議会での活動・一般質問など



「主要農作物種子法」の復活を求める意見書(案)

熊本市議会2019年9月議会 (日本共産党熊本市議団提出)ダウンロードはこちら(PDFファイル 234KB)

「主要農作物種子法」の復活を求める意見書(案)
 1952年に制定され、米・麦・大豆の優良な種子の生産・普及を各都道府県に義務づけてきた「主要農作物種子法」は、食糧管理法とともに、戦後の食糧難の時代から日本の食を土台から支えてきた法律です。都道府県が開発した優秀な種を「奨励品種」と定め生産者に提供することで、国民への安定的な食料供給はもちろん過度な民間参入や知見流出を防ぐ大きな役割を果たしてきました。
 ところが、農業をめぐる状況の変化を理由に、国会での十分な審議も行われないまま廃止が決定し、2018年4月に廃止されました。民間企業の参入によってビジネスへと変貌した野菜や花卉の種子生産現場に対し、米は公的機関によって国産100%が貫かれ、消費者に美味しく安全な米が安価に提供されてきました。しかし、主要農作物種子法の廃止によって、種子の供給が民間企業に委ねられたことにより、今後種子代の高騰を招くことや、公的財産である種子とその市場への外資系企業の参入により、遺伝子組み換え品種が生み出されるなど、国民が安全な種子を得られなく恐れもあります。このように、食の安心・安全が脅かされることが危惧され、消費者にとっても大きな影響があります。
 気候や土の質の違いなどの環境は地域ごとに異なり、公立研究機関がそれぞれの地域に見合った品種を開発し安定供給を支えてきた主要農作物種子法の役割は、現在でも失われておらず、食の根幹である種子の生産や供給体制が揺らぐことがあってはなりません。
 現在、従来の仕組みを守るために独自の種子条例を制定する動きが全国の自治体で広がっています。種子は農業にとっての基本的な資材です。公的機関が主要な種子の開発・普及などに責任を持ち、農業者に優良で安価な種子の供給を将来にわたって保障する法制度が不可欠です。
 よって、国においては、食料主権と食の安全を守り、公共財としての多様な日本の種子を保全するために、「主要農作物種子法」を復活するよう強く求める。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
 
 2019年9月 日
 熊本市議会 各宛1通

幼児教育・ 保育の無償化に向け必要な措置を求める意見書(案)

熊本市議会2019年9月議会 (日本共産党熊本市議団提出)ダウンロードはこちら(PDFファイル 208KB)

幼児教育・ 保育の無償化に向け必要な措置を求める意見書(案)
 いよいよ10月から、3歳から5歳までの全ての子ども及び住民 税非課税世帯の0歳から2歳までの子どもを対象とした幼稚園、保育所、認定こども園等の利用料を無償とする幼児教育・保育の無償化が実施されようとしています。この制度は、子育て世帯を応援し、社会保障を全世帯型へ抜本的に変えるものであり、生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育の重要性や、幼児教育の経済的負担軽減を図る少子化対策の視点などからも重要な施策である。しかし一方では、無償化の実施による地方自治体の財政負担について、一定の配慮はあるものの財政負担が増大することが懸念される。また、予定されている幼児教育・ 保育の無償化については、上記に述べたように対象年齢が限定され、保育料負担の重い0〜2歳児については住民税非課税世帯のみとなっている。費用についても、実費徴収の部分が無償化の対象外となっていることで、保護者負担に矛盾が生じることや、徴収に係る園の事務負担も発生してくる。
 また、幼児教育・保育の無償化のほかにも地方自治体には待機児童解消や保育士の処遇改善など財政負担を伴う差し迫った課題も多いことから、その取り組みが後退することも懸念されるところである。
 子どもの貧困が日本社会の大きな問題となり、少子化がさらに加速している今、子育て世代が安心して子どもを産み育てられるような環境を整えていくことは、極めて重要な課題である。
 よって,政府におかれては、誰もが安心できる幼児教育・保育の無償化の実施のために、下記の施策を講じられることを強く要望する。                

 1、幼児教育・保育の無償化に当たっては、地方自治体の負担増とならないよう全額国費で対応するなど、充分な財源措置を講じること
 2、無償化の対象を、所得制限を設けず小学校入学前のすべての子どもとすること
 3、給食食材費は実費徴収化ではなく、無償化の対象とすること
 4、無償化の対象とされている認可外保育施設については、認可施設と同等の保育を保障できるよう認可化の促進など国として必要な措置を講じること
 5、保育の質的量的拡充が停滞することのないよう、国として十分な予算を確保すること
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

2019年9月 日
 熊本市議会  各宛1通

2019年6月議会・予算決算委員会しめくくり質疑・市営住宅指定管理

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熊本市議会2019年6月議会 予算決算委員会しめくくり質疑・市営住宅指定管理
2019年6月28日 上野 みえこ

 補正予算に提案された市営住宅の債務負担行為についてお尋ねします。
 まず、指定管理者制度導入の目的でもある「住民サービスの向上」について伺います。
 総務省通知では「民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を図る」とされています。住宅協会への管理委託から指定管理者制度へ移行して、入居者への住民サービスがどのように向上してきたのか具体的にご説明ください。今後の対応の充実についてもご説明ください。
 都市建設局長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 言うまでもなく、「公の施設」とは 住民の福祉を増進する目的をもって地方公共団体が設置する施設です。高齢化の進む市営住宅の福祉的視点での見守り、若い世代の入居については、全国に先進的な事例もありますので、それらを参考にしながら、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 
 続いて、収納業務等について伺います。
 家賃にかかる減免の申請状況と対応状況を、年次別に、また指定管理者別にご説明ください。
 また、収納業務や減免申請対応などから見えてくる、福祉的対応を必要とする入居者への支援はどのように行われているのでしょうか。
 都市建設局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 家賃の減免は、年間平均で約3200件の申請に対応しているとの答弁でしたが、実際、2つの指定管理者の申請件数を合計すると、2015年度には3362件であったものが、この間年々減り、4年間で333件も減少しています。景気・経済が後退、悪化の局面を示すような昨今の状況の中で、市民のくらしも大変だと思います。むしろ減免申請は増えてしかるべき状況と言えます。今一度、速やかな減免申請、受付の促進等、入居者の実態に即した対応をご検討いただくよう、お願いしておきます。
 次に、指定管理者が行う修繕に関してお尋ねします。
 入居者からの修繕の依頼状況(件数)と、それへの対応を指定管理者別にご説明ください。また、今後も入居者の依頼に十分応えていくための取り組みについてお聞かせください。
 合わせて、修繕の小規模修繕契約希望者登録事業者への発注状況を指定管理者別に説明ください。
 公的な契約業務となりますので、限られた事業者への発注でなく、参加可能な事業者へ広く発注していくべきと考えますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。
 都市建設局長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 答弁にありましたように、指定管理者が行う修繕は、2つの指定管理者合わせて、年間4000から6000件の修繕、事業費にして約1億5000万円分です。本市の工事分野での登録業者数は約1000社あります。修繕の発注先をもっと広げていただくよう要望します。また、指定管理者の修繕は、1件当たり平均3万円程度です。小規模修繕契約希望者登録事業者でもできる仕事なので、その登録業者への発注も今後検討していただくよう要望しておきます。
 
 続いて、指定管理の下で働く職員の状況について伺います。
 指定管理料の積算上の職員配置について、本市が定めている指定管理者制度のランク別人件費単価表に沿って、内容を説明してください。また、積算に沿った形で実際の人件費が支払われているか、その検証はどのように行われているのか、ご説明ください。
 正規職員・非正規職員の配置割合と、過去の管理運営委託の時と比較して、どのような状況なのかも説明をお願いします。
 都市建設局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 指定管理者制度、特に民間事業者が指定管理者となった場合は、どうしても利益を上げるということになるので、費用の節減、特に人件費が削減され、ワーキングプア状態が生れます。これが指定管理者制度の大きな問題点です。過去には、総務大臣が記者会見で「官製ワーキングプアを大量につくってしまった」と、指定管理者制度について問題点を指摘されたことがありました。それを踏まえ、2010年12月に「指定管理者制度の運用について」という総務省通知が出されました。そこでは、自治体に対し、指定管理者の選定にあたっては雇用・労働条件のへの適切な配慮がなされるよう、留意することを求めています。何らかの形で、積算された人件費単価が適切に執行されているか確認することの必要性を感じます。
 
 事業者の選定についてお尋ねします。
 前回の事業者選定における、それぞれの応募状況をご説明ください。
 また、市内を2つの地区に分けて指定管理するように変更した理由と、その効果についてもご説明願います。
 都市建設局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 前回の事業者選定では、「中央区・北区・西区」の指定管理者に1社、「東区・南区」に1社が応募したとのことです。いずれもJVではありますが、代表企業は大手の不動産です。年間約7億円、5年間で35億円の管理料、約13000戸を管理する大事業を2分割しての指定管理は、事業規模が大きいだけに中小の不動産の参入は難しいのではないでしょうか。次の業者選定でも、それぞれ1事業者の応募になるのではと思いますが、それでは公募による指定管理の意味がなくなります。また、特定の民間企業が長期間にわたり、独占的に管理を行えば、1営利企業のために地方自治体の財政を注ぎ込むような結果となります。行政と企業の癒着や民間事業者間の不公平が生じるような指定管理の状況、営利企業による長期の独占的な指定管理は好ましいとは言えません。総務省の通知でも、「指定管理者の指定の申請にあたっては、サービス提供者を民間事業者から幅広く求めることに意義がある」と述べられています。
 一方で、競争によって、指定管理者がたびたび入れ替わることも、サービス水準の低下や、指定管理に参入してきた民間事業者の雇用問題など、別の矛盾となるなど、指定管理者制度というのは、矛盾が矛盾を呼ぶ制度と言わなければなりません。
 2分割とはいえ、大手不動産が約13000戸の住宅管理を独占する状況が続くことは避けるべきではないでしょうか。指定管理者の指定申請にあたっては、複数の事業者の応募が可能となる条件づくりが求められます。2分割を区ごとの指定管理にさらに分けるなど、他の事業者が応募できるような管理形態の検討など、必要ではないかと思います。
 以上を踏まえ、市長に1点伺います。今回縷々お尋ねしましたが、指定管理による住宅管理には改善すべき点がいろいろあると思います。改めて、2010年の総務省通知を踏まえた指定管理者制度の運用が必要ではないでしょうか。
 
 (答弁)
 
 総務省通知には、「個々の施設に対し、指定管理者制度を導入するかしないかを含め、幅広く地方自治体の自主性に委ねられる」と述べてあります。熊本市の指針では、「導入効果が期待でき導入可能な全ての公の施設について、制度導入を図るものとする」なっていますが、導入するか・しないか、個々の施設について十分な検討を行っていくことを要望して、質疑を終わります。

最低賃金の大幅引き上げを求める意見書(案)

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10月からの消費税10%増税中止を求める意見書(案)
 貧困と格差が広がるなかで、年収200万円以下の労働者が1132万人にのぼり、4年連続で1100万人を超えています。安倍首相は全国平均時給1000円の最低賃金を目指すとしていますが、それが実現するのは2023年です。また、東京と地方間の格差は、時給で221円、年収で39万7800円(1800時間で計算)へとさらに拡大しています。格差是正を目的とする最低賃金制のもとで格差が拡大するという異常な事態になっています。
 働く貧困層をなくすには、労働者全体の賃金の底上げとなる最低賃金の大幅引き上げが必要です。最低賃金の地域間格差を是正し、世界の先進国では当たり前の全国一律最低賃金制に踏み出すこと、最低賃金は「いますぐどこでも時給1000円」を実現し、1500円を目指すことこそ求められます。そうすれば、フルタイムで働く場合、時給1000円なら年収186万円、時給1500円なら年収279万円であり、労働者の件康で文化的な生活を保障する、最低限の賃金と言えます。
 憲法が定める「健康で文化的な最低限度の生活」ができる水準に最低賃金を引き上げるのは、国の責任です。全国のさまざまな労働団体も、時給1000円以上への引き上げを要求しており、政府は、これに応えるべきです。
 同時に、すべての労働者に等しく適用される全国一律最低賃金制を確立すべきです。どこで働き、どんな職業に就いていようとも、人間らしい最低限度の生活を保障するというのが最低賃金制の役割であり、国の責任です。多くの国が全国最低賃金制を採用しており、地域別最低賃金が47もあり、都道府県別に格差をつけた最低賃金にするというのは日本だけです。
 最低賃金の引き上げは、東京一極集中を是正して、地域経済にも大きな波及効果があります。政府は、「中小企業の経営を圧迫する」ことを口実に、最低賃金の抜本的な引き上げを拒否していますが、これでは、労働者の生活も、中小企業の経営も、苦しいまま放置することになってしまいます。中小企業への支援とあわせて、最低賃金の引き上げをすすめてこそ、経済全体の底上げをはかることができます。
 8時間働けば普通に暮らせる社会をつくるため、中小企業への支援を抜本的に強めつつ、ただちに全国一律1000円への引き上げ、さらには1500円を目指していく最低賃金の抜本的引き上げを求めます。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提案する。
  2019年6月  日
  熊本市議会 各宛1通

