議会での活動・一般質問など



2017年12月議会「熊本地震関連・復興基金と復興・復旧のあり方」

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2017年12月議会・締めくくり質疑「熊本地震関連・復興基金と復興・復旧のあり方」
 上野みえこ 2017年12月7日

 今回の質疑では、補正予算に関連して、復興基金、熊本城の復旧、被災者の住まいの再建と住宅政策についてお尋ねいたしますので、よろしくお願いいたします。
 はじめに、復興基金について伺います。
 今議会に「熊本地震復興基金条例」が提案され、約30億円が積み立てられることになりました。早速、市営住宅の空家修繕・合併処理浄化槽設置支援・町屋復旧への支援・小規模事業者への支援など、合計3億5610万円が、早速補正予算として提案されました。復興のためには、まだたくさんのすべきこと、課題があります。限られた財源をどのように使っていくのか、大変重要であると考えます。復興基金の使い方に市民の意向を反映させることが必要ではないでしょうか。そのための具体的な手立てを考えるべきだと思いますがいかがでしょうか。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 直接声を聞いているのは相談等に出向いた人や交流会に参加した人で、限られた範囲の方です。定期的なアンケートも2000人アンケートなどと思いますが、意見を述べたい人が気軽に意見が出せるような意見箱を市民センターやコミュニティセンターなど身近な施設に設置したり、意見交換の場を設けるなど、工夫しながら取り組んでいただきたいと思います。復興基金の使い方はじめ復興支援の在り方について、意見を聞くこと、みんなで考えていくことは、復興の後押しとなるとともに、防災意識を高め、地域のネットワークづくりにもつながっていくのではないでしょうか。よろしくお願いいたします。  
 続いて、熊本城の復旧についてお尋ねいたします。
 第1に、今回の補正予算に熊本城の仮設見学通路設計業務委託9820万円が提案されました。市民的財産となっている熊本城の復旧過程をより多くの方に見ていただくことは重要なことだと思いますが、どのような方法がいいのか、仮設通路の建設についても様々な意見があるのではないかと思います。経済委員会では、熊本城復旧基本計画策定委員会で仮設見学通路の設置が検討され、設置が了承されたと報告されています。しかし、議会や市民にほとんど事前説明がないまま、1億円近い設計予算が今回の議会に提案されてきたことは、説明不足ではないかと思います。仮設見学通路の必要性について、事前の説明を十分に行い、理解や納得を得ながらすすめるべきではなかったでしょうか。
 第2に、仮設通路の事業費総額や撤去費用について、経済委員会で議論され、建設費は日本財団が負担するとの説明であったと伺っています。この点について、どういう経過で、どういう約束になっているのかご説明ください。撤去費用は不明とのことですが、1億円の設計費からするとかなりの費用負担が必要と思われます。いくらかかるのか、だれが負担するのか、はっきりさせておくべきではないでしょうか。
 第3に、仮設見学通路の利用見通しはどのようになっているのでしょうか。
 以上、経済観光局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 今年5月から「熊本城復旧基本計画策定委員会」が開かれ、9月、10月と3回開かれてきました。策定委員会の内容をホームページに掲載しているので市民には説明しているとのことですが、どれくらいの人が、熊本城復旧基本計画策定委員会の内容をホームページで見られているでしょうか。仮にホームページを開いても詳しい議事録等を見なければ、熊本城復旧基本計画の内容も、仮設見学通路についてもわからないと思います。確かに、復旧に長い年月を要し、その間の復旧の様子を多くの人が見ることは、熊本城の価値についての理解を深めるチャンスになると思います。しかし、復旧の途中ということは、言わば工事中であり、工事現場に足を踏み入れるということになります。「熊本城復旧基本計画策定委員会」の中でも、事務局サイドの市側から「城内はある程度危険ゾーンであると、何らかの危険が潜んでいることも考慮しなくてはいけないと思うので、そういう点を考慮しながらどのような方々を城内に入れることができるのか、慎重に検討しなければならない」と述べられていました。また、「安全面を前提として、工事に影響がない範囲としてのキャパシティや人数の問題もあるので、申請があれば必ず中に入れるということは明確に約束することはできない」との説明もありました。答弁にありましたように、利用者数の予測も今後行っていくとのことで、どういう人がどのくらい利用できるのかもわからない中で、今回の提案というのは、十分な検討が行われてきたのか、疑問の残るところであります。日本財団からの支援30億円を活用しての事業ということではありますが、10億円以上もの費用をかけてつくるべきものなのか、理解の得られるような検討が必要であると考えます。9月の第2回目の策定委員会で、「公開や観光、2019年のイベント時の対応を考えると、仮設の何かをつくらないと、工事と並行できないと思う」という意見に対し、事務局から「いろいろな方法について若干検討を始めている」という説明がありました。その翌月、10月の策定委員会で、仮設見学通路の図が示され、それから1カ月もたたないうちに設計費の補正予算が提案されています。超スピードでの検討であったと思います。仮設見学通路の整備は、もともとの熊本城を復元復旧するというものではなく、公開という利活用のために新たな施設をつくろうというものです。熊本城の復旧は600億円もの事業費を必要とする事業でもあり、重要課題に位置付けられています。寄付金等だけでそれを賄うことができるものではありません。10月の第3回策定委員会の2・3日前に市議会の経済委員会の委員への説明はあったようですが、これでは議論の余地もなかったのではないかと思います。復旧基本計画策定と合わせ、急いですすめられてきたようですが、議会や市民への説明はきちんと行うべきではなかったかと思います。
 そこで経済観光局長にお尋ねいたします。9月の第2回策定委員会で「文化庁とよく協議をしてもらいたい」との意見が出ていましたが、仮設見学通路についての文化庁との協議はいつなされたのでしょうか。また、内容についてご説明ください。
 
 (答弁)
 
 ・・・・・・・・・・
 最初の答弁では、今後基本設計を行う中で、総事業費や撤去費用を明らかにし、財源を検討していくとの答弁でした。第2回策定委員会の中では「費用対効果も大事」との委員長からの指摘もあっていましたが、答弁の内容では、費用対効果どころか、どういう人を対象に、どのくらいの人に利用してもらうのか、事業費の総額も撤去の費用も、その財源もあいまいなままに計画を決定し、すすめているような状況です。ことを急ぐばかりに、必要な説明や理解・納得がなおざりにされてはいませんでしょうか。
 今回の議会では、先のことをあまり考えずに、方向だけは先に決定すると言う件が目につきました。議会はもちろんのこと、市民が、心配したり、疑問を持ったりしないように、方針決定以前に市民への十分な説明を行い、理解を求めるべきではないでしょうか。この点についての市長の見解を伺います。
 
 (答弁)
 
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 議会や市民が理解・納得できるような丁寧な説明、すすめ方をお願いしたいと思います。
 
 最後に、被災者の住まいの確保と住宅政策について伺います。
 長期にわたり仮住まいをされている方々が恒久的な住まいを、速やかに、確実に確保されなければならないと思います。合わせて、すべての市民に安心の住まいが提供されることが必要であると考えます。そこで伺います。
 第1に、被災者への復興住宅の提供は、新たな復興住宅の整備によって150戸、既存の市営住宅ストックの提供で500〜600戸を予定しています。今回の補正予算に被災者提供用の空家修繕費が250戸分・1億3000万円提案されており、現在の空家を被災者用として順次提供していく場合、一般の方々への定期募集による市営住宅提供はどの程度行われるのでしょうか。
 第2に、合わせて、熊本地震発災前の2015年度における市営住宅の提供個数と応募数、地震発災以降の市営住宅の一般提供戸数と応募数をお示しください。
 第3に、熊本地震から1年8カ月が経ち、未だ自宅での生活に戻れない方々の借家も含めた住まいの再建は最優先となります。一方で、定期募集で市政住宅入居を望む方々へも住宅の提供をきちんと行っていくべきです。現在、震災復興住宅は150戸が予定されていますが、震災復興住宅と一般の方々への住宅提供をどちらもきちんと行うためには、復興住宅建設戸数を拡充する必要があると思います。現在の検討状況と今後の見通しをご説明ください。
 都市建設局長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 被災者の方々へ恒久的な住まいとして住宅を提供することは最優先だと考え、私どもは災害復興住宅の整備促進を訴えてきました。現行計画の150戸では足りないことも懸念されるので心配していましたが、今後意向調査をふまえた上で、他の施策と合わせ災害公営住宅の追加整備もスピード感をもって行っていかれるということですので、よかったと思います。場所の検討も含め、被災者の方々の意向に沿うようになることを期待します。
 一方で、一般向けの市営住宅提供は、その必要性を十分に認識しているので、提供戸数や時期等を検討するとのことですので、ニーズに沿った提供ができるようにお願いしておきます。
 また、いずれの場合も状況に応じて対応していくとの答弁ではありますが、現行の市営住宅の整備や提供が、なるべくストックは増やさないという方針のもとにあるのではないかと思います。というのも、「公共施設等総合管理計画」では、本市の公共建築物の中でも市営住宅が大きな面積を占め、管理戸数が多いとの現状をふまえ、総資産量の適正化で、削減目標の設定も方針としています。しかし、熊本地震の発生によって住宅を取り巻く状況は変わってきており、「公共施設等総合管理計画」が震災復興計画も含めた「熊本市総合計画」のもとにあるとはいえ、資産総量の適正化ということでストックの増加を抑えることは難しい面もあると思います。市営住宅については、施設マネジメントについてのより慎重な対応が必要ではないかと思います。
 住宅の問題では多くの人が不安を持っています。ところが、被災者が目的外で入居されている市営住宅を期限が切れた後も継続して住み続けられるのかさえ分からずに、どうなるのかと心配されている方もおられます。不安に応えるためにも丁寧な説明が必要です。そのことも含め、住宅の問題では、情報提供がたいへん重要だと思われますので、丁寧で適切な対応をお願いしておきます。
 以上で、質疑を終わります。

2017年9月議会 一般質問 山部洋史

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 日本共産党熊本市議団の山部洋史です。
 
 今回の第3回定例議会では、昨年度の決算報告がなされています。決算を通して、改めて、熊本地震に対して本市がどう向き合ってきたかを考えるきっかけになっています。
 そういう意味では、本日の質問は熊本地震の取り組みに関するものの分量が多くなっております。また、その他大事だと思う点を質問させて頂く予定です。
 都合上、発言通告の順序を一部入れ替えて質問させて頂きます。
 よろしくお願いします。
 
 まず、市長も先日の議案提案理由説明で述べられていましたが、北朝鮮の度重なる国際社会への軍事的挑発行為、とりわけ通告なしに日本列島の上空を飛び越える弾道ミサイルを発射するというきわめて危険な行為に対し、日本共産党としても満身の怒りを込め、抗議いたします。
 北朝鮮に対しては、これらの挑発行為を直ちに中止し、米国、韓国はじめ、国際社会が要請している無条件での対話に応じるよう強く求めるものです。また、こうした核開発については、国連において、核兵器禁止条約が採択されるなど、大きな動きが始まっています。そうした事を受け、まずは国政の分野で、核兵器禁止条約について市長の見解をお伺いしたいと思います。
 
 1.(国政)核兵器禁止条約について
 
 今年7月にニューヨークの国連本部で開かれた「核兵器の全面廃絶につながる、核兵器を禁止する法的拘束力のある協定について交渉する国連会議」は、核兵器禁止条約を、国連加盟193カ国の63%にあたる122カ国の賛成で採択しました。
 人類史上初の核兵器禁止条約の採択は、日本の被爆者をはじめ「核兵器のない世界」を求める世界各国と市民社会の多年にわたる共同のとりくみが結実した、文字通り、歴史的な壮挙と言えるものです。
 条約は、核兵器を全面的に違法化するものであるとともに、核兵器完全廃絶に不可欠な核保有国とその同盟国の条約参加にも門戸を広く開いています。また、国際社会がここに到達するまでの「ヒバクシャ」や「市民」の役割が強調されていることも重要です。本市においても、年齢を重ねられた被爆者の方が街頭に立ち、20年以上も核兵器廃絶の署名活動を続けられていますが、こうした方々の願いにしっかりと答えるべきであると考えます。
 1945年8月の原子爆弾の投下で、一瞬にして廃虚となった広島市・長崎市では、多くの尊い命が奪われ、戦後70年以上経過した現在でも、多くの被爆者や2世、3世のみなさんが後遺症などで苦しんでおられます。原子爆弾による悲劇が二度と繰り返されることのないよう、広島・長崎両市は一貫して核兵器の非人道性を訴え、世界へ核兵器廃絶を求め続けてきました。
 1982年6月に、ニューヨークの国連本部で開催された第2回国連軍縮特別総会において、当時の荒木武・広島市長が、世界の都市が国境を超えて連帯し、ともに核兵器廃絶への道を切り開こうと「核兵器廃絶に向けての都市連帯推進計画」を提唱し、広島・長崎両市長から世界各国の市長宛てにこの計画への賛同が求められました。
 平和首長会議は、この趣旨に賛同する都市(自治体)で構成された機構で、1991年に国連のNGOに登録されました。世界の都市の緊密な連携によって、核兵器廃絶を実現させ、世界恒久平和の実現に寄与することを目的としています。現在、世界では7417自治体が加盟しており、2010年に熊本市も加盟しました。
 また、戦後50年の節目に当たる1995年、熊本市は「平和都市宣言」を行い、「再び戦争の惨禍を繰り返さないことを誓うとともに、人類共通の願いである世界の恒久平和の達成を希求し、ここに『平和都市』を宣言する」と高らかに表明しました。
 核兵器廃絶の実現を目的とした平和首長会議の加盟都市として、また「平和都市宣言」を行った自治体の長として、このたび国連で採択された「核兵器禁止条約」の意義について見解をお聞かせください。
 
 残念ながら、国連での採択の折、日本政府は会議に参加をしませんでしたが、世界で唯一の戦争における被爆国の政府として、被爆者の願いに応えるならば、歴史的な「核兵器禁止条約」を速やかに批准すべきです。
 2015年第1回定例会で益田議員が行った「核兵器禁止条約交渉への参加要請」の質問に対し、大西市長は「私としては、我が国は世界で唯一、戦争の放棄をうたった平和憲法を掲げる国であり、また、世界で唯一の被爆国であることから、世界の核廃絶、核軍縮をリードしていく気概を持たなければならないと考えております。」との答弁をされています。
 平和首長会議の加盟自治体は、2020年までの核兵器廃絶を目指し、そのための交渉を推進することが約束されています。この点からも、今回の「核兵器禁止条約」を多くの国が批准し、早期に核兵器廃絶という目標が達成されるように本市としても取り組んでいかなければならないと思います。
 そういう意味で市長には、国に条約の早期批准を求めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。大西市長に伺います。
 
  (答弁)
 
  (返し)
  
 ありがとうございました。
 市長の核廃絶の強い思いのこもった答弁、私もしっかりと受け止めました。
 政府には、核兵器廃絶に向けたリーダーシップを期待しているとのことでしたが、ぜひ条約の批准を市長としても、国に強く求めて頂きたいと思います。宜しくお願いします。
 
 2.熊本地震について
 
 つづいて、熊本地震への取り組みについて伺います。
 
 熊本地震から1年4か月が経過しました。
 市内には、解体が終わったあとも更地のまま放置されている土地が目立つようになったほか、屋根にブルーシートがかぶせられている家も多く残されるなど、住宅や生活の再建に多くの課題が残されている状態です。
 また、擁壁崩壊や液状化などの宅地被害も、7,200件と推計されており、多くの世帯で復旧のめどが立っていません。
 
 いま復興のあり方、進め方をめぐり、大きな岐路を迎えています。
 すべての被災者の生活と生業を取り戻すための支援をして、地域や地域経済の再建については、住民合意を尊重しながら施策をすすめていくのかが問われています。そうしたなか、本市が策定した「震災復興計画」では、経済成長を牽引する取り組みとして、中心市街地によるMICE施設整備が位置づけられています。
 これは、先週の熊日新聞に寄せられた読者の声ですが、「自宅を解体し、みなし仮設住宅に入っている。生活再建の見通しが立たず、MICEなど正直よそ事でしかありません。被災者の生活再建と大型再開発について、市は車の両輪ととらえていると思いますが、再開発と並行して、災害公営住宅の整備などもスピード感を持って取り組んでほしい」という声でした。
 多くの市民が被災し、いまだ家屋の修復にも着手できない、仮設入居後の住宅も確保できていない、宅地の復旧もままならない状況のもとで、450億も使うような大型施設に巨額の予算を投じることに市民の理解が得られるでしょうか。
 いま必要なことは、被災者ひとり一人の実情に寄り添い、国・県・市が連携し、被災した住民の最後のひとりまで支援を粘り強く進めることです。
 そうした立場にたって、本日は質問させて頂きます。
 
 2.(1)支援制度の打ち切りについて
 
 まずは、支援制度の打ち切りについてです。
 
 2016年度末をもって受付が終了された支援制度が多くあります。しかし4月以降も罹災証明の発行件数は多く、地震発生から1年4か月たった現在も受け付けがおこなわれています。
 具体的な件数を申しますと本年度4月から7月末までの罹災証明、1次調査の受付件数は、7,855件。交付件数は8,409件にのぼります。
 交付の内訳は、一部損壊が7,471件、半壊が873件、大規模半壊が42件、全壊が33件で、支援制度が受けられる半壊以上の世帯が、948件もあるのが現状です。
 市長は、3月議会の答弁で「被災住宅の応急修理やみなし仮設住宅など、罹災証明の区分に基づく生活再建支援制度については、個別事情にあわせて申込み可能としているところでございます」と答弁されました。しかし実際には、やっと罹災証明が出たが、肝心の支援制度を受け付けてもらえないという相談が寄せられている実態があります。
 
 そこでまずお尋ねします。
 今現在、支援が打ち切られた制度がいくつあって、そのことによって、どれだけの被災者が支援を受けられなかったか、把握されていますか。
 
 また、罹災証明の発行について、今現在調査中の件数、そしていつまでに調査が終わると見込んでおられますか。
 政策局長、並びに財政局長におたずねします。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 
 ただ今、26もの支援制度が打ち切られているとの答弁でした。しかし、肝心の、どれだけの被災者が支援を受けられなかったか、その実態把握がされているのか、いないのかのお答えがありませんでした。
 そこで、再度お尋ねします。
 制度が打ち切られたことによって、どれだけの被災者が支援を受けられなかったか、把握されていますか。
 
 (再答弁)
 
 (再々質問)
 制度打ち切りによって、どれだけの被災者が支援を受けられなかったのか、把握されていないようです。
 そこで市長に伺います。
 市長は、本年度を「復興元年」と位置付けられていますが、支援を打ち切っては真の復興、市民の生活再建はなしえません。市長が、すべての被災者が元の生活を取り戻していくまでしっかりと支援していこうとお考えなのであれば、支援が受けられなかった人、困っている人の現状をきちんと把握すべきではないでしょうか。
 
 (答弁)
 
 支援が受けられなかった被災者の把握については、この熊本地震において、現行の支援制度のどの部分が不足しているのか、次の支援へとその枠を拡充していくためにも、ベースとなる重要なものであると考えます。
 被災者の最後の一人まで、しっかり支援していくという意味でも不可欠であると考えましたので、おたずねしました。
 
 最初の答弁にありましたように、今でも罹災証明の発行が1日当たり数件、新規に申請されているということです。その方々が受け取った罹災証明で、受けられる支援がきちんと受けられるよう対応していただくことをお願いして、次の質問に移ります。
                                                                                                        
 2.(2)各種支援制度について
 
 次に、具体的に支援が打ち切られた制度、また今後期限が迫っている支援制度についておたずねします。
 まず、みなし仮設の入居についてですが、昨年度3月末までに罹災証明の発行が遅れるとの「理由書」の届け出を行っていない限りは支援制度が受けられません。また、「理由書」を提出済みの場合でも、5月末日までに入居を済ませなければなりませんでした。
 2次、3次調査など経て、罹災証明の発行が6月以降になった方は、半壊以上など支援の要件にあったとしても、みなし仮設への入居ができません。ご存じのように、みなし仮設住宅については、全壊、若しくは大規模半壊、更には現在の住居で生活するうえで危険と判断された半壊認定の方が利用でき、すく少なくとも2年間は、家賃の補助があります。当然、震災後、家を失い、民間の賃貸住宅に移り、り災証明の結果に納得がいかず、罹災証明発行まで1年以上かかった世帯もあります。こうした方が、行政が引いた期限により、本来受けることができる支援制度を受けることができないということは、公平な被災者支援とはいえません。
 しかし、「理由書」の届出以前に、罹災証明の発行が遅れているのは、一方で行政の責任もあるはずです。そこでお尋ねします。
 
 第一に、
 罹災証明の発行が遅れたためにみなし仮設住宅等の支援が受けられなかった人には、罹災判定にみあった支援を速やかに提供すべきではありませんか。
 都市建設局長におたずねします。
 
 二点目に、各種税の減免についてです。市民税の減免については、罹災判定に納得がいかず何度も調査をして、今年4月やっと半壊の認定をうけた方が、2016年度の市民税の減免については、減免受付の締め切りが3月末までということで減免できなかったという相談がありました。税の減免については、固定資産税も同様に受付が終了しています。
 いっぽうで国民健康保険料の減免は、昨年分まで遡って減免をおこなっており、被災者の実態や制度の整合性からいっても、市民税および固定資産税の減免もさかのぼって行う必要があるのではないでしょうか。
 財政局長におたずねします。
 
 3点目として、ほかにも半壊以上の罹災証明があれば、受けられる支援があります。それらについても支援が受けられようにすべきではないでしょうか。
 授業料、就学援助等については、前年度分を還付および給付をすべきではないでしょうか。
 教育長におたずねします。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 みなし仮設の入居については、罹災証明の発行の遅れのために入居できないという世帯がないように、きちんと相談・受け付けをおこなっていただくようお願いいたします。
 また、6月以降に罹災証明を発行した人には、再度、どの支援制度が利用できるのかを、お一人お一人にしっかりと説明していただくよう、要望いたします。
 
 2.(3)国保、介護、後期高齢者保険料等の減免、ならびに国保医療費の窓口負担免除について
 
 次に、各種保険料の減免、および国民健康保険医療費の窓口負担免除についておたずねします。
 
 今年2月末で打ち切り予定だった、国民健康保険医療費の窓口負担免除は9月末まで延長されました。しかし、まもなくそれも終了しようとしています。
 長期にわたる避難生活にくわえ、住環境が大きく変わる仮設住宅での生活を送る中で、健康被害や重症化の防止対策は欠かすことができません。また、住宅再建に向けた経済的な負担などが重くのしかかる被災者にとって、医療費の窓口負担免除はなくてはならない支援制度となっています。
 東日本大震災においては、震災がおこった2011年3月以降、2012年9月までは全額、国の負担で実施され、2012年10月以降は、国からの補助率が8割となるなか、各自治体で対応が分かれました。
 支援打ち切りを行った宮城県に対し、岩手県では、県と市町村との連携により期限延長がなされ、岩手県の達増知事は「多くの被災者が仮設住宅などで不自由な生活を余儀なくされており、引き続き医療や介護サービスを受ける機会の確保に努める必要がある」と支援の必要性を訴え、現在でも医療費減免が継続している状況です。
 医療費の打ち切りが行われた宮城県における聞き取り調査では、「糖尿病、高血圧、ぜんそくなど治療費が払えない。すぐ命にかかわるもの以外は治療をやめる。(石巻市の56歳男性)」、「通院を減らす(石巻市、65歳女性)」などの声が寄せられています。
 昨年3月に放送されたNHKスペシャルでは、辻内琢也、早稲田大学人間科学学術院准教授の調査において、震災後、持病が悪化した人が35%にのぼり、震災後新たな病気にかかった人が40%になったとの結果が示されています。とりわけ自覚症状のない「高血圧、高脂血症、糖尿病」や、精神疾患、更には心臓病、腎臓病などへの罹患が主な特徴となっています。
 
 これまで、国の国財源措置が示された部分については制度の延長、更新がなされてきたわけですが、その財源措置が終了となった途端、支援を打ち切るというのでは、国政のあらゆる弊害から、住民の生活を守る防波堤でなければならない自治体の役割としては、余りにも不十分ではないでしょうか。
 
 国の財源措置がなくなったとはいえ、通常でも8割の国の補助があるわけです。残りの2割を県と市町村で負担し、実際に医療費減免を継続している自治体がある訳で、そうした姿勢を本市も学ぶ必要があるのではないでしょうか。
 
 各種、保険料減免や窓口負担免除については、国の財政支援がなくなったとしても、自治体独自に支援に踏み出し、そうしたなかで、国からの財政措置をあらためて求めていく、国の責任を明確にするということが大事です。また、同時に、本市でも県都連携し、医療費の窓口負担減免について9月以降も継続すべきだと思いますがいかがでしょうか。
 大西市長におたずねします。
 
 2.(4)一部損壊世帯への支援について
 
 続けて、一部損壊世帯への支援について伺います。
 一部損壊について、家屋修理費100万円以上の世帯、ひとり親、非課税世帯への支援は行われていますが、まだ多くの人が、何の支援も受けられずにいます。住宅地を見まわせば、いまだ屋根にブルーシートがかかっている住宅が多く見受けられます。屋根の損壊は、家屋全体に被害をもたらす原因となります。
 そこでお尋ねします。
 第一点目として、一部損壊ではあっても、修理に手がついていない世帯の状況について、市として調査を行い、把握すべきではないでしょうか。
 
 2点目として、現行の一部損壊支援は大多数が対象外です。すべての被災者を救済する立場で、一部損壊世帯への更なる支援拡充をすべきですが、いかがでしょうか。
 
 以上、続けて大西市長におたずねします。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 保険料減免や窓口負担免除については、
 熊本地震の特徴として、直接、地震が原因で亡くなられた人よりも、その後の震災関連死が圧倒的に多いことがあげられます。本市においても本年5月25日時点で、その数を見ましても震災直接死4人にたいして、災害関連死は66人に上ります。未曾有の大地震でせっかく助かった命が、その後の体調悪化などが原因となり、亡くなられてしまうというのは、余りに痛ましいことです。
 応急仮設住宅での体調悪化などを防ぐ意味でも、医療、介護面での支援継続が必要です。こうした支援の打ち切りは、受診抑制をもたらし、持病の悪化など招きかねません。
 市が独自に制度を延長した場合、費用の8割は国の負担なので、国保、介護、後期高齢者医療合わせても必要な負担額は、約8億円です。確かに大きな金額ですが、国保会計だけでも予算規模は1,000億円あるので、市がやる気になればできることではないでしょうか。そういう意味で、市長の姿勢が問われます。
 国や県の対応待ちなどではなく、本市が被災者の健康を守るために主体的に取り組むことを強く求めます。
 
 次に、一部損壊世帯の支援については、大西市長もこの7月に熊本連携中枢都市圏の国への要望書で「一部損壊世帯も支援金の支給対象とすること」を要望されたように、その必要性を十分認識されているところだと思います。
 今(こん)定例議会に、7月の台風3号被害関連の補正予算が約4億円組んであります。
 この台風の被害では、屋根に損壊を受けながら修理に着手できず、それまでブルーシートでしのいでいた一部損壊世帯で、台風により屋根が大きな損傷を受け、大規模半壊に被害が広がったというお宅がありました。
 一部損壊世帯でも、今後なんら補修がされなければ、被害が拡大することになりかねません。特に屋根の被害は、家屋全体に被害が拡大することにつながりますので、せめて、屋根の被害は復旧できるような一部損壊への支援が必要ではないでしょうか。実施をお願いしておきます。
 
 2.(5)仮設住宅の入居延長について
 
 つづいて、震災からの復興に不可欠な住まいの再建と確保についておたずねします。
 まずは、仮設住宅ならびにみなし仮設住宅の入居期間延長についてです。
 仮設入居から約一年。次の住まいの見通しが立つまでは、延長を行う必要があります。
 仮設住宅での訪問調査でも、住宅の支援が必要と答え方が7月末現在で、全体の42%にものぼりました。
 なかでも本市仮設の90%以上を占めるみなし仮設の場合、家賃が6万円までということもあり、地震前よりも高い家賃の賃貸住宅に住んでいる方が多いのが実態です。ただでさえ震災で物件が不足していることに加え、なかには家賃の便乗値上げも見受けられ、家賃相場が高止まりしている状況で、入居期限後、自らが家賃負担をしなければならなくなったときに、果たして高い家賃を払い続けるのか、転居を余儀なくされるのか、見通しが立たず不安だという声が寄せられています。
 
 大西市長は本年1月の記者会見で、仮設住宅の入居期間について延長を検討する考えがあることを明らかにされました。入居期間延長については、県とも連携し政令改定などを国に求めていくことが必要になってくると思います。
 
 そこでお尋ねします。仮設住宅の入居期限延長の必要性について、今現在どのようにお考えか、また国へどのような要望をなされているのか。
 都市建設局長にお尋ねします。
 
 続けて、災害公営住宅の整備についてお聞きします。
 
 2.(6)災害公営住宅に整備について
 
 昨年の私の一般質問では、仮設住宅・みなし仮設入居者への聞き取りで、災害公営住宅への入居希望は約480世帯、それに対して150戸の新規公営住宅の整備を予定し、不足分については、既存の市営住宅のストックを充てるとのことでした。
 その点について、私からは、震災前から市営住宅は、入居倍率5倍〜8倍で一般の方がなかなか入居できない現状であることから、一般の方に住宅を供給できないような市営住宅を代替するようなやり方ではなく、災害公営住宅の抜本的な拡充が必要であることを指摘いたしました。
 
 現在でも、市営住宅ストックの代替案の弊害として、一般入居者への定期募集に住宅がすべて出されていない状況が続いており、「空き室があるのに、出して欲しい」という要望が多く寄せられています。特に、単身高齢者用の一階の住宅がほとんど募集に出されていない状況です。
 
 本年5月に復興総室が改めて発表した仮設住宅入居者対象の「市営住宅への入居意向調査」の結果では、推計希望数が昨年の480世帯から1,259世帯へと増えていました。これは、調査回答者の28%にあたります。
 しかし、仮設の大半を占めるみなし仮設では、郵送調査しか行われておらず、回答が返送されず、調査で把握できていない人が多数います。
 実際に、同じく復興総室がおこなった、直接訪問による、約9,600世帯対象の聞き取り調査では、住宅の支援が必要と答えた世帯は3,769世帯、全体の42%にのぼりました。
 東日本大震災では、発災から6年たった今でも、プレハブの仮設住宅住まいを余儀なくされている方々がいます。これは、ひとえに災害公営住宅の整備が遅れている弊害にほかなりません。
 何よりも予定戸数150戸というのは、余りにも少なすぎます。
 
 そこでお尋ねしますが、災害公営住宅の抜本的な整備が改めて求められていると思いますが、いかがでしょうか。
 
 次に、災害公営住宅の不足を補う点では、市営住宅に入居を希望する一般の方々にしわ寄せがくる市営住宅のストック案以外にも、あらゆる手だてが必要です。
 
 3点目として、民間賃貸住宅に入居される方については、公営住宅と比べ家賃が高くなる場合が多いので、公営住宅との家賃の差額を補助するなどしていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
 
 くわえて、国家公務員住宅、県職員住宅、郵政住宅など、県・国とも連携し、住宅に整備・貸し出しを行うべきではないでしょうか。
 以上、都市建設局長におたずねします。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 仮設住宅の入居延長について、液状化などによる宅地復旧に時間を要することや、災害公営住宅の完成時期等を考えると、恒久的な住宅への移行が困難な世帯が存在することは、認識いただいているとのことですので、入居期限延長については、ぜひ実施されますようお願いいたします。
 
 災害公営住宅の追加整備について検討されているとのことでした。ぜひ、入居希望者の意向を的確に把握していただき、抜本的な整備拡充を強く求めます。
 また、民間住宅入居者への家賃補助も実施を、あわせてお願いいたます。
 
 2・(7)宅地被害について
 
 次に、熊本地震の特徴である、宅地被害についておたずねします。
 私が住む北区では、盛土された宅地が大規模に滑り落ちる被害が、急傾斜地に住宅が造成された龍田地域、清水岩倉地域に多発しました。いずれの地域も、国の公共事業である宅地耐震化推進事業の調査対象となり、昨年度の調査設計を経て、本年度5地区で工事が始まります。
 国庫補助の対象になれば、事業費用の大半は国の負担となり、残りの個人費用の部分も市が負担することになりました。また熊本地震では一部採択要件が緩和され、国庫補助の対象も増えました。しかし、それでも補助事業に該当するのは、市の推計でも宅地被害全体のわずか25%ほどです。
 それ以外のものは、県の復興基金による補助がありますが、3分の1の自己負担があり、費用負担の問題で、補修をあきらめざるを得ないケースも出てきています。
 
