療機関に対し、経営難による医療崩壊を起こさないための財政支援を早急に行うよう申し入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 第2に、公立病院の再編問題についてお尋ねいたします。
 政府の「地域医療構想」では、2025年度までに全国の急性期病床を約20万床、3割減らす目標です。昨年9月に、424の公立・公的病院を名指しで再編統合をせまりました。その中には、熊本市の市民病院と植木病院も入っていました。その後、市民病院は対象から外されましたが、再編がすすめられれば、本市でも公的病床が大きく削減されることになります。新型コロナ感染症の感染拡大は、感染症病床という極めて不効率・不採算な病床の確保が必要となるので、公立病院の果たす役割と存在が大きいことが明らかになりました。今年1月29日に中国・武漢から最初のチャーター機が到着した時、具合の悪い人を真っ先に受け入れたのが、東京では公社・荏原(えばら)病院、都立駒込病院であったことは、感染症の対応で公立病院の役割が大きいことを示しています。いったん緊急事態宣言は解除されましたが、懸念される第2波への備えが重要な課題となる今、医療機関における「平常時からの余力」を持った病室・病床数の確保が必要であり、今ある公的病院の病床確保は優先課題です。新型コロナの感染拡大に備えてベッド確保を求めながら、一方でベッド削減を並行して進めるような公立病院の統廃合は、全くの矛盾です。植木病院も対象となっている公立病院の統廃合については、国に対し中止を求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 第3に、コロナ対策に大きな役割を果たしている保健所・保健センターです。
 政府の緊急経済対策にも「保健所の体制強化」があげられ、保健・公衆衛生の体制強化は急務です。全国の保健所は、1990年には850カ所あったものが2019年には472ヵ所にまで統合され、職員も減らされてきました。本市でも、過去に2カ所あった保健所が今や1カ所となり、保健センターも区役所に機能が置かれているだけです。お隣の政令市・福岡市では、すべての区に保健所が置かれています。また、全国の政令市における保健所・保健センターの人員体制にはそれぞれ差がありますが、保健師数に特に大きな差があります。人口によってそれぞれ違いはありますが、熊本市は、全体の職員数も少なく、それには保健師配置数が少ないことが影響しています。多くの政令市に配置されている、歯科医師や歯科衛生士がいなくて、獣医師・薬剤師・放射線技師・管理栄養士なども少ないのが特徴です。今後は、保健所体制の拡充のためにも、各区への保健所設置や、他都市と比較しても少ない専門職の配置拡充とともに、保健所・保健センターの人員体制の抜本的拡充が必要と思われます、いかがでしょうか。
 第4に、検査についてです。
 緊急事態宣言解除後の18道府県知事による緊急提言では、「大規模な新型コロナウイルス感染者の早期発見・調査・入院等による積極的感染拡大防止戦略への転換」が必要である点を第1に掲げ、有症者への受動的な検査でなく、発想を変えて、偽陰性者や偽陽性者に配慮しつつ、適切に検査対象者を設定して検査を大規模に行い、判明した陽性者との接触者を調査・検査し、治療につなげて行くという先手の感染拡大防止策の重要性を指摘しています。医療・介護従事者や、医療・介護施設の入院・入所者を積極的に検査し、さらにその対象を広げていくなどの取り組みが必要です。5月には、感度が劣るデメリットはあるものの短時間で診断できる抗原検査も承認されています。PCR検査の検査数拡充に加え、唾液での検査も可能となっており、今後は、より迅速・簡易なPCR検査の実施や抗原検査を組み合わせて実施するという、一歩進んだ検査体制へと進めていくとともに、全国的には一部地域で始まっている抗体検査実施も検討すべきです。今申し上げたことも含め、今後の検査充実についての考え方や見通しについて伺います。
 
 (答弁)
 
 第2種感染症病床が減って、市内にわずか31床しかないことは、爆発的な感染拡大には到底対応できないと医療現場でも懸念されています。医療機関への支援については、特段の計らいをお願いしておきます。
 新型コロナ対策は、国の支援がありますが、それで十分とならない部分を、住民に寄り添ってフォローするのが、住民に一番身近な市町村の役割だと思います。そういう意味で、全国の事例も種々紹介しました。
 かなり財源を必要とするものもありますが、市長が表明された市庁舎や市電延伸の凍結にとどまらず、市民の目線で、市政のムダに大きくメスを入れるべきだと考えます。この点でも、今後具体的な指摘をしていきたいと思います。
 