2019年6月議会 年金制度の拡充を求める意見書

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年金制度の拡充を求める意見書
 金融庁の金融審議会の報告書において、公的年金では毎月5万5000円赤字になるとして、退職までに2000万円の資産形成を促したことについて、国民の中に怒りと不安が広がっています。年金制度は、国民の国(政府)に対する信頼の上に成り立っているものです。それが突然、公助から自己責任に転嫁すれば、国民の信頼を失ってしまうのは明らかです。政府は、「百年安心の年金」と言ってきたことに責任を持つべきです。
 安倍政権の7年間(2013〜2019年度)の合計で、年金改定の指標となる物価は5.3%上昇したのに対し、年金は0.8%のマイナス改定で、実質6.1%もの大幅減となりました。年金の支給水準を自動的に減らす「マクロ経済スライド」など、さまざまな年金削減の仕組みにより、多くの国民が老後の不安とともに公的年金制度についての不信感を募らせています。
 政府は、消費税10%増税と引き換えに、低年金者に「最大月5000円、年間6万円」の「底上げ」を行うと言っていますが、月5000円をもらえるのは年金に40年加入して、すでに月6.5万円の年金を受けとっている人だけです。加入期間10年で現在の年金額が月1.6万円の人は、月1250円しか年金は増えません。年金額が低い人ほど、「底上げ」も少額になる、こんな不合理なやり方では低年金の解決になりません。
 消費税とは別の財源を確保し、年金額が基礎年金満額(月6.5万円)以下の低年金者全員に、月5000円・年間6万円を現在の年金額に上乗せすること、マクロ経済スライドは廃止することなど、全ての国民が安心して老後を過ごせるよう、年金制度の抜本的拡充を求めるものです。

2019年6月議会 国民健康保険料の負担軽減を図るため、1兆円規模の公費を投入することを求める意見書

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国民健康保険料の負担軽減を図るため、1兆円規模の公費を投入することを求める意見書
 国民健康保険は、加入者の4割が年金生活者、3割が非正規労働者であり、所得の低い人が多く加入する医療保険です。構造的な矛盾は近年さらに深刻化し、度重なる保険料の値上げが実施されてきた結果、本市の国民健康保険料はモデル世帯(40代両親、子ども2人、所得200万円)で、40万5015円となっています。これは、協会けんぽの18万2266円、共済の18万2520円の約2.2倍の水準であり、負担の限界を超えた保険料が生活を圧迫し、今や加入世帯の約3割が保険料を滞納している状況です。
 国民健康保険料が他の医療保険と比べ、高負担となっている主な要因は、「均等割(人数割)」「平等割(世帯割)」という「人頭税」があり、子どもが一人生まれるたびに、4万4700円の保険料が課せられるという仕組みがあるからです。
 こうしたなか、全国知事会、全国市長会など地方6 団体をはじめ国民健康保険団体連合会は国保料を協会けんぽ並みに引き下げるため、国に1 兆円の財政支援を求めています。公費負担を1兆円増やせば「均等割」「平等割」をなくすことができ、先ほどのモデルケースでは、均等割の廃止を行うことで、年間の保険料を19万5415円に引き下げることが可能となり、協会けんぽ並みの保険料となります。
 以上のことから、大きな負担となっている国民健康保険料の軽減を図るために、全国知事会などが要求する1 兆円の公費投入を求めるものです。

2019年6月議会 10月からの消費税10%増税中止を求める意見書(案)

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10月からの消費税10%増税中止を求める意見書(案)
 10月からの消費税10%増税に対して、国民の不安が日に日に高まり、「こんな経済情勢で増税を強行していいのか」という声は、消費税増税に賛成する人たちの中からも上がるようになっています。前回の消費税8%への増税を契機に、実質家計消費は年25万円も落ち込み、労働者の実質賃金も年10万円低下してしまいました。内閣府発表の景気動向指数が6年2カ月ぶりに「悪化」となるなど、政府自身も景気悪化の可能性を認めざるを得なくなっています。
 これまで3回の消費税増税が行われましたが、1989年の3%増税は「バブル経済」のさなかであり、1997年の5%増税も、2014年の8%増税も、政府の景気判断は「回復」でした。それでも、消費税増税は深刻な消費不況を招きました。今回は、景気後退局面での5兆円に近い大増税であり、あまりにも無謀な増税です。
 米中の「貿易戦争」も深刻化しており、IMF(国際通貨基金)やOECD(経済協力開発機構)なども世界経済の減速や失速を警告しています。そんな中での大増税に、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナル4月4日付では、「安倍首相は年内に消費税率を引き上げ、景気を悪化させると固く心に決めているように見える」と揶揄されるなど、世界からも懸念の声が出されています。
 このような状況の中で、10月からの消費税10%への増税を強行すれば、市民の暮らしと熊本の地域経済に大打撃となります。
 自民党・萩生田光一幹事長代行が、7月1日に発表される「日銀短観」が示す景況感次第で「増税の延期もありうる」と述べるなど、7月以降でも消費税増税の中止は可能なことを政権与党の幹部も認めています。消費税10%増税に頼らずに、減税されている大企業と株で大儲けしている富裕層に負担をしてもらえば充分です。
 上記の理由から、2019年10月からの消費税10%増税の中止を強く求めます。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提案する。
  2019年6月  日
  熊本市議会 各宛1通

2019年3月議会・「平成31年度熊本市一般会計予算」について反対討論 山部洋史

2019年3月8日  日本共産党熊本市議団  山部洋史  ダウンロードはこちら(PDFファイル 344KB)

2019年3月議会・「平成31年度熊本市一般会計予算」について反対討論
 日本共産党熊本市議団山部洋史です。
 議第1号「平成31年度熊本市一般会計予算」について反対討論を行います。
 今回の予算については、恒久住宅へ移行する際の引っ越し費用や初期経費の支援、災害公営住宅の整備、被災マンション建てかえ支援、および子ども食堂の運営支援での食材費への助成、など評価できる点もあります。しかし、全体として見るのならば、以下の理由により賛同できません。
 1点目は、復興計画に位置づけられた、被災者の生活、住まいの再建に向けた取り組みが実態から見ればまだまだ不十分であり、さらなる支援が必要だという点です。
 なかでも住宅再建については最後の一人まで、震災前の生活を取り戻すまで粘り強い支援が求められます。
 本年度、入居期限2年を迎える仮設住宅入居者に対して、東日本大震災においては一切なかった8項目にのぼる厳しい延長条件が設定され、結果、期限延長を希望する入居者が仮設からの退去を余儀なくされる事態が数多く発生しました。
 来年度、さらに4年目の延長に際しては、自宅再建の方に限定し、民間賃貸、既存の公営住宅を希望している方については、延長を認めないと、締め出しを強行するような条件が設定されています。那須議員の一般質問でも述べられましたが、子どもの通学の問題や家賃の問題、低層階の物件が見つからないなど、様々な理由から仮設退去後の生活を心配されている方が多くいらっしゃいます。
 国と県との協議で決まったことだからといった態度ではなく、安心して恒久的な住宅に移行できるように、さらには経済的な状況、健康面なども含め、延長が必要な方には入居延長を柔軟に行えるよう、国や県に求めるべきです。 
 2点目は、熊本地震被災者への冷たい支援のなか、一方で中心市街地の再開発を中心に大きな支出を伴う事業が次々と予算化されている点です。来年度予算において、桜町再開発事業に12億3,914万円、熊本城ホールの保留床取得などの費用に93億8,012万円、ほかMICE誘致などに合計108億円もの予算が提案されています。また、シンボルプロムナード整備に8億5300万円、JT跡地取得に向けた協議のための経費に400万円、くわえて熊本城災害復旧経費48億円のうち、熊本城見学通路整備に10億8,000万円など、大型ハコモノや不要不急の用地買収へつながる予算が多数提案されています。 税収増も見込めない中、バブル期に匹敵するような大型箱モノや用地買収を行うなど、こうした予算編成のあり方は大いに問題があります。
 また、本庁舎のあり方調査検討経費として3,240万円が提案されています。
 市議団としても、専門家の意見を様々聴取いたしましたが、「建替えありき」で進むことに懸念を示される声が多数ありました。
 現時点においては耐震補強も含め、幅広い市民の意見を聴取すべきであるにもかかわらず、市民の合意を得ない段階で、「建替えありき」というやり方は認められません。
 3点目、くらし、福祉・教育の分野では、がん検診経費として3億7,820万円が提案されています。今回、新たに70歳以上の自己負担分が無償化されたことは評価いたしますが、あと5,200万円あれば69歳以下の検診も無料化できます。全世代の無料化をぜひ実施すべきです。
 また、給食室等熱中症対策経費ついては、予算決算委員会の締めくくり質疑で上野議員も取り上げましたが、要求額2,078万円に対してD査定の1,200万円まで減額されたことは大変問題です。私がお話をうかがった北区の武蔵共同調理場だけでも、昨年2回もの救急搬送が起こっています。命にかかわる大問題です。また共同調理所では民間委託になってから職員の皆さんは最低賃金での業務を強いられています。劣悪な労働環境と相まって短期間で辞めていく人が後を絶ちません。子どもたちの食の安全の面でも抜本的な改善が必要です。
 最後に、市電路線延伸調査設計経費6,100万円については、先日の付帯決議が付けられましたように市電延伸は事業費が百数十億円もかかるものでありそれを進めるにあたっては、市民や議会に丁寧な情報提供と意見の聴取を行い、慎重に進めるべきです。
 私たち市議団が行った市民アンケートの、「市政に望むこと」の回答では、トップの「国保料の引き下げ」や「生活再建に向けた被災者支援」などに続いて「税金のムダづかいをしない」が第5位に入っていました。中心市街地への投資など大規模な事業が連発されるなか、一方で市民の暮らし・命にかかわる事業への取り組みはどうなのか、市民が常に注視していることの表れだと思います。
 市民の置かれた実態を直視して、暮らしや医療・福祉の面で直面している困難を軽減する、こうした役割を熊本市が果たすよう要望し、討論といたします。

2019年3月議会・熊本市国民健康保険条例の一部改正についての反対討論 那須円

2019年3月8日  日本共産党熊本市議団  那須円  ダウンロードはこちら(PDFファイル 284KB)

2019年3月議会・熊本市国民健康保険条例の一部改正についての反対討論
 日本共産党熊本市議団の那須円です。議題101号、熊本市国民健康保険条例の一部改正について、反対討論を行います。
 同条例改定については、大きく二つの内容が含まれていますが、法定減免にあたる低所得者層に対する均等割り・平等割りの5割減免、2割減免の要件を若干ではありますが、緩和したことで減免の対象者が広がることについては、賛同できるものです。
 一方、国保料の賦課限度額が、現行93万円から96万円と3万円増となり、全体で8600万円もの新たな負担を国保加入者に強いる内容については賛同できません。
 一般質問でも述べましたので、詳細は省きますが、国民健康保険料の算定は、所得に応じて算定される所得割、一人当たりにかかる均等割り、一世帯当たりにかかる平等割りを合算することで年間保険料が算定されます。つまり、多人数世帯ほど、所得に占める保険料が重くなる特別な仕組みが、残されている状況です。
 今回提案されている賦課限度額96万円に至る方は、どのような世帯か、一つ例を出しますと、60代前半の祖父母、40代夫婦、子ども二人の6人世帯が、96万円の付加限度額に至る所得は年間586万円となっています。
 協会健保や共済など他の医療保険と比べ、国民健康保険料負担が非常に高くなっていることは大きな問題です。一つ例を示しますと共済の場合、今回は大西市長の例を示しますと、市長の年間所得は1611万4160円であり、年間の保険料は、106万3344円です。
 所得1600万円の市長の払う保険料は106万円、一方で先ほど紹介した6人家族の場合は586万円の所得で96万円もの国保料を負担することになります。
 国民健康保険の根本的な矛盾である、均等割りや平等割など時代錯誤の人頭税ともいうべき仕組みを残し、賦課限度額を引き上げていくことは、多人数世帯、多子世帯などに対して、耐えがたい負担を強いることになります。
 今回の改定案により、法廷減免の対象が広がったことで負担減は約2000万円、そして不可限度額の引き上げで、8600万円の負担増、差し引き6600万円の国保加入者への負担増であります。一方、来年度、減額される一般会計からの繰り入れ額は7000万円となっており、そっくりそのまま国保加入者への負担にしわ寄せされます。一般会計からの繰り入れを拡充し、国保料の引き下げを行うべきことを強く指摘したいと思います。
 全国知事会、そして大西市長も所属している全国市長会も、国の1兆円の公費負担増を求め、せめて協会けんぽ並みに、国保料を引き下げるよう求めているわけですから、こうした国保の矛盾を広げ、さらなる負担を強いることになる同改定案は、きっぱりと否決すべきであることを述べ、反対討論といたします。

2019年3月議会・予算決算委員会しめくくり質疑 上野美恵子

2019年3月6日  日本共産党熊本市議団  上野美恵子  ダウンロードはこちら(PDFファイル 285KB)