 私が相談を受けた、清水岩倉に住むAさんの場合をご紹介します。
 今年4月、自宅敷地の境界に立つ隣の家の擁壁に、10センチ幅の亀裂が数本走っているのを発見しました。よく見ると擁壁の一部が外に膨らみせり出している「はらみ」もあります。すぐに業者を手配しようとしましたが、数カ月待ち。仕方なくAさんは自費で生コンを購入、亀裂に流し込む応急処置をしました。
 その後、国の補助事業に申請しましたが、要件に合わず却下。残るは県の基金による復旧となりますが、こちらは自己負担があります。
 Aさんが土地の所有者に連絡すると、「経済的にとても補修のためのお金はなく、どうしていいか分かりません」といわれました。それでAさんが市に相談したところ「土地の所有者でなくても、Aさんが『管理者』として県へ申請することができる」といわれたそうですが、それではAさんの負担で補修をすることになります。
 Aさんは、「自分の土地でもないし、費用もない。しかし、二次災害の恐れもあるので、他所へ転居することも考えなければならないのだろうか」と肩を落とされていました。
 東日本大震災の宮城県仙台市では、個人負担を10分の1にまで抑えました。
 なによりも、こうした危険な宅地を放置したままでは、住民が地域にとどまることが困難になり、地域コミュニティの存続にもかかわってくる問題になりかねません。
 そこで、おたずねします。
 
 宅地復旧支援について、県の復興基金による支援制度の件数は、市の推計でも約5,500件とみられています。しかし申請受理されたのは8月現在で、790件しかありません。基金事業を申請する資力のない人が相当数いるのでは、と思われます。
 擁壁の被害などは、二次被害発生の恐れもあるため放置できませんが、一方で資力がないために補修へ踏み出せない実態があります。
 基金を使った家屋や地盤の復旧を行う場合、まず50万円までは自己負担となります。そして50万円を超えた分について3分の1が自己負担となります。低所得者や高齢者にとってこの負担が重いと考えられます。
 
 そうした、資力がなく申請できない人たちの実態把握はできていますでしょうか。
 また、そうした人たちの支援のためにも、現行の基金事業について、低所得者・高齢者を考慮した支援拡充策が必要と考えます。助成拡充、加算金等を検討すべきではないでしょうか。
 都市建設局長におたずねします。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 資力がない人たちのへの支援については、被災住宅再建支援金助成事業や住宅金融支援機構などの融資を紹介しているとのことですが、そうした融資を受ける資力がない人たちをどう支援するかが問われています。
 従来から繰り返されてきた、個人の資産形成に資する部分には税金は使えない、などの理由を挙げるのではなく、支援制度が、本当に被災者に寄りそったものになっているのかが求められています。
 例にあげたAさんは、転居せざるを得ないとまで考えています。危険宅地の二次災害を防止する意味でも、さらなる助成拡充等の検討を求めます。
 
 2.(8)液状化被害について
 
 続いて液状化被害について、おたずねします。
 
 市長はこれまで、復旧・復興に多額の費用を必要とする液状化については、重点要望として国への要望を行うなど取り組んで来られました。
 液状化は、被災した家屋とその地盤の復旧を必要とし、被災世帯の負担も大きいことから、この間、基金による補助制度がつくられるなど支援が拡充されてきました。また、公共事業として宅地液状化防止事業を実施する候補地が検討され、公共施設と宅地との一体的な液状化対策が可能な地区として、特に液状化被害が顕著であった近見地区が候補となり、対策がすすめられようとしているところです。
 液状化した地区では、とにかく様々な面で住民の負担が大きいこと、高齢者にとっては多額の住民負担は耐え難いことなどの声が聞かれます。液状化対策は、これからが本格的な実施段階へと入っていきますが、住民不安に応える立場でお尋ねいたします。
 
 まず第一に、現在、公共事業として「宅地液状化防止事業」の対象地区となり、準備がすすめられている近見地区で実施予定の「地下水位低下工法」では、実証実験を行い、その効果や不具合を検証しながらすすめていきます。
 しかし、専門家の指摘でも、実施後の更なる地盤低下や水漏れ等は、100%回避することはできないとのことであります。万が一、新たな地盤沈下等が発生した場合、その救済措置についても検討しておく必要があります。その場合、被災者に新たな負担を求めず、市の負担で救済する道を検討していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
 
 2点目として、「地下水位低下工法」では、運営コストとして、事業完成後の維持管理費の負担が出てきます。同じ「地下水位低下工法」で液状化対策事業を実施した千葉市の場合で、30年間13万円程度だと伺いました。
 そもそも完成後の維持管理費は、公共事業でつくった施設の管理なので自治体が行うべきです。完成後の施設管理は市の負担で行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
 3点目、近見地区で開かれた説明会では、今でも地盤が動いている、地面にひび割れが起こったり、家が沈んでいるとの声がありました。
 地域の中にはまだまだ不安があるということです。地震から1年4カ月以上経ちましたが、液状化の発生している地域の現在の状況について、市として状況把握をし、不安に応える窓口を設置するなどの対策が必要ではないでしょうか。
 
 4点目として、近見地区以外に液状化した区域は多数あります。液状化した地区の被害戸数、そのうち「宅地液状化防止事業」の対象地区となりうる戸数、基金事業で対応することになる戸数、液状化被害を受け基金事業に応募されている戸数をお尋ねします。
 また、近見地区以外で「宅地液状化防止事業」の対象地区となりうる地域における事業の取り組み状況、今後の見通しをご説明ください。
 基金事業について、申請がすすんでいない原因をどのように考えているのか、今後基金事業を活用し復旧をすすめていくためにどのように取り組んでいかれるのでしょうか。あわせてお聞きします。
 
 最後に、道路の復旧について、2点お尋ねします。
 @ 液状化している地域の道路の被災状況とその復旧状況、今後の見通しについてお尋ねします。 A 液状化した地域には、私道もかなりあります。住家や地盤の復旧に多額の費用がかかるために、近隣道路の復旧にまで新たな負担をする余裕がないというのが実情です。
 現在、本市の私道整備補助金制度は、事業費の75%を補助で、上限を250万円としています。事業費は、対象となる道路の長さや形状によって場所により異なりますが、液状化した地区を走る私道の損傷にはなかなか手がついていません。基金事業として、あるいは市の一般財源を使い、熊本地震の復興事業として、通常の私道整備補助金に上乗せする形での、私道復旧への支援を検討できないでしょうか。 
 
 以上、都市建設局長位おたずねします。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 質問で述べましたように「地下水位低下工法」では、実証実験を行いながらすすめても更なる地盤沈下が100%ないとは言い切れないというのが専門家の見解です。地元の了承を得て進めるというのは当然ですが、問題が起こった時には行政の責任で対応することを要望しておきます。
 維持管理費の負担についても、液状化した地区では家屋等の復旧に多額の費用がかかるので市が負担するよう、重ねて要望致します。
 私道復旧にかかる補助についても、工夫はされているようですが、地元負担が限りなく少なくなるよう、75%の補助率を大幅に引き上げていただくようお願いしておきます。
 
 3.国保について
 
 3.(1)国保の都道府県単位化について
 
 次に、国民健康保険の都道府県単位化について伺います。
 
 2018年度から国保の都道府県単位化がスタートします。
 都道府県化によって、国保財政は県が一括管理し、県が各市町村に納付金を割り当て、市町村が住民から集めた保険料を県に納付するかたちで、国保財政が運営されることになります。
 納付金は100%完納が原則です。県は、市町村ごとに医療給付費の水準や標準保険料率、標準的な収納率などの指標を提示することとなります。都道府県化によって、医療給付費水準の高い自治体や収納率が低い自治体などが「見える化」されるため、市町村には、給付抑制や収納率向上などの圧力が加えられることの根拠とされます。
 いうまでもなく、今日の国保の危機を招いた原因は、国の国庫負担金の削減です。今、必要な取り組みは、国庫負担の引き上げによる保険料の引き下げ、保険証の取り上げや機械的な差し押さえの中止などです。
 国保の都道府県化は、市町村の一般会計繰り入れをやめさせるための圧力を強化するものです。
 今回の改革では、県に財政安定化基金が設けられ、給付増や保険料の収納不足などにより国保会計が財源不足となった場合に貸付ができるようにするので、一般会計からの繰り入れはしないでもいい説明されています。
 しかし貸し付けは市町村からすればあくまで借金であり、返済しなければなりません。そうなると、いずれもっと保険料を引き上げるか、あるいは徴収強化をはかるかということになりかねません。
 徴収強化という点では、本市の差し押さえ実績の年次推移を見ますと、2012年度の差し押さえ執行件数126件、執行額7,850万から、2016年度には執行件数、634件、執行額2億5,600万円へと飛躍的に伸びています。
 差し押さえ項目も2015年度から給与や家賃収入など生活の糧となるものも追加されました。また年金も年金の受給権として差し押さえは禁止されているものの、年金が口座に振り込まれた直後には預金債権として差し押さえている実態がわかりました。
 私たちのところへは、分納相談に訪れ、約束通りに納めてきたものの、新年度になり納付書が届かないために一時支払いがストップしていた方に、督促状も催告状も送られないまま、突如、通帳預金が差し押さえられたとの相談も寄せられました。
 たださえ本市ではこうした差し押さえの年次実績が増えているところに、今回の制度改正を理由に、機械的な債権徴収強化が図られることを大変懸念するものです。
 
 そこでお尋ねします。
 第一に、県に運営が変わるなかで、保険料が上がらないようにするためにも
 市としては、一般会計法定外繰り入れえを引き上げるべきではないでしょうか。
 また、保険料決定など、本市における独自の取り組みを、責任もって継続することも求めます。
 2点目として、今回の制度改定を理由に徴収、差し押さえの強化をしないこと。
 3点目として、国民皆保険制度を守り、発展させ、払える保険料とするため、国保の国庫負担の大幅引き上げを国にしっかりと求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 健康福祉局長におたずねします。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 
 熊本市の保険料は、両親と子供2人の年間所得200万円のモデル世帯において年間39万9070円です。政令市中、ワースト1位という不名誉な順位です。年間所得の5分の1が保険料で消えていく。まさに負担の限界を超えた高負担だといわざるを得ません。
 本市の累積赤字の拡大については、いうまでもなく国保の赤字補填への支援額が2015年度以降大幅に減額されたからにほかなりません。
 国においては2016年度、低所得者への保険料軽減のための1700億円の財源措置が行われました。しかし、残念ながら本市では、この財源措置が保険料引き下げではなく、累積赤字解消のために補填され、保険料の軽減に至っていません。
 医療費適正化と収納率向上の強化という前に、いま一番取り組むべきは、一般会計からの繰り入れを増額し、政令市一の高い保険料を引き下げることではないでしょうか。加入者の立場に立った制度の運用を強く要望いたします。
 
 4.子どもの貧困
 
 4.(1)子ども食堂について
 
 次に子どもの貧困対策について伺います。
 
 まずは子ども食堂についてです。
 厚生労働省がこの6月に発表した2016年国民生活基礎調査によると、「子どもの貧困率」は2015年時点で13・9%、これは7人に1人の割合でした。過去最悪だった前回の調査から2・4ポイント下がりましたが、以前高い割合を示していることには変わりません。
 また、経済協力開発機構(OECD)の直近のデータでは、日本は、大人一人で子どもを育てる世帯の貧困率が50・8%と極めて高いことが報告されています。特に、日本の子育て世帯の貧困の、世界から見れば異常ともいえる現実は、「働いても貧困から逃れられない」ということです。
 OECD諸国加盟国との比較でも、ほかの国では、働きさえすれば貧困が劇的に改善しています。アメリカの場合、働いていない、ひとり親世帯の貧困率は90.7%にものぼりますが、働けばその割合は31.9%へと改善されています。いっぽう日本では、働いていないひとり親世帯の貧困率が50.4%なのに対し、働いても改善されるどころか逆に50.9%へと悪化しているのです。
 これは、ひとり親家庭に支給される児童扶養手当が、働いて少し収入が増えると減額されるという仕組みがあるからです。どれだけ働いても、過半数の世帯が貧困から抜けだすことができないという異常さです。
 
 そうしたなか、貧困状況にある子どもたちに対し、美味しい食事、楽しい時間、地域とのつながりを提供する「子ども食堂」の試みが、全国各地で行われています。
 本市でも12カ所の実施事例があり、その取り組みは、子どもの孤食防止、居場所づくり、地域住民とのつながり、また学習支援に就労支援まで行っているところもあります。ほんらい公的機関が担うべき分野まで目配せをし、支援している実態があります。
 本市では昨年12月に、食堂を運営する12団体を対象に「子ども食堂の運営状況に関するアンケート調査」が実施されました。
 調査では、開催場所について無料の場所を使っているのが75%とあり、個人所有や無償提供でなんとか会場をまかなっている状況でした。
 しかし、食材については、全ての団体が何らかの費用の持ち出しで購入していることがわかりました。くわえて、運営資金については自己資金によらず、寄付金・助成金・利用者の利用料だけでまかなえているのはわずか1団体、残りの11団体はすべて自己資金で運営している実態がわかりました。
 運営面の課題では、食材の確保がトップにあがっており、運営の根幹の部分で苦労されている様子がうかがえました。
 
 この7月に、北区で新たに子ども食堂を開設したいというみなさんに立ち会う機会がありました。開設にあたって市の担当課からは、基本的に各団体で自発的にやっていらっしゃることですから、と既に食堂を開設している団体の一覧表とアンケートの結果を渡されただけでした。
 資金も体制も、そしてノウハウも全く白紙の状態で、7月下旬、最初のこども食堂を実施されたわけです。終了後の感想としては、正直もう少し行政からのアドバイスや支援があると思っていた、とのことでした。
 昨年、市が主催した運営団体対象のワークショップでの要望で、食材の確保と並んで多かったのが、食堂開催にあたって子どもたちへの周知に対する行政のかかわりついてでした。
 とくに学校との連携が必要ではないでしょうか。かつて学童保育は、その成り立ちはそもそもボランティアから始まったものでしたが、今では、学校長が責任者となっている現状です。そうした過去の事例から考えても、子ども食堂についてもボランティアが自発的やっていることだからとせず、もう一歩踏み込んだ行政の関与が求められます。
 そもそも、こうした子ども食堂が全国的に広がった背景には、子どもの貧困に対する、政治や行政の施策の「貧困」、それにこそ、問題があったはずです。
 
 そこでお尋ねします。
 第一に、現在、市では市内子ども食堂の実態把握や運営団体相互の情報交換のためのワークショップ等を実施されておりますが、しかしそれがちゃんと市民のみなさんや、新たにこども食堂に取り組みたいと考えている皆さんに共有されているとは言えない状況があります。 
 そこで、食堂開催の周知や情報発信、運営団体の横の連携強化の支援について、行政でしっかり支援する取り組みを行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
 第二に、やはり全くボランティアで運営、継続していくことは大変困難です。先ほど述べた、学校との連携、そしてエンゼル基金のから助成があるとはいうものの、たとえば、食材についてはフードバンクのような仕組みの立ち上げや、運営費の支援など、行政の今一歩踏み込んだ支援が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 健康福祉局長に伺います。
   
 (答弁)
 
 (返し)
   
 アンケートの結果からも分かるように、子ども食堂の運営は民間任せになっています。ボランティアの皆さんが、「子どもの貧困」のために身銭を切って奔走されていますが、そもそも「子どもの貧困」は今の社会が生み出した問題であり、その解決には、国や自治体が責任もって向き合っていく課題です。
 熊本市が子ども食堂に対して、ノウハウの面でも、財政的な面でも積極的な支援をおこなっていくよう強く要望します。
 
 4.(2)学校給食の補助について
 
 次に、学校現場での子どもの貧困対策への取り組みとして、学校給食についておたずねします。
 学校とは、日本の子どもの施策の中で、最も普遍的なものであり、子どもの貧困対策に、学校がきちんと位置づけられていることは大事なことです。
 貧困対策は、誰が貧困者であるか、救済されるべき人を見つけ出して救済するという、選別的な救済から始まったという経緯があります。誰が救済されるべき人かということでは、常に大きな論争があり、ともすれば救済された人はむしろ恥ずかしい思いをする。スティグマ、いわゆる「恥の烙印」を伴うものです。
 一方で、学校に通うこと自体にはスティグマ、「恥」は伴いませんから、その学校が反貧困の機能を持つと、そのこと自体に大きな意義があります。
 さて、そこで学校給食です。
 学校給食が果す役割として、国民生活基礎調査の全国調査でも、経済水準が低い家庭の中高生は、高い家庭の子に比べて肥満の割合が3倍であったのに対し、完全給食の実施率が高い小学生では双方とも、肥満の割合は変わらなかったという結果がでました。これは、学校給食により、栄養バランスが取れている結果だと推察されます。
 学校給食が、格差対策の点でも、その役割を果たしていること表すものです。
 
 学校給食については、いま全国で学校給食の負担軽減に取り組んでいる自治体が増えており、全国1741の自治体で給食費の全額並びに一部補助を実施している自治体は417自治体、うち完全無償は55自治体にのぼります。
 熊本県下では、荒尾市がこの10月に全小学校で無償化に取り組みます。
 いっぽう今現在、本市の給食費の負担額は、2015年度実績で、小学校が平均年間実施回数188回で給食費が243円ですので、年間約4万5,700円。中学校が実施回数177回に給食費が295円で、年間約5万2,200円です。子ども2人の世帯では、給食費の負担は、9万円から10万円以上になります。3人以上の多子世帯となればなおのことです。
 
 要支援世帯へは、生活保護や就学援助による給食費の全額助成をしているとのことですが、子どもにとって一番普遍的な制度である学校という場においては、選別的な救済ではなく、皆が等しく支援が受けられる制度にすることが必要ではないでしょうか。
 学校給食は、学校給食法により食育として教育課程の中に位置づけられています。教育課程の中にある以上は義務教育においては、無償提供を旨とすべきです。
 
 そこでおたずねします。
 学校給食が格差対策の役割をはたしていることも考えれば、本市でも学校給食については無償化も視野に何らかの援助に足をふみ出すべきだと考えますがいかがでしょうか。
 教育長に伺います。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 
 教育長は、ただいま「受益者負担」ということを言われましたが、教育基本法ではその目的を、「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として、必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」と定めており、子どもたちは社会の宝としてその教育が行われます。
 憲法でも、教育基本法でも、その他各教育にかかわる法律に「受益者負担」という考えは出てきません。それは、教育の理念にそぐわないからです。教育長のその感覚こそ正して、子どもたちの健やかな成長のために全力を注いでいただきますよう強く要望いたします。
 つづいて、桜町再開発、熊本城ホール整備についておたずねします。
  
 5.桜町再開発・熊本城ホール整備について
 
 5.(1)景観上襟の例外適用について市長の認識
 
 桜町再開発事業は、熊本城を望む中心市街地に位置しています。景観条例に基づく高さ規制を超えるビルとなるために、景観審議会での審議が行われました。
 2013年12月の第21回景観審議会では、「公益性の高い複合施設であるため、高さ・海抜73.6メートルを了承する」と結論付けられています。しかし、巨大な建造物であるだけに、その圧迫感を解消してほしいと個別意見がつけられました。
 その中の一つには、「高さの規準を超える例外が当たり前になっては困る」という厳しい意見もありました。その後、事業者としては若干の外観を変更し景観審議会に報告されましたが、今、その外観パースを見るときに、圧迫感の正体は何なのかと、考えさせられます。
 桜町再開発地区は、熊本城への眺望・熊本城からの眺望を確保するための景観形成基準を定める重点地区となっています。「公益性」を理由に約20メートル近くも高さをオーバーする建物が了承されている訳ですから、「公益性」が理由になる部分はやむを得ないかもしれませんが、そうでない部分についてはできる限り景観形成基準を順守することが必要ではないでしょうか。
 MICE施設部分については、ホワイエ部分の高さは低くされています。一方、マンション・ホテル部分については高さは変わっておらず、熊本城正面に立ちはだかる壁となっています。しかも、15階建てマンションの高さ基準を超えた部分が最も高い分譲価格で売り出され、事業者の利益を膨らませることにつながっています。
 74万市民にとってかけがえのない熊本城の眺望よりも企業の利益が優先されるような景観条例の例外について、市長はどのような認識をお持ちでしょうか。
 
 5.(2)経済活性化の寄与について
 
 2点目、景観条例の規準を超える高さ73.6メートルの巨大ビルとなる桜町再開発事業は、熊本市民の大切な景観を企業利益に差し出し、財政面でも事業費総額755億円のうち、その55%、417億円を国や熊本市が支出するという、公的な支えなくしては成り立たない事業です。それだけに公益施設さえ入ればいいというような事業であっては困ります。
 地元・熊本にどのように貢献していくのか、それが問われる事業となります。
 そこで一つは、地域経済活性化への寄与です。いよいよ建設工事も始まっています。
 再開発事業の商業・保育所・バンケット・シネコンの部分にどの程度の地元企業が参入してくるのでしょうか。床面積の何割程度のなるのか教えてください。
 また、再開発ビル全体で、地元からの雇用はどの程度あるのでしょうか。特に、正規雇用として何人くらい雇用される見通しがあるのか教えてください。
 また、熊本市が整備する熊本城ホールについての地元雇用の見通しがどうなるのか、正規・非正規別にお願いします。
 
 5.(3)事故防止に向けた対策について
 
 3点目、桜町再開発事業の工事を受注している大成建設は、全国の工事現場で重大事故を次々と引き起こしています。今年になってからだけでもニュースになった重大事故が4件もあります。
 1月には高浜原発構内で113mの巨大クレーンが倒壊する事故が起きました。4月には2020年開催の東京オリンピックのメインスタジアムとなる「新国立競技場」の建設現場で働く23歳男性の過労自殺が発覚しました。6月には神奈川県庁新庁舎建設工事現場での作業員の転落死亡事故、8月には東京千代田区の老舗宴会場「東京会館」建て替え工事で作業中の作業員が3人死亡する事故が起こりました。昨年発生した博多駅前の道路陥没事故もまた大成建設が元受けとなっていたものでした。
 このような事態を受け、マスコミには「過労自殺に続き転落事故、大成建設に何が起きているのか」「大手ゼネコン大成建設の工事現場でまた死亡者」「危険なゼネコン大成建設、ありえない大事故続出」などの見出しが躍り、コスト圧縮による慢性的な人手不足などが指摘されていました。
 高浜原発の事故現場では、原子力規制委員会の保安規定違反が認定され、労働基準監督署の指導が入りました。丸の内の東京会館工事現場の事故は、「作業をしない日」と定められた「祝日」に発生した事故でした。
 市長は、大手ゼネコン・大成建設の頻発する重大事故の状況についてどのような認識をお持ちでしょうか。
 また、桜町再開発事業は、民間事業とは言っても、市が助言しながら事業をすすめ、事業費の6割近くを税金で負担する公共と切っても切れない事業です。そこで、重大事故が発生しては困ります。重大事故が絶対に繰り返されないように、熊本市として申し入れをすべきと思いますが、いかがお考えですか。
 
 以上、3点大西市長におたずねします。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 
 景観条例の例外適用についての認識では、「バスターミナル等、公益性が高い複合施設であることから海抜73.6メートルが了承されたもの」との答弁でした。しかし、景観を阻害する原因となっているのは、熊本城ホール、ホテル、マンションです。
 熊本城ホールは、市が整備する公益施設なので「公益性」ということが言えるかもしれませんが、ホテルやマンションは企業の運営する営利施設で、「公益」という言葉は当てはまりません。特に、マンション部分は「ザ・熊本ガーデンズ」と銘打ち、熊本市中心部の熊本城を目の前にした一等地、立地や利便性に優れた高級マンションとして売り出されようとしています。
 最上階は、プレミアムフロアとして最高1億6200万円、最低でも1億800万円という破格の値段で販売されます。総戸数159戸の平均販売価格は、1戸当たり5453万円とこれまでになかった高い価格となっています。
 いま全国の再開発は、企業が高利益を得るために高層マンションと一体となった開発が増えていますが、まさに桜町再開発の高層マンションもまた、再開発ビルの中でも多額の企業利益を生む部分となっています。特に、景観条例違反となる最上階の15階をはじめとした上層階が億ションとして売り出され、マンション販売の利益を膨らませていることは明白であります。「公益性」を理由に景観条例の例外適用を認めるのであれば、マンションやホテルなどの営利施設は高さを下げるべきであります。それがなされないのは、桜町再開発という450億円もの税金をつぎ込む事業が企業の利益優先ですすめられているからではありませんか。
 企業の利益のために、市民の大切な財産である景観を売り渡したとしか言いようがないことを厳しく指摘しておきます。
 
 再開発ビル建設にかかる事故の問題では、先ほど紹介しましたように、大成建設は「危険なゼネコン」と評される状況にあります。新国立競技場での過労自殺に関して、当時の塩崎前厚生労働大臣は「元請け下請け企業すべてについて、労働時間の実態を調査の上で、問題が認められた場合には、是正に向けて厳しく指導していきたい」とコメントされていました。
 また、神奈川県庁新庁舎工事現場における死亡事故については、知事が大成建設社長に対し、安全管理の徹底についての指示を出し、二度と事故が発生しないよう、あらゆる機会をとらえて工事現場の安全管理を徹底することを表明しています。市長も、安全管理等について指導・申し入れを行っていただくとのことですので、再開発事業者はもとより、工事を担う大成建設に対しても申し入れを行うこと、その場合、元請けの大成建設のみでなく下請けまで含めて徹底した安全管理が行われるよう申し入れていただくことをお願いしておきます。
 再開発ビルへの地元企業の参入については、事業者に申し入れているとのことですが、再開発ビルは床の価格が高いだけに、地元企業進出はなかなか厳しいと思われます。本当に参入が進むのか、実態を把握し、その内容は議会等へも報告していただくようお願いします。
 
 (再質問)
 
 そこで1点、市長に伺います。
 熊本城ホールにおける地元雇用では、「指定管理者の選定に際して、提案された内容を適正に評価していきたい」と答弁されました。それならば、指定管理者選定にあたっての仕様書に地元雇用について明記しなければ、それはできません。
 指定管理者選定における仕様書に「地元雇用」について明記されるのでしょうか。
 
 (答弁)
  
 桜町再開発事業・熊本城ホール整備は、市政史上最大の税金投入となる大型ハコモノです。地元における直接の雇用効果が表れるよう、特段の取り組みを要望しておきます。
 また、熊本城ホール整備については、所管となる経済委員会で那須議員がさらに踏み込んでお尋ねしますので、時間の関係もあり論議はそちらに譲りたいと思います。
 
 6.立野ダム
 
 これまで毎議会ごと、市長に対して立野ダム建設についての国交省の説明責任、ひいてはダムの最大受益地である自治体の長として、市民への説明責任を繰り返しお尋ねしてきました。市長は、国へ説明を求めていくと毎回答弁されるも、国から住民への具体的な説明はなされずに来ました。
 熊本地震以来、多くの人が立野ダムの安全性に疑問抱き、そのことに対して行動を起こしはじめています。従来の市民団体主催のダムの学習会は、ここのところ毎回会場いっぱいになるほどの参加者です。南阿蘇村では住民有志が県へ要請行動をおこないました。大津町議会では保守系議員がダム建設予定地の安全性を疑問視する質問をおこないました。また今月に入っては、市内流域の自治会で、自治会長を呼びかけ人とするダムを考える会が発足、住民有志の学習会が催され、新聞各紙で報道されるなどしています。
 
 そこで、市長に尋ねします。
 第一に、こうしたなか、この5月、国交省との意見交換会で大西市長が住民説明について要望されたとの、新聞報道がありました。具体的にどのような要望をされたのでしょうか。
 
 2点目として、国交省は、この7月から計5回に渡る、流域住民を対象とした現地見学会を計画実施しています。
 これまで私たちが繰り返し、どれだけ要望しても一切聞き入れられなかった、住民への説明会です。これはまさに、市長が意見交換会の場で住民へ説明を、としっかり求められた結果だと評価しております。
 しかし国交省は、現地見学会こそ開催したものの、いっぽうで市民団体からの6回にわたる公開質問状には、いまだ一切回答しておりません。また、現地見学会の場でも参加者からの質問にたいしては、「ホームページを見て欲しい」などとするばかりで、しっかり答える姿勢がありません。
 一般参加者は、立野ダム事務所のホームページを見ない限りは、見学会の実施すら知りえないにもかかわらず、国交省は連携関係にあるNPO法人に見学会の動員をかけるなど、見学会を身内で固めて既成事実化しようとしていると取られても仕方がない動きをしています。
 こうした国交省の姿勢は、市長が求められた住民への説明責任と整合するものなのか、市長自身どう受け止めておられるか、お聞かせください。
 
  (答弁)
  
  (返し)
 
 いま、ご答弁頂きましたように、さまざまな機会をとらえて国へ要望していただいたことが、今回の現地見学会につながったものと私も理解するものです。
 しかしながら、この見学会も、計5回の開催のみで参加人数が75名とごく限られており、また見学会での国の対応も参加者に十分説明を尽くすものになっていません。
 なにより、最大の受益地である本市において、市民に説明する場が設けられていない現状は解消されておりません。国の流域住民を対象とした会は、2012年9月に公聴会が開かれたのみで、説明会にいたっては皆無です。国に対しては、本市流域住民を対象とした説明会を開催し、説明責任をしっかり果たすよう、引き続き要望して頂きますようお願いいたします。
 
 質問を続けます。7月の九州北部豪雨、福岡朝倉地区を襲った大量の土砂と流木に、改めて想定外の水害にダムが耐えられるのかと、誰しも疑問に感じたと思います。改めて立野ダムの問題点について、以下お尋ねします。
 
 (1)まず、7月の豪雨で、私たちに大きな衝撃を与えた、流木の問題についてです。
 国の説明では、流れてきた流木や大きな石は、立野ダム上流約200mの地点に設置した流木捕捉施設で捕捉される、としていますが、何立方メートルの流木まで対応できるのでしょうか。国交省の資料では、この流木捕捉施設は幅42m、高さ5mですので100mにわたり流木や土砂を貯めたとしても、42×5×100÷2=約1万立方メートルしか貯めることができません。一方で7月の豪雨では、新聞報道によると、福岡県が、朝倉市と東峰村で少なくとも36万立方メートルの流木が流れたと推計した、と報道されています。朝倉市の赤谷川単体を見ても、約21万立方メートルの流木が流れたとされています。
 一方、立野地域ではどうだったのでしょうか。2012年の九州北部豪雨及び、熊本地震後の豪雨で、立野地点を通過した流木は何立方メートルと計算されているのでしょうか。
 
 (2)第二に、洪水時、一時的に何?の土砂が堆積し、そのうち何立方メートルが幅5mしかないダムの放流孔を通り下流に流れるのかという点です。
 国交省の説明では「湛水によって一時的に体積していた土砂は徐々に下流に流れていく」としています。一方で、7月の豪雨では九州大・三谷泰浩教授の推定によると朝倉市の赤谷川では120万立方メートルもの大量の土砂が流出したとされています。
 一時的に何立方メートルの土砂が堆積し、平水位に戻るまでに何立方メートルが幅5mの放流孔を通り下流に流れるのか。赤谷川での120万立方メートルもの土砂に立野ダムが耐えうるのだろうか、見解をお聞かせください。
 
 3)「立野ダム建設にかかる技術委員会」の資料と実際の土砂崩壊箇所が食い違っている点についておたずねします。
 昨年8月の「立野ダム建設にかかる技術委員会」が、わずか3回の会合で検討した国交省の資料では、熊本地震後に現地調査対象斜面として抽出された16地区については今後、必要に応じて対策工事を実施することにより、湛水に対する斜面の安定性を確保することができる」としていますが、その16地区は、多くの土砂崩壊箇所のほんの一部に過ぎません。現状を見れば、特に右岸側の立野溶岩の台地側ではダム水没予定地の大半が崩落しており、国交省が技術委員会に提示した資料と大きく食い違っています。
 崩落個所のほとんどでは、ダム水没予定地の底まで降りる道路を作れない状況ですので、重機などをおろすこともできず、土砂崩壊の対策工事は不可能です。
 このように、技術委員会で検討された資料と実際の土砂崩落箇所とが食い違っています。まさに技術委員会の結果が、立野ダム建設においての安全性を担保するものに足りえないことをあらわしています。わずか3回の会合で、充分な説明がなされているとはいえません。改めて技術委員会の検討をやり直すことを求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 
 以上、3点について大西市長におたずねします。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 
 事業主体は国土交通省であるので、言及する立場にないとのべられましたが、一方で市長は、「白川改修・立野ダム建設促進期成会」の会長というダム建設推進役をされている立場でもあります。そうであるならば、市長にも住民の立場にたって、ダムの安全性や疑問に対し説明を尽くす責任があると思います。
 