 では、大きな2つ目のテーマ、市長の姿勢にかかわる問題について伺います。
 まず、昨年12月に発生した熊本城ホールの振動問題です。
 オープンしたばかりのホールで、「気分が悪くなるような振動であった」という苦情が出るような振動の発生には、私も驚きました。指定管理者や市に対し、さまざまな苦情が寄せられ、マスコミへも様々な市民の意見が届けられました。
 第1に、音響と静かな環境は、文化ホールの重要な要件です。この度の振動問題で、原因解明はされましたか。していなければその理由をご説明ください。
 第2に、その後、何らかの対応策はとられましたか。
 第3に、建築や音楽等の専門家の意見は聞かれましたか。
 第4に、指定管理者「熊本城ホール運営共同事業体」は、「メインホールから下の階に振動が伝わることはわかっていたが、逆のケースは想定していなかった」とマスコミにコメントしていました。振動の問題を市は、いつ、どのように知っておられたのでしょうか。内容についてもご説明ください。また、再開発会社や指定管理者からの説明は聞かれていましたか。
 第5に、ホールが振動で安心してコンサートも聞けないようでは困ります。原因究明と必要な対応策を講じるべきではないでしょうか。
 以上、市長にお尋ねいたします。
 
(答弁)
 
 「設計段階で振動が防げないと聞き、耐震・遮音対策を講じた」との答弁ですが、講じた対策の効果がなかったからの振動発生ではないでしょうか。
 マスコミには、「音楽鑑賞中にほかの会場の振動が伝わるなら鑑賞どころじゃない。多額の税金を投じて、欠陥ホールではないか」という投稿がありました。なぜ多額の税金を使いながら、振動でおちおち鑑賞できない構造のホールになってしまったのか、これが問題です。
 全国には、熊本城ホール同様、建物の中高層階のホールは多数あります。しかし、ホール規模が2000席を超えるような大規模ホールが、上下に重なった構造のところはあまりないようです。答弁にありましたように、ホールの構造上、振動の他階への伝搬を防ぐことができないと、設計者が市に説明していたように、再開発事業の保留床を利用するという、限られた条件のもとでのホール整備がこの振動問題を生んでいると考えられます。そして、大ホールの下に、産業文化会館の代替として、無理やり750席のシビックホールをつくったことも原因の一つです。市民が存続を願っていた産業文化会館を無理やり壊し、桜町再開発を強行したことが振動の問題を生んでいることを認識していただきたいと思います。
 上通A地区再開発の現代美術館は、ホテルと隣り合わせのため、国宝級はもとより価値ある美術品の展示はできません。全国の多くの再開発で、埋まらない床を埋めるために様々な公共施設が入り、矛盾を抱えた施設整備を行っている事例が多々あります。残念ながら、莫大な税金を投じたホールが、再開発への整備ということで、矛盾を抱えた施設となってしまったことの責任を市長には受けとめていただきたいと思います。
 ニューヨークフィルの根拠地で、1962年にオープンした2738席のディヴィッド・ゲフィン・ホールは、音響問題で、1976年、1992年、2005年と、多額の費用を投じ、度重なる音響改修を行っています。本当にいいホール環境を利用者に提供しようというのであれば、振動の改善も、これぐらいの覚悟で臨んでいただきたいものです。
 
 次に、県議選の持ち帰り票問題について伺います。
 今年3月に行われた熊本県知事選挙の熊本市中央区開票区における、109票の持ち帰り票の問題では、前の質問者からも縷々お尋ねがありました。再発防止策が重要であることは言うまでもありませんが、あってはならない109票の行方不明票、その原因を解明せず、そのままにしていいものでしょうか。その点で疑問がありますので、そこで、伺います。
 第1に、この問題は、地元紙に「前代未聞、109票消える」「驚愕のトラブル」と報道されました。これまでも、本市の選挙においては、さまざまなミスが発生し、そのたびに陳謝が繰り返されてきました。しかし、今回のトラブルは、これまでのミスとは比べ物にならない、重大な誤りです。票数に大きな差のある県議選で、当落に影響していないために、「すみません、再発防止に努めます」という処理になっていますが、1票を争う市議選であれば当落にかかわります。申し訳ないではすまされないはずです。事の重大性をどのように認識されていますか。
 第2に、原因が解明されないままに、再発防止策だけでお茶を濁してしまっていいのでしょうか。検討委員会の答申では、「委員会の結論として、109票の行方不明事案の原因は、紛失などの過失による事故か、盗難、選挙妨害行為などの犯罪かということになる」と述べつつ、「過失による事故か、犯罪行為が行われたかについては、残念ながら本委員会はこれ以上明らかにすることはできなかった」とされています。このことに対し、私どものもとには、複数の市民から、「民意が歪められる、選挙の根幹にかかわる事態が発生しているのに、なぜこのような誤りが発生したのか、はっきりさせられないのには納得がいかない」という声が寄せられました。「明らかにできなかった」で終わらせるのでなく、この重大な問題について、市民にきちんと説明する責任があると思いますが、いかがでしょうか。
 第3に、市民への疑問に答え、大きく失墜した市民の信頼を回復するために、検討委員会の答申では、これ以上の解明ができないとなっていますが、うやむやにせずに、徹底した解明を行うべきではないでしょうか。
 以上、市長に伺います。
  (答弁)
 