2019年3月議会・予算決算委員会しめくくり質疑
 日本共産党熊本市議団の上野みえこです。
 熊本地震復旧における住いの再建支援についてお尋ねいたします。
 昨年11月に、10月23日現在で応急仮設住宅に入居されている4829世帯について、再建方法についての調査が行われています。その結果にもとづいて伺います。
 第1に、応急仮設に入居している世帯のうち、自宅再建を除く2849世帯が借家での再建です。そのうち1810世帯、6割以上が民間賃貸住宅への入居を予定されています。公営住宅よりも家賃の高い住宅に入居しなければならない世帯がどのくらいありますか。
 第2に、みなし仮設への継続入居となる世帯が1218世帯です。みなし仮設は、6万円までと、比較的高い家賃が設定されていたので、そのまま住み続ければ、高額家賃を払い続けなければならない世帯も多いと思います。公営住宅よりも高い家賃を負担しなければならない世帯に対し、公営よりも負担が重い分を市が負担するような被災世帯に対する家賃補助ができないでしょうか。
 1点目を都市建設局長に、2点目を市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 家賃補助は行わないとの答弁ですが、みなし仮設を含む応急仮設住宅ではいらなかった家賃が発生し、しかも高額な家賃を負担することになる方々へは、何らかの支援が必要ではないかと思います。現状では、家賃の負担がどのようになるのか把握されていないようですが、先ほどの答弁では、今後も引き続き、世帯の状況を細かく聞き取り、被災者一人一人に寄り添った対応をすすめるとのことですので、まずは家賃の負担がどのようになるのか、地震の発生前との比較、被災後の状況、そして被災後の収入状況などについて調査をすべきではないでしょうか。
 
 (答弁)
 
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・
 被災者一人一人に寄り添った対応というならば、その状況を把握するのは、その第1歩だと思います。被災によって、収入が落ち込んでいる世帯も多いと思います。そして、非正規雇用で生活が困難な方ほど、その収入状況は厳しいのではないでしょうか。そういう方々には、東日本大震災でも行われてきたような家賃補助を検討すべきであると思います。実施を強く要望いたします。
 
 教育分野の課題についてお尋ねします。
 まずは、少人数学級の拡充について伺います。
 当初予算には、少人数学級に関する予算が5億3900万円計上されています。子どもたちへのきめこまかで丁寧な指導を行っていくためには、小人数での指導が効果的であることは実証済みです。また、学校現場からは、マンパワーの拡充が最も強く要望されています。少人数学級は、前市長の時代にずいぶん拡充されてきましたが、改めて、小人数学級の拡充について検討し、推進していくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 市長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 少人数学級の拡充には、教員および教室が新たに必要となり人件費やプレハブ経費の財源確保が課題であると言われましたが、小人数学級を広げていった場合の必要教員・必要教室数の試算は行われているのでしょうか。
 
 (答弁)
 
 ・・・・・・・・・・・
 必要となる教員・教室の試算状況については、後ほど資料として提供していただきたいと思います。
 教育現場のIT化についてはすすんでいますが、子どもたちに丁寧に向き合っていくことが一番大切なことだと思います。教育現場におけるマンパワー拡充策のすぐれた方法として、少人数学級の推進を要望いたします。合わせて、全国的な少人数学級の取り組み状況も調査してご報告いただきますこともお願いしておきます。
 
 次に、特別支援学級の充実についてお尋ねいたします。
 ひとりひとりの子どもたちを大切にした教育をすすめていくうえで、特別支援教育の推進は、重要な課題だと思います。支援学校の整備はすすんでいますが、地域の学校での支援拡充の必要な課題だと思いますので伺います。
 第1に、小中学校の特別支援学級に在籍を希望する、在籍を必要とする児童生徒のうち、居住する校区外の学校へ通学している子どもたちの状況、ならびに、言語・情緒・病弱・知的・肢体不自由などの障害の種別ごとに、希望する学級に在籍されているのか、現状についてご説明ください。
 第2に、居住地の学校への受け入れができずに、校区外の特別支援学級へ通学しなければならない児童生徒は、いろいろと苦労があると思います。兄弟姉妹が別々の学校に在籍する場合などは保護者の負担もより大きいと思います。今後、保護者の要望に沿って、なるべく居住地の学校で対応できるようにと、特別支援学級の設置をさらに充実していくべきではないかと思いますが、今後の対応について伺います。
 教育長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 答弁なさいましたように、特別支援学級の設置はすすんできています。しかし、対象がひとりであっても、その子どもさんに合った必要な教育が受けられるような条件を整えるべきです。校区外に通学している児童が1名いるとのことですが、児童本人はもちろん保護者の負担も大きいと思われますので、早急になんとか解消できないものでしょうか。なにが解消のハードルになっているのでしょうか。
 教育長に伺います。
 
 (答弁)
 
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 早期の解消をお願いします。
 また、居住地の学校に通学していても、希望する種別の学級に所属することができていない子どもたちについては、保護者が教育委員会に何度も交渉して希望する種別の学級に入ることを要望され、居住地の学校にはその学級がないため、苦渋の選択として他の種別の学級に入る選択をされたと聞きました。このようなお話を伺いますと、是非、子どもさん、保護者の希望がかなえられるようにと思います。希望の学級に入れるようにすることはできないのでしょうか。
 
 (答弁)
 
 ・・・・・・・・・・・
 
 小中学校へのエレベーター設置拡充についてお尋ねいたします。
 小中学校へのエレベーター設置は、必要とする保護者の方々の粘り強い要望の中で、2016年度に東町小・白川小に既設校舎へのエレベーター設置が実現して以来、ずいぶん進んできました。そこで伺います。
 第1に、現在の小中学校におけるエレベーター設置を必要とする児童生徒の在籍状況と、実際の設置状況はどうなっていますか。今後の設置計画についてもご説明ください。今、対応を必要とする児童生徒の在籍する学校については、速やかに対応するべきではないでしょうか。
 第2に、現在のエレベーター設置申請の手順と、優先順位の判断基準はどのようになっているでしょうか。エレベーター設置の手順の学校への周知はどのように行われているでしょうか。
 教育長に伺います。
 (答弁)
 
 最後に、給食室の熱中症対策についてお尋ねいたします。
 昨年夏の異常な高温で、相次ぐ熱中症の発症が報道され、熱中症への対策は急務となりました。昨年9月議会で、学校給食の調理現場における熱中症対策についてお尋ねし、教育長も、「来年の夏までには何とかしたい」と答弁され、今回の当初予算に、調理員への熱中症予防被服や共同調理場前室へのエアコン設置が提案されました。そこで、伺います。
 第1に、調理員への熱中症予防被服の提供が提案されていますが、常勤だけでなく、パート職員も含めて提供されるのでしょうか。
 第2に、昨年9月議会での私の質問、エアコン設置は直ちに取り組むべき課題というのに対し、教育長が「来年の夏までには何とかしたい」と答弁されて、検討がされてきました。当初予算の要求状況一覧では、給食室等熱中症対策経費が2078万4千円要求されていましたが、D査定となり査定額は1200万円へと減額されました。減額の対象となったのは、小学校2校の給食室へモデル事業としてエアコン設置を設置する予算でした。市長は、学校現場の限界を超えた暑さの状況をどのように思われているのでしょうか。予算を復活して、モデル事業を実施し、小学校も含む給食室へのエアコン設置を計画的に進めていくべきではないでしょうか。
 1点目は教育長に、2点目を市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 市長は、給食室等の熱中症対策について、モデル事業としてのエアコン設置より調理員の体温上昇を防ぐ予防服の効果がある」と言われましたが、これは対処療法にはなっても、抜本的な調理場の暑さの解消にはならないのではありませんか。予防被服でWBGT値が改善されるのでしょうか。ご意見を伺います。
 
 (答弁)
 
 昨年の一般質問でも指摘しましたように、学校給食の調理場は、教育長が答弁されましたように室温が35度、湿度が50%を超え、WBGT値(暑さ指数)にすれば厳重警戒・危険の分類に相当する、この点が問題です。少しでも、体感温度を下げるために、熱中症予防被服を準備されるのはわかりますが、予防被服は体温の上昇を防ぐという対処法とはなっても、暑さ指数の変わるものではありません。給食調理場では熱中症による救急搬送もあったということを受けとめるならば、予算要求されたモデル事業の実施をやめるべきではなかったと思いますが、いかがでしょうか。
 
 (答弁)
 
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・
 先ほどは、教育長の答弁を引いて室温が35度、湿度が50%を超えると言いましたが、実際には、調理している大なべの周辺などは、50度近くになっているとのことです。WBGT値(暑さ指数)にすれば厳重警戒・危険の分類に相当するという現場の状況に対する認識が甘いとしか思われません。2019年度の新年度当初予算の要求状況一覧を見れば、ほとんどがA査定です。もともと現局からの予算要求は、かなり絞って、本当に必要なものを要求している訳ですから、給食室等熱中症対策経費2078万4千円のD査定による減額は、不当なものだと思います。
 熱中症予防被服は、あくまでも対処療法で、根本問題である厳重警戒・危険とされる給食調理場の環境改善にはなりません。厳重警戒・危険の分類に相当する調理場の環境改善は待ったなしです。後付けのエアコンについては効果についての課題もあるということですから、予算要求されたモデル事業を新年度に実施し、一刻も早く給食調理場の環境が改善されるように、取り組むべきではないでしょうか。救急搬送が起こる危険性のある現状を放置することなく、給食調理場の一刻も早い環境改善、エアコン設置に取り組んでいただくことを要望して、質疑を終わります。

2019年2月議会・総括質疑 上野美恵子

2019年2月26日  日本共産党熊本市議団  上野美恵子  ダウンロードはこちら(PDFファイル 308KB)

2019年2月議会・総括質疑 
 日本共産党熊本市議団の上野みえこでございます。
 まず初めに、中心市街地への投資と財政運用についてお尋ねいたします。
 第1に、前市長の3期12年間、及び前々市長の2期8年間における10億円以上の施設整備費の総額をお答えください。
 第2に、今回示されている中期財政計画に計画額が参入されている今後10年間に予定される10億円以上の施設整備事業の見通しは、配布資料にありますように、市営住宅と学校を除き総額1351億円です。その大半は、事業の中止が難しいと考えられるものです。今後検討し着手していく、見直しが可能なものは、住宅や学校を除けば、本庁舎建替、市電延伸、千葉城地区の保存活用、花畑別館建替、そして熊本城の復旧の5つです。前市長・前々市長の時代と比べても、はるかに多い10億円以上の大型施設への投資額を見るならば、今から着手していく事業については、慎重な検討を行うとともに、市民の意見を十分に聞いて事業の是非を判断していくべきではないでしょうか。
 第3に、本庁舎建替、市電延伸、千葉城地区の保存活用、花畑別館建替、熊本城の復旧の5つの事業について、市民への説明や意見聴取、それを踏まえたすすめ方については、それぞれどのようにしていかれるのでしょうか。
 以上3点、市長ならびに、関係局長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 答弁されましたように、10億円以上の大型投資事業は、三角市長の2期8年間には490億円、幸山市長の3期12年間が670億円ということです。財政課作成の配布資料では、2017年度から2027年度までの11年間に災害復旧関連以外の事業で1166億円という見通しが示されています。この投資額を見ただけでも驚いていましたが、先ほどの答弁を聞き、過去の歴代市長の時代の倍以上の投資額となっていることに、ますます驚きました。三角市長の時代には、全国一高いと言われた国体プールの整備に260億円も使い、不要不急の用地買収にも多額の税金をつぎ込んで、当時震災復旧に取り組んでいた神戸市を除けば、中核市一の借金自治体となり、週刊誌にも報道されました。しかし、今の熊本市の大型ハコモノの数々は、それを上回るものです。昨年度決算をもとに財政課が発行している「財政ってなあに?」では、「市税収入額は、指定都市20市中最下位で、唯一1000億円を下回っている」、合わせて財政力指数も指定都市中最下位で財政的な自立度が低いと指摘しています。このように、財政基盤が極めて弱いにもかかわらず、大型ハコモノに莫大な投資を続けていけばどうなるのか、心配なのは私だけではないと思います。今回の議会では、何人もが財政について質されましたが、誰の目で見てもこれだけの投資の行く末は案じられます。しかも、一般のハコモノに加え、災害復旧関連のハコモノも、40年間の事業年度となる熊本城復旧を除いても400億円以上の事業費が見込まれています。市長や各局長の答弁は、これら莫大な投資となるハコモノを、何のためらいもなく粛々と進めていくというものでしたが、私は聞いていて怖くなりました。
 1点確認します。先ほど市長は、今後着手していく事業について「実施効果、市民ニーズ等を踏まえて検討を行っている」と答弁されましたが、本庁舎建替、市電延伸、千葉城地区の保存活用、花畑別館建替、熊本城の復旧の費用対効果は、いつ・どのように検証し、どの様な効果が確かめられているのか、ご説明願います。
 
 (答弁)
 
  「実施効果を踏まえ検討を行っている」と答弁されたのですから、その説明をお願いします。
 
 (答弁)
 
 公共事業を行う上で、費用対効果を示して議会や市民への理解・合意を得るというのは、行政の大原則です。いかがでしょうか。
 
 (答弁) 
 