 ダム建設に対する国交省の説明責任を問う声は、いまや、従来の市民団体の皆さんだけにとどまりません。
 熊日新聞が1月に社説で「立野ダム・丁寧に説明重ねる姿勢を」と言及したのを皮切りに、その後も囲み記事やコラムで「立野ダムは大丈夫か」、「立野ダムをめぐる違和感」等の見出しで繰り返し説明責任を問うています。
 現在開催中の現地説明会のあり方についても、毎日新聞が毎回、「質問状の回答拒否」、「国交省はゼロ回答」として、国交省の姿勢を厳しく指摘しています。
 
 技術委員会の検討の内容につきましても、今のダム建設予定地周辺の土砂崩落のありさまを見るならば、きわめて危険であることは一目瞭然です。
 昨年、たった3回の会合でこの重要な問題について検証することは難しいと思われます。
 不十分な検証の中身を根拠にダム建設をこのまま進めていくべきではありません。市民の安全を守るためにも技術委員会の検討をやり直すことを、国へ強く求めるべきです。
 そのことを強く要望しておきます。
 
 本日私が準備いたしました質問は以上です。質問時間の多くを割きました、熊本地震からの復興・復旧は、今後さまざまな局面、課題が出てくると思います。そうした課題の解決にこれからも力を尽くしていく決意を申し上げまして、質問を終わります。
 どうも、ご清聴ありがとうございました。

9月議会・予算決算委員会締めくくり質疑「熊本城ホールと桜町・花畑町周辺の整備」

2017年9月22日 上野 みえこ ダウンロードはこちら(PDFファイル 307KB)

 まず設置条例案が出されている熊本城ホールについてお尋ねします。
 第1に、設置条例案では、使用料を施設ごとに時間単価で設定されています。条例に基づくメインホール・多目的ホール・イベント展示ホールの1日の使用料の最低額と最高額をお示しください。
 第2に、熊本城ホールの管理運営は、指定管理者制度に利用料金制を導入し、指定管理料を0円で公募する予定です。メインホール・多目的ホール・イベント展示ホール・会議室の利用率をどのように予測されていますか。
 また、メインホール・イベント展示ホール・会議室は、それぞれどのくらいの割合を、地元事業者・団体等が利用すると見込んでいるのでしょうか。
 第3に、熊本城ホールの維持管理運営には、指定管理料以外に、長期修繕費・備品の更新・自主事業・MICE誘致等の費用が必要になると思われますが、それらの経費は、年間どの程度になるのでしょうか。
 第4に、熊本城ホールの指定管理選定において、選定に手が挙げられる地元事業者・企業等はどのくらいあるのでしょうか。
 第5に、熊本城ホールの指定管理期間は5年を予定されています。わずか5年の公募の繰り返しでは、将来を見据えた長期にわたる企画が立てられず、大規模なMICE施設の運営には大きな支障となります。この点、どのようにお考えでしょうか。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
  「MICE施設整備基本計画」では、「MICE施設は、コンベンションや会議だけでなく、コンサートやイベント、展示会等、多様な賑わいを創出する交流施設をめざす」と述べられています。特に、産業文化会館が解体されたこともあり、市民からは利便性の良い中心市街地に中規模ホールが欲しいという強い要望がありました。それに対し市長は、「MICE施設の多目的ホールやイベント展示ホールにおいても、中規模ホールの機能が確保できないか指示している」と答弁されていました。市長は、熊本城ホールを、市民が主催者となって利用してほしいとお考えですか。
 
 (答弁)
 
 先ほど市長は、「地元の事業者などが主催者となる見込みは、開業後、一定期間を経て示す」と答弁されましたが、これまでも議会では、市民が利用できる中規模ホール機能をMICE施設に整備すると言われていた訳ですから、使ってみなければわからないというのは、あまりに無責任であり、検討の熟度が低いと思います。熊本城ホールの利用率予測は73%ですから、そのうち、何割ぐらいを市民が主催者として利用するのか、その見通しを示して条例案を出すべきです。
 市長に伺います。
 終日利用した場合、可動で750席の多目的ホールは最低27万3000円、最高49万1400円とのことです。これは、1591席の熊本市民会館大ホールの約2倍の料金です。森都心プラザホールの5倍ないし6倍、解体された700席の産業文化会館の4倍から5倍の料金です。これらのホールは、低料金で市民に親しまれ利用されてきましたが、市長が中規模ホール機能を確保すると言って整備している熊本城ホールの多目的ホールが、市民が主催者となって利用できる料金設定になっているとお考えでしょうか。
 
 (答弁)
 
 熊本城ホールは、外から人を呼び込む施設であるとともに、市民が利用できる施設であるべきです。とりわけ中規模ホールは、施設規模からいっても、市民が喜んで利用できる施設としての役割が求められます。税金を400億円以上もつぎ込んでつくる施設を市民が利用できないというのは決定的な矛盾ではないでしょうか。固定席でなく可動席であること、音響効果・舞台機構など、音楽にも演劇にも中途半端なホールであることも残念ですが、料金設定の面で市民が利用できないであろうことは、再開発ビルに施設を整備したがために利用料が高くなってしまったという根本的な矛盾であることを指摘致します。
 市長に伺います。
 今回の条例案提案に合わせて熊本城ホールの収支が示されました。指定管理料は「0円」で、これまで示されてきた利用料収入5億3300万円が、1億1300万円上乗せされて6億4600万円となりました。2300席のメインホールは最低で72万8000円、最高131万400円で、市民会館大ホールや県立劇場コンサートホールの3倍ないし4倍と、かなり高額に設定されています。3000人収容できる福岡国際会議場のメインホール・多目的ホールの一体利用の場合の約2倍の料金です。利用率の見込みは73%ですが、こちらは福岡国際会議場のメイン・多目的ホールと同等です。人口150万人、熊本市の2倍の人口で、九州の経済・文化の中心、空港が都心に近くアクセス抜群、グローバルマイスシティーに指定された福岡市の国際会議場の2倍の料金で、同じ利用率を達成できるのでしょうか。
 
 (答弁)
 
 全国でMICE施設整備が急加速する中、MICE誘致競争を勝ち抜くためには、施設の立地や使い勝手の良さ、利用料金設定、都市の魅力、国の支援などがポイントになります。そういう意味で、本市のMICE施設が成り立っていくのか、市民や議会に対して納得の得られる説明がなされるべきです。
 市長にお尋ねいたします。
 現在、全国ですすむMICE計画は、規模が巨大化し、3大都市圏を中心に整備計画がすすみ、国際会議誘致をめざした国際型施設が急増しています。しかも、過剰供給ともいえるMICE施設整備は、科学的にではなく、希望的な需要予測ですすめられています。そういう情勢の中で、自治体政策学の専門家は、国際競争を勝ち抜くMICE施設は政府主導ですすめ、自治体が整備する地方のMICE施設は地元企業の振興・地域経済の発展を目的にした地元型施設とすべきと指摘されていました。本市においても、MICE施設整備・MICE戦略は、地元企業の振興・地域経済の発展を念頭に置くべきではないでしょうか。
 
 (答弁)
 
 *地元企業や地域経済振興に寄与できる施設となることを祈念しますが、その点には疑問が残るとともに、指定管理者にも地元から手が上がることは難しいのではないでしょうか。
 桜町再開発・熊本城ホールは、450億円の税金をつぎ込み建設され、その後の長期修繕費等の費用なども考えれば、今後50年間で600億円近い経費を必要とします。それだけの税金を使った施設が本当に市民に愛される施設になるのか、今後問われてくると思います。そのことを肝に銘じていただきたいと思います。
 
 つづいて、桜町周辺の中心市街地のまちづくりに関してお尋ねいたします。
 第1に、辛島公園地下駐車場・駐輪場・地下通路等が、熊本城ホールと一体に指定管理で管理運営されるとのことです。熊本城ホールと一体に管理する理由をご説明ください。
 第2に、辛島公園地下施設と桜町再開発ビルはつながれ、出入口などつくられるのでしょうか。
 第3に、決算状況報告書178ページに報告されている「桜町・花畑地区まちづくり推進経費」に関連して2点伺います。
 @実績として報告された「桜町・花畑地区のオープンスペースデザイン」のイメージ図には、花畑広場の一部にある辛島公園地下駐車場の出口部分が見当たりません。駐車場出口は今後どのようにされるのでしょうか。もし、なくされるのであれば、新たな出口はどこに予定されるのでしょうか。また、広場整備費も増えると考えられますが、今の時点で予定される今後の広場整備費用についてもお答えください。
 A花畑広場に隣接し、花畑公園に挟まれた民有地は、仮バスターミナルとして利用されています。議会の付帯決議では、この部分を一体的に整備することを求めており、用地交渉が行われていると思いますが、買収費用はどの程度が予定されているのでしょうか。
 第4に、今議会には、辛島公園地下駐車場・地下通路の改修経費として調査・設計費等が提案されています。総務委員会では、これら事業の総事業費が10億円程度で、その事業費は財政計画にないと答弁されたようです。熊本地震からの復旧や市政史上最大のハコモノ整備となる熊本城ホール整備が本格的にすすみ、徹底した財政の縮減を各局が求められている、今この時期に、なぜ新たに10億円を超えるような大規模改修を実施するのでしょうか。
 以上、市長に伺います
 
 (答弁)
   
 ただ今の答弁に関連して、市長に2点伺います。
 第1に、出口だけとはいえ、花畑広場の地下駐車場出口を閉じれば、出口は1ヵ所となります。災害や事故など、予期せぬ緊急事態が発生した時に南北に長い形状の地下駐車場から出るのが難しくなるのではないでしょうか。緊急時の安全確保についての検証は行われたのでしょうか。
 第2に、民有地の取得価格は決まっていないとのことですが、花畑広場整備費の他にこの用地費は別途必要となるのではないでしょうか。その費用は、中期財政計画に含まれているのでしょうか。
 
 (答弁)
 
 *辛島地下駐車場の出口を閉じる点の安全確保等は検討中とのことですが、きちんとした検証結果が必要だと思います。
 先ほどの答弁では、熊本城ホールと辛島公園地下駐車場の一体管理は、熊本城ホールの催事に合わせ主催者や参加者の駐車場確保やMICE誘致等で有利になるからとのことです。また、辛島公園地下通路と再開発ビルは、費用は事業者負担ですが接続されるとのことです。桜町再開発ビルの竣工に向けて、その周辺の地域や市の施設等が、再開発ビルのために整備されて行きます。
 市長に伺います。
 花畑広場整備には20億円プラス民有地取得費用が必要となること、地下駐車場や地下通路整備にも10億円以上の費用が今後必要なること、これらは、今でも厳しい財政にさらに重い負担となります。花畑地区・シンボルプロムナード等の整備の在り方は、市民への丁寧な説明を行い、納得を得るべきではないでしょうか。
 
 (答弁)
 
 そもそも市街地再開発事業は、複数権利者の所有する土地・建物等を一体的に活用し、高層ビル建設と合わせて、広い道路や公共空地を生み出すことによって、快適で良質な都市空間を整備するものです。桜町再開発は、単独権利者が敷地いっぱいを活用して屏風のような高層ビルを建て、都市空間を快適にする公共空地は、熊本市の整備する花畑広場やシンボルプロムナードがその役割を果たしています。都市計画の専門家が、「本来、桜町地区は、花畑地区・シンボルプロムナードと一体に再開発すべきところ」と指摘されました。そう考えれば、産業文化会館は何十億かの従前資産として評価され、花畑広場・シンボルプロムナードは公共空地となり補助金が増えます。また、熊本市は地権者となるので、MICE施設の一定部分は権利床として取得することができ、同じく再開発事業で整備したとしても、かなりの費用負担を削減・節約できたはずです。そういう意味で、事業者が主導権を握りすすんできた桜町再開発とその周辺整備は、再開発の在り方を歪め、熊本市にとって大きな財政負担を生んでいると指摘しなければなりません。
 この点を指摘し、質疑を終わります。

9月議会・最終日「2016年度一般・特別会計決算反対討論」 上野 みえこ

2017年9月22日 上野 みえこ ダウンロードはこちら(PDFファイル 323KB)

 議題213号「2016年度熊本市各会計決算について」賛成できない理由を述べ、反対討論を行います。
 昨年度は、年度当初の4月16日未明に発生した未曽有の熊本地震によって、尊い命が奪われ、市全域で生活そのものが立ち行かなくなるような甚大な被害を受けました。直ちに、救援・復旧作業が行われ、その後も年度を通して、地震からの復旧・復興に向き合うことが一番の課題となり、市民や行政・議会が一丸となって取り組んできました。また、アベノミクスの破たんで景気は低迷、安倍政権のもとあらゆる分野での社会保障制度改悪がすすめられる中で、被災によって大きなダメージを受けている市民のいのち・くらし・生業をどのように守っていくのか、問われた1年でもありました。
 当初で、一般会計に3000億円の予算編成となっていましたが、熊本地震関連の追加補正が数度にわたって行われ、予算規模は過去に例のない4300億円へと膨れ上がりました。
 第1に、第一義的課題であった熊本地震への対応では、730億5000万円の復旧・復興経費が使われました。国や県への要望も繰り返され、支援も拡充、東日本大震災並み、あるいはそれ以上の支援も行われました。その一つとして、熊本地震の大きな特徴であった一部損壊世帯への支援は、非課税世帯・ひとり親世帯に3万円、100万円以上の復旧工事費がかかった場合に10万円の義捐金が出されるようになりました。しかし、8万世帯を超える一部損壊世帯の31%しかその対象とはならず、55000世帯以上が被災者にもなれなかったという事態を引き起こしました。すべての被災世帯への何らかの支援が行われるべきではないかと思います。
 また、対象地域の方々には、大変大きな復旧の事業費負担が発生した、液状化や擁壁の崩壊など地盤被害についても、対象地域住民の強い要望が国・県を動かし、基金を財源とした宅地復旧支援事業による助成が行われるようになりました。しかし、自己資金の負担ができないために、復旧に取り掛かることができない方も残されています。本格的な復旧はこれからとなりますが、自己負担をなくし、液状化対策によって完成した施設の維持管理費についても市が負担するようお願い致します。
 義捐金や生活再建支援金が、住まいや生活等の復旧に十分な金額でなかったために、災害援護資金貸付などの貸付制度が復旧に重要な役割を持つことになりました。国の定めとはいえ、公共事業の市債でも1%を切っている利息が、大災害にあった被災者に3%もの高利を負担させる制度は大きな欠陥であると言わざるを得ません。災害援護資金貸付は、直近の8月末時点で556件・9億3500万円が貸し出されていますが、無利子とすることや返済の猶予期間の延長、延滞金の廃止や保証人をなくすことなど、引き続き国へと求めていただきたいと思います。
 農業分野では、経営体育成支援事業に9億円が使われましたが、2017年1月から3月の3カ月間に契約・工事を行った人は助成の対象外となりました。すべての被災者への支援が行われるよう取り計らわれるべきではなかったかと思います。
 また、1月末で生活必需品支給の申請が終了し、罹災証明の新規申請受付、災害援護資金貸付の受付、公費解体の申請、みなし仮設の入居申請、個人市民税・固定資産税・軽自動車税の減免、農業集落排水処理施設使用料の減免申請、奨学金の返還猶予、市立学校授業料・幼稚園の保育料減免、開発許可申請等にかかる手数料免除など、さまざまな支援メニューが年度末の3月で締め切られることが決められました。特別な事情があればその後も臨機応変に対応するとの説明が行われていましたが、実際には、罹災証明発行の遅れやその他のさまざまな事情で支援メニューの申請が遅れた方々から、支援が受けられなかったという相談が相次ぎ、結果的には、支援から締め出されてしまう事態も発生しました。私どもが、再三にわたって指摘してきましたように、仮設住宅やみなし仮設など、自宅以外での仮住まいに1万世帯以上が生活されているという状況の中で、早々に支援を打ち切ってしまった市の対応は、被災者切捨て以外の何物でもなかったのではないでしょうか。その姿勢は、厳しく問われなければなりません。
 引き続き取り組んでいかれる被災者支援・復興事業につきましては、被災者の立場に立ち、誠心誠意対応していただきますようお願いいたします。
 第2に、莫大な事業費を必要とする震災復興に取り組む中で、総事業費ならびに再開発事業への補助金を含めれば450億円近くもかかる市政史上最大のハコモノ・熊本城ホール整備は、震災復興事業に位置付けられて、その事業費は聖域とされました。昨年度は、桜町再開発事業への補助金が12億円、熊本城ホール整備費用が29億円支出されました。しかも、民間再開発事業者への運転資金としての貸付は予算額通り30億円が無利子で貸し付けられました。民間再開発事業者へ30億円も無利子で貸し付けられるのであれば、災害援護資金貸付の利子に市が補てんして、災害に苦しんでいる被災者にこそ無利子での貸付を行うべきではなかったでしょうか。また、今後再開発事業が本格的にすすんでいけば、毎年熊本市が再開発と熊本城ホールに支出する予算はますます増えて、市の財政を一段と厳しいものにしていくことは間違いありません。しかも、締めくくり質疑でも指摘した花畑広場の整備や辛島の地下部分の整備なども財政に大きく影響してきます。花畑広場に隣接した民有地の買収は、まだ交渉中とのことですが、こちらも今のまま推移していけば、再開発事業が完成し、周辺の地価が桁違いに高騰したときに、今は考えられないようなとんでもない高い金額で市が買収することになるのではないでしょうか。
 そう考えると、大地震発生にもかかわらず、昨年度震災復興と位置付け、聖域としてのレールを敷いた桜町再開発・熊本城ホール整備は、大きな財政負担とともに、今後の市民サービスに大きな影響を及ぼすことが懸念されます。震度7クラスの大型地震によって未曽有の被害が生まれ、多くの人が未だ住まいの再建見通しすら立っていない中で、市政史上最大のハコモノ建設について、何ら見直すことなく事業をすすめている市の姿勢は、厳しく問われるものと考えます。
 第3に、国のすすめる社会保障の大改悪のもと、本来ならば国の悪政の防波堤となって、市民のいのち・健康・くらしを守るべきが地方自治体です。ところが、医療・福祉・教育など、市民の切実な要求の分野では、事業の内容・事業費がどんどん削減されています。
 昨年度は、子ども医療費の対象年齢引き上げに、市の負担は少なく、子育て世帯に新たな負担を求め、対象年齢だけを中学校3年生まで引き上げる方針が出されました。実施は、来年1月からとなりますが、子育てや福祉に対する市のお粗末な姿勢が、ここに顕著に示されているのではないでしょうか。
 母子福祉資金貸付の実績を見ると、貸出実績は少なく、貸すことよりも、貸したお金を取り返すことに必死になっている市の姿勢が見えました。地震の発災もあった年度ですから償還金の支払い猶予をもっと取り組んだり、違約金をなくすなど、一番厳しい生活実態にある母子家庭の実態に即した事業の実施が必要ではなかったでしょうか。敬老祝い品制度は、対象者がますます狭められ、80歳と100歳だけになりました。実績では、対象者が4割も減りました。長年社会に貢献されてきた方々に、あまりにも冷たいと思います。支給回数が削減されている国民健康保険の健康事業「あんま・はり・きゅう」への助成は、予算の5割近い2367万円が不用額となっていました。現場からは、回数を増やしてほしいという声もあり、元の年60回に戻しても、現行予算で対応できるのではないかと思います。改善を要望いたします。現場の強い要望で2015年度から実現した障がい者の燃料費助成制度は、実施している政令市のほとんどが知的障がい者に限らず、身体や精神の手帳所持者にも支給されています。早急なる改善をお願いいたします。さくらカード事業は、ICカード化によって障がい者のパス券がなくなり、利用実績が大きく落ち込みました。さくらカード事業は、利用されてこそ、その目的である障がい者・高齢者等の社会参加の促進を図ることができます。ICカード化によって、利用しにくくなったという声が多数寄せられています。障がい者のパス券復活を強く要望しておきます。
 教育分野でも、学校図書館・市立図書館の蔵書予算が削られたり、図書館司書や学校図書司書補助員の方々はお粗末な処遇の中で働かれています。
 ご紹介したのは一部ですが、医療・福祉・教育での貧しい事業の実態は早急に改善されなければならないと思います。
 第4に、市のすすめる行財政改革の中で、民間委託や指定管理者制度導入が広がっています。公の業務を民間にゆだねる中で、現場には非正規雇用がどんどん増えるとともに、位置づけは正規職員であっても非正規並みの処遇で働く職員も増えています。今議会で、複数の議員から指摘がありました。同じ仕事をしているのに、あまりにも違うその待遇は、モチベーションも上がらず、経験も積み重ならず、長期的な視野でみれば、行政の業務に一番必要な人材育成に大きなマイナスとなるのではないでしょうか。正規雇用の職員を確保し、同じように働いたら同じ賃金・報酬を補償すべきと考えます。特に、生活保護業務の現場に、非正規ケースワーカーの配置が常態化しています。現在の社会情勢を反映して、高いスキルの求められるケースワーク業務のはずが、充足率も達成しないばかりか、非正規で穴埋めするような現状は即刻改善されるべきであると考えます。
 他の政令市では当たり前になっている非正規職員の交通費実費支給についても、直ちに改善していただくよう要望しておきます。
 縷々述べましたが、指摘致しました点を十分踏まえ、今後の市政運営を行っていただくようお願いいたしまして、反対討論といたします。

9月議会 熊本城ホール設置条例に対しての反対討論 那須円

2017年9月22日 ダウンロードはこちら(PDFファイル 268KB)

 日本共産党熊本市議団の那須円です。議題192号熊本城ホール設置条例に対して、反対討論を行います。
 本条例には、施設の名称やその目的、指定管理者制度の導入や管理者の担う業務、さらには市民が実際に利用する際の利用料の基準となる使用料が規定されています。
 賛同できない1点目は、既存の市内同等施設と比較し、高額に設定された使用料のために、市民にとって利用しづらい施設となりかねない点です。熊本城ホールの設置目的は、条例でも謳われているように「地域経済の活性化と地域文化の発展に寄与すること」であります。 地域の文化サークルの発表会や地域の文化団体により多彩な文化催事が開催され、多くの市民に利用されてきた産業文化会館が閉鎖され、中心市街地における中規模ホールの整備は多くの市民の願いでもありました。しかし、今回示された使用料については、その1.5倍以内の範囲で、指定管理者が利用料を設定できるものの、旧産文会館、また市内の同規模施設と比べ物にならないほどの高額に設定されています。例えば、土日の終日、非営利での利用をする場合の利用料については、700席の旧産文会館が6万6千円でありましたし、既存施設でいいますと489席の森都心プラザホールが5万2800円、594席の火の君文化ホールが3万3千円、601席の植木文化ホールが3万1500円となっているのに対し、750席の熊本城ホール多目的ホールが32万7600円と最大で10倍ほど高くなっています。メインホールも同様で、同条件で比較すると1591席の市民会館が17万1600円、1810席の県立劇場コンサートホール23万3280円に対し、熊本城ホールは、87万3600円とやはり既存施設と比べると大変高額に設定されています。使用料については、政令指定都市16施設の平均をもとに設定されたとのことですが、利用する市民や文化団体、地域文化サークルなど利用者の声から、どのような料金設定が文化の発展に寄与するのか検討がなされるべきでありました。
 2点目は、指定管理者制度による運営が規定をされていますが、これら運営に関する点であります。経済分化会でも指摘をしましたが、今回指定管理期間が5年ということになっており、指定管理者は条例の規定に沿って、イベント等の誘致をすることになります。しかし、指定期間の後半には、2年3年先のコンベンションや催事など自らが管理運営に携わっているのかわからないイベントの誘致をすることとなります。当然、催事に関わる様々な工夫、オプション設定、料金設定など、指定管理者が替われば、それらも変わってくることになります。イベント誘致に向けて、相手方と積み重ねてきた計画そのものが大きく変わりかねないこうしたリスクをどう回避していくのか?総括質疑では、「他都市の事例も参考にしながら検討する」との答弁が大西市長からなされたわけですが、こうしたリスク管理についての考え方や対応を明確にしていないことは大きな問題だと言わなければなりません。
 また、今回指定管理料については、0円となっており、指定管理者は、料金収入をもとに、施設の管理運営、イベント誘致を行っていくことになります。確かに、他の指定都市の中では、福岡、神戸、大阪、名古屋、大宮、埼玉、札幌など都市圏人口も多い大都市では、指定管理料ゼロとし、運営を行っている施設もあります。一方、熊本市と同規模の施設を見てみますと、岡山市は指定管理料ゼロとなっていますが、静岡が約9億3000万円、浜松が8億6千万円、新潟が6500万円と独立採算での管理運営は難しく、少なくない指定管理料が発生しています。こうしたことからも、今回指定管理料をゼロ円とすることが果たして可能であるのか、妥当であるのか?その根拠や積算も含め示されるべきでありますが、公募時の公平性を損なうとの理由で示されていません。確かに、詳細な単価や積算は難しいにせよ、ホール使用料の設定や催事見込み数、人件費や管理費、誘致活動に関わる経費など、指定管理料がゼロということで運営可能とする市の判断の根拠は示されてしかるべきであります。昨年、総務省が「公の施設の指定管理者制度の導入状況等に関する調査」を3年ぶりに実施し、公表した結果によると、2015年4月1日時点で全国で指定管理者制度を導入している施設数は7万6788施設。そのうち、過去3年間で指定管理者の指定の取り消し、取りやめ、業務の停止があった施設は2308施設もあります。そのうち「指定管理者の経営困難等による撤退(指定返上)」「指定管理者の業務不履行」などを理由に、取り消しとなった施設が696施設に上ることが示されました。こうした全国の事例からも、指定管理の管理料も含めた条件が適切であるのか、具体的な根拠も示されない状況での条例制定は認められません。
 3点目は、熊本城ホール整備そのものの問題であります。現在、桜町再開発において、基礎工事、杭工事が着々と進められています。しかし、ホールそのものの取得費や備品代約300億円、大規模修繕費用年2.7億円、市がMICE施設を整備することで参入する桜町再開発への補助金が市負担分で63億円、市債に関わる利子分の支払い等々、本市財政に与える影響は大きなものがあります。また、経済波及効果についても熊本県内で、170億円という数字は出ていますが、市内における効果額がどれほどとなるのか、この議場で他会派の議員からも質問が出されましたが、未だその答えは示されていません。また波及効果のもととなる消費行動についても、イベントや催事の誘致において呼び込んだ人々のその消費先は、国内移動に関わる航空会社であったり、コンサートやイベントの主催者への支払いとなるチケット代であったり、市域外へ流出してしまう消費額がかなりの部分を占めることへの疑問も訴えてきました。震災からの復興に必要な事業だとの説明はありますが、結局、県内の経済波及効果170億円のうち、地震により被災した地場の企業にどれだけ回るのか現在に至るも示されていません。本来なら明らかにされるべき議論が深められないまま、工事だけが着々と進む。その一方で、公共施設等総合管理計画の下で、所有している公共施設の更新費用が賄えないと、既存の施設の床面積を2割削減しようと具体化が迫られる。地震によって住宅の確保もままならないこうした被災者が多く残されている状況もあります。このような状況下で、MICE整備それこそ聖域として、整備が進められてきたそのものの問題も指摘したいと思います。
 以上、市民が利活用できる施設となりえないこと、管理運営の在り方等と合わせ、賛同できない理由を述べ、討論といたします。

9月議会 「北朝鮮核・ミサイル意見書」賛成討論 山部洋史

2017年9月22日 日本共産党 山部洋史 ダウンロードはこちら(PDFファイル 255KB)

 日本共産党熊本市議団の山部洋史です。
 私は「北朝鮮に対し核兵器・ミサイル開発の中止を要求するとともに平和的・外交的な対応を求める意見書」に賛成の立場で討論を行います。
 まず冒頭に、私は、北朝鮮が9月3日、6回目となる核実験を強行したこと、そして今年に入って14回にも及ぶ弾道ミサイル発射という無法行為について、強い憤りを持ってこの暴挙を糾弾し、断固として抗議するものです。
 北朝鮮の核実験や弾道ミサイルの発射は、世界と地域の平和と安定にとって重大な脅威です。何度もあげられた国連安保理決議、北朝鮮も含めた6カ国協議の共同声明や、日朝平壌宣言に反する暴挙であり、核実験についても、核兵器をなくそうという国際社会の流れに真っ向から背くものです。
  
 万が一、核兵器や弾道ミサイルが実際に使用されたら壊滅的な被害がでます。世界と地域の平和と安定を破壊し、おびただしい犠牲をもたらす軍事衝突は絶対に避ければなりません。
 もちろん緊張の激化という点では、北朝鮮の側により大きな責任があることは明らかです。しかし同時に、いま最大の危険は、北朝鮮と米国との軍事的緊張がエスカレートするもとで、当事者たちの意図にも反して、偶発的な事態や誤算などによって軍事衝突が引き起こされる現実の可能性、危険性が高まっていることです。
 米国のペリー元国防長官やシュルツ元国務長官はじめ北朝鮮問題特使や上院外交委員長の経験者らも、「最大の危険は、戦争につながる可能性のある計算違いや誤解である」とし、そうしたことから最悪の事態が起こりかねないことを指摘しています。
 偶発的事態であれ、誤算であれ、軍事衝突が引き起こされるならば、地域に与える損害は計り知れず、その被害は日本にも深刻な形で及びます。
 軍事衝突を回避するためには、米朝両国に強く自制を求めるとともに、現在の危機を打開するために、直接対話に踏み出すしかありません。「今は対話の時ではない」どころか、今こそ対話に踏み出す時です。
 対話は北朝鮮への譲歩でもなく、まして核武装を容認することでもありません。とりわけ、無条件の直接対話ということは、北朝鮮に対しても「何らの条件もつけさせない」ということです。こうした措置は、軍事衝突による悲劇を避けるための意思疎通に必要な手段です。
 しかし、安倍政権は「今は対話の時ではない」などといって、あからさまな対話否定論にたっています。
 トランプ政権自体が軍事圧力を強化しつつも、対話を模索しているのに比べても、安倍政権の圧力一辺倒で対話否定論に固執する姿は際立っています。
 また安倍政権は、「米国は日本に対し拡大抑止―核兵器による抑止―を含む抑止力を提供している」などと核による報復をも示唆する行為を容認し、軍事力を含むすべての選択肢をテーブルの上に乗せているというアメリカ政府の発言を歓迎しています。
 今月21日に安倍首相がおこなった国連総会での演説でも、北朝鮮に対しては、「必要なのは対話ではない。圧力だ」と強調。米国が軍事行動を含む全ての選択肢を検討していることを「一貫して支持する」と語りました。
 さらに政権は、北朝鮮問題を理由に、来年度予算の概算要求では、専門家が迎撃は技術的に困難と指摘する「ミサイル防衛」なども含めに、過去最大の5兆2千億円もの軍事費を要求しました。
 
 今月11日、全会一致で採択された国連安保理決議は、経済制裁強化の措置を決定するとともに、「緊張を緩和する努力」「対話を通じた平和的で包括的な解決」を加盟国に呼びかけています。
 スイスのロイトハルト大統領は、「対話のときがきている」とし、同国を対話の場に仲介役を担う用意を表明し、ドイツのメルケル首相も「対話への我々の参加が望まれれば、私は即座に応じる」と語っています。
 このように、世界は外交問題を平和的に解決しようという流れで動いているのです。
 危険な軍事対応の激化ではなく、国連安保理の声明が強調しているように、対話を通じた平和的、包括的な解決を促進する取り組みこそ抜本的に強めなければならなりません。いま日本政府に求められるべきは、そのための働きかけを先頭に立って行うことです。
 そのことを重ねて強調いたしまして、私の討論といたします。

2017年9月議会 補正予選反対討論 那須円

2017年9月22日 日本共産党 那須円 ダウンロードはこちら(PDFファイル 279KB)