 この問題を放置していたら、選挙に対する信頼はなくなります。当落に関わらずとも、1票に託された市民の負託の重さを考えるならば、選挙に対する市民の信頼を欠くような対応は許されません。選挙事務を行ったのは職員であり、任命権者である市長の責任が問われる重大な問題です。
 昨今の選挙では、ただでさえ投票率の低下が問題になっているときに、選挙結果はいい加減で、信頼おけないとなったら、ますます選挙から民意が離れていくのではないでしょうか。そうさせない責任があると思いますので、市民への説明責任と信頼回復に万全を期していただきたいと思います。
 
 市長が認可権を持つ再開発に関連して、市長の政治倫理について伺います。
 市政史上最大の桜町地区第1種市街地再開発事業は、2015年5月1日に事業認可され、昨年秋に完成しました。熊本市は、これまで、市税をつぎ込む3つの再開発にかかわってきました。一つ目は、上通A地区第1種再開発事業、ここには現代美術館の保留床を取得し、合わせて地上権設定方式で50年間にわたり約20億円もの借地料を払っています。2つ目は、駅前東A地区第2種再開発事業、こちらは熊本市が施行者となって実施し、森都心プラザ・ホールを整備、マンションも建設しました。そして3つ目が桜町再開発です。
 第1に、紹介した3つの再開発事業の総事業費と投入した税金額をご説明ください。
 第2に、再開発事業には、運転資金支援として再開発貸付の制度があります。3つの事業で、事業者に対し、再開発貸付を行った事業があれば、貸付額をお示しください。
 市長にお尋ねいたします。
  (答弁)
 