 何十億、何百億も使う事業の費用対効果を説明できないのであれば、事業は行うべきではありません。
 
 続けてお尋ねいたします。
 財政の中期見通しの参考として示されている市債残高の推移では、2017年度決算をベースに、その後の市債残高を11年間にわたり推計しています。熊本地震分の市債残高は2021年度をピークに減少、熊本地震分を除く市債残高についても2016年度をピークに減少するとしているものの、2500憶円程度に収まっていく見込みとの説明です。政令市移行の2012年度以降、熊本地震分を除く市債残高は2200億円程度で推移しながら減少傾向でした。しかし、今後8年間は市債残高が増え続け、その後減少しても2500億円程度と高止まりで、借金が大きく膨れ上がった形となります。当然、毎年の借金返済額も大きくなります。一方、収支総括表では、市税収入は横ばいとされています。さらには、同じく示されている、熊本地震による2019年度以降の今後に残る本市財政への影響額144憶円との見込みは、今後30年間で毎年4億7000万円、約5億円の収支改善が必要となります。今後の人口減少や就労人口の増加があまり期待できないことを考えると、歳出の削減がどうしても必要となり、市民サービスの低下が懸念されます。市民サービスの低下は招かないという保証はありますか。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 「市民サービスの低下を招くことなく」と答弁されましたので、その答弁、決してお忘れにならないように、肝に銘じて市政運営に携わっていかれるようお願いしておきます。
 
 ここで、今後の大型事業で、とりわけ財政負担の大きい市役所本庁舎建て替えについて伺います。
 第1に、新年度予算には「市庁舎のあり方調査検討経費」3240万円が計上され、午前中に説明されたように、市民説明会や各種調査・分析が行われるとのことです。市民説明会は、すべての市民への十分な情報提供ができる形で実施すべきと思いますが、どの様になさいますか。
 第2に、各種調査・分析は、いずれも建替えを前提とした内容のように思われますが、財政負担の大きさを考えるならば、今後の市政、市民サービスに大きく影響してくると思われます。建て替え先にありきでなく、市民に建て替えの必要性の検討結果を説明し、意見を仰ぐべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第3に、私ども日本共産党市議団も、この間複数の専門家に意見を聞き、市役所建て替えについての検証を行ってきました。高度な専門的領域の問題ですので、私どもが軽々に意見を述べることはできませんが、市が行った検討と判断に疑問を持つ専門家が何人もいらっしゃいます。市の委託調査に、わずか4人の専門家の意見を聞いただけで、妥当だとの判断でいいのでしょうか。専門家の多くが納得できるような情報の提供と、広範な専門家の意見聴取の場を持つべきではないでしょうか。
 第4に、市庁舎問題は、全市民的な論議と判断を必要とする問題だと考えますが、いかがでしょうか。
 第5に、災害復旧として掲げられている花畑別館建替え関係経費40億円は、市庁舎問題の検討と合わせて、必要性について、市民の意見を聞くべきではないでしょうか。
 市庁舎の建て替え問題について、市長ならびに政策局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 市民説明会は、区ごとに開くということですが、それでは限られた市民にしか説明できません。これまで、さまざまな事案で、区ごとの説明会が開かれましたが、参加は自治会長が数名の出席というのも少なくありませんでした。市長に伺いますが、市を挙げての大事業となる市役所建て替え問題について、すべての市民に説明していくという気持ちはお持ちなのでしょうか。
 
 (答弁)
 
 もう一つお尋ねします。
 先ほど「調査結果について、専門家の見解も聞き、技術的には充分に検証を行ったと認識している」と答弁されましたが、それならば、なぜ、建築の専門家の方々から疑問の声が聞こえてくるのでしょうか。専門家の疑問に真摯に応えていくべきではないでしょうか。それとも、検証は行ったということで、疑問の声を振り切って、建て替えありきで進んでいかれるのでしょうか。
 
 (答弁)
 
 この問題は、新年度に詳細な検討分析を行うとの答弁なので、建て替え手法等についてということでなく、今一度、建て替えの必要性について、市民や専門家の疑問に応え、市民や議会の合意なく、建て替えありきですすめていくことの無いよう、お願いしておきます。
 
 次に、2021年度までの債務負担を含めて約24億円の事業費が提案されているシンボルプロムナード等整備事業について伺います。予算の積算となる具体的な整備内容をご説明ください。また、そのような整備が本当に必要なのか、市民の意見を聞くべきではないでしょうか。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 シンボルプロムナード等整備事業の予算の積算は、(仮称)花畑広場・シンボルプロムナード15億9000万円、辛島・花畑公園7億8000万円の合計で23億7000万円です。しかし、この事業のために、すでに産業文化会館の解体やサンビル・フラワーズビル取得費、広場整備費など、19億円が使われており、これらを加えると、花畑広場を含むシンボルプロムナード等整備費は43億円になります。先ほど「周辺施設との接続強化など」と答弁されましたように、桜町再開発の周辺整備事業です。再開発・熊本城ホールに450億円もの税金をつぎ込み、さらにその周辺整備に43億円もの事業費が使われることに市民の理解は得られないと思います。
 
 では、2点目の上下水道料金引き上げについて伺います。
 今年10月に予定されている消費税率10%への増税を見込んで、増税分を市民へ転嫁し上下水道料金を引上げる条例案が提案されています。
 第1に、消費税10%への増税が、市民の暮らしや地域経済にどのように影響してくるとお考えでしょうか。
 第2に、市民へ転嫁する増税分は、1年間分に換算するといくらの負担増になりますか。上水道・下水道それぞれにお答えください。
 第3に、消費税10%への増税による市民生活への影響を考えるならば、増税分を安易に市民へ転嫁すべきではありません。市民負担を増やさないという検討はされなかったのでしょうか。
 第4に、過去の消費税率引き上げに際しては、自治体独自に増税分の水道料金引き下げを行い、実質的に消費税増税による料金値上げを回避した自治体もありました。熊本市の水道事業会計決算は、収益的収支の税込みで2016年度18億円、2017年度30億円の黒字です。黒字分を市民に還元し、増税転嫁による料金引き上げを中止できませんか。
 以上4点、上下水道事業管理者にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 3点目のお答えがありませんでした。消費税増税分を市民に転嫁しないという検討は、されたのか、されなかったのか、端的にお答えください。
 
 (答弁)
 
 消費税10%増税による市民の痛みについての認識が無いと思います。今、国会では、統計データの改ざん問題での論議が種々行われ、増税の根拠ともなっているアベノミクスの効果による好景気という実態がなかったことが明らかになってきました。消費税10%への増税は、市民の暮らしにも多大な影響を及ぼし、消費不況をますます悪化させることは間違いありません。そのような現実を見るならば、市民に新たな負担を求めるべきではありません。答弁されました上下水道合わせて年間4億3000万円の負担は、市民にとってはとても重いものですが、上下水道事業の黒字分で吸収できる金額です。紹介しましたように、過去の消費税増税の折、増税分の料金引き下げを行い、実質的に増税分が市民に転嫁されないように取り組んだ自治体がありました。そういう市民の暮らしの実態に寄り添った検討こそがなされるべきであることを指摘致します。
 以上で、質疑を終わります。

2019年2月議会 総括質疑 日本共産党熊本市議団 山部洋史

2019.02.26  日本共産党熊本市議団 山部洋史  ダウンロードはこちら(PDFファイル 345KB)
2019年2月議会 市営住宅の改修・維持管理の予算の拡充についての質問
 日本共産党熊本市議団の山部洋史です。
 市営住宅の改修・維持管理の予算の拡充について質問いたします。
 共産党市議団では定期的に市営住宅のアンケートを行い、寄せられた声をもとに住民の皆さんと市へ要請を行っています。
 寄せられた要望については、団地ごとにまとめ、昨年12月に行った要請行動の時にお渡しをいたしました。大西市長はごらんいただけましたでしょうか。
 低廉な家賃で入居できる市営住宅は、市民生活の基盤を支え、福祉的な意味からも大変重要な役割を果たしております。
 同時に、ただ住めればいいというものではなくて、より快適で住みやすい住環境整備が求められています。
 まず、寄せられた声の一部を御紹介します。
  
 ・昭和34年ごろに建てられた団地で60年ぐらいたっているので建て替えてほしい。
 ・畳替えをしないと31年になるのでボロボロです。
 ・浴室の窓が壊れて2年もたつ。閉まらないのでとても心配。
 ・浴室のドア、引っ越してすぐ腐れ応急処置したが外した。
 ・台所の流し台は古くて床はボロボロ
 ・北側の板の間床が腐ってブヨブヨ
 ・住民の高齢化が進み、草刈りなどができず、草ぼうぼうの状態が長いため近隣の方が不愉快な思いをされているのではと、心苦しい。
 ・バスタブが高いため、自分で入ることができず、男性ヘルパーが来た時にしか入浴できない。
 ・階段の天井部分がはがれて危ない。予算がないでは済まされない。
 など、こうした要望が市内各地の住宅から寄せられました。
 不安定雇用や経済格差、年金の削減、負担の限界を超えた高すぎる国保料など市民の皆さんが厳しい生活を強いられている中、安い家賃で入居できる市営住宅は、本来であればとても大事な役割を果たすものです。一方で、著しい老朽化と進まない修繕に、健康で文化的な生活を営むに足りているのかが今問われています。
 そこで、お尋ねします。
 更新周期を過ぎ、積み残しているものが平成30年度の時点で畳の取りかえついては更新周期30年のものを665戸残し、風呂釜の取りかえについては10年周期で823戸も残されております。給湯器も15年周期が1071戸残され、計画修繕の積み残しは、年々増え続けています。
 4年前に私が一般質問で取り上げた平成26年度の積み残しデータと比較しますと、畳の取替が4年前は330戸でしたから335戸の増と倍増しています。風呂釜の取り換えは470戸で353戸の増で約2倍。給湯器にいたっては、280戸で791戸増の約3倍もの積み残しが増えています。
 その一方で、計画修繕の予算の年次推移は、ここ数年横ばいです。このテンポでは、どれだけ修繕を進めても毎年さらに新しい計画修繕の住宅が出てくるサイクルになり、積み残しの件数はふえ続ける一方です。
 (1)計画修繕の積み残しを一日も早く解消し、新たに更新周期を迎える住宅に対応し、順次取り組む必要があると考えます。
 いつまでに、この積み残しを解消するおつもりなのか、具体的な期限をお示しください。もし、期限が決まっていないのならば、市として期限を決め、修繕計画を策定し、積み残しの解消を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。
  都市建設局長にお尋ねします。
  
 (答弁)
 
 (返し)
 「計画修繕については目標の周期から、遅れているものも、ある」とのご認識でしたが、わずか4年間で倍増どころか3倍にまで積み残しが増えています。そして、いずれの修繕も住民の皆さんにとっては、まさに日々の生活に関わることです。劣悪な環境での生活を強いられる状況は大変問題です。
 積み残しの解消の目標期限については言及がありませんでしたが、一刻も早い適切な住環境の整備が必要です。そのことを強く求めて次の質問に移ります。
  
 これまで住民の皆さんとくり返し、何度も住環境の改善を要望してきました。しかし、そのたびごとに「予算がないから」との回答で住民の皆さんは要望を退けられてきました。
 昨年12月の住民との要請行動はこの予算決算委員会室で行われたのですが、参加されたお一人がこう訴えました。「市役所を建て替えるという話が出ていると聞いていますが、こんなに立派でフカフカの絨毯が敷き詰められた会議室のある、きれいな市役所をどうして建て替えるのですか? そんなお金があったら古い団地の修繕こそやってほしい」
 まさにそうだと思います。「予算がない」のではなくて「予算の優先順位」がおかしいのです。
 以前、質問しましたが、北区・新地団地敷地内の立ち枯れした雑草の除草については、経費が600万円かかるからできないとの回答でした。聞けば、市内1万3000戸を超える市営住宅の樹木棟の管理費が年間たった2000万円しかないということでした。そのいっぽうで、今定例会に提案されている「熊本城ホールのこけら落し」には1億円以上もの予算が使われます。
 入居者にとって便利で快適なものとなるように整備しなければならないと規定された本市市営住宅条例からしても、また市長が標榜する「誰もがあこがれる上質な生活都市」という点からも、市営住宅の老朽化を放置している状況は一日も早く改善し、せめて人間らしい生活が送れるよう、最優先で取り組むべきだと考えます。
 (2)しかし現行水準の予算では、積み残しの戸数が減るどころか、倍増しています。計画修繕の予算の増額なしには減らすことはできません。また団地の維持管理費も同様に予算を例年ベースより抜本的に引き上げるということが必要だと考えますけれども、大西市長にお尋ねをいたします。
  
 (答弁)
  
 (返し)
 市営住宅127団地分の樹木等の管理予算が2,000万円。一団地あたりでは15万7,500円の予算です。ところが例にあげた新地団地だけでも600万円の経費が必要です。
 現状の予算のレベルでは、修繕の積み残しの解消も含め、住宅の維持管理もできていない状況ですので、予算の増額をと、具体的な答弁を求めたわけですけれども全くお答えがありませんでした。この点については、抜本的な予算の増額を強く求めます。
 住民の皆さんがくり返し要望しても、こうした予算が抜本的に増額されない。その一方で今定例会では、住民が直接利活用できない桜町再開発・熊本城ホールやMICEの誘致には108億円もの予算が提案されています。
 このような市民生活への予算のありかたについて、市営住宅の問題のみならず、子育て世代の他自治体への流出問題や全国自治体の「住みよさランキング」で熊本市が506位である現状に、「上質な生活都市」とは一体何なのか、市長ご自身、改めて問い直される必要があると思います。そのことを指摘しまして、私の質疑を終わります。