9月議会 補正予選反対討論   日本共産党 那須円
 日本共産党の那須円です。議第178号平成29年度熊本市一般会計補正予算について、これは8月中に出された補正予算の方でありますが、賛同できない点を述べ、討論を行います。
 1点目は、辛島公園地下駐車場改修設計経費、辛島公園地下通路改修経費についてであります。今議会に突如として、本設計経費が提案されましたが、改修費用は総額10億円相当と見込まれ、本市財政に与える影響も少なくありません。大西市長は、先日の締めくくり質疑の答弁の中で、「設備に老朽化がみられることにくわえ、再開発事業や広場と一体的に整備することにより、利用率や魅力の向上、長寿命化やトータルコストの縮減が図れるなど相乗効果が見込める」との説明を行いました。老朽化ゆえの改修や予防保全による長寿命化という点では、一定理解ができるのですが、であるのならば、事前に改修計画を立て、中期財政見通しに反映させておくべきであります。この地下駐車場や通路の改修については、中期財政見通しに反映されていないばかりか、当初予算にすら計上されていません。また、市長は、「再開発事業や広場と一体的に整備することで利用率や魅力が向上する」と答弁しました。しかし、こうした理由があるのならば今年4月に策定された熊本市中心市街地活性化基本計画においての実施事業に位置付けておく必要がありますが、記載すらない事業です。
 本年6月議会に、熊本城ホールに指定管理者制度を導入し、辛島公園地下駐車場を一体的に管理させるとの方針が出され、そしてその3か月後の今議会に総額10億円ほどと見込まれる地下駐車場改修の設計経費が計上される。こうした唐突な、事業の進め方や予算執行の在り方は認められません。
 熊本地震後、市の財政がどうなっていくのか、これまでも議論がなされてきたわけでありますが、本年3月に示された熊本地震に伴う財政影響試算においては、震災からの復旧に向け175億円という不足額が発生し、それを補うために、総人件費の抑制、事務事業の見直しなど、身を削るような取り組みが余儀なくされている状況であります。また、熊本地震における被災者支援の水準も一部損壊世帯への支援なども含めまだまだ十分ではありません。こうしたなかで、わずか半年前の当初予算にもでてこなかった事業が突然提案される。中心市街地活性化基本計画にも記載されていない事業が唐突に出されるというのは、公共事業の在り方、財政運営の在り方からして容認できるものではありません。再開発にかかわる事業ならば、聖域のように事業をすすめるというやり方は改めるべきであると率直に指摘をしたいと思います。
 2点目は、小学校の給食調理業務委託費についてであります。小学校の給食調理業務については、食育の観点から非常に大事な役割を担っているものですし、アレルギーなどへの配慮や災害時の炊き出しなどの緊急的な対応など大変重要な業務であると認識しています。とりわけ、熊本地震を受け、食料等の提供体制が整うまでの、炊き出しや食事の提供など課題も残されました。震災等の災害時の対応など今後果たすべき役割を考慮すれば、民間ではなく市が直接責任を持ち、運営が行われるべきものだと考えます。
 加えて、城南図書館、城南児童館、東部および南部の在宅福祉センターや東および富合老人福祉センター等の指定管理料に関する債務負担行為が提案されています。学校給食の民間委託も含めてでありますが、公務労働の現場に徹底したコスト主義や効率主義が持ち込まれ、行財政改革の名の下で、官から民へのアウトソーシングが行われてきました。行政側の視点のみで見るのならば人件費の縮減という効果が生まれるものの、働く方々の雇用形態は、非正規労働者に置きかわるなど、雇用の不安定化や賃金低下を招くことは否めません。委託先や管理者に人材派遣業を担う民間企業も少なくない中で、大きな社会問題となっている貧困・格差の拡大を助長しかねず、これらの委託及び指定管理に関する予算には賛同できません。
 3点目は、熊本地震における被災者支援についてでありますが、この9月末をもって医療費の減免制度および国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料の減免制度が打ち切られようとしています。震災から1年5カ月が経過をしました。私も仮設住宅入居者をはじめアンケートや聞き取り調査などを行ってきましたが、少なくない被災者が震災後の体調悪化を訴えられています。山部議員の一般質問においても指摘がありましたが、東日本大震災後2年で医療費減免の打ち切りが行われた宮城県では、「すぐに命にかかわるもの以外は治療をやめる」、「通院を減らす」などの切実な声が寄せられ、医療費減免打ち切りが受診抑制を招くことになりました。専門家の分析において、震災後、新たにかかった病気として、高血圧、高脂血症、糖尿病、精神疾患、心臓病、腎臓病などへの罹患が主な特徴であるとの報告もあります。いずれも、治療の遅れや受診の遅れが重症化を招き、命に直接かかわるものばかりであります。東日本大震災の教訓をしっかりと汲むのならば、本議会補正予算に医療費減免継続に向けた補正が提案されるべきでありますし、少なくとも震災後の詳細な健康調査を実施するための予算等が提案されるべきであります。
 9月に入り県の復興基金を財源とする補正予算も提案されていますが、被災者の生活再建や健康被害悪化防止に向けた取り組みが不十分である点を率直に指摘したいと思います。
 以上が賛同できない理由であります。再開発や熊本城ホール整備に関わるかたちで当初予算にも出てこなかった辛島公園地下駐車場の改修計画が進められる、その一方で、被災者の命に係わる医療費減免が打ち切られてしまう。こうした取り組みで被災者の生活再建が最優先といえるのか、市および大西市長の姿勢が厳しく問われることを指摘し、反対討論といたします。

9月議会 熊本市議会 総括質疑

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 2017年9月議会 熊本市議会 総括質疑
 那須円
 
 日本共産党熊本市議団の那須円です。
 昨年度の決算においては、熊本地震の影響により本来予定していた事業が中止・見送りとなったもの、また人不足、資材高騰など入札の不調・不落によるものなど、予算通り執行できなかったものが多く見受けられました。本来ならば、執行残について一つ一つの検証を行うべきでありますが、時間の制約もありますので、本日は、熊本地震の被災者にとって最も切実な課題の一つである、震災後の被災者支援や生活再建にむけた取り組みに関して、お尋ねをいたします。
 まず、決算状況報告書の36ページに記載されています市営住宅に関する事項、住まいの確保と再建の取り組みについてお尋ねいたします。
 地震直後の避難生活、そして避難所の集約化、さらには昨年8月には最後の避難所となっていた市立体育館の閉鎖後、多くの被災者が市内9か所に設置された仮設住宅、民間の賃貸住宅、市営住宅、特優賃住宅に身を寄せ生活されています。
 決算状況報告書の検証指標、実績値の状況等の欄に、仮設住宅から恒久的な住まいへの移行率が記載されているわけですが、昨年度の数値が4.2%となっています。まずお尋ねいたしますが、仮設住宅等に入居されている数、さらには恒久的な住まいへの移行できた方の実際の数字は何件ということになるのでしょうか?
 H30年度には、恒久的な住まいへの移行率100%という数値が記載されていますが、どのように達成するのか、手法やスケジュール等具体的にお答えください。政策局長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 昨年度の実績値で、419件が恒久的な住まいに移行され、約10062万世帯の方々が仮設住宅棟で生活をされているとのことでした。また、直近の数字、8月末時点での状況もご答弁いただきましたが、1284世帯が恒久的な住まいに移行されているとのことでありますが、一方で、4月以降も仮設住宅等への入居は続いており、入居世帯は、昨年度末よりも約600世帯増加していることもわかりました。
 震災が発生した28年度については、仮設住宅の整備やみなし仮設入居などの受け皿づくり、またその見守り支援などが主な取り組みだったと思いますが、生活再建ということでいえば、仮設住宅から恒久的な住まいへの移行をどのように図っていくのかということの取り組みも同時に進めていく必要があるかと思います。そうした意味では、仮設入居者への意向調査なども昨年度は行われています。市営住宅入居意向調査において、入居を希望する世帯がどれだけいらっしゃるのかその推計とともに、どのような計算でその推計値がだされたのかお答えください。政策局長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 どれほどの仮設入居者が市営住宅等に入居を希望しているのか、この実態を把握することは、今後の災害公営住宅の整備戸数や生活再建の取り組みを見定めていくうえで非常に大切だと思います。
 市の推計は1295世帯が、市営住宅入居希望ということでした。しかし、答弁にもありましたように、調査時点で7879世帯の対象者、そして回答者は4509世帯。回答率は、57%というなかで、実際回答した4509世帯のうち市営住宅に入居を希望している世帯が1295世帯ということでありますので、本来ならば、その比率を現在の仮設入居世帯10696世帯に引き直し、推計しなければならないと思います。見通しが甘いのではないかと言わざるを得ません。調査時回答した4509世帯のうち、1295世帯が市営住宅を希望しているわけですから、入居希望率は29%、現在の仮設入居世帯1万700世帯で推計しなおすと3071世帯ということになります。今後の生活再建と住まい再建の基礎的な調査データになりますので、推計の在り方がどうなのか、その見直しも含め再検証いただきたいと思います。
 
 そこで、恒久的な住まいの確保について具体的な取り組みについてお尋ねいたしますが、これまでの明らかされている方針は、新たに建設する災害公営住宅が150戸、これは今後増やす方針とのことでありますが、そのほか既存市営住宅のストックで対応するとのことであります。
 ただ、新たな災害公営住宅についても現在の150世帯から増やす方針とは言うものの、どれだけ増やすのか具体的には示されていません。また、既存市営住宅のストックを活用するということですが、具体的にどの程度、活用できるのか数字も示されていません。
 そこでお尋ねいたしますが、最終的にどれほど新たな災害公営住宅を整備する予定でしょうか?また、市の推計でも1300世帯近くの市営住宅入居希望者に対し、入居可能な市営住宅をどう確保していくのか、より具体的な見通しをお示しください。都市建設局長にお尋ねいたします。
 
 答弁
 
 市営住宅の活用については、年間500〜600世帯の退去があることから、こうした部屋の活用、さらには、空き室修繕によって約500戸の整備を行っていくとの答弁でありました。具体的な数字が示されたことは、大変重要だと思います。
 
 この答弁も踏まえ、大西市長にお尋ねいたします。市長も、仮設住宅等に入り、被災者の実態を聞いてこられたことかと思います。いま、切実な要望は、期限の切られた仮設住宅入居後の住まいの確保をどうするかということです。東区の仮設に入居されている一人暮らしの高齢者の方は「自宅は全壊。残された土地を売って民間の賃貸住宅に入る予定だったが、宅地の被害が思った以上に大きく売れず、見通しが立たない。民間の家賃では生活が厳しく、市営住宅に入居したい」。北区のみなし仮設に入っている高齢者の方は「自宅の再建は断念し、入居期限がきたら、どうなるのか不安。少しでも見通しがつけばと思い、8月の市営住宅定期募集に応募したが、あたらず不安は増すばかり」こうした声が多くの仮設入居者から寄せられています。せめて、仮設の期限を迎えたとき市営住宅に入れることが決まっているのならば、不安は軽減できるのにという声を多く聞いてきました。入居期間の延長については、現在国・県で協議が行われているとのことでありますが、被災者の思いは、一日も早く恒久的な住まいで安心して暮らしたいというものです。そうした方々に、将来の見通しを示す意味でも、市営住宅を希望する方は、その希望通り入居できるこうした方針を市としていち早く打ち出す必要があると感じます。そこで、大西市長にお尋ねいたしますが、先ほど、仮設後の住まいの確保について、具体的な取り組みも合わせ答弁があったわけですが、仮設住宅入居者で、市営住宅に希望する方は、もれなく入居が可能であるということでいいのか?また、その方針を早く固め、仮設入居者に通知していただきたいと思いますが、いかがでしょうか?
 
 答弁
 
 全ての仮設住宅等入居者の恒久的な住まいへの移行に万全を尽くしてまいるとの答弁でありましたので、正確な実態把握に努めていただき、その見通しを一日も早く示していただきたいと要望いたします。
 
 次に、市営住宅への入居希望と希望居住地域とのギャップについてお尋ねします。
 土地勘のある地域、住み慣れた地域で生活をしていきたいというのは仮設入居者のみならず、当たり前の思いであると思います。また、中央区の仮設等にお住まいの方の声ですが、市営住宅に入居を希望しているが、現在の居住校区には市営住宅がなく、子どもさんが転校しなくてはならない。子どものためにも現在の居住校区での生活を継続したい。とのご相談も寄せられています。
 昨年度から市営住宅の入居希望調査と合わせ、居住希望地の調査が行われています。たとえ市営住宅のストックを活用したとしても希望した地域に住むことができない、つまりは希望居住先に市営住宅がない校区が17校区、199世帯の方がいらっしゃいます。また、各区の市営住宅の整備戸数もおのおのであり、例えば市営住宅整備戸数3994戸と最も多い北区への入居希望者が76世帯に対し、市営住宅整備戸数が1339戸と最も少ない中央区への入居希望者が293世帯となるなど、熊本市内の全体の総数のみでは見えてこない課題も生じると思います。さらには、低層を希望する人も20%ということもあり、必ずしも既存の市営住宅ストックで対応できないギャップも生じてくることも考えられ、こうした世帯への対策も必要となってくるのではないかと考えます。県営住宅のストックも活用するとの殿と答弁もあったところですが、新規の災害公営住宅、さらには既存の公営住宅で対応できない、子どもの転校等の理由で居住希望地域とのギャップを解消していくためにも、既存の民間住宅を利活用する形で、市営住宅との家賃の差額補助制度なども必要ではないかと考えますがいかがでしょうか?政策局長にお尋ねいたします。
 
 答弁
 
 是非も含め、検討との答弁でした。今後各自治体の配分される県基金の活用など、可能な手立てをとりながら、こうした課題の解消に努めていただきたいと思います。
 みなし仮設住宅への見守りが、市民病院の看護師によってなされている。対応件数とともに、具体的にどのような困難に直面をしているのか、実態について把握しているものを応えていただきたい。政策局長にお尋ねいたします。
 
 答弁
 みなし仮設入居者には、答弁いただいたように見守り支援が行われていることはわかりましたが、私自身が一議員として実態をつかもうにも、応急仮設住宅のように言って聞き取りをすればある程度実態がつかめる場合と違い、誰がどこに住んでいるのか情報がないために、具体的な実態をつかむことができません。ぜひ、具体的な課題も含め、議会とも情報共有をいただきながら、取り組みを進めていただきたいと思います。
 最後の一人まで、生活と住まいの再建が果たせるよう、親身な支援を求め私からの質疑といたします。

2017年9月議会・予算決算委員会総括質疑「育成クラブ・図書館」

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 予算決算委員会総括質疑「育成クラブ・図書館」
 上野 みえこ
 
 この間、教育分野で大きな前進面となったのが小中学校へのエアコン設置です。昨年度は、中学校で設置工事が、小学校では実施設計が行われ、今年の夏、中学校ではいち早く利用が開始されました。快適な環境の中で授業に、現場からは喜びの声が届いています。教育分野の環境整備にさらに力を入れていただきたい、その思いでお尋ねしてまいります。 
 まず、児童育成クラブです。
 熊本市の児童育成クラブの入会児童数は、年々増え、直近の5年間で1260人増え、約1.3倍になっています。そのため指導員の必要人数も増え、担当課でも指導員確保には大変苦労されています。
 第1に、指導員の報酬は時給870円です。市役所内の職種で時給計算となっている中で、最低の金額です。指導員確保と処遇改善のためにも、是非引き上げを検討すべきではないでしょうか。
 第2に、当該校区とその近隣で指導員を確保できない場合は、少し離れた校区からの採用も必要となります。実際そういう運用も行われています。一部の育成クラブでは物理的な条件を生かし、離れた校区からの通勤してくる指導員の駐車スペースを確保しています。採用をスムーズにする条件の一つとして、駐車スペース確保を学校と協議しながら積極的に取り組んでいただきたいと考えますがいかがでしょうか。
 第3に、入会児童数が増えたことで、一人当たりの施設面積が狭隘になっている施設がかなり見られます。保護者の方々からもゆとりある環境での保育を望む声が寄せられています。現在、熊本市の条例による基準は、ひとり1.125uとなっていますが、国の規準としては、2014年にひとり1.65uという面積基準が示されています。子どもたちが放課後を過ごす大切な場所としてその需要はますます増える傾向にあり、適切な環境を保障することは極めて重要です。施設面積の基準を国基準へと引き上げていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
 以上3点、教育長に伺います。
 
 (答弁)
 
 施設面積の確保では、国と比べ低い熊本市の規準でも、80ヵ所のうち35ヵ所、半数近くのクラブが規準に達していません。市としても、国基準の充足をめざしているとのことですので、施設整備や学校教室の活用など、積極的に取り組んで、早急な環境整備をお願いいたします。
 
 続けて、学校図書館および市立図書館についてお尋ねいたします。
 第1に、熊本市の学校図書購入費は、他の政令市と比べて最低レベルです。また、標準冊数に対する達成率も、小中学校共に達成ずみとの報告ですが、学校単位でみると、未達成は小学校で23校・24・2%、中学校では17校・40・5%です。すべての小中学校で達成できるよう更なる予算確保が必要と考えます。また、かなり古い蔵書も見られますので、適切な更新を行い、子どもたちが利用したくなるような図書室にしていくことも必要です。以上の点から、年々減り続けてきた図書購入費を増額すべきではないでしょうか。
 第2に、本市ではすべての小中学校にいち早く司書補助員の全校配置を行い、その運用は定着しています。人の温かみのある図書室は、子どもたちにとっても居心地の良い場所となっており、司書補助員の役割は大変重要です。もともと図書司書は、極めて専門性の高い職種です。しかし、本市では、臨時職員の位置づけで採用され、1日5時間勤務で日給4115円です。時給計算に直すとわずか823円です。せめて嘱託職員の位置づけにし、賃金を引き上げるべきではないでしょうか。
 また、現在配置されている134人の司書補助員のうち、図書司書資格保有者は半数にも満たない49%です。図書司書の専門性が十二分に発揮され、図書館が子どもたちの知の宝庫としてますます充実したものになるよう、100%図書司書資格者が採用されるように取り組んでいくべきではないでしょうか。
 つづけて、市立図書館についてお尋ねいたします。
 図書館において、資料購入はその命です。しかし、その資料購入費が年々減り続けています。市立図書館5館における今後の資料購入費確保の見通しについて伺います。
 また、現在市役所の非正規化が大きな問題となっています。特に、専門性が問われる職種では、経験を積んでいくことがスキルの高い業務につながっていくにもかかわらず、市立図書館では専門職である図書司書は31人のうち24人、77%が嘱託となっています。正規職員はすべて5年以上、20年、30年と経験を積んだ人がいる一方で、嘱託職員は、最長で6年、半数近くが1〜2年目の方です。経験を積んだ司書職員育成のためにも、今後は図書司書資格者の採用が必要だと思われますが、見通しをお示しください。
 以上、教育長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 図書購入費については、閉校となった松尾3校の図書の活用で蔵書数・蔵書率の拡充に取り組んでいかれるようですが、政令市の比較では、児童数の多い少ないがあり単純には比較できないかもしれませんが、政令市で一番少ない図書購入費の増額こそ必要ではないでしょうか。また、蔵書の更新については、標準冊数を超えた学校で、基準に則って更新を実施しているとの答弁でしたが、それは考え方が違うのではないでしょうか。全国学校図書館協議会が制定した「学校図書館図書廃棄基準」では、「学校図書館では、利用者の立場に立って適切で優れた図書の選択収集に努め、かつ常に蔵書の更新を行う必要がある」と定められており、標準冊数の達成とは別に、更新は常に行うべきものであると位置づけています。予算シーリング等もあり、予算確保は大変厳しいかと思いますが、優れた図書を子どもたちに提供するためにも、市立図書館と合わせて、図書購入費増額を強く要望しておきます。
 司書業務補助員の雇用では、有資格者の雇用拡大に努めるとのこと、頑張っていただきたいと思います。一方、処遇改善では、臨時職員の賃金単価表により賃金が支給されているので、臨時職員扱いです。しかし、現行の雇用形態は、夏休み・冬休み・春休みを除き、同じ職員が同じ学校に勤務し、最長で5年は継続して働くことができます。司書業務補助員の全校配置が実施されて以来、恒常的に必要な業務として、補助員の方々は働かれてきました。
 教育長に、1点伺います。地方公務員法の逐条解説では、「地方公共団体の事務は一時的な要因によって事務が増加したり、法定されている任用手続きが欠員の補充の必要とされる時期に間に合わないことが起こりうる。このような場合に、弾力的に対応することができるように設けられたのが臨時的任用の制度である」と述べられており、臨時職員は一時的な繁忙に対応するために、臨時的に採用される制度です。この点をご存知でしょうか。
 
 (答弁)
 
 ・・・・・・・
 先ほど紹介した地方公務員法の逐条解説では、続けてこのように述べられています。「臨時的任用制度は、本来、一時的、臨時的な場合に限って例外的に用いられる制度であるが、これがとかくルーズに流れ、常勤的非常勤職員という変則的な現象を発生させる温床となっているきらいがある」と指摘しています。本市の司書業務補助員は、まさにこの状態ではないでしょうか。指摘しましたように、恒常的な雇用の場である司書業務補助員は臨時職員であってはいけません。せめて嘱託職員として、専門性も適切に評価し、処遇の改善を図っていただきますようお願いいたします。
 市立図書館5館では、森都心プラザ図書館・城南図書館の2館が指定管理で運営されています。司書資格者の雇用はなされているものの、継続した雇用となっているのか、経験が蓄積されているのかなど、その把握を常時行うことは難しい面もあります。図書館への指定管理者制度導入は、全国的にも多くの問題が起こっており、なじまないと指摘されています。今後、適宜に検証を行うべきことを求めます。
 
 最後に市長に伺います。
 今回取り上げた児童育成クラブと図書館、それぞれの事業がさらに充実したものとなるためにも、その人材確保が重要です。児童育成クラブ指導員・学校図書館司書業務補助員・図書館嘱託司書等、非正規職員の処遇改善に努めるべきです。人間的な労働を保障し、生きがいを持って働いていただくためにも、他都市では当たり前になっている交通費の実費支給を始め、低い賃金の引き上げ、昇給・一時金・退職手当等の支給等を検討していくべきではないでしょうか。
 市長に、見解を伺います。
 
 (答弁)
 
 非正規職員の処遇については、これまでも順次改善を図ってきたとの答弁でした。確かに、交通費についても払われていなかったものが、わずかに支給されるようになり、金額も少しずつ引き上げられてきています。今後は、地方公務員法の改正を受けて、更なる改善の準備を進めているとのことですが、他の自治体では、これまでも昇給・一時金・退職手当等の支給等行われてきた自治体もあり、交通費に至っては、実費支給でないのは政令市の中でも熊本市だけです。法改正を待たずとも改善はできたはずです。児童育成クラブや学校図書館司書業務補助員など、一定のスキルが求められる職員の方々の処遇があまりにもお粗末だと思います。現状を把握していただきたいと思います。そして、非正規職員がどんどん増える現状を改善し、正規雇用が当たり前の雇用への転換が必要であるとともに、非正規で働く職員の処遇改善は、熊本市だけができていないというような遅れた現状を早急に改善していただくように要望して、質疑を終わります。

核兵器禁止条約の早期批准を求める意見書(案)

熊本市議会2017年9月議会

 日本共産党熊本市議団提出

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 核兵器禁止条約の早期批准を求める意見書(案)
 
 今年7月にニューヨークの国連本部で開かれた「核兵器の全面廃絶につながる、核兵器を禁止する法的拘束力のある協定について交渉する国連会議」は、核兵器禁止条約を、国連加盟193カ国の63%にあたる122カ国の賛成で採択した。
 人類史上初の核兵器禁止条約の採択は、日本の被爆者をはじめ「核兵器のない世界」を求める世界各国と市民社会の多年にわたる共同のとりくみが結実した、文字通り、歴史的な壮挙と言えるものである。条約は、核兵器を全面的に違法化するとともに、核兵器完全廃絶に不可欠な核保有国とその同盟国の条約参加にも門戸を広く開いている。また、国際社会がここに到達するまでの「ヒバクシャ」や「市民」の役割についても強調されている。
 高齢化した被爆者の思いに応え、一日も早く核兵器をこの地球上からなくすためにも、採択された核兵器禁止条約に多くの国が参加し、違法化された核兵器の廃絶を世界の多数者世論にしていくことが極めて重要である。
 平和首長会議の加盟都市として、また「平和都市宣言」を行った自治体として、人類の悲願である核兵器の廃絶がすみやかに実行されていくよう、政府が、この度採択された核兵器禁止条約に参加、批准することを強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 2017年9月 日   熊本市議会
  各宛1通

北朝鮮に対し核兵器・ミサイル開発の中止を要求するとともに平和的・外交的な対応を求める意見書(案)

熊本市議会2017年9月議会

 北朝鮮に対し核兵器・ミサイル開発の中止を要求するとともに平和的・外交的な対応を求める意見書(案)
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 熊本市議会2017年9月議会  日本共産党熊本市議団提出

 北朝鮮の核兵器・ミサイル開発をめぐる米国と北朝鮮の間の緊張が、軍事衝突の危険性をはらむ新たな事態へと深刻化しています。
 国連安保理が新たな制裁決議を採択したことに対して、北朝鮮はグアム島周辺への包囲射撃を検討していると表明し、米国を強く軍事的に威嚇しました。
 一方、米国のトランプ大統領は、北朝鮮の威嚇に対し、軍事的対応も含めた姿勢を示しています。
 米朝両国が、直接相手の意図を確かめるすべのないまま、軍事的恫喝の応酬をエスカレートさせることは、当事者たちの意図にも反して、偶発的な事態や誤算による軍事衝突につながりかねません。日本を含む隣国に対してもおびただしい犠牲をもたらすとともに、本市に被害が及ぶ可能性も否定できず、軍事衝突は絶対に回避しなければなりません。
 一方で、米国のティラーソン米国務長官は8月15日、「われわれは対話に至る道を見いだすことに関心を持ち続けている」と述べ、改めて外交解決を目指す姿勢を示しました。また、ドイツのメルケル首相、欧州連合(EU)のモゲリーニ外相、ロシアのラブロフ外相、中国の習近平国家主席など、国際的にも多くの国が、対話と交渉を通じた政治解決を目指す必要性を改めて訴えています。
 日本政府におかれましては、日本の安全と国民の生命を守るために、以下の点を要望するものです。
 
 (1)現在の危機が引き起こされた根本は、北朝鮮が、累次の国連安保理決議に違反して、核兵器・ミサイル開発を進めてきたことにあります。北朝鮮に、国連安保理決議を順守し、これ以上の軍事的な挑発行為、とりわけ無謀きわまる「グアム島周辺への包囲射撃」の計画を中止することを強く求めること。
 
 (2)米朝両国に対して、強く自制を求めるとともに、現在の危機を打開するために無条件で直接対話に踏み出すように呼びかけること。
 
 (3)日本は、米朝間で何らかの軍事衝突が起こった場合に、最大の被害を受ける国の一つとなります。緊張をさらに高める軍事的対応の強化でなく、米朝の直接対話を実現し、核・ミサイル問題を平和的・外交的に解決するための努力をはかること。

2017年9月議会 熊本地震の復興に関する意見書(案)

 日本共産党熊本市議団提出
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 熊本地震の発災から1年4カ月が経ちました。未だ1万世帯以上が仮設住宅・みなし仮設等に入居しています。今後、本格的な住まいの再建をどのようにすすめていくのか、生活・生業の再建をどうすすめていくのか、震災復興は正念場を迎えています。
 罹災証明の発行や各種支援メニューは、1年をめどに打ち切られ、復興支援を終息へと向かわせる動きもあります。しかし、仮設・みなし仮設等に入居する1000を超える世帯が復興住宅を希望しながら市の整備計画が追い付いていない問題、罹災証明発行やその調査が続いているにもかかわらず、各種支援メニューの申請が打ち切られている問題などは、すべての被災者が震災からの真の復興をすすめていく上での大きな課題となっています。また、多額の費用を必要とする液状化や擁壁の崩落などの地盤被害の問題も、その復興は長期にわたると考えられます。
 これらの課題を速やかに解決し、すべての被災者の真の復興をすすめていくためにも、その財源確保が重要となってきます。
 国としても、想定外の大きな被害をもたらした熊本地震からの復興のために、以下の点につき特段の配慮をしていただくよう強く要望します。
 
 1、復興住宅建設、地盤被害の復旧など、多額の費用を必要とする支援を速やかに実施していくためにも、財政的な支援をさらに拡充すること
 2、種々の理由から罹災証明の発行やその調査も継続しており、災害救助法に基づく各種支援制度は引き続き継続すること
 3、住まいの再建ができるよう生活再建支援金の額を引き上げるともに、半壊世帯へも支援金を支給できるよう拡充すること
 4、一部損壊世帯への支援を拡充すること
 
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
 2017年9月  日  熊本市議会
 各宛1通

2017年6月議会・「『改正組織犯罪処罰法』の廃止を求める意見書」賛成討論

 2017年6月23日 日本共産党熊本市議団 山部洋史
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 日本共産党熊本市議団の山部洋史です。
 私は「『共謀罪』創設と同趣旨の『改正組織犯罪処罰法』の廃止を求める意見書」に賛成の立場から討論を行います。
 
 政府は、いわゆる「共謀罪」の創設を含む組織的犯罪処罰法を通常国会に提出。法案は衆議院で強行採決ののち、6月15日、参議院法務員会での審議・裁決を省略するという暴挙の末、参議院本会議において強行採決されました。しかし、この「共謀罪」には、成立にいたるまでの、議会制民主主義を無視した異常なその手続き以上に、以下のような重大な問題があります。
 
 第一に、「共謀罪」の最大の問題は、何を考え、何を合意したかが処罰の対象となる、「心の中」、内心を処罰するということです。
 近代刑法は、犯罪があって具体的な被害が生じた場合に初めて処罰することを基本原則にしています。ところが「共謀罪」は、「犯罪をしようと相談しているらしい」と警察がみなせば、捜査が開始され、処罰されるというものであり、対象とする罪は277にも及びます。政府は「対象は組織的犯罪集団」である、「一般人は関係ない」と繰り返しますが、それらの歯止めのないことが、国会審議の中で次々と浮き彫りになっています。
 「実行準備行為」については、「計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為」と規定されていますが、たとえばATMでお金を下ろすなどということは、日常行為と違いがないため、その行為の目的を捜査するとして「内心」に踏み込むことは避けられません。「話し合い」を調べるとして電話やメール、LINEなどのやりとりも常に監視される危険もあります。
 審議のなかで金田法務大臣は、「実行準備行為」について、「花見と下見は、外形上区別できないではないか」との質問に、「ビールと双眼鏡など、外形上で区別できる」と強弁しました。しかし、「そんなことでは区別などできないではないか」と再度問われると、今度は「計画に基づくかどうかで判断する」と言いだしました。「外形上区別できる」と説明してきたのに、結局は「計画」すなわち内心でしか区別できないことを自ら認めたものにほかなりません。内容も答弁も矛盾と破綻だらけの法律、それが今回の「共謀罪」です。
 日本国憲法が保障する思想・良心の自由、表現の自由などを侵害する違憲立法そのものだということです。
 
 5月18日、国連人権理事会が任命した国連プライバシー権に関する特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏から、「共謀罪」がプライバシー権や表現の自由への「過度の制限」になると強く懸念する書簡が総理に届けられました。
 これに対し、菅官房長官は、この指摘は「全くあたらない。強く抗議する」などという問答無用の態度をとりました。日本政府は、国連人権理事会の理事国に立候補したさいに、「特別報告者との建設的な対話」を公約にしたはずです。国際公約を反故にしてはばからない政府の態度は、まさに国際社会にたいして恥ずべきものです。政府は、共謀罪が必要な理由として、国際条約の締結や国際社会との連携をあれほど強調しておきながら、国際社会からの抗議には一切耳を貸さず、「全くあたらない」と切り捨てる。その姿勢はご都合主義そのものであり、到底許されません。
 
 第二に、捜査機関による恣意的な解釈・運用の危険、監視社会化の危険があることです。
 どんな団体や個人を対象にするかを決めるのは警察です。その警察はいまでも恣意的な判断によって、秘密裏に一般市民に対する尾行や盗撮などを行って、病歴・学歴を含む詳細な情報を収集するなど、人権侵害にあたる違法捜査をしており、そのことを「通常業務の一環」などと正当化しています。
 参議院の審議で政府は、環境保護団体や人権団体を「隠れみの」にした場合には処罰されることがあり得ると言い出しました。さらに、「組織的犯罪集団」の構成員ではない「周辺者」が処罰されることがあり得ると言い出しました。しかし、「隠れみの」かどうか、「周辺者」かどうかを、判断するのは捜査機関です。
 「組織的犯罪集団」、「計画」、「実行準備行為」について法文上の十分な限定がないため、捜査機関の恣意的な解釈・運用により、一般市民が不当に捜査の対象とされ、日常的に監視されることになります。
 国会での質疑の中でも、岐阜県大垣署が行った、風力発電所に反対する市民の情報を電力会社に提供した市民監視事件など、警察による監視活動の実態が明らかになりました。警察は、違法性が認定されても、謝罪も反省もせず、「適正な職務執行だった」と開き直っています。ここに共謀罪が新設されたらどうなるか。警察がいま以上に大手を振って一般市民の監視に乗り出すことは火を見るよりも明らかです。
 共謀罪は、モノ言えぬ監視社会をつくりだす「現代版・治安維持法」であり、安保法制=戦争法、特定秘密保護法、盗聴法などと一体に日本を「戦争する国」に変質させるものです。
 