 答弁されたように、桜町再開発は、総事業費777億円という市政史上最大の再開発でした。熊本市は保留床取得金や補助金、ホールの整備諸費用等441億円を投入しました。なんと総事業費の6割近くを市が負担するという異例の支援です。市施行の駅前東A地区再開発でさえ、市の負担は144億円です。面積比を考慮しても、まるで市施行のような財政負担となっており、抜きんでた大盤振る舞いです。
 しかも、お金の面だけではなく、桜町再開発は、やり方も脱法的とも言えるものでした。九州産交という1企業が地権者という全国でも例のない再開発でした。都市再開発事業は、組合施行ならば、複数の地権者でなければ再開発補助金の対象となりません。しかし桜町再開発は、会社施行というやり方で、言わば脱法的に126億円もの再開発補助金が投入されました。私どもが、繰り返し指摘してきましたように、熊本市の強い後押しなしにはできなかったことです。加えて熊本市は、再開発事業者への資金繰り支援として、66億円もの無利子貸付まで行いました。熊本地震はじめ災害被災者の福祉資金貸付には、3%もの利息を取る熊本市が、再開発事業者に無利子で66億円も貸すというのは、これも異例の大盤振る舞いです。桜町再開発事業という過去に例のない巨大再開発は、熊本市の異例ともいうべき数々の支援なしには成しえなかった事業と言えます。
 こうして熊本市の中心市街地に完成した桜町再開発ビルですが、私が驚いたのは、知り合いから「市長さんは、サクラマチのマンションにお住いと聞きましたが、本当ですか」と聞かれたからです。調べ始めて、市民の目線から見ても納得できないことが多々あると感じましたので、いくつかお尋ねいたします。
 第1に、全国どこの自治体にもある「市長の資産等の公開に関する条例」の趣旨・目的について、ご説明ください。
 第2に、熊本市職員倫理規則には、「市の許認可を受けて事業を行っている事業者等または個人」、「市の補助金等を受けて事業を行っている事業者等または個人」を利害関係者と定めています。桜町再開発の都市計画決定を行い、再開発事業の認可権者であり、再開発他の補助金の交付決定者である市長にとって、桜町再開発事業者は利害関係者にあたりますか。
 第3に、熊本市政治倫理条例第3条「政治倫理基準」では、議員及び市長が遵守すべき政治倫理について、?市が行う許認可・請負等の契約に関し、特定の企業・団体等に有利な取り計らいをしない、?企業・団体等から、政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄附等を受けない、?地位を利用しいかなる金品も授受しない、?権限若しくは地位による影響力を不正に行使するよう働きかけない、?その職務に関し不正の疑惑をもたれるおそれのある行為をしない、と定められています。利害関係者から、利益や便宜の供与を受けることや、その疑いをもたれるようなことはしないという規定です。市が多額の補助金を支出し、都市計画決定・開発許可を行い、異例ずくめ、破格の支援で建設されたビルの1室をご自身が所有されていることについて、政治倫理上問題なしと判断されているのでしょうか。その理由をご説明ください。
 第4に、マンションの取得にあたっては、抽選に応募されたのでしょうか。それとも、優先的に入居を認められていたのでしょうか。
 第5に、「ザ・熊本ガーデンズ」には、非分譲となった物件が3戸ありました。「事業協力者住戸」と言われるものです。市長のお住いの部屋は、分譲の物件でしょうか。それとも、非分譲の物件でしょうか。
 以上5点、市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 市長は、自分は職員倫理規則の対象外だから、適用外と答弁されましたが、市長の指示で動いた職員が利害関係者で、自分の名前で再開発事業を認可し、自分で補助金の交付決定をした、当の本人が利害関係者でないはずがありません。市長が一番の利害関係者で、指示された職員以上に厳しい倫理性が求められるのではありませんか。認識の間違いも甚だしい。見識が疑われます。
 また、「政治倫理に問題なし」、桜町のマンションは「一般で抽選し、適正に取得したからよいではないか」という答弁に、誰が「そうだ」と思ったでしょうか。そこで、2点伺います。
 1つは、市がつぎ込んだ134億円もの補助金は、桜町ビルの公共部分に使われ、マンション部分にも、エントランスや廊下、エレベーターなどには補助金が入っています。そのため、価格が同程度なら贅沢な仕様になります。熊本市の中心、熊本城を眺める一等地にあるこのマンションは、県下で最高クラスと言われ、たいへんな人気で、総数159戸のうち130戸に複数の申し込みがあり、抽選となりました。最高倍率は15倍で即日完売し、「完成していないマンションの即日完売は異例」と新聞に評されました。この難関を突破して権利を取得されたわけですが、税金を投入して建てた入居希望の多いマンションに、あえて抽選に応募し、入居したい人を押しのけて取得することに躊躇されませんでしたか。こんなに素晴らしいマンションには、自分ではなく、市民のみなさんに住んでほしいと思われなかったのでしょうか。
 答弁をお願いいたします。
 
 (答弁)
 
 至れり尽くせりで、市がお金も出して整備された、最多販売価格帯が5000万円近く、上層階は1億円を超える豪華マンションに、ちゃっかり市長が一室を購入して住んでいることを、市民はどのように受け止めるでしょうか。市政運営の基本指針である本市の基本構想には、基本理念として「まちづくりの原点はそこに暮らす市民」、めざすまちの姿に「だれもが住んでみたくなる上質な生活都市」と書かれています。しかし、税金を投入した上質な生活空間の恩恵に、市長が真っ先にあずかっていることに、市民の理解は得られません。市長が、政治倫理に問題なしと言われても、道義的には問題があるのではないでしょうか。
 もう1点伺います。
 熊本市は、熊本城周辺に景観形成基準を定め、「ザ・熊本ガーデンズ」のある桜町は、一般区域で建設される建物の高さの上限を海抜55メートルとしています。基準を守るならば10階ないし11階しか建てられない場所に、海抜73・6メートルのマンションが建てられたのは、市の景観審議会にかけられ、公益性の高い施設という理由で、海抜 73・6mが了承されました。12階以上の部分は、熊本市の緩和措置でつくられたものです。市長がお住いの12階は、市の特段の配慮によってできたフロアーです。多少遠慮して低層階の取得ならばともかく、市の緩和措置でできた高層階を取得されるのは、いかがなものでしょうか。この点でも、抽選で適正に取得したから問題ないと、市長が言われても、市民の目には、市が行った緩和措置の恩恵に、市長が真っ先にあずかっていると見えるのではないでしょうか。本来ならば、慎むべきではなかったのか、見解を伺います。
 
 (答弁)
 
 市長の「抽選で適正に取得しているから問題はない」という答弁は、市民の感覚で考えるならば、非常に違和感のあるものです。市が幾重にも特段の計らいをしているマンションに、その恩恵を受けて住むということが、市民の目にはどのように映るかです。各フロアーの1号室というのは、どのマンションでも概ねいい部屋で、市長が取得されている部屋の専有面積は98・79uで、100u近くあり、売りや賃貸として出ている物件と比べても広い部屋です。便宜を図ってもらったのではないかと疑われかねません。違法ではないかもしれませんが、道義的に見て、市民感覚で考えて、とても妥当であるとは思われません。
 