2019年2月議会 一般質問  那須円

2019.02.22  日本共産党熊本市議団 那須円  ダウンロードはこちら(PDFファイル 641KB)

「改定出入国管理法の廃止を求める意見書案」への賛成討論
 日本共産党熊本市議団の那須円です。大先輩であります家入議員のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申しあげます。「那須君がんばってるか?」と会派の違いを超え、多くの励ましや言葉をかけていただいたことを思い起こします。家入議員のご冥福を心からお祈りいたします。 
 心の整理がなかなかつきませんが、4年の任期、最後の一般質問を共産党市議団を代表し、市民の方々のおかれている実態を示しながら、今熊本市に求められているもの、果たすべき責任とは何か、課題別にお尋ねしてまいりたいと思います。市長はじめ、執行部の方々におかれましては、明確な答弁をよろしくお願いいたします。
 現在国会では、勤労統計の改ざんともいえる問題が明らかになり、様々な議論が行われています。2014年の消費税増時以降、経済の6割を占めている実質家計消費が、約3兆円も落ち込んでいることも明らかになりました。
 本日は、多岐にわたり市民サービスの充実を求めた質問を準備していますが、経済の好循環を生むためにも、現在または将来への不安を取り除くこと、さらには社会保障など負担の軽減を図り、自由に使える可処分所得を増やしていくことなどが重要だと考えます。また、市長が目指す「誰もが憧れる上質な生活都市熊本」については、当初予算においても様々な事業が提案されています。上質な生活都市というものの土台には、市民生活の豊かさ、安心感、これは内面的な豊かさはもちろんですが、貧困を解決し、日々の生活が経済的に安定し暮らすことができるということが大前提にあると思います。こうした観点で、質問を行います。
 
 まず、国民健康保険についてお尋ねいたします。私たちはこれまでも、高すぎる国民健康保険料の引き下げを求めてまいりましたが、大西市長一期目の4年間で2度の国民健康保険料の引き上げが行われ、政令市20市の中で、モデル世帯(40代夫婦、子ども二人)では、所得200万円の国保料が所得の2割を超え、40万5015円と最も負担の重い水準となってしまいました。最も低い神戸市、同じモデル世帯ですが26万7270円の1.5倍となっており、政令市20市のなかで年間国保料が40万円を超えている都市は熊本市のみとなっています。
 国保加入者の滞納率は、全国平均は約15・2%と政令市平均19・0%でありますが、熊本市の国保料の滞納の実態は、加入世帯10万1382世帯中、滞納世帯は3万1638世帯と31.2%、加入世帯の3割が国保料を払えなという状況です。
 2度の値上げ、政令市1負担の重い国保料がどれほど市民生活を苦しめているのか。寄せられた声を紹介します。「高い保険料の支払いで、食費光熱費の縮減に努めているが、限界にきている。年金は減る一方で、少しでも負担を減らしてほしい」60代女性の声です。「払いたくても払えない。年金が入っている通帳の預金を差し押さえられ、生きていく希望を失った」70代の方の声です。また、自営業をされている50代の男性の方からは「病院に行くための医療費を国保に充てざるを得ず、保険証が来ても今度は医療費が払えずに病院に行けない」こうした声が寄せられています。誰もが憧れるどころの状況になっておりません。
 私たちの市民アンケートでも、最も市に取り組んでほしい項目の1位が、国民健康保険料の引き下げであり、こうした切実な声が寄せられています。
 まず、市長にお尋ねいたしますが、熊本市の滞納世帯が31.2%と全国平均の2倍となっている原因をどのように認識していますか?
 
 (答弁)
 
 医療費が高いこと、収納率が低く、保険料が高くなっていることが要因の一つとの答弁でした。加入者の所得が低く、保険料が政令市で最も高い、払えない方が増えるのは当然だと思います。市民生活に重くのしかかる国保料をどう軽減していくのか?国保加入世帯の置かれている深刻な状況を受け止めてほしいと思います。
 他の医療保険と比べ、国民健康保険料がいかに高い水準となっているかは、何度もこの議場で紹介してきたので、皆さんご存知だと思います。先ほど紹介した40代夫婦、子ども二人、所得200万円、この条件で、他の医療保険の保険料はどうなっているのか、国保と同様に介護保険の負担分も合わせて計算をしていただきましたが、会社勤めの方々が入る協会けんぽで年18万2520円、市役所で働く職員の共済であれば年18万2266万円、同じ国の住民であるのに、個人の負担については、国保は40万円、他の医療保険の2倍以上の負担となっています。この格差、不平等の解消に国、自治体は目を背けてはなりません。
 全国知事会は2014年「国保料をせめて協会けんぽ並みに引き下げるために1兆円の公費負担増」を政府に要望しています。国保の構造的な矛盾は全国どの自治体も共通の課題であり、保険料の引き下げは知事会あげて声をあげている課題です。ただ、国の財政措置まちということではなく、国保引き下げに自治体自ら取り組みを進めている都市もあります。そこで、一般会計からの繰り入れの拡充、さらには国保料減免制度の拡充についてお尋ねいたします。
 一般会計からの法定繰り入れ額赤字解消分は、幸山市長時代最大28億円、その後20億円台の水準でした。ところが、大西市長になり8億円、今年度は7億3000万円と激減しました。さらに来年度は6億6000万円とさらに削減されています。
 法定外繰り入れ額の政令市比較を見てみますと、これは人口規模の差がでないように一人当たりの数字を調べましたけれども、最も多く繰り入れを行っている千葉市が23145円と熊本市の約4倍、相模原市は20702円と熊本市の3.6倍、政令市平均は9132円に対し、熊本市は5682円と指定都市平均の6割しか繰り入れを行っていないのが実態です
 多くの政令市が、国保の財政赤字が保険料高騰へのしわ寄せとならないよう、言い換えれば市民生活を圧迫しないよう、一般会計からの繰り入れを行っています。大西市長に伺いますが、先の12月議会では、お城の特別見学通路7億5000万円の増額、熊本城ホールの保留床取得費7億1000万円の増額がなされました。こうした多額な支出を年度途中に次々に増加補正していくようなお金があるのならば、せめて政令市平均並みの法定外繰り入れ額へと拡充を行い、保険料の引き下げに努めるべきではありませんか?
 
 (答弁)
 
 法定外一般会計繰入については、国の通知により、解消・削減すべきものと位置付けられているとのことで、増額するとの答弁はありませんでした。ただ、今答弁された昨年1月29日に厚労省から出された通知には、「被保険者の負担水準に激変が生じないような時間軸を置きつつ、実現可能な削減目標値と具体策を十分に検討しなさい」とされており、被保険者に過度な負担が生じないことが大前提となっています。そして、繰入額解消削減も平成30年度からの6年間の計画を立て、実現が困難と見込まれる場合は、県と協議し変更できる。とも記載されています。先ほど市長が言われた医療費適正化により、どれほどの医療費抑制効果が生まれ、保険料の重い水準が解消されていくのか、具体的な数値や目標もないまま、ただ繰り入れ額を減らしていき、指定都市で最も重い国保料をそのままの状況に据え置くということは許されません。
 熊本学園大学の高林秀明先生が2014年3月に示した「国民健康保険の実態と課題−熊本市の国保改善運動から−」という論文があります。これは、701世帯からの聞き取りをもとに得られた情報を分析して、本市国保の現状と課題を明らかにしたものです。
 その中で、保険料の負担感の重さと受診抑制との関連について、保険料負担が大きいと感じている方ほど受診抑制の経験が多いという結果が示されています。「保険料が生活を圧迫している」と答えた方の「受診抑制の経験あり」が47.5%、「保険料の支払いがとどこおっている」と答えた方の「受診抑制の経験あり」は71.8%となっています。
 また、さまざまな医療保険の中で、食費を切り詰めていると答えた割合が最も高かったのが国保で約40%、また、国保の中でも年収100万円未満の方は、5割の方が食費を切り詰めていると回答されています。高い国保料をそのままにすることは、受診抑制や生活環境の悪化でさらに健康悪化を招き、医療給付費の増と負の循環を生み出していくことになります。誰もが憧れる都市になるためにも、まずは市民が安心して暮らし、払える国保料へと引き下げることを強く要望します。また、収納率の向上との名目で、機械的な差し押さえを行うべきではないことも指摘をしておきたいと思います。年金の振り込まれる通帳の預金が差し押さえられた、運転資金としてなくてはならない預金が差し押さえられたなど、具体的な相談も寄せられています。2014年11月の国会質問で、機械的な差し押さえはしないという通知・通達を自治体出すべきではないかという質問に対し、当時の塩崎功労大臣は「ぬくもりを持った行政をやるべく徹底していく」と答弁しています。一昨日の衆議院予算委員会においても国保の運用について「命にかかわることは事実」と認め「適切に運用されるよう各市町村への周知を徹底していく」と答弁されています。丁寧な納付相談とともに、滞納世帯の置かれている実態をつかみ様々な福祉制度、支援制度につなげるなど、対応を図っていただくよう求めます。
 
 次に減免制度についてお尋ねしますが、国保料が、協会けんぽなどの被用者保険と比べて、著しく高くなる大きな要因になっているのは、国保にしかない「均等割」「平等割」という保険料算定があるからであります。
 きょうかい健保や共済の保険料は、収入に保険料率をかけて計算するだけで、家族の人数が保険料に影響することはありません。ところが、国保料は、所得に料率をかける「所得割」のほかに、世帯員の数に応じてかかる「均等割」、各世帯に定額でかかる「平等割」を合算して算定されます。熊本市の場合は、39歳以下の人数が一人増えれば、44700円つまり子どもが一人生まれれば、44700円、二人では89400円、3人では13万4100円と保険料が増えていくことになります。この一人当たりの均等割りの指定都市比較では、医療費分では名古屋市についで2番目に高い金額となっています。ただ名古屋市は、1世帯当たりの平等割りをとっていませんから、ダントツに熊本市が高い均等割り額となっています。収入のない赤ちゃんが一人増えると、国保料が跳ね上がる額が政令市で最も高い。つまり、収入が増えていないにもかかわらず保険料が増える仕組みが、払えない国保料、負担の重い国保料の一つの要因となっていることは間違いありません。“人間の頭数”に応じて課税する人頭税は、古代に作られた税制で、人類史上でもっとも原始的で過酷な税とされています。それが21世紀の公的医療制度に残っていることに大きな疑問を感じます。この時代錯誤の仕組みこそ、低所得者や家族が多い世帯に重い国保料負担を課している最大の要因ではないでしょうか。
 こうしたなか、仙台市では、均等割りについて、18歳未満の均等割り額の3割を減免する独自の軽減策を講じています。熊本市においても、仙台市が行っている18歳未満均等割を減免することなど、均等割りを引き下げるために独自の減免制度を創設すべきだと考えますがいかがでしょうか?大西市長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 現行の減免制度の紹介をし、周知に努めるとの答弁でした。東京清瀬市は昨年度から第2子以降の子どもの国保料の均等割りを半額にする減免制度を始めました。また、岩手県宮古市は来年度、子どもの均等割りを免除する予算案を提案されています。政令市でも先ほど紹介した仙台市で実施されています。協会けんぽの2倍もの保険料をせめて協会けんぽ並みに、ぜひ、均等割りの減免の必要性を認識いただき、具体化してほしいと思います。
 
 次に、がん検診の無料化についてお尋ねいたします。市長公約の55番には、がん検診を完全無料化し、受診率の向上を図る等予防医療を積極的に促進しますと掲げられています。熊本市のがん検診率は、全国平均と比較しても、肺がんで平均の約5割、胃がんで平均の3割、大腸がんで平易金の4割、乳がんで6割、子宮頸がんで6割と低い水準です。積極的に予防医療に取り組むとしながら、新年度予算については、なぜ70歳以上だけが対象となったのでしょうか?予防医療の推進を図るためにも、全世代に対して、がん検診の無料化を拡大するべきだと考えますがいかがでしょうか?
 