 第三に、テロ対策のための法律であるとの政府の説明に多大な誤りがあることです。
 そもそも「共謀罪」に「テロリズム」の定義はありません。277の対象犯罪にはテロとは一見して無関係な犯罪も数多く含まれています。日本はすでに、テロ防止のための13本の国際条約を締結し、66の重大犯罪について、未遂より前の段階で処罰できる国内法を整備しています。したがって、テロ対策のために新たに「共謀罪」が必要とは考えられず、政府の説明には多大な誤りがあります。
 
 このように重大な問題があるにもかかわらず、政府は、慎重審議を求める多くの国民の声に反し、法案の衆議院での採決を強行、また参議院では、法務委員会での審議を一方的に打ち切り、本会議採決に持ち込む「中間報告」という異常な禁じ手を使って強行採決に踏み切りました。国民の理解を得ようという態度も示さず、議会制民主主義を踏みにじる蛮行は決して許されません。法律の中身も、その手続きも、矛盾と破綻だらけの「共謀罪」は廃止しかありません。
 以上、議員各位の賛同を求めますと同時に、日本共産党は、党派を超えて広く国民各層と手を結び、共謀罪廃止に追い込むために、全力を尽くす決意を申し述べ、私の討論を終わります。

2017年6月議会・議第121号「専決処分の報告について」、議第122号「平成29年度熊本市一般会計補正予算」について

 2017年6月23日 日本共産党熊本市議団 那須円
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 日本共産党熊本市議団の那須円です。議第121号「専決処分の報告について」、議第122号「平成29年度熊本市一般会計補正予算」、それぞれについて賛同できない点を簡潔に述べ、一括して討論を行います。
 まず、議第121号「専決処分の報告について」でありますが、本専決処分は、昨年度の国民健康保険会計における累積収支不足分の見込み額44億円を今年度の国保会計歳入から充用することがその内容であります。会計年度独立の原則の中で例外的な決算手段として認められていますが、44億円という累積収支不足がなぜ発生したのか、問題点を2点指摘します。
 1点目は、大西市長になって大幅に縮減された一般会計からの法定外繰り入れについてです。ご存知のように、国保会計の累積赤字は、最大82億円あった状況から国保健全化計画に取り組む中で累積赤字の解消が図られ、2013年度では約15億円まで減少してきました。
 納付相談などきめ細やかな収納の取り組みとあわせ、一般会計からの繰り入れを拡充してきたことが赤字解消の大きな役割を果たしてまいりました。
 幸山市長時代には、赤字補てん分に、年間28億2000万円が繰り入れられていたものが、大西市長になり、年間8億円となり、約20億円が縮減されています。被保険者の所得が減少し、医療給付が伸びる中で、国保は構造的な矛盾に直面しています。こうしたなかで、一般会計からの繰入額を減らせば、矛盾がさらに深刻化するのは明らかです。一人当たりの法廷外繰入額を、せめて政令指定都市平均並みに引き上げることを強く求めるものです。
 2点目は、こうした一般会計繰入縮減のしわ寄せが国保加入者の保険料引き上げに転嫁されている点です。国民健康保険料については、昨年度料率引き上げが実施され、モデル世帯での本市保険料は、政令指定都市20市の中で最も負担の重い額となっています。国から低所得者の保険料軽減を目的とした財政措置も、被保険者の軽減には充てられず、国保加入者の負担軽減には結びついていません。
 繰入額を大幅に縮減する一方で、市民へは指定都市一重い保険料を求め、そして、結果として、昨年度の繰上充用金43億円から、今年度は44億円と収支不足額が悪化したことを重く受け止めていただきたいと思います。
 また、来年度から、国保の都道府県化が実施されます。本市に求められる負担金は、夏ごろに明らかになるとのことですが、国は一般会計からの繰り入れを基本的には認めないスタンスであり、それを補う財政措置も十分なものとは言えません。国保の構造的な矛盾が残されたまま県単位となれば、そのしわ寄せが国保料に及ぶことも懸念されます。これ以上の保険料の負担増とならないよう、繰入金の確保と合わせ、市独自の減免制度の拡充を求めます。
 次に、議第122号「平成29年度熊本市一般会計補正予算」についてです。賛同できない1点目は、2500万円の増額補正が提案されている災害援護資金貸付事業についてであります。同事業につきましては、熊本地震により負傷または家財への被害、住家の被害を受けた方への貸し付けを行うものであります。ご存知の通り、所得制限が設けられており、比較的所得の低い世帯を対象とした貸付制度です。5月末時点で、541件9億円強の貸し付け実績があるとのことですが、問題はこれまで指摘してきました年3%の利率、また利率がかからない措置期間が3年であるという点です。東日本大震災では、同制度の利率は3%ではなく、1.5%であり、保証人がいれば、無利子で貸し付けを行っています。東日本大震災と同様に利率の引き下げを行うべきでありますし、国に要望しているとこれまでも答弁がありましたが、国が首を縦に振らなければ、市の財政措置で、利子分を補給するなど被災者の立場に立った対応が求められるのではないでしょうか?桜町再開発株式会社に対しては、市が一般会計から利子分を補給し、無利子で66億円の貸し付けを行っています。再開発を進める民間事業者には利子分を市が負担しているのに、被災者に対してはできないということは到底納得できるものではありません。また、措置期間の3年でありますが、震災から住家・仕事などの生活再建が3年後も果たされていないこうした方には、措置期間を3年と一様に定めず、措置期間の延長も含め柔軟な対応を求めるものです。以上、制度の改善が求められるものの必要な手立てがとられていない点を指摘したいと思います。
 2点目は、上野議員が締めくくり質疑でも指摘をしました白川公園内複合施設の整備事業予算についてであります。同施設には指定管理者制度の導入が検討されていますが、国会の付帯決議が指摘している指定管理者制度導入による弊害等についての検討がなされておらず、課題に対する明確な対応や改善策も質疑を通じ具体的に示されていません。例えば、指定期間が終わり、指定管理者が変わることで、研修等で得た職員の専門性の蓄積・継続性が断たれるのではないか?公民館事業を発達・向上させることができるのかとの質問に対して、他都市の運営状況も見て課題に対応していくと述べるにとどまり、具体的な方策は示されませんでした。また、現行の職員体制や労働条件等が悪化しないかとの指摘に対して、市長は市民へのサービスの質は維持・向上させると述べたものの、職員の体制や待遇がどうなるのかについては最後まで言及しませんでした。指定管理者制度導入による市側のコスト削減は、かかる経費は節減・縮減できたとしても、市全体の雇用や経済活動の側面から見れば、施設で働く労働者の賃下げや非正規化を促進する側面も否定できません。
 こうした点からも、公民館への指定管理者制度は施設の性質や目的からもなじまず、公民館への指定管理者制度は撤回すべきです。
 さらに、駐車場・駐輪場の有料化については、その理由として、目的外・長時間利用により利用者が駐車しづらい課題があること。また近隣に市助成による民間駐輪場整備されていることが挙げられました。こうした課題についても、施設利用者のみ無料で利用できるよう、ウェルパルやアイパルでの駐車料金体系を導入するなど具体的な考え方が示されるべきであります。締めくくり質疑の答弁では「今後、民間の駐車場・駐輪場の料金等を参考にしながら総合的に検討」との答弁でしたが、社会教育施設である公民館は、市民一人一人の学習権を保障するための施設です。利用を促し、市民の学習権を保障するためにも公民館の駐車場・駐輪場の有料化はすべきではありません。利用者無料化を強く要望いたします。
 以上の理由により、指定管理者制度の導入、そして駐車場・駐輪場の有料化について、再検討し、具体的な方針をもって、予算を提案しなおすことを指摘し、反対討論といたします。

2017年6月議会・予算決算委員会締めくくり質疑「白川公園内複合施設整備」

 2017年6月21日 上野 みえこ
2017年6月議会・予算決算委員会締めくくり質疑「白川公園内複合施設整備」(PDFファイル 303KB)

 補正予算案に提案されています「白川公園内複合施設整備事業」についてお尋ねいたします。
 昨年4月の熊本地震によって大きな損傷を受けた中央公民館が解体され、近くにあった老人福祉センターと合築の複合施設として建設されることになりました。中央公民館は、中心街に近く利便性がよい、歴史ある公民館として大切な役割を果たしてきました。複合施設のとしての整備にあたり、疑問な点がありますのでお尋ねいたします。
 @ 中央公民館の対象区域はどのようになっていますか。
 A 公民館事業の自己評価と、その結果公表はどのような形で行われていますか。公民館活動の広報についてもご説明ください。
 B 公民館職員の研修はどのような形で行われていますか。
 C 公民館への指定管理者制度導入の目的・効果、また弊害についてどのように考えられていますか。
 D 導入の検討にあたって、どのような点に留意し検討されてきたのでしょうか。特に、検討過程で、弊害について十分配慮した検討がなされてきたのか、検討内容を詳しくご説明ください。
 E 全国的な公民館への指定管理者制度の導入状況についてご説明ください。
 F どのような形での指定管理者制度導入を検討していますか。指定管理の範囲、内容、公募・利用料金制などについてご説明ください。現状の運営体制は、どのように確保されるのでしょうか。
 G 指定管理者制度導入に関し、基本計画策定にあたってのアンケートとパブリックコメントでは、どのような方々、何人に意見を聞き、どのような意見が得られましたか。そのほか、市民からの意見聴取はどのような形で行い、どのような意見が寄せられたのでしょうか。
 市民局長に伺います。
  (答弁)
 
 ただ今の答弁では、指定管理者制度導入についての弊害は全く述べられませんでした。しかし、国会では、指定管理者制度についてこんな議論がありました。
 2008年5月、衆議院文部科学委員会で「社会教育法等の一部を改正する法律案」が審議された折、その法律案につけられた付帯決議、指定管理者制度導入に関わる部分を紹介しますと、「政府及び関係者は、本法の施行にあたり、次の事項について特段の配慮をすべきである。一、国民の生涯にわたる学習活動を支援し、学習需要の増加に応えていくため、公民館、図書館及び博物館等の社会教育施設における人材確保及びその在り方について、指定管理者制度の導入による弊害等についても十分に配慮し、検討すること。」と述べられています。
 私どもはこれまで、図書館への指定管理者制度導入の問題点については繰り返し指摘してきましたが、国会では、図書館のみならず公民館への指定管理者制度導入についても弊害があると指摘し、付帯決議になっています。
 答弁では、指定管理者制度導入の検討について、いったいどんな検討がされてきたのか、全くわかりませんでした。先ほど紹介しました附帯決議に述べられている「指定管理者制度導入による弊害等についての十分な配慮と検討」の痕跡全くなし、十分な論議もないまま「指定管理者制度先にありき」としか言いようがありません。
 市民局長に伺いますが、先ほど紹介しました指定管理者制度についての社会教育法の付帯決議はご存知でしたか。
 
 (答弁)
 
 指定管理者制度については、私どももいろんな場で議論してまいりましたが、もう少しお勉強していただいて、関係法令を無視したような論議はやめていただきたいと思います。指摘した社会教育法の付帯決議をふまえ、導入についての検討をしていただくようお願いいたします。
 なお検討の後、ご報告していただきますよう、お願いしておきます。
 
 また、公募による指定管理にした場合、指定期間に定めがあります。有資格者・専門的な知識や技能を有する者の配置が求められる施設であっても5年です。住民の学習権を保障する教育事業が常に中断する可能性を持ち、職員はせっかく研修を積んでも、その蓄積・継続性が中断され、専門性は高まっていきません。指定管理者になったことで職員に採用された人は、専門職であっても将来にわたり継続した雇用の見通しはなく、多くの場合、非正規で雇用されています。公の責任を放棄したアウトソーシングを続けていくと、住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与するという社会教育の目的に公が責任を負うことができずに、指定管理者という民間事業者の監督業務にとどまっていくことが懸念されます。
 文部科学省告示第112号では公民館の設置・運営基準が定められ、その第1条1項には「この基準は、社会教育法規定に基づき公民館を設置・運営するための規準である」とし、「公民館の健全な発達を図ることを目的とする」とあります。続く2項では「公民館及びその設置者は、この基準に基づき、公民館の水準の維持及び向上に努める」と定められています。これが単なる公の施設ではなく、憲法や教育基本法・社会教育法に基づき設置された人権としての学習権保障を軸とした社会教育施設・公民館が発達・向上する施設であるということを規定しています。市長に伺います。
 5年で事業継続が打ち切られる指定管理者で、公民館事業を発達・向上させていくことができるでしょうか。
 
 (答弁)
 
 ・・・・・・・・
 また、今回の複合施設についてさまざまに意見が聞かれていますが、寄せられている意見のほとんどが、施設整備に関することです。指定管理者制度に関しては、ほとんど意見がありません。
 複合施設整備計画をすすめていく中で施設の内容を利用者の意見に沿ったものにすることは、誰でもが集まりやすく、使いやすい条件づくりという点では大切なことです。しかし、社会教育法に定められた「区域内住民のために、実際生活に即する教育、学術及び文化に関する事業を行い、もって住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与する」という目的に沿って、どのような公民館活動を今後展開していくの、そのためにはどのような運営形態、人員体制の確保が必要なのかなど、地域住民とともにしっかり深め考えていくべきではないでしょうか。
 文部科学省告示では、公民館に対象区域が定めてあります。しかし、行われたアンケートでは利用者と管轄校区内の自治会長に限られており、区域内住民の声が広く聞かれてはいません。
 白川公園内複合施設整備事業基本計画が審議された2016年12月27日の政策会議では、市民への説明および意見聴取する場を設けることで、了承することとされました。しかし、その後のワークショップには、32名という少ない参加者でした。同時期に行われたパブリックコメントには意見が一つもありませんでした。
 そこで市長に伺います。
 文部科学省告示に基づき決められている対象区域となる壺川・碩台・城東・黒髪の4小学校区の全住民を視野に入れ、今後の公民館事業のあるべき姿、そのために管理運営上必要なことなど、十分な意見聴取を行うべきではないでしょうか。
 
 (答弁)
 
 ・・・・・・・・
 市長にもう1点伺います。
 社会教育施設への指定管理者制度の導入も確かにすすんで来ています。最初の答弁にありましたように、政令市でも公民館・生涯学習センターへの導入実績があるようです。しかし、文部科学省の調査をもとに研究者が出している資料では、公民館・図書館・博物館・青少年教育施設・女性教育施設・社会体育施設・文化会館・生涯学習センター、これら社会教育施設の中で一番「指定管理者制度」の導入率が低いのが公民館です。データがなかったので2011年の数値になりますが、博物館以下の施設の2割・3割・5割の導入率に対し、公民館は8・6%、次いで図書館の10・7%です。図書館については、指定期間が5年と短い指定管理はなじまないとの大臣答弁もありましたが、公民館も同じようなことが言えるのではないでしょうか。佐賀市では、過去に公民館事業を地域に委託した時期がありました。年間3億円かかっていた運営費が、1億7000万円の委託料に圧縮することができたと、当初評価されていたようですが、結局は、経費削減が職員の労働条件に反映し、その後、直営へと戻されました。
 今回の指定管理でも、効果は「コスト削減」と強調されていますが、それで現行の職員体制や労働条件が悪化しないと言い切れるのでしょうか。
 
 (答弁)
 
 ・・・・・・・
 いろいろ言われましても、公の施設の管理運営を民間にゆだねる指定管理者制度導入の絶対条件は「経費の節減」です。そして公募による価格競争を勝ち抜くために、民間事業者も指定管理料を自ら低く見積もりこととなり、それが人件費の縮減につながります。一方で、事業の継続性の保証のない指定管理者制度では専門性は高まらない、これが専門家から公民館の指定管理はなじまないと指摘される点です。
 
 続いて、伺います。
 @ 駐車場・駐輪場の有料化の具体的な検討内容についてご説明ください。
 A なぜ、有料化を検討しているのか、その目的・理由についてご説明ください。
 B 駐車場・駐輪場の有料化の検討に対し、市民の意見はどのように聞かれてきたのでしょうか。
 市民局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 ・・・・・・・・・・
 公民館は、法で営利事業をしないと定められ、文部科学省告示で事業への参加促進に努めることも規定されています。その公民館が、施設使用料に加え、駐車場使用料まで徴収することは、公民館の趣旨に反し、利用促進にも逆行するのではないでしょうか。答弁にありましたように、利用者以外の駐車を規制しようというのであれば、工夫さえすれば様々なやり方があります。市内中心部・利便性のよいウェルパル・アイパルの駐車場も、利用者は無料で使用できます。
 人口96万人の政令市・千葉市の公民館事業は、ほぼ中学校区に1館設置されており、熊本市の約2倍の設置数です。多彩な事業が展開されていますが、条例による無料規定があり、市民は会議室であれ何であれ、すべての施設を無料で使用することができます。
 このように、すべての住民に利用しやすく無料で開放し、身近な地域に設置されている公民館事業にこそ学ぶべきではないでしょうか。
 全国には、15000カ所ほどの公民館があり、その内容・あり方は、自治体の考え方によって様々です。しかし、社会教育法や文部科学省が示している告示等によって立つならば、利益を生むことが前提の民間に管理運営を丸投げする指定管理者制度の導入や、駐車場・駐輪場まで有料とするような「白川公園内複合施設整備」のあり方は、将来に問われるのではないでしょうか。
 「白川公園内複合施設整備」の管理運営については、指定管理者制度の導入と、駐車場・駐輪場有料化を撤回のうえ、再考していただくよう強くお願いいたしまして、質疑を終わります。

組織犯罪処罰法改定案の撤回を求める意見書

 日本共産党熊本市議団提出
組織犯罪処罰法改定案の撤回を求める意見書(PDFファイル 138KB)

 政府は、本年3月21日、いわゆる「共謀罪」の創設を含む組織的犯罪処罰法改正案を通常国会に提出し、5月23日、本法案は衆議院本会議で可決されました。しかし、本法案には以下のとおり重大な問題があります。
 第一に、処罰範囲が不当に広がる危険があることです。
 近代刑法は、犯罪があって具体的な被害が生じた場合に初めて処罰することを基本原則にしています。ところが「共謀罪」は、「犯罪をしようと相談しているらしい」と警察がみなせば、捜査が開始され、処罰されるというものです。対象とする罪は277にも及びます。政府は「対象は組織的犯罪集団」「一般人は関係ない」と繰り返しますが、それらの歯止めのないことが、国会審議の中で次々と浮き彫りになっています。
 第二に、捜査機関による恣意的な解釈・運用の危険、監視社会化の懸念があることです。
 どんな団体や個人を対象にするかを決めるのは警察です。その警察はいまでも恣意的な判断によって、秘密裏に一般市民に対する尾行や盗撮などを行って、病歴・学歴を含む詳細な情報を収集する人権侵害にあたる違法捜査をしており、そのことを「通常業務の一環」などと正当化しています。
 「実行準備行為」は、ATMでお金を下ろすなどの日常行為と違いがないため、その行為の目的を捜査するとして「内心」に踏み込むことは避けられません。「話し合い」を調べるとして電話やメール、LINEなどのやりとりも常に監視される危険もあります。
 第三に、テロ対策のための法案であるとの政府の説明に多大な疑問があることです。
 そもそも本法案に「テロリズム」の定義はありません。277の対象犯罪にはテロとは一見して無関係な犯罪も数多く含まれています。わが国は既に、テロ対策については、関連の主要な13の国際条約を批准し、それに対応する国内法の整備も行っています。したがって、テロ対策のために新たに本法案が必要とは考えられず、政府の説明には多大な疑問があります。
 このように重大な問題があるにもかかわらず、本法案は慎重審議を求める多くの国民の声に反し、衆議院で採決が強行されました。国民の理解を得ることなく思想信条の自由といった基本的な権利を制限するものを通すべきではありません。
 よって、国に対して、本法案の撤回を強く要望するものです。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。
 
 2017年6月5日 熊本市議会

憲法9条の改憲を行わないことを求める意見書(案)

 日本共産党熊本市議団提出
憲法9条の改憲を行わないことを求める意見書(案)(PDFファイル 335KB)

 5月3日、安倍首相は、「9条の1項、2項はそのままにして、3項に自衛隊を明記する」改憲を行い、オリンピックが開催される2020年に施行すると宣言しました。
 今回の安倍首相の改憲発言は、現にある自衛隊を憲法上追認するというものにとどまらず、深刻な矛盾を憲法に持ち込むことで1項や2項を「空文化」「死文化」させる危険性が含まれています。
 日本会議の政策委員で、第1次安倍政権から安倍首相のブレーンをつとめてきた伊藤哲夫・日本政策研究センター代表は、「憲法第9条に3項を加え、『但し前項の規定は確立された国際法に基づく自衛のための実力の保持を否定するものではない』といった規定を入れること」(同センター機関誌『明日への選択』2016年9月号)との具体的な改憲文案を示しました。さらに同センターの小坂実研究部長は、「『戦力』の保持を禁じ、自衛隊の能力を不当に縛っている9条2項は、今や国家国民の生存を妨げる障害物」と指摘したうえで、「速やかに9条2項を削除するか、あるいは自衛隊を明記した第3項を加えて2項を空文化させるべきである」(同誌昨年11月号)と単に自衛隊を憲法上規定するだけではなく、その狙いが2項の空文化にあることを明確に示しました。
 歴代政権は、自衛隊が9条2項で保持を禁じる「戦力」には当たらないとの見解のもと、「わが国の自衛のための必要最小限度の実力組織」と説明してきました。そのため、(1)武力行使の目的を持って武装した部隊を他国領域に派遣する海外派兵、(2)外国に対する武力攻撃を自国が攻撃されていないにもかかわらず実力で阻止する集団的自衛権の行使、(3)目的・任務が武力行使を伴う国連軍への参加、以上の3点は「自衛のための必要最小限度を超えるから憲法上許されない」としてきました。
 しかし、伊藤氏や小坂氏の提案でも明らかであるように、3項への自衛隊の明記により、憲法上許されなかった海外での武力行使を憲法上も認め、歯止めない海外派兵を可能とするなど自衛隊を大きく変質させる危険性は否定できません。戦争放棄や戦力不保持、交戦権否認など憲法に盛り込まれた平和主義は、国民主権や基本的人権の尊重とともに憲法の根幹であり、憲法そのものを「空洞化」させる重大な改憲は許されません。
 憲法99条は、国務大臣、国会議員などは「憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と明記しており、安倍首相の対応は、憲法の「尊重擁護義務」に反するものです。また、行政府の責任者である首相が、立法府の憲法審査会での改憲案作成に言及することは、三権分立をも否定するもので、2重の憲法違反発言として許されるものではありません。
 以上の理由により、憲法9条の改憲を行わず、憲法の根幹の一つである平和主義を擁護する立場を堅持するよう求めるものです。
  2017年6月  熊本市議会

2017年3月議会最終日「当初予算反対討論」

2017年3月24日 上野みえこ
2017年3月議会最終日「当初予算反対討論」(PDFファイル 208KB)

   「議第1号平成29年度熊本市一般会計予算」の反対討論を行います。
 今年度は4月に未曽有の熊本地震が発生し、これまでにない厳しい予算編成であったと思います。
 具体的な内容では、小中学校へのエアコン設置が小学校後期分として46校への整備経費が予算化され、2017年度中にすべての小中学校に設置完了する見通しとなったこと、スクールカウンセラーの拡充や子どもの貧困実態を把握するための「子どもの生活実態調査」予算が計上されるなど、評価できる点もありました。しかし、全体としてみるならば、熊本地震復興という大事業の中、老朽化した公共施設の維持管理更新という大きな課題を抱え、なおかつ(仮称)「熊本城ホール」整備の大型開発事業を強引にすすめんがために、市民に負担増を押し付け、削るべきでない予算を削り、市民サービスの後退を招いています。
 第1に、子ども、障がい者、高齢者など、弱い立場の方々に冷たい予算です。
 子ども医療費助成は、新たな見直し案の予算が提案されました。今回の提案は、入院を中3まで完全無料とする一方で、小学校3年生までは現行1ヵ月・1診療科500円の自己負担を700円に引き上げ、小学校4年生以上では自己負担1200円とし、しかも、これまで無料だった調剤部分に、自己負担を3歳から小3まで700円、小4以上1200円を新たに求めるというものです。しかし、昨年の3月議会に、小学校3年生までは現行1ヵ月・1診療科500円の自己負担を1000円に引き上げ、調剤部分の自己負担も1000円とするという案が提案され、この方々が3倍、4倍の負担となるということで、議会が全会一致で付帯決議を決議し、待ったをかけたことが、今回の見直し案提案になっているはずです。「0歳から小学校3年生までを対象とした現行制度を基本とする」という、付帯決議を受け止めて見直し案を検討するならば、1000円に引き上げる自己負担をわずかに抑え、700円とするというような案は出てこないはずです。一般質問でも指摘しましたように、本当に子どもたちのために制度を拡充するのならば、市がお金を出すべきです。さいたま市や名古屋市が桁違いの事業費を予算化し、中学校3年までの完全無料化を実施している、このような自治体にこそ大いに学ぶべきです。市長の公約の帳面消しのような、今回の見直し案は絶対に容認できません。中学校3年生までの完全無料化実施を強く要望いたします。
 また、障がい者のさくらカード、パス券が廃止になりました。今年度、利用が減り、新年度予算でも減った実績に基づき予算が提案されています。ICカード化による1割負担の実施で、負担が10倍・20倍になったという声が聞かれます。わずかな年金や作業所の工賃で暮らす障がい者の方々にとって、気軽にお出かけできるパス券制度は本当に喜ばれていました。そういう方々に負担を求め、利用しにくい制度にしたことも、冷たいとしか言いようがありません。 
 高齢者では、敬老祝賀経費が大幅削減です。2016年度1500万円の予算で、80歳、100歳の方々約6200人に送られていた敬老祝い品事業は、2017年度、その予算が4分の1に削られ、わずか400万円で100歳の方に1万円相当、最高齢男女各1名に5000円相当の祝い品を贈る制度となります。対象者はわずか200人弱です。これが長生きを喜べる制度でしょうか。あまりにお粗末で、悲しくなります。
 そのほか、リサイクル情報プラザが廃止され、子育てサロン開催経費・健康づくり月間、空き家対策事業などの事業が廃止され、障がい者・母子家庭の母の雇用対策経費も大幅に減額されています。昨今の社会情勢を考えるならば、これらの事業が廃止・縮小でいいのか、大いに疑問です。
 
 第2に、熊本地震復興は新年度も大きな課題であり、支援を拡充すべきです。
 市民の世論に押され、一部損壊への支援が始まりました。しかし、支援が受けられるのは、一部損壊世帯の約半数です。すべての被災者へ必要な支援を行っていく、被災前の生活に1日も早く戻っていただく、そのことが重要です。自然災害を避けることはできません。そして、自分の力だけで復旧することはとても難しく、公的な支援が必要です。義援金にとどまらず、一般財源も使い、すべての一部損壊世帯への支援を行うことや、半壊以上の世帯でも再建のメドがたたない方、地盤被害で補助制度の対象とならない人、復旧費用が大きく見通しがない方などのために必要な支援策を実施していくべきであると思います。
 
 第3に、情け容赦ない行財政改革は、市民も、職員も犠牲にしています。
 市立幼稚園の民間移譲に1240万円計上されています。しかし、公立はその基準です。民間の規準となって、職員処遇を守る役割や、蓄積される経験を生かした質の高い幼児教育は公ならではです。安易な民間移譲はマイナスです。
 「総人件費の抑制」では、時間外勤務の削減は、過労死ラインぎりぎりで働く部署もあったことから、長時間労働改善の一方で、サービス残業の増加が心配されるので、その対策が必要です。いずれにしても、業務に必要な正規職員の確保が重要です。また、給与制度見直しにより、給与表水準が2%引き下げられ、職員給与は全体で1億6300万円も減額となりました。職員の生活と地域経済への影響を考えると大きなマイナスです。
 クリーンセンター業務見直しでは、ごみ収集車の乗車人員が3名から2名へと削減されました。業務の効率化とならないばかりか、安全運行が妨げられます。
 生活保護では、嘱託ケースワーカー雇用経費が4300万円予算化されています。しかし、受給者の増加や個別ケースの複雑さ等を考えると、期限付き雇用の嘱託では対応が難しい面があります。生活保護のケースワーカーは、正規職員を基本に、100%の充足率での配置を強く要望しておきます。
 市民会館の指定管理者制度への移行は、準備経費2000万円が予算化されています。しかし、コスト重視の民間ではできない専門技術の蓄積・継承や地域文化の拠点としての役割など、公立文化ホールだからこそできてきたこと、その役割を放棄し、十分な論議も行わず、業務を安上がりな民間へと委ねる指定管理者制度への移行は、豊かな熊本の文化を育むこととも相いれるものではなく、容認できません。
 また、予算の15%シーリングによる「事務事業見直し」の結果、9億6000万円の予算が縮減されました。その影響が大きかったのが、嘱託職員の勤務時間と人数削減です。嘱託とはいえ、専門的な分野を担う業務も多く、その処遇確保は重要です。ところが、新年度予算では、嘱託職員の勤務時間を1日15分削ったり、人員を削減するなど、処遇はますます悪化しています。職員の雇用は、正規を基本に、嘱託については勤務時間の確保、手当の支給など、処遇改善を早急に図るべきです。
 これらすさまじい行財政改革の内容を見ていると、「福祉の心」を投げ捨てたとしか思えないような予算です。
 
 桜町再開発と(仮称)「熊本城ホール」整備では、再開発会社への補助金が総額126億円、(仮称)「熊本城ホール」整備が総事業費298億円で、保留床取得金の約8割228億円が市の借金です。事業年度は1年伸ばされていますが、補助金と保留床代金等、毎年100億円を超えるような事業費を今後3年間払わなければなりません。しかも、事業完了後は、借金返済のために毎年13億円を20年間払い続けなければなりません。さらには、再開発事業者への運転資金に無利子で67億円も融資しようというのですから、市民感覚では考えられません。市政史上最大のハコモノ建設が市財政に及ぼす負担の大きさを改めて痛感します。
 しかも、シンボルプロムナード等整備の基本設計に4300万円、花畑公園・辛島公園再整備の基本設計等に200万円が予算化され、桜町再開発の周辺整備ともいうべきシンボルプロムナード・花畑広場等整備のために、今後20億円も投資されます。わずか28年しか使っていない産業文化会館を無理やり閉鎖・解体し、その隣地を買収し整備してきた花畑広場にはすでに20億円もの事業費が使われており、総事業費は40億円にもなります。桜町地区にどれだけお金を使うのか、市民の目線で見るならば、その金銭感覚を疑ってしまいます。熊本地震復興の視点でも、まだまだ仮住まいの人が1万世帯近くおられ、その再建メドも立っておらず、「MICEどころではない」というのが率直な市民の思いではないでしょうか。
 先ほど縷々述べましたように、ひっ迫する財政のもと、徹底した行財政改革が行われ、大切な住民サービスがどんどん削られています。地方自治法第1条に述べてあるように、自治体の基本は「住民福祉の増進」です。子どもたちや高齢者・障がいを持った方々など、一番に手を差し伸べなければならない方々への支援を次々に削って、一方で大企業には桁違いの大盤振る舞いをするという本市のやり方は、向かうべき方向が逆ではないでしょうか。
 市民の声に耳を傾け、その声に寄り添った市政運営と財政運用をお願いいたしまして、反対討論といたします。

共謀罪意見書 討論 山部ひろし

2017年3月24日 山部ひろし
共謀罪意見書 討論(PDFファイル 380KB)

  日本共産党熊本市議団の山部洋史です。
 「発議 第5号 組織犯罪処罰法改定案の撤回を求める意見書」に賛成の立場から討論を行います。
 
 安倍政権は、国民の批判が日に日に高まっている「共謀罪」を導入する組織犯罪処罰法改定案を「テロ等準備罪」に名称を変えるなどして閣議決定しました。政府・与党は「対象犯罪を減らした」「条文のなかにテロの文言を入れた」「準備行為を要件とした」「組織的犯罪集団だけが対象」等の「手直し」をしたとしていますが、基本的な本質は変わっていません。
 
 まず、第一に問題として指摘しておきたいのは、そもそも刑法の大原則は、犯罪の結果を現実に引き起こした行為のみを罰し、犯罪の計画・合意があっても内心にとどまる限り処罰しないというものです。犯罪の結果が生じて初めて処罰するのが原則です。それを、277もの犯罪について、共謀=内心の段階で、何もしていないのに合意だけで処罰するというのは、この大原則に背くもので、とうてい許されるものではありません。
 