 東京千代田区では、区長と家族が所有するマンションが区の許認可である総合設計制度を活用し、容積率を緩和し建設されたマンションであったこと、しかも所有している部屋が、一般的には販売されない「事業協力者住戸」と呼ばれるものであったことが判明したことから、区長の個人的な不動産取引と区行政の関係等について調査するための地方自治法100条に基づく調査委員会が設置され、審議中です。この6月には、区長の証人尋問の予定です。
 「市長の資産等の公開に関する条例」の目的は、「政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律」の規定に基づき、国会議員と同じく、資産の状況等を国民の不断の監視と批判の下におくためというのが趣旨です。
 市長の桜町マンションも、適正に取得しているから問題ないと言われても、抽選でなく、非分譲の「事業協力者住戸」であったならば、千代田区の例と全く同じです。そういう意味では、答弁された、抽選枠であったこと、非分譲の「事業協力者住戸」ではないということは、証拠を示し、きちんと証明する必要があるという点を指摘しておきます。
 今回、私がこの問題を取り上げたのは、「サクラマチのマンションに市長が住まわれているみたいですが、」と言われたときに、そんなことがあるのかと耳を疑ったからです。民間事業でありながら、市が450億円近い税金を出し、地権者1人という特異な再開発を認可し、景観基準の緩和を了解して建設した建物にあるマンションをあえて所有するだろうかと思いました。全国には1771人の都道府県知事・市区町村長がおられますが、ごく一部を除き、多くの首長は、利害関係者との関係では慎重に対応されているはずです。それは、いつなんどき、便宜を図ってもらったのではないかとの疑いをもたれかねないからです。職員の任命権者である市長には、職員以上に高い倫理観が求められます。少しでも疑いの持たれるようなことは、本来避けて通るべきです。李下に冠を正さず、君子危うきに近寄らず、こういう格言をしかと胸にとどめて市政にあたるべきではないかと思います。
 新型コロナ禍のもとで、多くの市民がその日の暮らしにも不安を感じるような毎日を過ごしているとき、市長や職員、そして私たち議員、それぞれに市民のために働く場を与えられたものは、真摯な気持ちで、謙虚にあるべきではないかと思います。
 
 最後に一つ要望いたします。
 今、テレビでも放映され、人気を呼んでいる番組、「駅ピアノ」「街角ピアノ」は、YOUTUBEなどでも繰り返し再生されています。公共の場に置かれた、誰でもが自由に弾ける1台のピアノが、街を魅力的にしていると思います。市民の方から「熊本の街にも駅ピアノ、街角ピアノがあったらいいですね」という声が届けられました。サクラマチには、置かれているということですが、現在、新型コロナで引っ込めてあるそうです。新型コロナが収まった後には、是非、各駅での設置も含め、場所も検討して、一般家庭にはなかなか置けないグランドピアノをおいていただけると嬉しく思いますので、要望しておきます。
 
 新型コロナ感染症が、1日も早く終息に向かい、すべての市民が安心して、健康に暮らしていける熊本市となるように、私も引き続き力を尽くしていきたいと思います。その決意を述べて、質問を終わります。
 コロナ禍の中、あいにくのお天気にもかかわらず、傍聴に足を運んでいただいたみなさま、インターネット中継でご覧いただいたみなさまに感謝を申し上げます。ありがとうございました。

2020年5月臨時議会

・2020年5月21日・コロナ関係臨時議会・質疑 上野 みえこダウンロードはこちら(PDFファイル 420KB)
・2020年5月臨時議会・補正予算討論 上野 みえこダウンロードはこちら(PDFファイル 351KB)

2020年3月議会

・「教職員の働き方改革」条例改正反対討論ダウンロードはこちら(PDFファイル 237KB)
・「基本構想・基本計画の見直し」反対討論 上野 みえこダウンロードはこちら(PDFファイル 300KB)
・「新型コロナ感染症補正」討論 上野 みえこダウンロードはこちら(PDFファイル 265KB)
・「基本構想・基本計画の見直し」質疑 上野 みえこダウンロードはこちら(PDFファイル 285KB)
・3月16日 総括質疑「新型コロナ感染症」 上野 みえこダウンロードはこちら(PDFファイル 306KB)
・3月23日 しめくくり質疑 上野 みえこダウンロードはこちら(PDFファイル 292KB)
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