 (答弁)
 まずは、事業効果が高いと見込む70歳以上の方のがん検診無料化を行い、その効果を検証したうえで、その実現を目指すとのことで、完全無料化については、まずは一歩を踏み出したという内容でありました。今回のがん検診70歳以上無料化で必要な増額分は1800万円、さらに完全無料化に向けては、あと5200万円で実現ができます。この事業は、お金で換算できない人の命を守る施策です。ぜひ、早急な完全無料化を求めたいと思います。
 次に、震災からの復興についてお尋ねいたします。
 医療費の抑制などに取り組むとの先ほどの国保での答弁がありましたので、まずは、医療費減免の復活についてお尋ねいたします。
 私は、昨年 第一回定例会の予算決算委員会に置いて、震災後1年半での医療費減免の打ち切りについて、受診抑制が発生し、重大な健康被害を与えることになるのではないかと市長に質しました。市長は、国保のレセプト件数の平均値を根拠に受診抑制はないとの答弁をしましたが、9月の医療費減免が打ち切られる月のレセプト件数の総数が24万7,980件であったことに対し、減免が打ち切られた10月の件数が22万5,969件、
 2万2,011件減っています。11月では2万3,153件レセプト件数が減っていることを示し、減免制度の打ち切りの前後で、明らかなレセプト件数の落ち込み、受診抑制が発生していることを質しました。市長からは、「当然全体の総数や、それからどういった診療の状況であるかということを確認して、分析をしてまいりたいというふうに思っております。」との答弁がなされました。そこでお尋ねいたしますが、分析の結果、医療費の減免打ち切りによって受診抑制が起こったことへの認識、そして、被災者の健康状況がどの様になっているのか認識をまずお尋ねいたします。大西市長の答弁を求めます。
 (答弁)
 
 月平均一人当たりのレセプト件数は同水準との答弁ですが、この数値は分母が16万、17万で割っていますので、受診の程度がどれほど変化したのか見えてきません。
 全体的に見ると受診抑制に至っているとまでは言えないとの答弁ですが、冒頭の免除終了後の月平均受診回数は、免除期間より減少しているとの答弁と矛盾しています。
 また、免除終了後の月平均の受診回数は地震前の月平均受診回数と同程度であったとありましたが、市政策局が昨年10月に行った熊本地震にかかるアンケート調査を見ると、医療減免対象者のなかで、震災前から持病があり悪化したと答えた方が55.9%、震災前は特に病気はなかったが震災後体調が悪くなったと答えた方が、62.3%となっています。また、答弁であった高度の心理的ストレスを抱えた方が震災前の水準から2倍という結果が示されました。
 地震を契機に体調が悪化した方が6割に上っているのに、地震前から増えているはずの受診が、地震前と同等になっているということは、どのように説明されますか?
 
 熊本県は、2018年3月31日から同年6月1日までの間、熊本市をはじめ、応急仮設住宅およびみなし仮設住宅、公営住宅に入居している18歳以上の方35419人を対象に健康調査を行ない、同年9月7日に結果を公表しました。つまりは、2017年9月末の医療費減免が打ち切られた後の健康調査となります。
 全体の回答率は35,3%12518名から回答を得ていますが、そのうち、応急仮設住宅とみなし仮設住宅に入居されている9444名について、つまりは半壊以上、医療費減免の対象となっている方でありますが、健康調査の結果についても示されています。調査結果を見ると、強い心理的ストレスがある高度のリスクと判定された人は8.2%で1年前の調査より1.5ポイント減ったものの、地震前の約2倍となお高いことが示されています。中程度と軽度の人を含めて回答者の4割が心の不調を抱えています。
 また、同調査の中では、病気の有無や治療状況について調査結果が示されていますが、精神疾患のある患者のなかで9.1%が治療を中断しています。また、肝疾患では10.9%が治療を中断、歯科疾患では20.1%の方が治療中断、呼吸器疾患では、9.6%が治療を中断、いずれも医療費減免制度が実施されていた時期に行われた1回目の調査を上回る中断率となっています。
 そもそも第1回目の調査において、治療を中断した理由として、15%の方が経済的に負担が重いと答えていたわけですから、医療費減免の打ち切りが、受診抑制や治療中断に大きな影響を与えたことは間違いありません。治療中断の割合が増加している、これは被災者の健康を守る、命を守るという点において、非常に重大なことだと思います。被災者の実態から目を背けず、医療費減免制度の復活をすべきではないですか?大西市長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 熊本市が2割を負担することになる。国保料の引き上げ、一般会計からの繰り入れが必要になり、国保以外の方の負担もあるので医療費減免復活は困難との答弁であったかと思います。では、なぜ国は8割の財源を支出することを可としたのか、そもそものところを考えていただきたいと思います。国の支出する8割の財源は、被災地以外の方々も納めた税金であったり、国保以外の方も納めた税金が原資となっています。つまりは、未曽有の震災があり、経済的な理由で健康悪化があってはならない、命や健康を守るために必要であるから、国は8割の補助を行っているのだと考えます。せめて、県と折半することなど交渉しながら、再開に向けて積極的に動いてほしいと思います。本市の医療費が高いと市長は先ほどから指摘していますが、震災前の平成27年は一人あたり30万5944円、震災のあった28年は32万4575円、翌年29年は33万6899円と近年急激に増加しています。
 病院にかかりたいけれども、生活費や住宅再建を優先して受診を我慢する。そして、病気が悪化する。治療費が多くかかってしまう。こうしたことがないよう、医療費適正化を進めたいとの国保の質問での答弁との整合性のある対応、被災者への医療費減免の復活を強く求め、次の質問に移ります。
 
 次に、住宅再建についてお尋ねいたします。最後の一人まで、震災前のの生活を取り戻すまで粘り強い支援が求められます。
 現在、応急仮設住宅およびみなし仮設住宅に入居されている方は、4700世帯となっており、最大1万世帯ほどの方が仮設入居をされていた時期と比較すると4割程度となっています。
 3年目の延長については、自宅再建の工期が間に合わない、公共工事に日数を要し自宅再建ができない、民間賃貸希望の場合は、健康悪化等により1階もしくはエレベーター付きの物件を探しているが見つからない、高齢者、障がい者、ひとり親世帯については、現在の物件より安い物件を探しているが見つからない、保証人が見つからない、公営住宅については、災害公営住宅の工期が間に合わない、既存の公営住宅に入居したいが補修等の工期が間に合わないなど、8つの条件を満たすことで延長が認められてきました。本来、東日本大震災にはなかった条件が設定されたことで、延長を希望しながら、退去せざるを得なかった世帯が2018年4月から本年1月までで、235世帯に上っているのは重要な問題でありますし、そもそも8つの条件を満たせずに、延長申請をあきらめた等世帯がおおくあったと、聞き取り調査の中で私自身は実感をしているところです。
 4年目以降の条件はどうなるのか?昨年、9月18日付で蒲島郁夫熊本県知事から安倍総理大臣に送付された「災害救助法による援助の特別基準について」という文書があります。その中の対応方針として次のように明記されています。「住まいの再建を予定しているが、建設業者の不足のため、自宅再建に時間を要すること、土地区画整理事業や地盤改良等の公共事業の遅れなどの関係から自宅着工ができないこと、また災害公営住宅が整備されていないことなどにより、供与期間内に仮設住宅を撤去できないなど、やむを得ない事情がある世帯について供与期間を延長する。」
 文書の最後にやむを得ない事情があれば供与期間を延長するとされていますが、4年目延長の条件は、自宅再建で建築請負契約書を交わしたが工期の関係等から、仮設住宅の今日期間内に再建できない。自宅再建で公共事業(土地区画整理事業、地盤改良事業等)に日数を要し、仮設住宅の供与期間内に再建できない。と自宅再建の方に限定し、民間賃貸、既存の公営住宅を希望している方については、延長を認めないと、締め出しを強行するような条件が設定されています。
 大西市長に伺いますが、なぜ、民間賃貸や既存の公営住宅を希望しているかたが延長条件から外れたのですか?
 
 (答弁)
 
 民間賃貸住宅の空き物件の状況等を判断されたと伺っているとの答弁でありました。
 震災から3年目を迎えようとしている中で、それぞれが様々な事情を持ちながら、仮設からの恒久的な住宅の確保のために努力をされています。私は、一人ひとりの複雑な状況に寄り添い、仮設を退去したから終わりではなく、その退去後も震災前と同様の生活を送れるのか、配慮した対応が求められると思います。
 私自身も、仮設住宅入居者への聞き取りを行ってまいりました。自宅の再建ではなく、民間賃貸を希望されている方からは、地震前と同水準の家賃の物件が見つからない、子どもの通学の関係で震災時と同じ校区内で物件を探しているが見つからない。ペット同居可物件が見つからない、低層階の物件が見つからない、住み慣れた地域での物件を探しているが見つからない。こうした理由が、2つも3つも絡み合って、仮設退去後の生活を心配されている方が多くいらっしゃいます。
 
 2019年1月18日、NHKにおいて熊本の風「見えない被災者を追って2〜みなし仮設迫られる退去」との題名のドキュメント番組が放映されました。そのなかで、熊本市のみなし仮設住宅に入居されているIさんは民間賃貸住宅の転居を希望したものの家賃などが折り合わず、みなし仮設住宅の延長を希望していたものの、5月6日までにみなし仮設を退去しなければならないとの県からの通知に不安を募らせている状況でした。「みなし仮設を出てしまうと自分はこの生活をしていけるのか不安を感じている」と深刻な思いを語られていました。
 熊本学園大学高林教授「みなし仮設住宅を退去できる状態でない方が出ざるを得なくなっている」「必要な人に必要なものを必要な程度だけ、支援しなさいという災害救助法の原則から見た際、原則が守られているのか疑問である。」とコメントしています。「今回の延長要件が今後の災害に適用されれば、熊本地震が今後の悪しき前例になりかねない」こうした指摘を真摯に受け止めるべきだと思います。
 さらに番組では、みなし仮設を出た後の方、公営住宅に移ったFさんも紹介されています。自宅は、全壊。その後みなし仮設に転居後、昨年5月には西区の公営住宅に入居されているとのことです。この方は、自宅再建のめどが立たず、公営住宅に入居。住み慣れた地域とは別、住宅までの坂道がこたえる。近くにはコンビニ1件。自宅の時には必要のなかった家賃も発生し、貯金を切り崩しながら生活をしているとのことでした。恒久的な住宅を確保はできているが、生活の不安は募るばかりとの状況です。つまりは、「仮設からの退去=生活再建」ではないということであります。益城町が委託をしている「みなし仮設の支援団体みのり」が独自に調査をした結果では、経済的、精神的、健康問題など仮設を退去したあと16%の方がなんらかの問題を抱えながら暮らしていることがあきらかになっています。今後、十分な準備ができないまま退去が迫られる中で、こうした課題を抱える割合が増えることが懸念される」と同団体は指摘しています。
 
 そこで大西市長にお尋ねいたしますが、自宅再建と復興住宅に限定した延長条件ではなく、民間賃貸や既存公営住宅を希望する方も含め、さらには経済的な状況、健康面なども含め、延長が必要な方には延長が認められるよう、条件の改善を市として県、国に対して、求めるべきだと考えますがいかがでしょうか?
 
 (答弁)
 
 再質問
 仮設住宅の延長については、災害救助法にのっとって実施主体は県でありますので、国と合わせ改善を働きかけていただきたいと思いますが、民間賃貸住宅および既存公営住宅の希望世帯が対象とならなかったために追い出しのようなことは行うべきではないと指摘したいと思います。一つ事例を出して、大西市長にお尋ねします。現在、仮設住宅入居者の中で既存の公営住宅とりわけ体調の都合で、1Fもしくはエレベーター付き公営住宅を希望されている方が221世帯いらっしゃいます。その内、提供可能な市営住宅は修繕済み・修繕予定を含め133戸です。希望世帯数からすれば現時点では受け入れは足りていません。もし、公営住宅1階やエレベーター希望の方がマッチングできなければ、退去を迫ることになるのでしょうか?
 
 (答弁)
 
 先に紹介したマッチングで西区の公営住宅に入居した男性もそうですが、私の知り合いである高齢者の方も 若葉校区の公営団地に入居したが1階を希望していたけれどもかなわず、将来の不安を話されていました。恒久的な住まいについては、各々の生活実態、希望居住区、通学区など様々要因で、延長せざるを得ない方については、要件を緩和し、被災者の立場に立った住宅再建を進めていただくよう要望します。
 
 次に、被災を受けた方への住宅リフォーム及び修繕助成についてお尋ねいたします。今回の熊本地震で被災をされた方から、多く寄せられるご意見の一つが一部損壊世帯への支援の弱さです。1点から19点と被害の幅がありながら、それを一部損壊とひとくくりに区分され、今だに修繕に至っていない方も多く残されています。実際に、壁のひびを自前で修繕したが雨水が入って内壁にカビが生えている、サッシのゆがみで窓が閉まらない、風呂のタイルがはがれたまま使っている。こうした方々の自宅を見てきました。今現在、建物の公費解体も終わる中で、新たな住宅が市内各地で建設されています。復興特需ともいうべき人手が足りない、こうした声も聴きますが、やがてこうした復興特需は、需要の先食い状況となり、地域の中小建築業者の経営にも影響を及ぼします。一部損壊世帯と認定された方は、昨年12月末で82631世帯、その内、100万円の工事について10万円の補助制度を利用できた方は、7394世帯と9%、また非課税・ひとり親への3万円の支援も併せて約20000世帯25%、残り約7割の一部損壊世帯には、なんら支援がない状況です。こうした方々に対して、修繕やリフォームの一部を補助する制度を、住まいの再建と中小建設業者の経営支援という観点から実施できないでしょうか?
 