 犯罪の結果からさかのぼり、予備行為の更に手前の「合意」を処罰しようとすれば、人の内心の状態を監視、把握する捜査手段の拡大がもたらされます。国民が国家権力による日常的監視にさらされることになります。
 内心の処罰と国家による日常的監視は、金田勝年法務大臣が衆議院法務委員会で「思想の自由、内心の自由、そうしたものを対象として(憲法との関係を)検討している」とあからさまに述べている通り、日本国憲法19条で保障する、思想・良心の自由を侵害することにつながるものです。
 ゆえに、過去3回、今回と同様に「国際組織犯罪防止条約締結に向けた国内法整備のため」と称して、共謀罪を盛り込み、国会に提出された同法案は、国民の反対によって、いずれも廃案となった経緯があるものです。
 
 第二に、今度の法案に「共謀」の言葉はありません。しかし、法案の「(犯罪の)遂行を二人以上で計画した者」との文言は、法律的には「犯罪を共謀した者」と全く同じ意味で「共謀」を処罰する性格は変わっていません。政府のいう「手直し」も、単なるイメージの操作にすぎず、何の限定にもなっていません。
 今回、政府は、取り締まりの対象は、テロ組織、暴力団、薬物密売組織など「組織的犯罪集団」に限る、「一般の人は対象にならない、従来の共謀罪とは全く別物」と言います。しかし国会で、金田法務大臣は、集団について「それ以外のものも含まれる場合」があり、何が「共謀」に当たるのかを判断するのは捜査機関だと述べました。安倍首相も、組織的犯罪集団の「法定上の定義はない」と認めています。法務省も「正当に活動する団体」でも「犯罪を行う団体に一変したと認められる場合」には処罰の対象になるとの見解を示しています。
 また、犯罪の準備を行う点を入れた、組織的犯罪集団の行為に限って罰するとしたから一般の人は巻きこまれない、といっているのもごまかしです。なぜならば、犯罪の「準備」として、「資金」「物品」の手配、「下見」など、普通の人が犯罪とは無関係に行う行為が例示されており、「その他の準備行為」という規定とも相まって、どのような口実で犯人に仕立て上げられるかが全く分かりません。
 結局、判断は、捜査機関に事実上、委ねられることになり、捜査機関の解釈や裁量次第で、労働組合や市民団体でも対象にされかねないということです。
 しかも金田法務大臣は、共謀罪をめぐる捜査の中で、将来的に、電話などの盗聴を可能にする「通信傍受法」を使うことも検討している、と明らかにしました。2月27日の衆院予算委員会でも、金田大臣は、LINE上でのやりとりでも「共謀」が成立しうるとの考えをあらためて示し、いわゆる顔文字やイラストなどメールなどを使った日常会話も、警察の恣意的な解釈捜査で、犯罪の「共謀」に仕立て上げられる危険性が、鮮明になりました。
 
 この間、大分県警・別府署による労働組合事務所へのビデオカメラによる違法な隠し撮りという常時監視など、不当な捜査も行われてきました。「一般人は対象にならない」どころか、何の歯止めもないことは明白です。
 
 第三に、政府はこれまで、「テロ対策だ」と強調して、その根拠の一つに「国際組織犯罪防止・TOC条約」締結をあげてきました。しかし、これも国会の論戦で破綻しています。私たちもテロは絶対に許さないという立場です。
 日本は、すでにテロ防止のための13の国際条約を締結し、57の重大犯罪について、未遂より前の段階で処罰できる国内法も整備しています。もともとTOC条約の主眼は、その条文からしても、また、国連事務所による条約の説明(立法ガイド)においても、マフィアなどによる経済犯罪や麻薬取引などの犯罪の取り締まりを念頭においたものです。
 実際、法務省が2月末に与党に示した法案の原案には「テロ」の文字がありませんでした。これに対し「テロ対策」という矛盾、破たんを追及する声が上がると、政府・与党はあわてて「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」と文言を修正、挿入しました。
 それでも「テロリズム集団その他の」とされている通り、「テロリズム集団」には限定されず、「テロ対策」の説明は矛盾を抱えたままです。
 
 今回の「テロ等準備罪」は、憲法に違反し、国民監視の暗闇社会を生み出す憲法違反、立憲主義破壊の法案であり、国民の強い反対で過去3度廃案となった共謀罪とその本質は同一です。今回も世論調査でも国民の反対が上まわっています。
 
 よって、政府におかれては共謀罪を導入する、違憲立法の組織犯罪処罰法改定案を撤回されるようを強く求めるものです。
 議員各位の賛同を求めますと同時に、日本共産党は、党派を超えて広く国民各層と手を結び、同法案を撤回させるために、全力を尽くす決意を申し述べ、私の討論といたします。

2017年3月議会予算決算委員会締めくくり質疑

2017年3月21日 上野みえこ
2017年3月議会予算決算委員会締めくくり質疑(PDFファイル 192KB)

  あと1カ月で熊本地震発災から丸1年、プレハブ仮設・みなし仮設・市営住宅等の仮住まいに暮らす人は、9500世帯を超えています。
 東日本大震災では、発災から6年が経ちましたが、未だプレハブ仮設やみなし仮設等で生活されている人が3万5000世帯にも上っています。しかも、少なく見積もっても1000世帯を超える人が恒久的な住まい確保の見通しがたっておらず、もともと2年の予定であった仮設住宅は期限が延長されてはいるものの、恒久的に仮設に住み続けることは難しく、行き詰まっています。そして、恒久的な住まいの確保が難しい大きな理由は、経済的な問題とのことです。
 そこで、お尋ねいたします。
 第1に、東日本大震災の教訓に学ぶならば、仮設の期限が1年となった今からでも、見通しをもって恒久的な住まいの確保に取り組んでいくことが重要です。現在、市営住宅の入居意向調査は行われています。いわゆる復興住宅を希望する方に対する調査です。そこで、合わせて、自宅の修復再建を考えている方の状況調査が必要ではないかと考えます。自宅の再建がスムーズに進んでいく見通しがあるのか、難しいのであればその理由は何か、早急に把握すべきであると思いますがいかがでしょうか。
 第2に、一部損壊ではあっても屋根等が損傷するなど、修理・復旧をしなければ、生活に支障をきたし、またさらに被害が拡大していくケースもあります。そういう意味で、一部損壊世帯の復旧を放置するわけにはいきません。一部損壊で復旧ができない人を把握し、何らかの対策をとるように、検討すべきではないでしょうか。
 第3に、液状化など、住宅の地盤を復旧する事業でも、多額の自己負担を必要とする世帯の場合、再建のメドがたっていません。どのように支援をしていかれるのでしょうか。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 全戸訪問による聞き取り調査を行ったので、今後の住まいについての意向や課題を把握しているとの答弁でした。確認の意味で、政策局長にお尋ね致します。
 @ 答弁された全戸訪問による聞き取り調査の概要と、住まいの再建に関する課題について、具体的にご説明ください。
 A 調査における被災世帯の意向については、り災証明の損壊度別に訪問調査の実施件数、そのうち災害復興住宅希望者数、修繕・建て替えによる自宅の再建を希望する世帯数、自宅再建希望者のうち資金面での困難を抱えている世帯の数について、お示しください。
 
 (答弁)
 
 「全戸訪問による聞き取り調査」は、途中経過だと思いますが、熊本地震からの復旧について、議会としており、大事な問題なので、復興特別委員会や所管の委員会等で、調査結果を報告し、丁寧に説明すべきではなかったでしょうか。
 政策局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 「全戸訪問による聞き取り調査」では、回答の3分の2の世帯、2000世帯が住まいの再建に不安な方です。住まいの再建の具体策は、高齢者住宅再建利子補給事業での対応が主で、あとは相談業務での対応です。これでは制度を利用できない人、制度の対象になっても、再建費用を賄うに必要な資金が調達できないなど、課題は残されると思います。
 住宅の再建や液状化等の地盤被害対策も含め、義援金や復興基金を活用しての再建事業が提案されていますが、それら制度の隙間で、支援が受けられない、足りない方々への、今後の対応をどのようにしていくのか、そのことが重要ではないかと思います。
 そこで、市長に伺います。震災復旧に義援金や復興基金を有効に活用していくことは大切なことだと思います。しかし一方で、義援金や復興基金を活用した事業の隙間で、支援が受けられない方々には、市独自の取り組みを検討し、一般財源も使った支援策を提案していくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 
 (答弁)
 
 なぜ、一般財源を使った支援ができないのでしょうか、その理由は何でしょうか?市長のお考えをお願いいたします。
 
 (答弁)
 
 すべての被災者が震災から復興していくためには、半壊以上で、義援金・支援金が足りずに住宅の再建ができない人への支援、一部損壊で復旧ができない人への支援、仮設・みなし仮設等に入居している人で住宅再建の見通しがつかない人への支援という課題を避けて通ることはできません。特に、熊本地震の特徴である一部損壊への支援は、国の支援制度がなく、市の姿勢が問われる問題です。今のままでは、り災証明を手にしている半数の被災者が切り捨てられてしまいます。一般財源を使い、すべての世帯への支援を何らかの形で行っていくことが必要ではないかと思います。
 
 引き続き、今後の財政運営について伺います。
 老朽化した公共施設の維持管理更新という莫大な費用を必要とする事業や(仮称)「熊本城ホール」整備の大型開発事業をすすめながら、熊本地震からの復興という経験のない大事業を行っていかなければなりません。
 第1に、公共施設等総合管理計画では、公共建築物およびインフラ資産の40年間の維持管理・更新整備額を1兆9557億7000万円、1年あたりの整備額を488億9000万円として推計しています。先日の予算決算委員会総括質疑で、財政局長は、「今後5年間の財政中期見通しには、維持補修費・更新費用を期間中実施の分について反映している」と答弁されました。公共施設等総合管理計画に基づき予定される維持管理更新経費で中期見通しに反映されている金額を年度ごとにお示しください。
 第2に、MICE・(仮称)「熊本城ホール」の保留床取得にかかる市債発行額及び年度別市債返還の見通しについてお示しください。
 また、桜町再開発への補助金総額ならびに(仮称)「熊本城ホール」整備事業費の総額と、その財源内訳をお示しください。
 財政局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 局長に伺います。公共施設の維持管理更新費について、「個別の事業費は示していない」との答弁でしたが、個別の事業費ということでなく、年度ごとに反映されている額を教えてください。
 
 (答弁)
 
 「公共施設等総合管理計画」に示されている公共建築物およびインフラ資産の更新費用は今後40年間で約2兆円です。40年間の年平均必要額は489億円です。しかし、これでは費用負担があまりにも大きいことから、公共施設マネジメントに向けた基本的な考え方が示され、資産総量の適正化では40年間で20%の削減、長寿命化の推進では「事後保全」から「計画保全」へと移行し、建築物は70年間使用することが基本とされています。合わせて総コストの削減を行えば、公共建築物の更新費用は約4000億円縮減され、6400億円となる予定です。それでも、計画上は、今後40年間、平均で約400億円程度の維持管理更新費が必要です。上下水道分を除き、一般会計では、年間200億円から300億円の維持管理更新費が必要と思われます。答弁にありましたように、今回示されている「財政の中期見通し」では、維持補修費が平成29年度当初予算で30億円、その後の伸び率に基づき、その後は増額しているとの答弁でした。しかし、熊本地震分を除く投資的経費は、平成29年度394億円、平成30年度507億円、平成31年度438億円、平成32年度以降380億円で、熊本地震発災前に出されていた昨年3月時点での「財政の中期見通し」の年次別投資的経費と比べてみると、「公共施設等総合管理計画」に基づく更新費用はほとんど反映されていないと思われます。先ほど述べましたように、計画に基づく更新費用を財政計画にきちんと反映させていけば、投資的経費はかなり大きな額となるはずです。「公共施設等総合管理計画」は、平成28年度から始まっています。今年度は、計画の検討段階であり、具体的な更新事業が始まる平成31年度以降は、費用も増えてくると思います。
 「財政の中期見通し」では、熊本地震にかかる投資的経費については年度ごとの金額が明らかにされています。公共施設等の維持管理更新費は莫大な費用が必要で、財政への影響も大きいことから、必要額をきちんと示していくべきであると思いますが、いかがでしょうか。市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 続けて市長に伺います。今後5年間、熊本地震の復興という大きな課題の中で、「公共施設等総合管理計画」に基づく維持管理更新に取り組み、(仮称)「熊本城ホール」整備などの大型開発もすすめられていきます。気の遠くなるような財政負担が必要となっていきます。事業が行われる当該年度の事業費負担はもちろん、かなりの額の市債を発行していくことになります。最初の答弁にありましたように、熊本城ホールの保留床分だけでも、市債返還は毎年13億円とのことです。市債の返還等考えると、中期の財政見通しはもちろん、長期の財政の見通しが必要です。中長期の財政見通しを行い、市民への適切な情報提供・説明責任を果たしていくべきではないでしょうか。
 
 (答弁)
 
 熊本地震による財政影響額の試算では、本市財政への影響額を今後30年で284億円とし、地震以外の収支改善によって109億円を生み出し、実質的には175億円の影響額に抑えているとの説明です。しかし、109億円の改善額の内容は、市税の増加30億円、公債費減30億円、事務事業の見直し48億円で、これらは熊本地震に特化して使う財源ではなく、市の予算全体に反映されていきます。よって、熊本地震の影響額は、あくまでも284億円と考えるべきです。この金額は、(仮称)「熊本城ホール」の保留床取得金にも相当します。今、熊本地震からの復興と大型開発事業の(仮称)「熊本城ホール」整備が両立していくのかと、心配の声が聞かれます。そうした心配の声に応えるような、市民への説明が必要ではないでしょうか。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 熊本地震の発生前は、市政史上最大のハコモノ建設であるMICE・(仮称)「熊本城ホール」整備に対し、市の財政を心配する声が寄せられていました。今、熊本地震復興という大きな課題が新たに生まれ、市の財政はますます厳しくなっています。加えて、公共施設の維持管理更新です。
 126億円の桜町再開発への補助金や300億円を超える(仮称)「熊本城ホール」整備、そして花畑広場やシンボルプロムナードなどの桜町再開発事業の周辺整備事業への40億円の投資などには、湯水のように税金をつぎ込みながら、わずかに一歩を踏み出した一部損壊への支援には市の一般財源は1円も使われていません。「熊本城ホール」、桜町再開発は、一般財源を100億円近く使います。大型再開発への大盤振る舞いと、一部損壊世帯の半数を切り捨て、何にもしないという市の姿勢は、市民の目にどのように映っているでしょうか。
 熊本地震被災者へ、一人残らず必要な支援を行うこと、市の財政運営については、具体的な内容まで市民に説明責任を果たし、市民の立場に立った財政運営に努めていかれることを要望して質疑を終わります。

熊本地震復興特別委員会

2017年3月8日 山部ひろし
熊本地震復興特別委員会(PDFファイル 431KB)

 日本共産党熊本市議団の山部洋史です。
 今回は、現在の被災者支援の現状について、また避難所運営マニュアルについて、お尋ねします。
 
 被災者支援については、この間、支援の拡充を求める様々な取り組みのなか、一歩一歩ではありますが、その前進をみたものもあります。しかし、中身をよく見てみれば、支援を受けられる人が限定されているなど、改善や上乗せ支援が必要なものがいまだ多くあるのも事実です。
 
 市長は、発災当初、今回の熊本地震は、これまで日本が経験した事のない未曾有の大地震だと、いう主旨の発言をくりかえされていました。そうした、いわば規格外の震災であったにもかかわらず、一方で、こと、被災者の支援については、昨日の上野議員の質問にもありましたが、たとえば一部損壊世帯への支援も修理費100万円未満の世帯への支給ははたされず、また原資についても義援金からの支給で終了と、被災者ひとり一人の生活再建を成すうえでは、まだまだ取り組みが不十分だと思います。
 今定例会の提案理由説明では、「来るべき新年度は、…『復興元年』と位置づけ、被災された皆様が一日も早く生活を再建できるよう、復旧・復興の取組みを加速していく必要がある」とされています。しかし、そうであるならば、支援がゆき届かない人たちや、住まいや生活の再建について、いまだ塗炭の苦しみのなかにいる人たちへと、しっかりとまなざしを向け、独自の支援に足を踏み出すことが大事ではないでしょうか。
 
 さて、そうした思いで今回の資料に目を通していますと、ひとつ気になる点がありました。それは、被災住宅の応急修理の状況についてです。
 この制度は、半壊または大規模半壊の世帯に対して、被災した住宅の「日常生活に必要不可欠な最低限度の部分」について、申込者が選んだ業者へ、業者の見積書をもとに市が依頼、限度額57万6千円で、「応急的に修理」するものです。
 それが発災から10か月がたった2月15日現在で、受付件数15,978件のうち、修理が完了している世帯が7,032件と、半数にもいたっていない状況です。
 
 この制度は応急修理に限っておりますので、工期について、長短はあるものの、それほど長期にわたるものがあるとも思えません。受付が済んでいるにも関わらず、修理が完了していないのはなぜでしょうか。工事に着手できていないものも、あるのでしょうか。ましてや半壊以上の被害を受けた家で、「日常生活に必要不可欠な最低限度の部分」の「応急修理」すら、できずに、どのように暮らしておられるのだろうと、誰しもが思うところです。
 そこで、お尋ねします。
 修理の受付に対して、修理完了が半分も済んでいないことについて、その原因や現状について、把握されていますか。また、申請者へはどのようなフォローをされていますか。担当局長におたずねします。
 
 (答弁)
 
  1 平成29年2月15日現在で、受付件数15,978件に対して、完了件数は7,032件ではあるが、工事中の件数を加えると、10,985件で、未発注が4,993件の状況。
 
 2 その差(かい離)の原因把握のため、2月より電話による調査を実施し、現時点で確認のとれた954件のうち、業者が決まっている方666件、業者が決まっていない方179件で、応急修理をやめる方109件となっている状況。
 
 3 現在も電話による調査は引き続き行っており、確認の取れない方へは、書面による調査も考えている。
 
 資料には示してありませんでしたが、2月15日時点、現在工事に取り掛かっているものを加えると、10,985件の進捗状況とのことでした。いっぽう4,993件が業者からの見積書がない等の理由で、市のほうで、いまだ発注できていないとのことでした。
 未発注分については、先月から個別の電話連絡で、その理由を調査されているとのことですが、現時点で確認が取れたものが954件、いまだ4,000件近くが確認を取れていないことになります。調査を始めてまだ日が浅い、ということもありますが、発災から一年近く、修理の意向がありながら、いまだに工事に着手することができていない方がこれだけいるということは、住宅再建の初歩の初歩である、応急修理ひとつとってみても、震災は現在進行形であり、支援の手がまだまだ行き届かない、困難な現状をあらわしているといえます。
 くわえて、気になったのが、自力で業者を見つけることができない方が、市がつかんでいるだけで、179件おられることです。
 市では、自力で業者を見つけられない人への対策として、市のホームページから、対応できる業者のリストを閲覧できるようにしてあり、そこで業者を選定してもらう対応を取っています。しかし、市のホームページから業者のリストまでは、6回ものリンクを飛ばなければたどり着くことができず、周知の仕方としては余りにも不親切ではないかと思います。そもそも、市のホームページから、業者のリストを閲覧できることすら、どのように周知されているのか疑問です。
 
 そこでお尋ねします。
 インターネットを駆使できる人であれば、自力で業者をみつけることは可能だと思います。ネット環境にない高齢者などには、紙ベースのリストの配布等の対応をとること、また、何といっても現実に業者をみつけることができずにおられる人たちです。面談等の個別の相談にのる事こそが必要だと考えますが、いかがでしょうか。
 
 次に、一番問題なのは、現在確認が取れない人はもとより、修理の意向がありながら見積書がまだ用意できない人、自力で業者を見つけることができない人など、このままでは、期限の4月13日までに正式な申し込みができない人が出てくることです。理由が明らかな人に対しては、期限を切らず最後の一人まで、柔軟に対応することが求められます。
 こうした、いまだ正式な申し込みができずにいる人たちに対して、申し込みの期限及び、現在は未定としている工事完了期限も含めて、期限を延長することを求めますが、いかがでしょうか。
 以上、担当局長におたずねします。
 
 (答弁)
 
 1 応急修理を申し込まれた方で、特に自力で業者を見つけられない高齢者への対応ということですが、議員のご指摘を踏まえ、ホームページについては、利用しやすい環境へ改善をはかり、窓口に来られた方や電話での聞き取りの際にも丁寧な説明を行うなど、被災された方々が一日も早い生活再建ができるよう努めてまいります。
 
 2 次に、応急修理の期限については、災害救助法では完了期限を決めることとなっていますが、工事業者が著しく不足している状況もあり、申込期限を、平成29年4月13日までとする特別基準で対応しているところで、今後、完了期限について県と協議する中で、柔軟な対応を検討してまいります。
 
 申し込み期限は、既に特別基準で対応中である、工事の完了期限については県と協議の上、柔軟に対応するとのことでした。
 先ほども申しましたが、この応急修理は、住宅再建の初歩であるはずです。その応急修理ですら、発災から1年近くになる現在でも、新規の申し込みが絶えない状況です。
 申込期限は既に特別基準で対応中、などと言うのではなく、工事完了も含めて、期限を切らず最後の一人まで、柔軟に対応するよう県に強く要望していただきたいと思います。
 
 次に、避難所運営マニュアルについてお尋ねします。
 
 熊本地震では、避難所運営や環境整備について、発災期を過ぎたのちも長らく混乱する状態が続きました。
 国・内閣府は過去の震災の経験、教訓をもとに発災翌日の4月15日、いちはやく「避難所の生活環境の整備等について」という通知をだしました。
 避難所の設置に際して、設備・備品等の整備、避難者のプライバシー確保、入浴・洗濯の機会の確保や、食品の供与についてはメニューの多様化、適温食の提供、栄養バランスの確保など、具体的に例をあげてその整備を促していました。
 しかし、残念ながら発災一か月後にいたっても、こと食事については、その改善がはかられず、5月20日に異例の二度目の通知が出されるにいたりました。
 これは、避難所の運営において、その根本に国が示す基準で運営する視点が欠けていたからではないでしょうか。発災当初の混乱期において、国の通知通りに運営しようと思っても、設備、備品、人員が足りずそれどころではなかったという意見も、もちろんあったと思います。しかし、だからこそ、国の通知はその運営について、一方的に被災自治体に課すのではなく、国としても十分支援することも含めて通知していたのです。
 
 現在策定中の避難所開設・運営マニュアルでは、昨年の地震の経験や教訓を踏まえて、様々な角度からの改善、見直しに取り組まれていると思いますが、実際の運営にあたっては、その時々の災害時に国から出される通知を基準に則して運営することを、明記されるべきではないでしょうか。
 担当局長におたずねします。
 
 (答弁)
  
 避難所開設・運営マニュアルについては、学識経験者からなる熊本地震検証・熊本市域防災計画改定委員会において、男女共同参画や福祉の的視点、避難所環境面も含め、多方面からご議論いただいている。
 また、女性のプライバシーの確保や授乳や乳幼児スペースの確保を行うことを盛り込むなど、地域防災計画はもとより避難所運営マニュアルの見直しを行っている。
 
 熊本地震発災後に出された内閣府の通知については、冷暖房機器の設置や食生活の改善等といった避難所における良好な生活環境の確保に留意するとともに男女共同参画の視点に配慮した避難所づくりに取り組むこととしており、避難所開設・運営マニュアルに盛り込むこととしている。
 
 国の通知で指摘された点は項目として、マニュアルに盛り込むこととしているとのおこたえでした。
 もちろん、事前にマニュアルに、通知の項目を盛り込んでいただくのは大事ですが、災害発生時に国から通知が出た際、そこに示された基準に則して避難所の環境整備、運営を進めるということを明記し、避難所に携わる職員の共通の認識としておくことこそが大事だと思います。
 国の通知は、過去の災害の経験や教訓を加味し、その時々の災害においてその時点での必要最低限なことが盛り込んであるものです。実際、東日本大震災時の通知と比べても、熊本地震で出された通知では、例えば、「避難所内で特に配慮を要する人」として「女性や外国人」が追加されており、また必要な設備として、「簡易ベッド」が追加されていました。
 また、災害救助法の実費弁償の基準、いわゆる一般基準で、対応できない場合には特別基準を設定できる、としたことも、熊本地震で新たに追加された項目です。
 
 実際に経験したことですが、私が避難所で職員に国の通知を示したところ、その職員から「ここまで整備してしまうと、避難所がまるで自分の家みたいになってしまう」といわれたことがありました。言外に「避難所に居座られては困る」と示唆しているようでした。
 いっぽうで、その避難所のなかをのぞいてみれば、年配の女性が固いパイプ椅子の上でひたすらじっとしておられました。理由を聞くと膝が悪いので、床やマットの上に直接座れない、寝るとき以外はこうして一日パイプ椅子に座っているというのです。それで職員に「この通知にあるように、すぐにあの女性に、簡易ベッドを手配してほしい」と訴えましたら、その職員は「ですから、転倒などの事故が起こらないように、パイプ椅子はガムテープで、床にしっかりと固定してあります」とにべもなく返答されたのです。
 国の示す基準で運営されることがしっかりと位置づけられていれば、「国のいうことも分かるけど…」などと言いながら、対応を後回しにすることもなかったのではと思います。
 こうした経緯や、避難所の環境整備・運営に国の通知が活かされなかった教訓をふまえて、改めてお尋ねします。
 避難所の整備・運営について、国の通知が出た際は、通知の基準にのっとって運営することをあらかじめマニュアルに明記し、職員の共通認識としてしっかりと位置づけておくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 大西市長におたずねします。
 
 (答弁)
 
 内閣府をはじめとした国からの通知は、その時々の災害において、その発災の時期や規模、範囲、背景など、様々な要因によって、現行の取扱いでは対応できないもの、あるいは、拡充が必要なものになどについて、必要に応じて発出されてきたものと認識。
 今回の熊本地震の対応においても、国から出された通知については、災害対策本部会議で情報を共有するとともに、適切な対応を講じるよう指示してきたところ。
 今後、新たな国からの通知が出された場合には、その状況を踏まえ、職員への周知徹底を図るとともに、適切に対応してまいる。
 
 今後、あらたな国からの通知が出された場合には、その状況を踏まえ、職員への周知徹底を図るとともに、適切に対応してまいる、とのお答えでした。その、「職員への周知徹底」と「適切な対応」に問題があったのが今回の避難所問題であったはずです。
 今回の震災では、支援制度の枠から外れる人への支援については、市のほうでも相当苦慮されたと思います。しかしいっぽうで、この避難所の環境整備の問題や、たとえば、生活保護世帯の住宅扶助の特別基準、生活必需品支給の遅れの問題などは、逆に国の側から、もっと柔軟に対応するよう指導がでていました。にもかかわらず市の頑なな態度については、支援制度を被災者目線ではなく、行政の都合で運用しているように思えてなりません。
 こんごの被災者支援は、例えば仮設住宅での「孤立化・孤独死」の問題など、経験したことのない未知数の課題がおこってくるでしょう。
 市に対しては、これまで以上に被災者の実態に寄りそった支援をおこなっていただくことを強く要望いたしまして、私の質疑といたします。

2017年第1回定例会・一般質問

2017年3月7日 上野みえこ
2017年第1回定例会・一般質問(PDFファイル 392KB)

 日本共産党熊本市議団の上野美恵子でございます。
 熊本地震発災後初めての当初予算が提案されています。本格的な復興はこれからです。未曽有の災害をくぐってこられた市民のみなさんに心寄せる市政運営を行っていただきたいと、その願いを込めてお尋ねしてまいります。市長はじめ執行部のみなさまには、心ある答弁をお願い致しまして、質問に入ります。
 熊本地震の対応から伺ってまいります。
 熊本地震の発災から10カ月以上が経ちました。プレハブ仮設・みなし仮設を含め、仮住まいで生活する世帯は9000世帯を超えています。市内一円には未だブルーシートを被った屋根が点在しています。すべてのみなさんが、被災前の生活が取り戻れるように、被災者ニーズに合った支援が必要です。
 まず、一部損壊世帯への支援拡充について伺います。
 私たちは、機会あるごとに「一部損壊世帯」への支援を要望してきました。やっと一歩を踏み出し、100万円以上の修繕費を必要とした世帯へ10万円の補助、住民税非課税世帯とひとり親世帯に対し3万円の義援金支給が決まり、支援が始まっています。しかし、その対象にもならず、未だ発災時と変わらない手付かずの状態で生活しておられる方もいらっしゃいます。一部損壊のAさんは、屋根が大きく損傷し、部屋の中で上を見上げると被せてあるブルーシートが見える状態です。今まで何とかしのいできたものの、大雨が来れば部屋の中はぐちゃぐちゃになってしまうと心配されていますが、ブールーシートの張替え費用さえ工面できずにいらっしゃいます。
 そこで、お尋ねいたします。
 第1に、現行の一部損壊世帯への支援策の対象となる世帯数は、それぞれどのくらいでしょうか。
 第2に、そもそも半壊以上の世帯には、り災証明の程度に応じすべての被災者に平等な支援がされています。ところが、一部損壊世帯は罹災証明をもらっても、多額の修理費を払ったとか、生活が困窮しているという条件がなければ支援が受けられません。同じ一部損壊の被災者を分け隔てしていることが問題です。100万円以上の修理費でも、お金があって修理をした人には支援があり、先ほどの方のように、100万円以上の修理費がかかってもブールーシートすらかけ替えられない人は救われません。義援金は罹災証明が発行されているすべての世帯に支給し、収入の少ない非課税世帯やひとり親世帯の方々へは加算をすべきであります。過去の大災害では、政令市レベルで、広島市が2014年の豪雨災害で住家の再建をしなかった世帯に対しても義援金35万円を支給しています。同じく2014年の台風・豪雨で神戸市はすべての一部損壊世帯に生活再建支援金15万円を支給、2015年の災害で京都市はすべての一部損壊世帯に5万円を支給しています。中越地震では、新潟県が一部損壊世帯に5万円の義援金を出しています。熊本市では、すべての一部損壊世帯に、なぜ支援ができないのでしょうか、理由をお聞かせください。
 第3に、新年度になれば、すぐに梅雨を迎えます。被害が拡大しないためにも、ブルーシートの張替えなどへの助成を行うべきではないでしょうか。
 第4に、すべての被災者を視野に入れた支援がなかなかすすまないのは、被災者の事態把握が足りないからではないでしょうか。1月に市長は、仮設住宅の訪問をなさったようですが、それはほんの一部分です。プレハブ仮設に住む方は529世帯、しかし、り災証明は約119000世帯に発行されています。被害が小さいからいいというのでなく、すべての世帯が真の再建ができる見通しがあるのか、できなければ、その原因がどこにあるのか、被災者実態調査を今の時点ですべきではないでしょうか。そうでなければ復旧・復興から零れ落ちていかれる方がいらっしゃるのではないでしょうか。
 市長ならびに政策局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 答弁にありましたように、現在実施されている一部損壊世帯への支援は、すべての一部損壊世帯の約50%とのことです。要するに、残り半数の世帯は、何の支援も受けていません。その理由というのが、一部損壊の世帯数が多いからということであります。熊本地震は、本市にとって未曽有の大災害となりました。被災者が多くて当然です。それがすべての一部損壊に支援しない理由なら、小規模な災害では一部損壊でも支援するが、大災害になれば支援しないということになります。そんな理屈が通用すれば、大間違いです。大災害の時こそ、被災者すべてに支援をすべきではないでしょうか。
 市長に伺います。
 @ なぜ、100万円で線引きをするのですか。100万円で10万円の補助ならば、修理費に応じて、50万円でも、10万円でも1割の補助をすべきではないでしょうか。それが平等というものでしょう。
 A 一部損壊の支援の財源は、義援金です。地震の復興が大切な課題ならば、義援金頼みでなく、一般財源も使って必要な支援をすべきではないでしょうか。
 
 (答弁)
 
 68000人の一部損壊世帯へ、残らず何らかの支援を行うこと、これは熊本地震復興の大きなテーマではないでしょうか。引き続き、すべての一部損壊世帯へ何らかの支援をしていただくよう強く要望いたします。
 