 (答弁)
 
 現時点では考えていない。ゼロ回答でありますが、100万円以上を要した世帯に10万円の支給する制度、支援水準の是非はありますが、少なくない費用負担の一部でも補助制度を活用できたことで被災者としての支援が提供されました。一方何ら支援がない7割近くの一部損壊の方々のなかで、修繕に着手していない方も多く残されています。せめてサッシのゆがみを直し窓が閉まるようにしたいが年金生活で生活が厳しくそのままになっている。壁の修繕をしたいが、100万円までの工事ではないために援助が受けられなかったと答えた方は90数万円の見積もりを私に見せながら嘆かれていました。一部損壊世帯も被災者でありますので、自宅再建、そして復興特需が落ち込んできた際の中小建設業者の支援など、答弁に「現時点では」ということでしたので、ひきつづき検討いただきたいと思います。
 次に震災後のインフラ整備、とりわけ生活道路の整備・修繕についてお尋ねいたします。今年1月18日、市民の方々とともに各土木センターに対して道路や公園等の改善を地域から持ち寄り、要望活動を行いました。地震による道路のうねりやひび割れ、道路の沈み込みによるマンホールの段差など、様々な要望が寄せられたところです。住民のみなさんからは、早急な改善が要望されましたが、例えば道路の舗装については、「修繕時期がいつになるのかわからない」との回答でありました。生活道路は市民の暮らしに与える影響が大きいことから、早急な対応が必要と考えますがいかがでしょうか。都市建設局長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 地域の要望については、早急な改善が図られるよう、施行時期を明確にするなど丁寧な対応に努めていきたいとのことですので、ぜひよろしくお願いいたします。そして、予算的な面で施行時期が遅れることがないよう予算の拡充も併せて要望しておきたいと思います。
 
 次に、子育て支援について数点お尋ねいたします。まずは、子どもの医療費助成制度についてであります。大西市長の一期目の公約に掲げられた中学3年生までの助成制度の年齢拡充は、実施されましたが、年齢拡充のための財源の多くを、3歳から小学3年の親の負担を増やすことで確保するという内容となりました。私も子育て真っただ中で、様々な意見をお聞きしますが、最も病気にかかりやすい小さな子どもの医療費負担を増やすことには納得がいかないとの声も多く聞きます。
 昨年の市長選挙において、西日本新聞は、【数字で切る熊本市 11・18市長選】(2)2013〜17年の合志市への流出2377人 子育て支援、十分ですかとの見出しで、熊本市と周辺自治体の子ども医療費助成制度を特集しています。記事のなかには、8歳と4歳の男児2人を育てる主婦の声が紹介されています。2016年2月に熊本市東区から引っ越し、一戸建てに暮らすTさんは、同市内にある夫(33)の職場は遠くなったが、子育てのしやすさを第一に考えた。念願の庭付き一戸建てを実現できたのも「熊本市より土地代が安かったから」。「子どもの医療費が無料なので、気軽に病院に行けるのは助かる」との思いを寄せています。
 また記事の中には、合志市と菊陽町への転出者数は、2013年から5年連続で転入を上回った。特に、熊本市から合志市に毎年千人以上が転出しており、13年から5年間で2377人が流出したし、0〜14歳の「将来世代」も、熊本市から合志市への転出の方が多いと報じています。
 合志市は「子育て支援日本一のまちづくり」を掲げて、中学3年までの医療費完全無料化を実現。21年4月には小中一貫校が開校する予定で、教育環境も充実しつつある。この主婦は「熊本市に住むママ友から『うらやましい』と言われる」とのコメントを残しています。
 記事では、東洋経済新報社が全国791市と東京23区を対象にまとめた「住みよさランキング2018」も紹介されており、合志市は27位。九州の市で2位になった一方で、熊本市は全国506位との結果も掲載されています。
 記事は続けて、12月からは小4〜小6も通院・調剤費の上限が700円に減額されるが、完全無料の合志市に比べて、物足りなさは否めない。
 高齢化と人口減に悩む自治体が、若い世代を呼び込むために子育て支援策を競い合うなか、熊本市の施策は十分といえるのか。子育てサークル活動に取り組む東区の主婦(47)は危機感を抱く。「政令市にあぐらをかいていると、そのうち街が高齢化してしまう」との声で、記事は締めくくられています。
 働く世帯の方々が、定住地域を決める要因の一つに、子育てのしやすさ、医療費助成の水準が大きな物差しとなっていることを示す記事だと思います。そして何より重要なことは、誰もが憧れる都市とならなければならないはずなのに、この5年間で合志市へ人口の流出が2377名、これに菊陽町などを加えればさらに数は多くなると思いますが、人口流出が起こっていることです。県内自治体の医療費無料化ですが、18歳まで完全無料化を実施している自治体は山鹿市など3自治体、中学終了まで完全無料化を実施している自治体は、菊池市、合志市、大津町、西原村、益城町、鹿島町など熊本市を囲む周辺市町村など13自治体にのぼります。
 子どもの医療費助成制度については、一部負担をなくし完全無料化にしていく必要があると考えますが、大西市長の見解を伺います。
 
 (答弁)
 
 「市民や医療機関などの意見をうかがうとともに、事業効果を検証したい」との答弁でした。子どもの医療費の年齢拡充は市長の1期目の目玉公約でもあり、多くの市民が期待を寄せる制度でありました。年齢拡充に必要な予算は約7億円、その内市の増額分は1億円ですので、6億円を3歳から小学3年の親の負担を増やすことで財源を確保していることになります。小さい子どもを持つ親の負担を増やし、中学までの年齢拡充の費用に充てるという親同士の負担のやりくりでは、住民は納得しないのではないでしょうか。人口減少も自然現象ではなく、子育て環境の差で他市町村に子育て世代の流出という形で、目に見える課題としてあるわけですので、負担の軽減に向けた取り組みを強く求めて次の質問に移ります。
 
 保育分野の課題で、待機児童と保留児童の問題、さらには3歳の壁問題について、お尋ねいたします。大西市長は、先の市長選のマニュフェストにおいて、公約の2番目に、「さらなる保育ニーズ拡大が見込まれる中、各区で積極的なマッチングを行うなど、引き続き実質的な「待機児童ゼロ」を継続します。と掲げられております。この間、認定こども園、さらには小規模保育など地域型保育施設の整備で受け入れ枠の増加が図られていく中で、熊本市の待機児童は2016年から3年連続でゼロを達成しましたとの報道資料も今年の4月に発表されました。定員枠を、2015年から4500名分増やしてこられてことについては、国の法改正の中に看過できない課題はあるとしても、子どもを預け働きたいと願う親の思いに応えたものだと思います。しかし、一方で、いずれも4月の時点での待機児童がゼロでありましたが、5月以降は増え続け、2016年度末の3月には待機児童372名、保留児童1238名、2017年年度末3月には、待機児童535名、保留児童1543名となっています。待機児童ゼロとなった4月の翌月には、昨年度74名の待機児童が発生している状況で、預けたくても預けることができないこうした親の不安を根本から解決するには至っていない状況です。また、保留児童についても、単にミスマッチという言葉では片付けられない課題です。「希望した保育所に入園できず、自宅から30分の保育園を紹介されたが職場とは逆方向で、朝晩の送り迎えを考えると近くの園の空きがでるのをまつしかない」「希望する園に入れず、斡旋された園までは、車がなく自転車での送り迎えは難しいので、空きを待っている」など、具体的な声も聴いてきました。
 また、この間ふえた地域型保育、3歳未満児までの受け入れ枠としてかなり増加していますが、連携園へとスムーズなつなぎができていない課題もあります。すでに連携園の枠がなく卒園後、3歳からどうなるのか不安であるとの声を聞きました。いわゆる3歳の壁でありますが、厚生委員会などでも指摘がなされてきた課題であるとも認識していますが、解決を図っていく必要があるのではないでしょうか?4月時点の保留児童、一昨年度450人、昨年度373人、今年度403人とこの中に、3歳の壁に阻まれ、希望する園に預けることができない方が含まれていることは間違いありません。積極的なマッチングに取り組むとの市長の公約ですが、やはり抜本的には、認可保育所を増やしていく必要があると考えますがいかがでしょうか?市長の公約にもかかわることですので、大西市長にお尋ねいたします。
 次に保育士の確保についてでありますが、待機児童の抜本的解消のためも認可保育所の増設をすすめるためにも、それを可能にする保育士確保が必要であり、そのための保育士の待遇の抜本的改善は不可欠です。政府は、資格要件の緩和やICT化の支援などに取り組んできましたが、根本的な配置基準の改善や保育士全体の賃金の底上げが図られないために、問題の解決には至っていません。
 都市部でも地方都市でも保育士不足が深刻です。離職者もあと立たず、特に民間の離職率は8.55%と高いものになっています。東京都の調査では、現在就労している保育士で退職意向がある人が約2割で、その理由は「給料が安い」、「仕事量が多い」、「労働時間が長い」などです。これらを解決しなければ、保育士不足を解消することはできません。
 保育士の賃金(残業代を除く所定内給与月額)は全労働者の平均より約9万円低くなっています。国も、この間若干の処遇改善に取り組んできましたが、まだまだ限定的で、全産業労働者との差は解消されていません。保育士の賃金を全産業平均に近づくように引き上げていくことや、賃金引き上げの対象を、栄養士など保育園で働くすべての職員とするなど、保育現場全体の賃金の底上げを図っていくことが必要だと考えます。保育現場では、非正規の保育士が全体の42%を占めており、保育現場は非正規の保育士抜きでは成り立たない状況になっています。非正規の保育士の仕事が、正規の保育士と同じになっていることも少なくありません。それにもかかわらず、非正規保育士の賃金は依然として低く、正規保育士の4〜5割です。非正規の保育士の正規化を進めるとともに、正規と非正規の均等待遇の実現も求められる課題です。
 保育士の育成とあわせ、正規化を進めるとともに待遇改善を図るなど、さらなる予算や取り組みを強め、保育士確保を図るべきだと思いますが、いかがでしょうか?健康福祉局長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 本年10月から実施される幼児教育無償化により、さらなる保育需要は高まっていくことが予想されます。将来的な少子化を見定めながらという点も理解できますが、マッチングの強化では解決できない保留児童数の解消、市長の言葉でいえば実質的な待機児童の解消を図るうえで、受け入れ枠のさらなる拡充を法にも位置付けられている自治体の実施責任のもとで図っていただきたいと思います。保育士の確保については、本市における保育士の求人倍率が3.4倍との答弁がありました。分子つまりは求人数は284人、分母つまりは内就職希望者が84名となっていることから、200名ほどの保育士が不足しています。保育士が確保できれば、スペース的にも子どもを受け入れることができる園がまだ多くあります。なぜ保育士の確保が困難となっているのか紹介した雇用形態や待遇面での改善など、国とも連携しながら保育士の働きやすい環境整備を図りながら保育士確保に取り組んでいただくことを要望し、次の質問に移ります。
 
 就学援助の拡充についてお尋ねいたします。寄せられる生活相談の中には、就学援助に関わるものも少なくありません。義務教育中にかかる負担の軽減や支援策を子育て世代が求めているものだと私自身は認識をしているところです。熊本市は、就学援助を受けることができる所得条件を  年に明確化し、所得とともに収入基準も示すなど、利用しやすい制度として取り組みを進めてこられたことは十分に承知しています。昨今、子どもの貧困が大きな社会問題となる中で、就学援助制度はその貧困解決に向け重要な制度になってきていることは間違いありません。そこで、現在生活保護の1.25倍となっている所得基準を、より多くの方が利用しやすいよう、相模原市が実施している1.5倍と基準を見直していただきたいと考えますがいかがでしょうか?
 また、交付金で算定されているクラブ活動費、生徒会費、PTA会費については、本市においても国から交付税で算定されているわけですから、就学援助の費目に加えて支給するべきだと考えますがいかがでしょうか。
 
 (答弁)
 
 所得基準を1.3倍としながらも、その基準値となる生活保護については引き下げが実施された昨年10月の基準を用いるとの答弁でした。入学準備金については支給単価の増額案が決定されれば支給単価に反映されるとのことでした。この所得基準は自治体によって様々ではありますが、所得基準の要件緩和など、子育てにかかる負担の軽減に引き続き取り組んでいただきますよう要望いたします。
 
 次に、市長の公約に掲げられた給付型奨学金についてお尋ねいたします。一昨日の代表質問でもありましたが、簡潔にお尋ねしたいと思います。
 私は一昨年の4回定例会の一般質問において、子ども支援課が行った、子どもの生活等実態調査を紹介しながら、貧困が学力や将来の希望にまで影響を与えることを危惧し、給付制の奨学金についてお尋ねました。
 学生の2人に1人が奨学金を借りなければならず、返済が必要な貸与型を借りた場合、卒業後の返済額は1人平均約300万円に上ります。雇用と収入が不安定で、奨学金を返済できない人がふえるとともに、サラ金並みの厳しい取り立てが若者を追いつめております。給付制奨学金は、圧倒的多数の学生の痛切な要求であることは明らかです。
 こうしたなかで、大西市長の公約の9番目に、「未来の熊本市の中核を担う人材の育成・確保のため返還不要の市独自の奨学金制度を設けます。【任期中実現】」との記載を見た時に、大変うれしく思ったところです。
 任期中の実現をありますが、学費で悩む学生の声にこたえるためにも待ったなしの考えます。実施時期をいつごろと考えておられるのか、またその水準はどのように考えておられるのか、早期の実現が必要だと感が増すが、市長の見解をお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 制度設計は、まだこれからということで具体的なスケジュールや内容は示されませんでしたが、経済的な不安を抱えながら通学している学生の思いに応えられるよう早急な対応を求めたいと思います。この点については大西市長の決断に大きなエールを送りつつ、学生の不安にこたえうる制度設計、早期の実施をお願いしたいと思います。
 