 続いて、各種支援制度の期限延長についてお尋ねいたします。
 市長が復興元年と言われているように、復興はこれからです。ところが、震災関連の各支援メニューが軒並み、1年も待たずに打ち切られようとしています。
 第1に、り災証明の申請に対し、調査終了数はどうなっていますか。1次調査、2次調査それぞれにお答えください。また、1次調査・2次調査の未終了分の調査終了見通しは、それぞれいつ頃になりますか。
 第2に、罹災証明発行の受付は3月末までとなっており、その調査と、そのまた再調査があります。調査の遅れにより「り災証明」が未交付の人、今月中に新規で「り災証明」を申請する人など、り災証明をこれから交付される方々は、当然支援メニューを受けるのはその後です。罹災証明を手にしたら、「支援メニューは終了していた」では、何のための支援なのかわかりません。 
 国の財源措置を示す通知が出されたことで、国民健康保険・介護保険・後期高齢者医療保険の一部負担金・保険料の減免は7カ月後の9月末日まで延長することとなりました。しかし、3月末が申請期限となっている税の減免・公費解体・みなし仮設借り上げ・(災害援護資金貸付・)就学援助・各種手数料免除など、その後、4月をめどに打ち切りとなる住宅の応急修理や生活再建支援金支給など、その他多くの支援メニューは、近々申請打ち切りの予定です。そもそも「り災証明」発行の受付が終わる前に、支援メニューを打ち切るところに矛盾があります。受付期限を延長し、支援を続けるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 第3に、一部損壊世帯への支援が始まりました。一部損壊世帯へは、支援がなにもないと思って、これまで罹災証明を申請していなかった方もおられたようで、駆け込みでの罹災証明申請も行われています。しかし、新規り災証明の申請受付もまた、期限が3月31日となっています。これでは、やっとのことで始まった一部損壊世帯の支援を受けることができない世帯が出てくるのではないでしょうか。罹災証明の申請受付を延長すべきと考えますがいかがでしょうか。
 市長ならびに財政局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 市長は、提案理由説明で、「2017年度は復興元年」と述べられていました。り災証明すらまだ調査継続中というのに、支援制度を次々に打ち切って「復興元年」とは、私は聞きながら自分の耳を疑ってしまいました。すべての市民の生活や住まいが再建し、安心の暮らしが戻るまで、罹災証明の発行はじめ、必要な制度を継続すべきです。
 
 災害援護資金貸付について伺います。
 補正予算で貸付金が13億9600万円、予算の6割以上が減額されています。なぜこんなに利用されなかったのか、問題です。
 第1に、義援金や住宅再建支援金の金額が少ないため、一部損壊・半壊世帯はもちろん、支援金の対象となる大規模半壊以上の世帯でも、再建資金は不足するので、災害援護資金貸付等、何らかの貸付制度が必要です。災害援護資金貸付は、所得制限があり、収入の低い世帯を利用対象とした被災者支援であるにもかかわらず、年3%もの利息が付きます。6月議会では、東日本大震災並みの年利1%、保証人がいれば無利子という制度へ変更を、市長は国に強く要望すると答弁されていました、どのような働きかけをされたのでしょうか。現在の貸付額で、利子はどのくらいになるのでしょうか。市が利子補給をして、無利子での運用にすべきではないでしょうか。
 第2に、発災から10カ月、被災者の多くが、住まいの再建これからというときに、受付期間が3月末日まででは今後の住宅再建に活用しようという人は利用できません。申請期限は延期すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第3に、熊本市の場合、返済据え置き期間が3年です。しかし、これでは住宅等の再建の真っ最中に返済が始まります。東日本大震災では、据え置き期間が6年ないし8年となっています。本市としても同様の扱いになるよう、国に要望すべきではないでしょうか。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 この超低金利の時代に、3%もの利息を取るなど、まさに災害に乗じた高利貸しじゃないですか。大企業であるHISが主体の桜町再開発会社には、熊本市が利子補給をした形で、66億円もの運転資金を無利子で貸し付けます。なぜ被災者のために7600万円の利子負担ができないのでしょうか。とても心ある対応とは思えません。無利子での貸し付けや措置期間の延長など、強く要望致します。
 
 生活必需品支給事業について伺います。
 半壊以上の被害を受けた方へ生活上必要な被服・寝具・日用品等を支給する「生活必需品事業について、「8月に申請したにもかかわらず届かない」という声が寄せられています。厚生委員会でも伺いましたが、熊本市のあまりにも遅れた現状は、国会でも話題になり、先月23日の衆議院予算委員会では、日本共産党の田村貴昭衆議院議員の質問に、復興大臣が「できることはすべてやるということで対応する」と答弁されていました。
 そこでお尋ねいたします。
 第1に、厚生委員会では、申請件数12500件、そのうち事業者に発注された件数が8800件で約70%、発注された分のうち配送が済んでいる件数が7400件程度であるとのことでした。発注・配送共にたいへん遅れており、今やっと昨年の8月末から9月初めに受け付けた分を発注しているところで、半年も前の9月発注分も届いていません。このような実態について、市長はどのような見解をお持ちでしょうか。
 第2に、熊本市のひどい現状の問題点は、4月発災のために「夏基準」で金額の基準が低いこと、品目も限られていること、委託事業者の幅が狭く数多くの事業者に発注できないことなどです。国会では、「支給の金額は発災時点で決められるが、一般基準で対応できない場合は『特別基準』の設定が可能なので、国に協議を申し出てほしい」、また、「品目が限られていることも国への申し出があれば対応する」、「申請して届くのに何か月もかかる問題も、相談する場を持たせていただき対応する」という答弁でした。「特別基準の適用による支給金額の引き上げ」「対象品目の拡大」「スムーズな発注となるための委託事業者の拡大」など、改善策を具体的に提示し、県・国への要望を緊急に行い、実態改善に努めるべきと思いますが、いかがでしょうか。
 第3に、この事業は、すでに1月末をもって申請受付が終了されています。しかしこれでは、他県等への長期避難から帰ってきた方などが、支援を受けられません。先日お会いした、他県への避難から帰ってきた方は、お部屋に日常生活用品がほとんどありませんでした。り災証明書の申請受付は3月末までで、その調査が終わるのは、今の進捗状況を見れば、年度明けのずいぶん先になることが予想されます。罹災証明の発行すらできていない中で、制度を早々に打ち切ることも問題です。罹災証明書があり、今からでも必需品を必要とする方には申請期限を延長して受け付けるべきではないでしょうか。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 国会では、田村議員の質問を聞いて、他党の議員が「生活必需品が、発災から10カ月も経つのに届かないなんてことがあるのですか」と驚かれていたそうです。答弁にありましたように、今やっと県を通じて国と特別基準の協議をすすめているとのことです。しかし、このような異常ともいえる事態になってしまったのは、実態に合わない国の規準や市の協定という問題がありながら、それに固執して、現状を出発点にして、制度の運用ができるように県や国との協議をすることなく、漫然と業務を行ってきたことにあります。
 生活必需品とは、直ちに届けられるべきものです。業務の行き詰まりが明らかになった後も、運用の改善には手を付けず、いわば放置してきた市の責任は重大です。しかも、り災証明の発行すら終わっていないのに、申請は早々に打ち切るという姿勢も、厳しく問われなければならないと思います。
 
 生活保護受給者の住宅扶助「特別基準」の適用について伺います。
 生活保護世帯の住宅扶助は、地震発生前の一昨年7月に大幅に改悪されました。その内容は、熊本市内の住宅扶助費が県下の市町村の住宅扶助費を下回るというものでした。都市部の不動産価格は、同一条件の物件であれば、都市部の方が高いのは当たり前です。一般の不動産取引の常識では考えられない改悪でした。当然、市内での物件探しは難しくなります。そこに、熊本地震が発生し、特に建築年数が長く老朽化した物件は大きな損壊を受け、住めなくなった物件が続出しました。被災した生活保護の方、被災によって生活保護になった方、それぞれに苦労されながら、住まいを探されていますが、基準額の範囲で探すのが困難な状況となりました。通常の住宅扶助基準の1・3倍の特別基準の運用が必要な状況です。熊本市内5カ所の福祉事務所でも特別基準での対応をし、震災を理由に転居をされた方のうち、民間住宅への転居が489世帯あり、うち38件に特別基準が適用されました。
 特別基準適用にあたり厚生労働省は3つの考え方を示しています。熊本地震被災の場合は、そのうちの一つ「地域において、世帯人員別の住宅扶助の限度額の範囲内では賃貸される実態がない場合」という基準になります。「この基準に即して自治体で対応してよい」というのが国の考え方です。この「地域の住宅事情から限度額の範囲内ではどうしても対応できない場合」というのは、東京都がつくっている「生活保護運用事例集」にも詳しい解説があり、「住宅扶助を必要とする被保護者の状況を個々に判断するのではなく、当該地域を管轄する実施機関が、地域の住宅事情を的確に把握して、管内の被保護世帯に対して統一的な適用基準を用いることが必要である」と記されています。基準内で物件の見つかった人はいいとして、頑張っても基準内で見つけることができなかった人を、個々の状況で、適用したり適用しなかったりというのは、基準となる考え方に反します。本市においては熊本地震発災で住宅事情が悪くなっているという統一した現状に照らし、必要とする人には、特別基準を適用すべきと思いますが、熊本市の考え方を健康福祉局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 「必要と判断した世帯には特別基準を適用している」という答弁ですが、同じ熊本地震の被災者に対して、適用したり、しなかったりというのは、公平性を欠いていると思います。生活保護は、機関委任事務です。個々の事案について国はあまり意見を述べませんが、国が「ダメ」と言わないのならば、生活に困窮された方の立場に立った制度の運用をすべきではないかと思います。
 
 「格差と貧困」というテーマで伺います。
 労働者の実質賃金は4年間で年額19万円も減り、家計消費は実質15カ月連続・対前年比マイナスです。労働者の平均賃金は、1997年をピークに、年収で55万6千円も減少しています。2012年に、日本の貧困率は16・1%となりOECD34カ国の中でワースト6位で、先進国の中でも「貧困大国」です。働いても生活保護水準以下の収入しかないワーキングプア世帯は、就業者世帯の9・7%で、15年間で2倍に増えています。2人以上の世帯で「貯蓄ゼロ世帯」は30・9%と、18年間に3倍へと急増しています。「アベノミクス」の破たんは明瞭となり、日本の経済と社会の危機を深刻なものにしています。今、日本の社会は、超富裕層がますます富み、中間層が疲弊し、貧困層が増大しています。また、貧困は特別な事情でなく、倒産、失業、病気、介護などで職を失えば、誰もが貧困に陥るような社会になっています。
 日本共産党は、格差と貧困をただすために、@能力に応じて負担する公正・公平な税制への改革、A社会保障、若者、子育てを予算の中心に据える税金の使い方の改革、B8時間働けばふつうに暮らせる社会への働き方の改革、C大企業と中小企業、大都市と地方などの格差を是正する産業構造の改革、という四つの改革を提案しています。このような考え方に立って、身近な問題についてお尋ねしてまいります。
 まず、子どもの貧困です。
 2012年、子どもの相対的貧困率は過去最悪の16・3%となり、子ども貧困、貧困の連鎖が大きな社会問題になりました。2013年6月には、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が制定されましたが、現実には、格差と貧困はますます深刻になっています。
 そこで、お尋ねいたします。
 @ 本市における子どもの貧困の実態をどのように受け止めていらっしゃいますか。
 A 熊本市は、新年度予算で「子どもの貧困実態調査」を実施する提案があります。この調査については、次年度の早い時期に実施していただきたいと考えますがいかがでしょうか。
 内容については、世帯の実情をつぶさに把握することが重要です。ユニセフが使っている「子どもの剥奪指数」の観点で、貧困の中にいる子どもたちが経済的な理由から何ができないのかを明らかにするなどの調査も必要ではないでしょうか。全国で実施している「子どもの貧困調査」の事例を研究し、実態に迫る調査にいていただきたいと思います。お考えをお聞かせください。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
  「子どもの貧困」には、問題意識を持っていて、実態調査も多面的に速やかに実施していただくとのことですので、よろしくお願いいたします。
 
 具体的な問題で、子ども医療費助成制度について伺います。
 全日本民医連の医療機関と大学の共同調査では、貧困世帯とそうでない世帯とを比較した場合、貧困世帯は、受診の控えが4・3倍、インフルエンザワクチンの未接種が3・4倍、ぜんそくの基礎疾患やそれによる入院が2倍、育児困難は5倍におよび、妊娠中絶や10代の妊娠が3倍から4倍というもので、医療面から貧困家庭の困難が浮き彫りになっていました。改めて家庭の経済的な事情によって医療が受けられない状況をつくらないために、子ども医療費助成制度の果たす役割は大きく、子育て世帯の経済的負担を軽くして、幅広く利用できる制度にしていかなければならないと考えます。
 昨年の第1回定例会で、子ども医療費助成制度の対象年齢見直しが提案されました。しかし、その内容は、入院を中学3年まで無料とする一方で、対象年齢を中学校3年生まで引き上げるものの、現行制度の自己負担額500円を医科・歯科ともに3歳以上を1000円に引き上げ、加えて調剤にかかる自己負担を新たに1000円求めるもので、3歳から小学校3年生までの負担が3倍、4倍になります。そのため、子育て支援に逆行するとの意見が相次ぎ、予算決算委員会で、付帯決議が決議されました。その内容は、「子ども医療費の助成制度の拡充にあたっては、0歳から小学校3年生までを対象とした現行制度を基本とし、再考されるよう要望する」というものでした。今回の提案は、入院は同じく中3まで無料であるものの、小学校3年生までは自己負担700円、小学校4年生以上には自己負担1200円とし、しかも、これまで無料だった調剤部分に、自己負担を小3以下700円、小4以上1200円を新たに求めるというものです。
 そこで伺います。
 第1に、入院の無料化のために必要な財源額、4歳から小学校3年生までの世帯が、現行制度から医療費負担700円、調剤費負担700円となる場合の負担増額、小学校4年生から中学3年までの医療費負担1200円、調剤負担1200円とするために必要な財源額を、それぞれにお示しください。
 第2に、昨年の改定案より若干負担額が下がってはいるものの、小学校3年生までの世帯に大きな負担を求めるという点は変わるものではありません。市長は、議会が全会一致で決議した「0歳から小学校3年生までを対象とした現行制度を基本とする」という付帯決議をどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。
 第3に、調剤に自己負担を求めることで、院内処方と院外処方とで自己負担額に大きな違いが出ます。この点は、昨年の3月議会でも問題点として指摘されていました。どのように検討されたのでしょうか。無料だった調剤に自己負担を求めることからこの問題は発生しています。調剤についての自己負担は無料にすべきではないでしょうか。
 第4に、今回の案は、制度の改定によって市の財政負担はわずか1・2億円しか増えていません。前回の案もそうでしたが、制度を拡充すると言いながら、市の財政負担をできる限り少なくするというやり方のために、拡充分の財源を子育て世帯の自己負担増で賄うという歪んだやり方になっています。市長の重点公約でありながら、お金は出さないという点に問題があります。市がお金も出して、財政的にも重点と位置付け、現行制度を後退させることなく、対象年齢引き上げを実施すべきではないでしょうか。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 市長は、子ども医療費助成制度を拡充するということの意味を全く理解されていないと思います。拡充というのは、子育て世帯の経済的負担を軽くして、すべての子どもたちがお金の心配なく病院にかかれるようにすることです。答弁にありましたように、入院の無料化に1億3000万円、小学校4年生から中学3年生までの自己負担軽減に3億700万円です。今回の予算提案にあたって市の持ち出しが1億1750万円は増えているので、差し引き約3億2000万円の負担増を3歳から小学3年生に押し付けて、年齢引き上げと入院無料を実施していることになります。 また、「可能な限り付帯決議に沿いながら制度設計を行った」と言われましたが、3歳から小学3年生に3億円以上の負担増を求めることのどこが現行制度に沿っているのでしょうか。市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 付帯決議を読み直して、出直していただきたいと思います。
 市長のやり方だと、子育て世帯の負担は軽くなりません。制度を拡充するときに、必要な財源を市が出すから当事者負担が軽くなります。当たり前の理屈です。
 さいたま市・名古屋市では、子ども医療費は中学校3年生まで自己負担も所得制限もなく、完全無料化が実施されています。そのために、人口220万人の名古屋市では106億円、人口127万人のさいたま市では51・5億円の予算を使っています。熊本市が新年度に予算化する19億円と桁違いであり、莫大な費用を予算化して、中学3年生までの完全無料化を人口の多い政令市が立派に実施しています。子育て世代に負担を負わせて対象年齢を引き上げるような見直しは、子育ての支援でなく、市長が掲げた公約の帳面消しではありませんか。これで本当に、子どもたちの幸せのために制度を拡充するのだと、胸を張っておっしゃれますか。市長の見解を伺います。
 
 (答弁)
 
 先ほど紹介しましたさいたま市・名古屋市を、一人当たりの助成額で比較しますと、さいたま市が29,534円、名古屋市が38,006円、熊本市の今回の提案は16,861円です。どれだけお金のかけ方が違うか、一目瞭然ではありませんか。今回の熊本市の提案は、絶対に受け入れられません。
 子ども医療費無料化の現物給付にかかる国のペナルティも、今後段階的になくなる方向です。そういう財源も使い、子育て世帯に負担を押し付けることなく、対象年齢の引き上げを実施していくべきではないでしょうか。市長の賢明な判断を期待したいと思います。
 
 引き続き、具体的な貧困対策についてお尋ねいたします。
 第1に、食べられない子どもたちへの支援です。国立社会保障・人口問題研究所が2013年に公表した「生活と支えあいに関する調査結果の概要」では、「過去1年間に経済的な理由で家族が必要とする食料を買えなかった経験を持つ世帯」は、「よくあった」「ときどきあった」「まれにあった」を合計すると14・8%となっており、7軒に1軒が何らかの形で食料を買えないという現状であり、給食がほとんど1日の栄養源となっている、給食のない夏休み明けに痩せて登校してくる子どもがいる、家で手作りの食事をとっていない、保育園に朝食を食べずに登園してくるなどがあります。子どもたちの食生活の権利保障は、民間任せにはできません。公の支援こそ必要です。
 昨年質問した「こども食堂」への支援は、本年度エンゼル基金を使って、2カ所に立ち上げ資金という形での支援です。全国的にも増え続けている「こども食堂」は、単に食事の提供にとどまらず、居場所の機能も果たしており、本来ならば行政の仕事です。しかし、現場のみなさんは、民間でやることの自由度の高さを活かし、さまざまな形での特色ある支援活動をされています。   
 第1に、現在熊本市には、12カ所程度の「こども食堂」が活動しています。それぞれの運営についての支援が必要ではないでしょうか。
 第2に、学校給食の負担軽減に取り組む自治体も年々増えています。赤旗の調査では、全国1741市区町村のうち、給食費の全額ならびに一部補助を実施している自治体は424市町村あり、3分の1近い自治体が給食費の負担軽減に取り組んでいます。うち全額補助は62市町村です。また、市段階では多子世帯への補助も広がっています。本市においても、給食費について何らかの補助を実施できないでしょうか。
 第3に、日本は、先進国の中でも高等教育の負担が非常に重い国です。2012年、日本政府は、高校・大学までの段階的な無償化を定めた国際人権A規約(13条2項b、c)の適用留保を撤回し、中・高等教育の無償化を国際的にも迫られることになりました。しかし現実には、依然として高校・大学の学費負担が重いのが現実です。そうした中、世論に押される形で、国は次年度より給付型奨学金導入を決めました。しかし、対象者が住民税非課税世帯に限定されるために対象者が極めて少ないことや、成績が悪ければ返還もありうるなど、「給付」とは言えないのではとの批判の声もあります。また、給付金額も国公立大学で2万ないし3万円、私立大学で3万ないし4万円で、十分な額ではありません。この制度を補完・上乗せするような市の給付型奨学金が実施できないでしょうか。
 第4に、公立小中学校の児童・生徒の教育費負担軽減の制度である、就学援助制度が新年度から拡充され、新入学の学用品費が小学校で20470円を46000円に、中学校では23550円が47400円に引き上げられます。熊本市としても、2017年度分から引き上げ額での支給を実施していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。国が算定基準に入れているPTA会費・部活動費・生徒会費についても、援助の費目に加えて支給すべきではないでしょうか。
 第5に、子どもの置かれた状況や貧困の状態などをつかんでいく、学校は、そのプラットホームとして位置づけられています。学校とスクールソーシャルワーカー、支援機関との適切な連携が必要です。スクールソーシャルワーカーは現在若干拡充されて9名配置されています。しかし、現在の子どもの状況を考えるならば、更なる拡充が必要ではないかと思います。今後の配置拡充について、考えをお聞かせください。また、現在SSWは、嘱託として勤務されています。数名は医療機関との兼務ですが、専任として勤務されている方もおいでです。極めて専門性の高い業務であり、それに見合った処遇改善が必要であると考えますがいかがでしょうか。
 以上、関係局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 ただ今の答弁を聞いておりまして、「子どもの貧困」も大きな社会問題ですが、熊本市の子育て支援も、お金のかかることはなるべくしない、かなり貧困な発想ではないかと思いました。各種支援策の拡充を強く要望いたします。
 また、私立小中学校に通う児童生徒の授業料の負担軽減のために国が2017年度から年収400万円以下世帯へ年10万円の授業料軽減措置を始めます。申請が必要なので、市内の対象者がもれなく軽減措置を受けられるよう、県に周知を働きかけていただくよう要望しておきます。
 
 介護保険について伺います。
 介護保険の実施から17年が経ちました。年金が減り続ける中、保険料や利用料など、介護費用の負担は増えています。一方で、増え続ける介護サービスを縮減するために国の制度改悪によって、受けられるサービスはどんどん削られてきました。
 昨年秋に、「21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会」が行った全国の特別養護老人ホームや養護老人ホーム等への調査には、1906カ所の施設からの回答があり、うち101施設で「支払い困難を理由に退所があった」という報告がありました。保険を利用する介護施設ですらこのような状況なので、民間の高齢者住宅などは、経済的な理由で入所できない人はもっと多いと考えられます。しかも、311の施設から「配偶者の生活苦」という回答があり、介護サービスを利用する世帯の家計が大変厳しいという現実が示されています。本市でも、保険料が払えないために給付制限を受けている人は、約150人です。
 そこで、お尋ねいたします。
 第1に、利用料の支払い困難を理由に施設を退所されているような事例、同じく利用料が払えないために在宅でのサービスを辞退あるいは削っているような実態を市はどのように把握していますか。そのような問題への対応を、どのようになさっているでしょうか。
 特に、利用料負担が2割の被保険者と、1割の被保険者のサービス利用実績について、ご説明ください。
 第2に、平成29年度は、「第6期事業計画期間」の最終年度です。次の計画期間に向けての事業計画や保険料等の検討を実施していく年度となります。第1期事業計画期間の39000円が現在、68400円まで引き上げられ、1・7倍に増えています。年金が減り続ける中で、これ以上の保険料負担は、高齢者の生活破壊につながります。「第7期事業計画期間」では、限界を超えた保険料の負担を軽減すべきではないでしょうか。また、熊本地震関連を除く、通常の保険料・利用料の減免実績は、保険料で134人、利用料で54人と、極めて少ない状況です。保険料・利用料の減免については、その運用を改善し、適切に減免を実施していくべきではないでしょうか。
 第3に、熊本市でも、新年度より新総合事業への移行が行われ、2017年度予算で、「介護予防・生活支援サービス事業費が8億円予定されています。サービスが十分に提供できるだけの事業者を確保する見通しはあるのでしょうか。高齢者数の伸び率も考慮した現行サービスと同等の給付を提供できるのでしょうか。ニーズが大きかった場合は、事業費を増やしてサービスを提供されるのでしょうか。また、総合事業は基準が緩和されるので、例えば「基準緩和型訪問介護」にあたる生活援助型訪問サービスは、ヘルパー資格がなくても一定の研修さえ受ければサービス提供者になることができます。しかし、本来ヘルパーによる生活援助は、単なる家事代行でなく、家事支援を通じて利用者に直接利用者に働きかけていくもので、認知症の早期発見など、総合的な視点にたったものです。こうした専門性をどのように確保していかれるのでしょうか。
 以上、健康福祉局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 介護保険法第1条には、「能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため」と、その目的が書かれています。しかし、実際には、40歳以上のすべての国民から保険料を否応なく徴収しながら、65歳のサービスを受ける年齢になっても、被保険者本人が必要とするサービスは提供されません。要介護認定や利用料負担など、高いハードルを越えなければ、サービスは受けられず、第1号被保険者のうち実際に何らかのサービスを受けているのはわずか17%で、残り83%の方はすべて保険料掛け捨てです。しかも、そのハードルは、ますます高くなろうとしています。介護度の低い人を施設サービスから締め出さし、訪問介護や通所介護などにも制限を設けるなど、受けるサービスは狭くなるばかりです。専門家の方が、「介護保険は詐欺です」というほど、その内容は過酷です。法の縛りがあるとはいえ、実施主体として、熊本市が高齢者の立場に立った運用に取り組んでいただくよう要望しておきます。
 
 市役所の「働き方」についてお尋ねいたします。
 時間外労働の縮減が叫ばれながら、一向に改善せず、大地震の発生もあって、むしろ厳しくなる状況がありました。私ども共産党市議団にも、庁内の長時間労働を懸念する声が届いていました。早速実態を調べました。今年度は、地震の影響で、全体的に残業が増えていたので、昨年度実績を見ました。断然トップで残業の多かったのは財政課でした。月平均の一人当たりの残業時間は70時間ですが、月ごとに見ると、予算編成が忙しくなる時期、過労死ラインと言われる月80時間を超える月が4カ月連続で続いていました。うち3カ月は100時間を超えていました。そこに熊本地震が発生したので、2月・3月と間をおいて、4月から4カ月連続また80時間を超える残業が続いていました。今民間企業でも、違法な長時間労働がさまざまに告発されています。過労自殺の発生した大手広告代理店「電通」に続いて、今年2月には旅行大手のHISが労使協定で定めた月上限を100時間以上超える残業をさせた疑いで強制捜査が行われました。
 昨年末の火災発生によって、長時間労働の実態が注目され、現在、若干例外を認める規定はあるものの、基本的には午後8時に残業を終了するとの是正措置が取られています。公営企業等を除く市役所は、労働基準監督署の管轄外とはなっていますが、民間の規準となるべき、公の職場では、当然働くルールが守られなければならないと思います。
 また、非正規雇用の問題では、市役所でも嘱託・臨時の非正規職員は年々増え、今や全職員の約4割が非正規職員です。特に、専門的な業種での嘱託も年々増えています。専門的な知識や技量・経験を持ちながら、こんな処遇でいいのか、たいへん疑問であると同時に、足りない部分を非正規で補うというとらえ方でなく、ひとりひとりが労働者としてきちんと働いていけるような市役所の雇用のあり方が必要ではないかと思います。
 そこで、伺います。
 第1に、是正が始まってはいますが、長年続いてきた、部署によっては「過労死」を生むような、長時間勤務の実態について、どのように受け止めておられるでしょうか。
 第2に、今、是正が始まっていますが、市役所内の仕事は減ったわけではないので、仕事の改革をすすめる、必要なところには新たに人を配置するなどの措置が必要ではないでしょうか。同時に、時間外を縮減したことで、仕事の持ち帰りや休日出勤が増えることがないよう、職員の休息の権利もきちんと補償すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第3に、3町合併で熊本市は政令市となり、市域が広がり、人口も増え、問題への対応も複雑多岐となりました。しかし、合併によって増えた職員数はどんどん削減されました。合併3町ならびに当時の熊本市の職員数の合計、現在の職員数をお示しください。行き過ぎた職員削減によって、職員の仕事がふえ、残業を生むような土壌となっています。同時に嘱託・臨時職員で補っていることが、「官製ワーキングプア」という新たな問題を生んでいます。今以上の職員削減を止めて、業務量に必要な職員数を正規の職員によって確保すべきではないでしょうか。
 第4に、年々増えている嘱託・臨時について、いくつかの専門的な分野を見ますと、市電の運転手は85%が非正規で、正規職員はわずか12人しかいません。図書館司書は82%、保育士は約5割、市民病院の看護師は約2割、教職員が約1割です。これらの職種は、嘱託でも正規職員と同じような仕事をしなければなりません。これまで5年で雇止めであったものが、4年で新たに契約をし直すものの、長期に継続ができるようになりました。であれば、なおさら同一労働同一賃金を支払うことを基本とすべきではないでしょうか。
 第5に、非正規職員の処遇で、交通費は公共交通機関を使用する場合、実費を支給しないのは政令市20市の中で熊本市だけです。ただちに是正すべきではないでしょうか。また、先ほど紹介しましたように、嘱託には専門職がたくさんいらっしゃいます。政令市6市が実施している経験加算を実施すべきであると思います。その他、一時金・時間外手当など、職員に準ずる処遇の改善をすべきであると考えますがいかがでしょうか。
 以上、市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 私は、昨年も市役所の働き方の問題で質問致しました。今のような雇用政策を続けていけば、一番顕著となっている市電の運転士、正規職員は今や12人。あと数年で正職員の運転士はいなくなります。電車の運転士、看護師、教員など、非正規職員は、毎日同じように働いていても、正規職員の半分程度の賃金しか支給されていません。本来、基準であるべき公の職場が、嘱託が当たり前、人を使い捨てにする、ワーキングプアを生み出す職場であっていいのでしょうか。市長の見解を伺います。
 また、嘱託・臨時職員の交通費についても、全国の政令市で熊本市だけが実費を支給しないのは、嘱託・臨時の職員を労働者として扱っていないように思います。直ちに改善すべきではないでしょうか。
 
 (答弁)
 
 人間らしい働き方とくらし、そんな常識ある熊本市役所の働き方になるよう、心から願います。 
 
 桜町再開発・MICE整備について伺います。
 第1に、先の12月議会では、桜町再開発の保留床を取得する議案が可決され、再開発事業への(仮称)「熊本城ホール」整備が本格的に動き出してきました。市長は、12月議会で、再開発ビルへの地元事業者の参入について、「多くの地元企業が出店されるよう求めていく」、また「地域の雇用創出につながっていくようお願いしている」と答弁されました。その後、いつ、どういう場で、どのようにそのことを再開発事業者へ伝えられたのでしょうか。また、その結果として、地元企業の参入がどうすすんできたのか、地元の雇用創出の見通しがどのようになってきたのか、お答えください。
 第2に、多額の税金がつぎ込まれてすすんでいく桜町再開発は、事業実施のために県民百貨店やセンタープラザテナントの店舗・従業員を地域から追い出しました。当事者の方々も声を上げ、再雇用の確保や、出ていくのならば、移転した先できちんと営業が続けていかれるような支援を要望されていました。閉店から1年経った昨年2月の時点で、再就職の求職希望者のうち就職された方が87・7%、61名・12・3%の方は求職活動に取り組まれていました。移転されたテナントや求職希望者のその後の状況について、ご説明ください。
 第3に、(仮称)「熊本城ホール」の耐用年数、現在示されている維持管理費の積算根拠と収支見通し、ならびに大規模改修の積算根拠と、長期修繕計画ならびに運用期間終了後の見通しをお聞かせください。
 第4に、(仮称)「熊本城ホール」は、これまでにない大規模な施設であり、その運営には専門的な知識と経験が不可欠であると考えられます。どのような形で運営され、専門性はどう図られていくのでしょうか。
 第5に、新年度の予算では、花畑広場も含めたシンボルプロムナード等の整備事業費として測量・基本設計経費4300万円が計上されています。また、シンボルプロムナードの整備に合わせた辛島公園の基本設計が200万円となっています。このように、桜町再開発をすすめていくのと合わせて、その周辺整備ともいえる事業がすすんでいます。シンボルプロムナード等や辛島公園の整備について、その構想内容と現時点で想定されている総事業費をご説明ください。
 市長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 地元企業の参入では、1年前の質問では「地元企業も出店候補として挙がっている」との答弁でしたので、今回は全くノーコメントと言うことでずいぶんトーンダウンのように思います。一方で、再開発事業のために追い出した県民百貨店やセンタープラザのテナント・従業員については、これまで「適切な支援を行ってまいりたい」と言われていましたが、結局うやむやになっており、追い出してしまえば、「あとはどうにでもなれ」というのは、あまりにひどいと思います。地元企業の誘致がどのように進んでいるのか、きちんと情報公開を行い、県民百貨店・センタープラザのテナント・従業員のその後には責任を持つべきではないでしょうか。
 
 (答弁)
 
 再開発によって追い出された方々のことを思うと、改めて、450億円も税金をつぎ込んで、誰のために開発事業を行っているのか、誰が利益を得ているのか、疑問がわいてきますが、少なくとも、唯一の地権者である九州産交・HISと、莫大な工事費を受け取るスーパーゼネコンであることは間違いありません。
 もともと桜町地区は、県庁や専売公社があり、熊本城に隣接し、熊本市の歴史と文化、行政、経済の中心、熊本の公の顔を持ったところでした。そういう性格を引き継ぐ形で、熊本市も出資する株式会社交通センターがつくられ、その土地は県庁から交通センターに、時価で坪40万から50万円、総額四十数億円となるところを、その4分の1の坪12万円、総額11億円という破格の値段で払い下げられました。その後、九州産交は、経営建て直しの必要性から、本社の土地建物を13億円で株式会社交通センターに売却しました。ところが、翌2000年に、今度は九州産交が交通センターを吸収合併しました。株を持っていた熊本市や西鉄などは、安く株式を九州産交に譲渡しました。実質的な交通センターの民営化が行われ、九州産交は、桜町全体の権利者になりました。このとき熊本市は、格安で払い下げられていた資産を簿価のまま評価し、時価ならば13億円にも評価された株をわずか1億500万円で売却しました。ところが、合併と同時に九州産交は資産の再評価を行い、時価での評価とし、資産価値を一挙に271億円増加させました。九州産交は、まさに、濡れ手に粟の大儲けであったわけです。その後経営難に陥った九州産交は、2003年から2005年にかけて産業再生機構が経営再建を進め、不採算部門の売却・清算に大なたを振るい、金融機関から182億円の債務免除も受けました。再建のすすんだ九州産交の経営権を、2005年に、HISが44億6,000万円で取得しました。
 そこで、1点市長に伺います。
 このように、公共性が高いと位置づけられてきた桜町地区の土地や建物を巡って九州産交が莫大な利益を得てきたこと、そして、熊本市もまた当時の市長が株主として株式会社交通センターの役員を務め、九州産交の資産形成に一役買っていたという事実がありました。こういう一連の経緯をご存知でしょうか。
 
 (答弁)
 
 HISはわずか44億円の投資で、1円も出さずに老朽化したバスセンターや敷地内の建物が全てリニューアルし、加えてマンションの販売やホテル経営、リニューアルされた商業スペースのテナント料などで、投資をはるかに上回る莫大な利益を得ます。これが再開発です。
 そして、MICE施設の運営でもまた、県外大手が参入してくるでしょう。
 再開発ビルの長期見通しについては、見通し困難とのお答えでしたが、50年間、改修積立金3億円を毎年積み立てていけば150億円です。しかし、熊本市だけが積み立てをしても、マンションを含め、複雑な権利の入り組んだ再開発ビルを大規模に改修することは容易ではありません。その身近な事例が被災した分譲マンションです。巨大な再開発ビルは、耐用年数が来た時にどうしようもなくなるというのが、避けられない問題であると専門家も指摘しています。
 今回の質問を通じて、さまざまな問題の解決が積み残しのまま、とにかく民間事業者の強い要望に押し切られ、再開発が進んでいるという感が否めません。
 2017年度は、震災復興に約700億円ほどの予算が組まれ、一般会計の予算規模は、史上最高の4000億円を超えています。そのため、新年度予算編成にあたっては、これまでになかった緊縮予算が迫られ、経常経費でも、政策的経費でも15%の削減という方針が立てられました。現実には、各局の涙ぐましい努力があったものの目標には至りませんでした。内容を見ますと、嘱託職員の1日の勤務時間を15分ずつ削る、あるいは嘱託職員を1名、2名と減らす。入札の減を見込んでの予算額の提案、トイレットペーパーなどの職場の需用費を削減するなどです。お金を出さずに、子ども医療費助成を中3まで引き上げるのもそうでしょう。もちろん、市民の税金を使う仕事なので、節約は当然だと思います。しかし、結果的に犠牲になっているのは、住民サービスではないでしょうか。一般会計で700億円の復興予算を執行していかなければならないのに、桜町再開発とその周辺整備を聖域にしているから、こんな矛盾が出てくるのではないでしょうか。復興元年と市長もおっしゃるこの時期に、当たり前のようにMICE整備をすすめることは、私には異常に思えます。今からでも、中止すべきであると考えます。
 
 続いて「花畑別館問題」についてお尋ねいたします。
 熊本市の観光・文化の振興に特段の力を注いでおられる大西市長の見識ある答弁をお願いしたいと思います。
 第1に、モダン・ムーブメントにかかわる建物と環境形成の記録調査および保存のための国際組織として活動するドコモモの日本支部「ドコモモ ジャパン」は、昨年6月17日、市役所花畑町別館(旧熊本地方貯金支局)を「ドコモモ ジャパン」の選定建物としました。現在、日本国内に197の建物が選定されています。設計者の山田守氏は全国の郵便局・電話局・電報局の設計を手掛けた日本を代表する逓信建築家です。昨年10月24日、「ドコモモ ジャパン」代表で京都工芸繊維大学の松隈洋教授が来熊され、熊本市に選定プレートを授与されました。この栄えある授与について、市長はどのように受け止められているでしょうか。
 第2に、日本イコモス国内委員会が、花畑町別館にかかわって2度の要望書を熊本市に提出しています。イコモスは、1965年に発足した国際機関で、遺跡や建造物の保存を目的としたNGOです。現在、世界遺産条約に定められた世界遺産委員会の諮問機関として、ユネスコ世界遺産センターの依頼に基づき、文化遺産に関する推薦された資産の現地調査を行い、価値評価・登録遺産の保存管理状況等に関する調査結果を取りまとめ、世界遺産委員会に対して勧告を行うという重要な任務を持っています。昨年10月3日に提出された第1回目の要望書では、@熊本の歴史を物語る貴重な近代建築であること、A熊本の近代化の象徴となったデザインと技術で、ドコモモジャパンの選定建築の一つとなっていること、B環境に配慮した事務空間は現代にも十分に利用できるものであること、C日本を代表する建築家・山田守による設計であることなどの多様な価値から日本の近代建築史上欠くことのできない、世界にも誇れる貴重な文化遺産だと評価しています。さらに、第2回目、今年1月23日の緊急要望では、花畑町別館は、東京中央郵便局・大阪中央郵便局と同時代同価値の建築であるとし、東京中央郵便局には文化庁が「重要文化財の価値がある」と国会答弁をしていたことを紹介しています。これら逓信建築の価値が日本ではまだまだ理解されてはいないものの、世界的には同じ機能主義デザインであるドイツのバウハウスが1996年に、オランダのファンネル 工場が 2014 年に世界遺産登録されています。世界遺産登録にかかわる日本イコモス国内委員会が高い評価をし、再生・活用を強く要望されていることをどのように受け止めていますか。
 第3に、世界遺産の認定に関わる日本イコモス国内委員会が、花畑町別館の価値を高く評価しているわけですが、調査報告書の刊行や部材の一部を保存するなどの記憶や記録に残す取り組みで、花畑町別館の「価値」を残すことができると考えられているのでしょうか。現存する建物を壊して、残った部材が世界遺産に登録されている事例があればご紹介ください。
 第4に、熊本地震の発災前、「花畑町別館の耐震化への対応に向けた事業手法等検討業務委託報告書」がつくられ、花畑町別館の解体後は建替えるという方向性が出されてきました。昨年の私の一般質問に、市長は、先の報告書に基づき、熊本市の専有面積を約6500平方メートルとして建設した場合、建設費は約31億円と試算している」と答弁されていました。その考え方は変わっていないのでしょうか。解体の入札も行われたことでもあり、解体後どのような方向で、土地を利用していくのか、見通しを伺います。
 第5に、先ほど紹介した「花畑町別館の耐震化への対応に向けた事業手法等検討業務委託報告書」は、花畑町別館の構造書もない中で検討されたものです。今、構造書は東海大学に残されていることがわかりました。昨年4月の熊本地震では、震度7レベルの大きな揺れに2度も耐え、堅牢な姿を保っています。「危険」という張り紙がありますが、危険なのは、後で継ぎ足した4階部分だけであると建築の専門家のみなさんは口々に指摘されています。かけがえのない建物であるだけに、このまま壊しては取り返しのつかないことになります。専門家も指摘する構造書に基づく耐震診断を改めて実施すべきではないでしょうか。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 答弁にありましたように、解体後の跡地利用は決まっていません。なぜ、解体を急がなければならないのでしょう。日本イコモス国内委員会の要望書では、「花畑町別館は、日本で唯一現存する機能主義デザインの戦前逓信建築として非常に価値の高い建築です」と評価しています。部材を残し、報告書をつくっても、世界遺産には登録されません。世界遺産の登録は、候補になっただけでも大きく注目され、どこの自治体でも登録に向け必死になって動きます。ところが、熊本市は、イコモスから高い評価を受け、残してほしいと要望されている建物を、自ら壊そうというのですから、理解ができません。日本イコモス国内委員会の要望を蹴ってでも、花畑町別館を壊す理由はいったい何でしょうか。市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 文化的価値を正しく認識できない市長の判断は、必ずや今後に大きな禍根を残すであろうことを指摘しておきます。
 
 立野ダム問題について伺います。
 熊本地震の発生によって、建設予定地周辺で大規模な山腹の崩壊が発生したのに加え、わずか2キロメートルしか離れていない阿蘇大橋が崩壊するなど、立野ダム建設予定地周辺は、目を覆うほどの被害が発生しています。多くの人が、立野ダム建設の安全性に疑問を抱き、国としても、昨年夏7月・8月に技術委員会を設置し、検証を行いました。私ども日本共産党市議団は、立野ダム建設が熊本地震の発生で、改めてその危険性が浮き彫りになったことから、9月、12月と一般質問でこの問題を取り上げました。しかし、市長の答弁からは、説明責任を果たそうという誠意は感じられませんでした。熊本地震によって、本体工事着工が遅れてはいるものの、国は2017年度の新年度予算に本体工事費等48億3800万円を盛り込みました。そこで、お尋ねいたします。
 第1に、熊本地震を経て、国が立野ダム建設に問題なしとしている唯一の根拠資料が、昨年9月に出された「立野ダム建設にかかる技術委員会報告書」です。市長も、昨年9月議会での那須議員の質問に、この報告書を根拠として示され、「立野ダム建設は技術的に十分可能であるとの結論が示されたと承知している」と答弁されました。そこで、@断層の存在とその安全性、A岩盤の安全性、B多量の岩石や流木が流れてくる中で流水ダムとしての機能をきちんと確保できるのか、以上3点を報告書のどの部分で確認されたのか、具体的に説明してください。
 第2に、今年1月16日の地元紙社説では、立野ダム建設について、「丁寧に説明を重ねる姿勢を持つべきである」と指摘しています。私どもも加わっている「立野ダムによらない白川の治水を考える熊本市議の会」「立野ダムによらない自然と生活を守る会」「ダムによらない治水・利水を考える県議の会」の3者で昨年12月5日に国土交通省宛に提出した「立野ダム建設にかかる技術委員会に関する公開質問状」には、未だ回答が寄せられていません。川辺川ダム事業では、当時の建設省によるダム説明会が何度も開催され、住民の質問へも文書回答がなされていたのと比べ、立野ダムについての国の姿勢は極めてずさんであり、全く説明が尽くされていません。この点でも市長は、「丁寧な説明を行うよう国へ要望していく」と答弁されてきました。国へ、いつどのような形で要望されてきたのか、具体的にお答えください。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 ただ今の答弁では、@断層の存在とその安全性、A岩盤の安全性、B多量の岩石・流木が流れてくる中で流水ダムの機能が確保できるのか、全くわからない答弁です。市長が何をどう確認されたのか、具体的にご説明をお願いいたします。
 
 (答弁)
 
 今のお答えも、市長が、立野ダムの問題をどう理解されているのか、全くわかりません。1点伺いますが、市長は、技術委員会の報告書をお読みになったのでしょうか。
 
 (答弁)
 
 私どもが毎回の一般質問でダム問題を取り上げながら、熊本地震発災後の唯一の検証データとされている技術委員会報告書に目を通さないで、どうして公の場でダムの安全性について述べられるでしょうか。議事録まで入れても、わずか154ページの報告書です。目を通して答弁に立つべきではないでしょうか。市長としての責任が問われると思います。
 報告書を見る限り、国土交通省の検証は、結論先にありきで、安全性や流水ダム機能を適切に保つ保証はあいまいなものでした。それは、報告書の会議録を読んでみるとよくわかります。航空レーザー測量図による地震前後の地形的変化の比較を、事務局が「やっていない」と説明すると、委員長が「はっきりさせたほうがいいという意見なので、すすめていただきたい」と言われる。要するに、「後でやるから」で検証は進んでいきます。白川左岸の斜面の崩壊でも、委員からは「要注意ということで、斜面対策等に留意していただきたい」という意見が出されていました。流木等が詰まる問題では、委員長が「流木をなるべくダムで貯めたいというのはわかる。ただ実際にそれがどの程度できるかははっきりしていないわけです」と言われると、事務局は「今後どの程度、流木を補足していくのか考えなければならないと思っている」と答えられていました。要するに、さまざまな問題が未解決なままの結論でした。技術委員会の審議は、わずか3回・3週間で、結論を急ぐばかりに、十分な検証になっていないと思いました。しかも、委員は研究者・専門分野の肩書はあるものの、関係者ばかり。これで公平な立場で客観的な検証ができたかも疑問に思われます。
 最後に一つ伺います。市長は、この問題で常に「国に伝える」という立場を繰り返してこられました。しかし、立野ダムが必要だという立場で発言なさるのであれば、発言したことについて、自ら市民への説明責任を果たすべきではないでしょうか。
 
 (答弁)
 
 全く説明責任を果たされようとしない姿勢でいいのでしょうか。
 私は、2008年9月議会で、当時の田中信孝人吉市長が川辺川ダムの問題で発言されていたことを、議事録で興味深く拝見しました。田中市長は、議会の冒頭に、ダムの建設が球磨川水系の水質汚濁や自然環境の悪化に影響を及ぼす懸念があること、それが球磨川下り等にも影響し、人吉の経済や観光にも影響すること、建設予定地のダムサイトに絶滅危惧種のクマタカの生息も確認されていることから、かけがえのない生態系の均衡が崩れることなど、川辺川ダムの建設が、さまざまな形で環境や経済に影響を与えることから、「時のアセスメント」により、再検討を始めることも一つの考えと、約30分にわたり、大変丁寧な意見を述べられていました。国の事業ではあっても、自身の意見をきちんと表明される田中市長と、大西市長の先ほどの答弁は全く対照的です。
 行政のトップには、ダムに限らず、市政の重要な課題について、市民に丁寧に説明する真摯な姿勢こそ必要ではないかと思います。
 
 質問は以上です。熊本地震の復興に始まり、縷々お尋ねしてまいりましたが、地震からやがて1年を迎える今、「真の復興とは何か」、立ち止まって考えなければならないと思います。
 (最後に)
 今年1月に、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市の戸羽太市長のお話を聞く機会がありました。戸羽市長は、「生きている限り、すべての人が幸せにならないといけない。市民が困っているのに、切り捨てるとすれば、それは政治じゃない。町のかたちや新しい市役所ができたから復興するわけじゃない。住んでいるひとりひとりがどれだけ笑顔になれるか、前を向けるか、それが復興ではないか。」と言われていました。450億円も使ってMICE施設ができても、住まいの再建もままならない人がいたら、それは真の復興とは言わないでしょう。住まいを再建し、心の傷も癒えて、すべての人が笑顔になった時、真に熊本地震からの復興ができたというのではないでしょうか。その日まで、市役所・議会ともに一丸となって頑張っていきましょう。その決意を申し述べまして、私の一般質問を終わります。
 傍聴においでいただいたみなさま、インターネットで聞いていただいたみなさま、長時間ありがとうございました。

2017年第1回定例会・補正予算反対討論

2017年2月27日 上野みえこ
2017年第1回定例会・補正予算反対討論(PDFファイル 188KB)

 議第21号「平成28年度熊本市一般会計補正予算」ならびに議第22号「平成28年度熊本市国民健康保険会計補正予算」、議第24号「平成28年度熊本市介護保険会計補正予算」、議第25号「平成28年度熊本市後期高齢者医療会計補正予算」、議第34号「平成28年度病院事業会計補正予算」について、賛成できない理由を述べ、反対討論を行います。
 まず一般会計について、熊本地震関連で、政策局ならびに市民局・教育委員会における避難所設置運営経費が3つの局合わせて約3億円減額されています。避難所の運営では、想定外の大災害で対応が本当に大変であったとはいえ、内閣府が示す避難所の基準には程遠い状況が長く続き、内閣府が1カ月後に異例ともいえる同じ内容での避難所の運営に関する通知を出したことは市の対応のまずさを証明するものでした。特に食事の提供は、パンやカップ麺、おにぎりの域を出ず、弁当が1日1回配布されるようになったのは、小中学校等の避難所が閉じ、拠点避難所となってからでした。生活環境整備やプライバシー確保も同様でした。3億円もの減額でなく、発災から間を置かず、内閣府の示す基準に基づく内容での避難所運営をする必要があったと思います。
 同じく震災関連で、災害援護資金貸付が約14億円減額されています。予定で1500件の貸付が想定されていましたが、実際に申請があったのは422件とのことでした。委員会では、「いろいろ貸付制度はあるので」という説明でしたが、なぜ想定を大きく下回ったのかについての検討はなされていないとのことでした。あっさり減額するのでなく、制度がきちんと運用されるような検証と検討が必要ではないかと思いました。
 また、生活必需品支給事業は、事業の遅れから、1億4785万5000円が次年度へと繰り越されています。申請件数12500件、そのうち事業者に発注された件数が8800件で約70%、発注された分のうち配送が済んでいる件数が7400件程度で、発注も、発送も大幅に遅れています。今やっと昨年の8月末から9月初めに受け付けた分を発注しているという由々しき事態となっています。生活必需品と言えば、毎日の生活に欠かせないもの、申請があれば直ちに手元に届けられるべきものです。しかし、支給金額が低くて物品が調達しにくいこと、発注先となる事業者が限定されていて対応しきれていないなど、問題がありながら、必要な手立てが打たれないまま、今に至っていることは大変遺憾です。ただちに改善されるべきであると思います。
 多くの人が願っている一部損壊世帯への支援は、やっと一歩が踏み出されたとはいえ、未だ多くの人が全く支援のない状態に放置されています。こういう問題こそ、補正での対応を行い、住民要求に応えるべきではないかと思います。一部損壊への支援や、半壊以上の生活支援金が低いために復旧のめどが立たない問題など、熊本地震の復旧には残された課題がたくさんあります。2月補正まで含めて熊本地震関連での復旧・復興予算は1132億円ほどになっています。新年度の予算でも700億円以上の予算が予定されているのを見ると、未曽有の大災害となった熊本地震からの復興は並大抵の事業ではないことを痛感させられます。誰もが、この大惨事に、地震の復旧と大型再開発・MICE整備の450億円は両立しないと、心配しています。今年度予算化されているMICE・(仮称)「熊本城ホール」整備費70億円は真っ先に減額すべきであり、再開発事業者への無利子貸し付け、今年度だけでも30億円もの提供は止めて、被災した方々にこそ財政支援をすべきです。多くの被災者が復旧の見通しがたたず、市の公共施設やインフラの復旧もこれから、避難施設である階段の復旧すら年度内にできない状況の中で、地震の発災前からの事業を復興事業と位置付けて多額の税金をつぎ込んでいくなど、あるまじきことであり、桜町再開発やMICE整備は見直すべきです。
 地震関連以外では、障がい者の方々が利用されている「おでかけ乗車券」が「IC カード」化され、パス券は廃止となりました。今回、利用にかかる市の負担金等が約1900万円も減額補正されていることは、さまざまな理由があるとはいえ、その一つに、パス券廃止によって経済的負担が増えたことや、利用しにくくなったことで、気軽に使えるものでなくなったことは残念です。制度の趣旨である、カードの利用によって社会参加が促進され、障がいを持った方々が元気に生きがいをもって生活されていく、そのことが阻害されているのではないでしょうか。そういう意味で、速やかに「パス券」を復活していただきたいと思います。
 子ども医療費助成の制度拡大分4200万円が減額されています。これは制度拡大どころか、とんでもない利用者世帯への負担増であったことから、実施に「待った」がかかり、減額補正となったものです。子育て支援と言いながら、制度の拡充となる部分の財源を子育て世帯に求めるなど、もってのほかであり、「待った」がかかったことを深く反省していただきたいと思います。
 学校施設へのエレベーター設置やトイレの改修など、学校施設のバリアフリー化は、予算決算委員会の締めくくり質疑で、那須議員が指摘しましたように、一歩一歩踏み出していることは評価すべきだと思いますが、まだまだニーズに追いついていないことや、先進政令市等との比較でも遅れており、十分と言える状況ではありません。子どもたちは日々成長していきます。必要とする子どもたちがすぐに利用できるよう、整備計画を策定し、抜本的な整備拡充を図っていただきたいと思います。
 奨学金貸付事業会計への操出金が5000万円減額されています。子育て世帯の生活困窮が大きな社会問題として指摘される中、経済的な困難を抱えた世帯にもっともっと利用してもらわなければならないのに、減額補正とは残念です。熊本市の奨学金の利用は、わずかではありますが減少してきています。なぜ、利用が減っているのか検証し、多くの方々に利用していただけるような改善が必要です。特に、家計急変に対する貸し付けはほとんどゼロに近い状態であり、この点でも、検証と改善が必要ではないかと思います。
 特別会計の国民健康保険・介護保険・後期高齢者医療保険、いずれも熊本地震による一部負担金や保険料の減免が2月末となっていました。幸いにも、2月9日に出された国の通知で、若干補助率は下がるものの7カ月先の9月末日まで、減免が延長される運びとなりました。しかし、地震の発災から1年もたっていないのに、減免を早々に打ち切る方針であったこと自体が問題だと考えます。東日本大震災では、6年経った今、まだ減免制度が続いています。被災した方々には医療的ケアが必要です。被災者の実態に即した制度の継続、9月末と言わず、減免が続けられていくよう、国に対し財源措置を引き続き求めていただきたいと思います。
 病院事業会計では、地震被害による患者搬送や事業の停止もあり、入院・外来ともに、患者数が大幅に減ってしまい、医業収益は大幅に減額となりました。建替えがすすむ中、NICUをはじめ、若干の医療機能は復旧してきましたが、一時期でも医療を提供できなくなったこと、その後の診療も縮小する状態になった、その一番の影響を受けているのは患者です。現場のみなさんは、厳しい環境の中で、必死になって復旧・復興のために頑張っていらっしゃいますが、一つ指摘しなければならないのは、市長が耐震強度の不足する病院の建て替えを、設計が済んでいたにもかかわらず、凍結した問題です。耐震の不足する病院の建て替えを一存で凍結し、老朽化した病院を放置してきた責任は、真摯に反省すべきではないかと思います。
 以上、補正予算に賛成できない主な点を述べ、反対討論といたします。

熊本地震の速やかな復旧・復興をすすめるための特別措置法制定を求める意見書(案)

 日本共産党熊本市議団提出
熊本地震の速やかな復旧・復興をすすめるための特別措置法制定を求める意見書(案)(PDFファイル 129KB)

 熊本地震の発災から10カ月が経ちました。8000世帯以上が仮設住宅・みなし仮設等に入居し、いよいよ今後は、本格的な住まいの再建や、生活・生業の再建をすすめていかなければなりません。しかし、地震を機に変わってしまった生活をどうやって立直していくのか、再建の資金が足りない、暮らしそのものも厳しく復興は手付かず、といった厳しい状況が横たわっています。
 り災証明の圧倒的多数を占める一部損壊世帯にも、わずかながら義援金が支給されるようになりましたが、まだまだ多くの一部損壊世帯へは1円の支援も行われず、復興の大きな障害となっています。半壊以上の世帯への義援金・支援金等も、住まいや暮らし・生業の再建をすすめるには十分と言える金額ではないため、一部損壊世帯同様、半壊以上の大きな損傷を受けた世帯もまた、復興は足踏み状態というのが現状です。絶対的に足りない住まい・暮らし・生業の再建の資金をどう確保していくのか、差し迫った課題です。
 また、液状化や大規模な斜面・擁壁の崩落については、やっと部分的に調査が行われている段階であり、多額の費用を必要とする対策事業の実施は今後の大きな課題です。災害公営住宅の建設も始まりますが、必要数の建設をすすめることが極めて重要です。以上のような、多額の費用を必要とする復興事業を、今後の課題としてすすめていかなければなりませんが、その最大の障壁となるのが、県や被災自治体の深刻な財源不足です。また、現行支援制度の範囲では、復旧・復興に限界があります。
 すべての被災者が、すみやかに住まいや生活・生業を再建するとともに、被災した公共施設やインフラの再建がすすめられていくためにも、被災者、被災自治体の実情に合った施策の展開と、それに対する応分の財源措置を欠くことはできません。
 被災者の立場に立った熊本地震の復興をすすめるための制度拡充と、震災復興にあたっては全額国庫負担で行うことができるよう、国としての「熊本地震復興のための特別措置法」の制定を強く要望いたします。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
 
    2017年2月 日   熊本市議会  各宛1通

南スーダンに派遣されている自衛隊の即時撤退を求める意見書(熊本市議会2017年2月議会 )

 日本共産党熊本市議団提出
南スーダンに派遣されている自衛隊の即時撤退を求める意見書(PDFファイル 163KB)

 2016年11月15日、政府は、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣する陸上自衛隊の部隊に、昨年9月に成立した安全保障関連法に基づく新任務である「駆けつけ警護」を付与することを盛り込んだ実施計画を閣議決定し、あわせて国家安全保障会議において宿営地の共同防護ができることを確認しました。同閣議決定に基づき、稲田朋美防衛相は18日、南スーダンPKOに派兵する自衛隊部隊に対し、「駆け付け警護」と「宿営地共同防護」の新任務を付与する命令を出しました。
 自衛隊のPKO活動に際しては、紛争当事者間で停戦合意が成立していることなどの「PKO参加5原則」が保たれていることが前提条件となっています。しかし、自衛隊が駐留している南スーダンの首都ジュバでは、昨年7月に政府軍と反政府勢力の大規模な戦闘が発生し、現在も緊迫した状況が続いています。南スーダン反政府勢力の指導者である前副大統領は、「7月に起きた戦闘で、和平合意と統一政権は崩壊した」と表明し、また、国連特別報告書では「停戦合意は崩壊している」と断じるなど、自衛隊の「PKO参加5原則」は保たれているとはいいがたく、PKO派遣部隊の安全確保が極めて困難な状況にあると言わざるを得ません。南スーダンへの派遣は、全国の自衛隊がローテーションを組み実施されており、現在は青森の第9師団が派遣されています。熊本市の自衛隊も今後派遣される可能性は否定できません。
 加えて、自衛隊の「駆け付け警護」では、任務遂行のための武器の使用も認められています。7月の戦闘では、UNMISS関連施設なども攻撃・襲撃を受けたおり、南スーダン情勢に関する一連の国連報告書は、政府軍がPKO部隊に対し、移動妨害や要員の拘束、襲撃など敵対的行為を組織的、継続的に行っているとしています。「駆け付け警護」の新任務を付与された自衛隊が、国家または国家に準ずる組織に武器を使用すれば、日本政府の解釈からも違憲の武力行使となります。
 さらに、政府は、昨年7月の首都ジュバでの大規模戦闘の状況を記録した日報などの情報公開請求に対し、昨年12月に「廃棄」を理由に不開示にしましたが、一転、保管を認めるなど、情報の隠蔽ともいうべき対応に国民の批判が強まっています。陸自部隊の日報などの文書は、昨年7月のジュバ市内での大統領派(政府軍)と前副大統領派との戦闘の様子を生々しく伝えています。
 これほど深刻な内戦について、安倍政権が、「戦闘」ではなく「発砲事案」、「衝突」だと事実を歪曲し、日報を一度は不開示とするなど、国会や国民に事実を隠ぺいした責任は極めて重大です。
 
 以上、の理由より、下記の事項について要望するものです。
                      記
 @ 南スーダンに派遣されている自衛隊の即時撤退を行うこと。
 A 南スーダンに派遣する陸上自衛隊に対し「駆けつけ警護」「宿営地共同防護」の新任務を付与することとした閣議決定を撤回すること。
 B 新任務付与の根拠となっている「安全保障関連法」を廃止すること。
 
 以上、   により意見書を提出いたします。

組織犯罪処罰法改定案を国会に提出しないよう求める意見書(熊本市議会2017年2月議会 )

 2017年2月 日本共産党熊本市議団提出
組織犯罪処罰法改定案を国会に提出しないよう求める意見書(PDFファイル 150KB)

 2016年12月13日、米軍普天間基地所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが沖縄県名護市阿部の海岸に墜落、大破する事故が発生し、乗員5名のうち2名が負傷しました。墜落現場は陸地から1キロしか離れておらず、一歩間違えば住民を巻き込む大惨事につながる重大事故です。
 ところが、米軍沖縄地域調整官は、事故翌日の12月14日には、今回の事故は空中給油訓練中に発生した乱気流で飛行が不安定になったために起きたなどと早々に結論づけ、「機体に問題はない」と強調しました。そして、機体の残骸がまだ撤去もされていない、事故からわずか6日後にオスプレイの飛行訓練を、翌年1月6日には空中給油訓練も再開しました。事故の調査や説明が不十分なまま飛行および訓練を再開したことはきわめて問題です。日本政府はアメリカに対して厳しく抗議すべきです。
 そもそも、オスプレイは、開発以来これまで9回の墜落事故を起こし40名もの乗員の命を失う「空飛ぶ棺桶」の異名をとる欠陥機です。日米両政府は、普天間基地にオスプレイを、県民の強い反対にもかかわらず24機も強行配備をし、これまで沖縄県民に爆音被害と墜落の不安を与えてきました。不安が現実になった今回の墜落事故は県民に激しい怒りと強い衝撃を与えています。
 米軍がオスプレイ配備に際し作成した「環境レビュー」は、沖縄以外でも6ルートでオスプレイが低空飛行訓練をするとしています。訓練ルート下の自治体は21県140市町村にのぼり、実際の飛行はルートを外れる場合もあるため、危険にさらされる自治体はさらに膨れ上がるとみられます。
 九州でも県営佐賀空港では、陸上自衛隊のオスプレイ17機の配備が計画されています。熊本県も低飛行訓練「イエロールート」の下にあり、熊本市上空をオスプレイが低空飛行する可能性も大いにあります。ひとたび墜落等の事故が起これば多くの市民の生命身体や財産を犠牲にする大惨事につながりかねません。
 よって、市民の生命・財産を守る立場から、下記の事項について速やかに措置されるよう要望します。
 
 1 事故原因を徹底的に究明し、その結果を速やかに明らかにすること
 2 オスプレイの飛行を直ちに中止し、配備を撤回すること
 
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。
 
 2017年2月16日 熊本市議会

オスプレイの飛行禁止と配備撤回を求める意見書(熊本市議会2017年2月議会 )

 2017年2月16日 日本共産党熊本市議団提出
オスプレイの飛行禁止と配備撤回を求める意見書(PDFファイル 140KB)

 2016年12月13日、米軍普天間基地所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが沖縄県名護市阿部の海岸に墜落、大破する事故が発生し、乗員5名のうち2名が負傷しました。墜落現場は陸地から1キロしか離れておらず、一歩間違えば住民を巻き込む大惨事につながる重大事故です。
 ところが、米軍沖縄地域調整官は、事故翌日の12月14日には、今回の事故は空中給油訓練中に発生した乱気流で飛行が不安定になったために起きたなどと早々に結論づけ、「機体に問題はない」と強調しました。そして、機体の残骸がまだ撤去もされていない、事故からわずか6日後にオスプレイの飛行訓練を、翌年1月6日には空中給油訓練も再開しました。事故の調査や説明が不十分なまま飛行および訓練を再開したことはきわめて問題です。日本政府はアメリカに対して厳しく抗議すべきです。
 そもそも、オスプレイは、開発以来これまで9回の墜落事故を起こし40名もの乗員の命を失う「空飛ぶ棺桶」の異名をとる欠陥機です。日米両政府は、普天間基地にオスプレイを、県民の強い反対にもかかわらず24機も強行配備をし、これまで沖縄県民に爆音被害と墜落の不安を与えてきました。不安が現実になった今回の墜落事故は県民に激しい怒りと強い衝撃を与えています。
 米軍がオスプレイ配備に際し作成した「環境レビュー」は、沖縄以外でも6ルートでオスプレイが低空飛行訓練をするとしています。訓練ルート下の自治体は21県140市町村にのぼり、実際の飛行はルートを外れる場合もあるため、危険にさらされる自治体はさらに膨れ上がるとみられます。
 九州でも県営佐賀空港では、陸上自衛隊のオスプレイ17機の配備が計画されています。熊本県も低飛行訓練「イエロールート」の下にあり、熊本市上空をオスプレイが低空飛行する可能性も大いにあります。ひとたび墜落等の事故が起これば多くの市民の生命身体や財産を犠牲にする大惨事につながりかねません。
 よって、市民の生命・財産を守る立場から、下記の事項について速やかに措置されるよう要望します。
 
 1 事故原因を徹底的に究明し、その結果を速やかに明らかにすること
 2 オスプレイの飛行を直ちに中止し、配備を撤回すること
 
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。
 
 2017年2月16日 熊本市議会

連絡先

・日本共産党熊本市議団 熊本市中央区手取本町1−1 議会棟3階
電話 328−2656   FAX 359−5047
メール: kumamsu@gamma.ocn.ne.jp
ホームページ http://www.jcp-kumamoto.com/