 次に、中小企業・小規模企業振興基本条例を実効性あるものにしていくために、お尋ねをいたします。
 昨年12月議会において、議員提案の下で、熊本市中小企業・小規模企業振興基本条例が改正されました。全国の、中小企業数は約380万者にのぼりますが、一つ一つが多彩な個性をもち、固有の歴史的・文化的特徴を備えています。熊本市においても、全企業の99.8%が中小企業であり、そのうちの8割が小規模企業であります。今回の条例改定では、改めて小規模企業の果たしている役割を明確にし、その持続的発展を目的としていることが大きな特徴です。また、改正前の条例には規定されていなかった基本計画の策定を義務付けています。新年度に向けて、熊本市は基本計画を策定し、さらに具体的な実施計画を作っていくことになります。その基本計画策定に向けて、お尋ねをいたします。
 全国に先駆けて1979年に「振興条例」を制定した東京都墨田区では、制定の前年、係長級職員165人が、区内製造業9314社に自ら足を運んで実態調査(悉皆〈しっかい〉調査)を行いました。この調査で、「ひどい環境で、家族労働に支えられ、それでも税金を払っている。健康破壊や、長時間労働への対策・支援が急務」など、区長・職員の認識が一変しました。それまで中小企業対策は、商工部だけの「縦割り」行政でしたが、悉皆調査後は、福祉や教育を含む横断的事業として区政に位置付けられています。「全事業所実態調査」を行い、自治体が地域の中小企業の実態を把握し、得られた情報を施策に生かし必要があると考えますがいかがでしょうか。また、その際、商工施策だけでなく、福祉やまちづくりなど自治体の幅広い施策に反映させていく必要があると考えますが、市長の見解を伺います。
 
 (答弁)
 
 1000社へのアンケート調査に着手しているとのことでありました。また、新たに始められる産業版どんどん語ろうを開催し、福祉分野や街づくりなど各分野の意見を聞いていきたいとの答弁でありました。こうした取り組みをぜひ進めていただきたいと思います。
 「振興条例」が単なる「理念」的なものではなく、実際に役立つものになるためには、中小業者・金融機関・自治体職員などの当事者が「主役」となって実践をすすめることが不可欠だと考えます。北海道帯広市では、2007年に「中小企業振興基本条例」を制定した後、条例を具体化するために1年で74回に及ぶ議論を重ねました。その中で、経営者・業者自身が中小企業や地域の値打ちに「気づき」、工場誘致などの「呼び込み型」から「内発型」の地域振興に軸足を移すことが重要だという認識が広がっています。現在中小企業活性化会議において、年に2度、協議や検証が行われていますが、福祉や税の面などから、また、小規模企業を会員とする様々な中小企業支援団体のメンバーを追加するなど、多面的な検討、検証ができるよう改善を図っていただくよう求めたいと思います。
 
 次に、熊本市として目指すまちづくり地域経済の発展についてお尋ねいたします。
 私は2014年の4回定例会の一般質問において、京都大学の岡田知弘教授の著書「地域づくりの経済学入門〜地域内再投資力論」を示し、これまでの国土政策や企業誘致などの地域開発政策の分析を行う中で、地域づくりを進める上で大切なキーワードとして、地域内再投資力と地域内経済循環の取り組みを推進するよう求めました。岡田教授は、著書の中で、「企業誘致について一定の雇用は生まれるものの、誘致のための自治体の投資によって生まれた利益を見たときに、誘致企業の本社への利益移転機能によって地域経済に還流される付加価値が低いということ」を大きな問題として指摘しています。つまりは、企業誘致のために優遇的な税制や補助金など、自治体が投資をしたとしても、企業が生み出す所得は本社の置かれた都市部、特に著書で紹介されていた2001年においては、東京に一極集中して、地域経済に還流される付加価値が低くなるという指摘でありました。これは、誘致企業に限らず、現在、熊本市においては、観光戦略、インバウンド政策の下、熊本城ホールなど、MICE施設整備をはじめ、交流人口の増加を目指す取り組みを進めていますが、市内で消費をする商業施設、宿泊施設などあらゆる産業分野においても、共通する課題ではないかと考えます。
 市内における消費活動が地域経済にどのように循環し、熊本経済に付加価値を与えているのか?現在熊本市においても、産業連関表が作成をされていますが、例えば商業において、県外資本の郊外大型店やチェーン店での消費と地場の企業で消費した場合の市内自給率がどのようになっているのか、そこまでは把握できないものとなっています。
 2015年に開かれた土木計画学研究発表会で示された「消費者の買い物行動時の選択店舗の相違が地域経済に及ぼす影響に関する研究」という論文があります。京都市における消費がどのように地域に帰着をするのか、店舗の種類ごとに分析を行った論文です。結論の部分を紹介しますと、「買い物支出のうち地元に帰着する割合は大型店舗では2割程度であるのに対し、地場スーパーでは4割以上、地元商店では5割以上と、チェーン展開する大型店舗より地域密着型の地場スーパー、地場スーパーよりも商店街の地元商店での買い物のほうが、買い物支出のうち地元へ帰着する割合が高いことが示されたとし、全国でチェーン展開する大型店舗での買い物支出は、買い物とした地域から遠い地域に帰着する割合が高いとも示唆された」と結論付けられています。
 先に紹介した岡田教授が指摘しているように、「自治体の投資によって生まれた利益を見たときに、企業の本社への利益移転機能によって地域経済に還流される付加価値が低くなっているのではないか」「地域資源を生かした地域資本を意識的に形成あるいは育成していくことを通じて地域内で繰り返し再投資をする力、地域内再投資力をいかにつくり出していくのか」こうした視点での検証を深め、ただ単にインバウンド、交流人口の増加ではなく、その消費が地域経済により多くの付加価値を与えるような取り組みや仕掛けを同時に図っていく必要があると考えますが、いかがでしょうか?
 
 (答弁)
 
 自治体の投資、市域での消費がより市内に循環していくためにはどうすればいいのか、これは今後、もっともっと検証を深めるべき課題だと考えます。下通りなどを見ましても、全国チェーンの店舗が非常に多くなりました。もちろん多様なニーズにこたえるまちづくりは必要ですが、地場の企業が経営的にも力をつけながら、市内の消費が市民所得の向上につながる仕組みづくりを進めていただきたいと思います。
 
 次に立野ダムについてお尋ねいたします。ダムそのものの危険性等技術的な課題については、これまでも何度も取り上げてきましたので、今回は、別の角度から大西市長にお尋ねいたします。
 いま、白川流域において、南阿蘇村、菊陽町、大津町、熊本市内各区において立野ダムの建設について、詳細な検証と住民説明会を求める流域住民の会が発足しています。
 住民への説明責任については、大西市長も大事であるとの認識を示してこられたところであります。しかし、こうした住民たちが、国土交通省に公開質問状を提出しているにもかかわらず、一度も誠意ある回答が寄せられていなまま、工事だけが進むという事態になっています。昨年 5月23日付で、知事や流域自治体の首長あてに、国交省と住民が疑問に思っている論点対比表が添付され、国交省に回答の要請を行うことが求められています。市長はどのような対応を取られたのでしょうか?
 また、南阿蘇村では村主催の立野ダム説明会が開かれ、国交省と住民側双方から立野ダム関する説明を行う住民説明会が行われています。熊本市に対しては、中学校区ごとに、国交省と住民側双方からのダムに関する説明会を行ってほしいとの要望が出されていますが、どのような結論となったのでしょうか。
 また、住民が望む説明会も開催されないまま、つまりは住民合意がないまま、本体工事のみが進められる。こうした国の公共事業のやり方は、許されるものではありません。説明会を開催し、流域住民の納得を得るまで工事の一時中断を国に対して求めるべきではありませんか?以上大西市長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 再質問
 現地見学会が行われて、それで十分な説明があり、納得されているならば、今回の紹介したような要望書は出ていないわけであります。
 市長は、事業主体である国に説明責任を果たすべきという立場、住民も疑問を何度も国交省に聞いても返事がないから、説明会を開いてほしいという要望があるわけですので、市が間を取り持って、市主催の説明会をすればいいのではないですか?何かできない理由はあるのですか?大西市長に再度お尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 次に、さくらカードについてお尋ねいたします。昨年4月より行われてきた「高齢者および障がい者の社会参加促進等に関する検討会」の報告書が今年1月にまとめられました。検討会は、高齢者および障がい者の社会参加促進という観点から様々な議論が行われて、その中でさくらカードについても記載があります。対象者や利用者負担についても、「見直しが必要ではないか」との記載もありますが、現行の制度を維持してほしいとの声も多く制度の見直しによって高齢者の社会参加が阻害されないよう留意すべきである。との報告であります。また、障がい者については、ICカードへの移行により、チャージ環境や車載器タッチ音、市の境における生産の問題をはじめとする利便性に関する課題、利用負担が多くなった等の様々な課題が提起されているとして、負担の在り方文脈を見れば負担軽減の検討やより多くの障がい者が社会参加できるよう、対象者の見直しが必要との意見がまとめられています。
 さくらカードについては、2012年に熊本市により経済波及効果、健康づくりへの効果および生きがいづくりへの効果を検証するための調査が実施されています。調査によれば、さくらカードによる新たな消費の経済波及効果は30億1500万円となり、外出が増えたが52.1%、よく歩くようになった51.8%と健康づくりに大きく寄与していることがわかりました。そこでお尋ねいたしますが、さくらカードについては、本市公共交通を利用する市民に対してより使いやすい制度として、高齢者の負担割合の引き下げや障がい者については、無料のおでかけパス券の復活対象者の拡充を図っていくべきだと考えますがいかがでしょうか?
 
 (答弁)
 
 現時点では、利便性の向上を図るという表現にとどまり、具体的な答弁はありませんでした。高齢者無料のパス券を発行している大阪府高槻市では、乗車券利用による効果を多面的に検証しています。外出機会の増加が、週で1.3回増、歩行数についても一日当たり869歩増、経済効果も年額32億円、さらに観光負荷低減効果についてもCO2が年で806トン減、これは杉5万7571本分の吸収効果に匹敵するそうです。
 検討を進めるとのことでありますが、さくらカードの利用促進が、地域経済、健康やコミュニティーの形成、社会参加、さらには環境負荷の軽減など、多面的な役割を果たしていることなども再検証しながら、制度の充実を図っていただきたいと思います。
 
 次に電柱の地中化、無電柱化についてお尋ねいたします。国土交通省は、今年2月19日、2018年〜20年度の3年間に、新たに全国約1400キロの道路で電線を地中に埋設し、無電柱化するとの計画をまとめました。目的は、景観向上や災害時の緊急輸送道路の確保、高齢者や障がい者など通行が多い駅周辺や通学路における安全対策であります。日本には、現在約3550万本の電柱があり、年に7万本ずつ増加しているとのことです。無電柱化が比較的進んでいる東京23区で8%、大阪市で6%にとどまっており、100%のロンドとパリ、95%の台北、46%のソウルなどと比べ、低い水準です。熊本市の無電柱化は2%となっています。
 無電柱化を推進に向けて一番の課題はそのコストであります。低コストの工法開発など今後に向けた課題はあるものの、本市においても、国の財政補助などを最大限活用し、緊急輸送道路をはじめ、例えば景観の観点から江津湖周辺地域、さらには狭い通学路など、無電柱化を進めていくべきだと考えますがいかがでしょうか?市長の公約でもありますので、大西市長にお尋ねいたします。
 (答弁)
 
 緊急輸送道路や災害拠点病院へのアクセス道路を優先的に実施していくとのことでありました。災害対応、防災が優先されることについては私自身も必要であると思います。同時に、芦屋市では、無電柱化促進条例を昨年9月に制定し、防災機能の強化とともに、通行空間の安全性及び快適性の向上、良好な都市景観の形成を図ることを目的に、無電柱化計画策定を義務付けています。熊本市においても、地域の様々な観光資源の魅力向上の観点から景観の向上、さらには通学路の安全性やなど見据えながら、無電柱化の取り組みを拡充していただきますよう要望しておきたいと思います。
 
 最後に1点ほど要望を申し上げます。一般質問でも、取り上げられた健軍商店街の双方向通行のことであります。私自身、泉ヶ丘校区自治協議会の一員ですので地元の利用者や商店街の方に、ご意見を伺いました。健軍商店街の双方向通行については、商店街利用者の安全性が低下すること、現在は一方通行で南側の出口には右折レーンがありますので、それほどの渋滞は発生していませんが、双方向となると右折レーンも確保できずに商店街内での車の渋滞など、様々な観点から懸念の声が寄せられました。この課題については、ぜひ地元の方々の思いを尊重していただきたい。その旨要望させていただきます。
 以上で、一般質問を終わりたいと思います。冒頭申しましたように、今日求めてきた項目は、多くの市民生活に関わる問題です。もちろん財源の課題もあるわけですが、中心市街地へのさらなる投資、JTやNHK跡地の買収、市電の延伸など、今後予定されている様々な事業のなかで、命や生活に関わる事業、そして市民の安心な生活を保障し、誰もが心の底から住みたいと願う生活都市を目指していただきたいし、私もそのために引き続き頑張る決意を述べ、質問を終わります。ありがとうございました。

連絡先

・日本共産党熊本市議団 熊本市中央区手取本町1−1 議会棟3階
電話 328−2656   FAX 359−5047
メール: kumamsu@gamma.ocn.ne.jp
ホームページ http://www.jcp-kumamoto.com/