議会での活動・一般質問など



熊本市議会2016年12月議会一般質問

 2016年12月6日 日本共産党熊本市議団 山部博史
12月議会一般質問 山部博史(PDFファイル 616KB)

 日本共産党熊本市議団の山部洋史です。
■熊本地震について

 熊本地震の発災から8カ月が経とうとしています。この間、避難所や市の災害対策本部が閉鎖、応急仮設・みなし仮設住宅への入居も進み、また先日ボランティアセンターも受け付け終了の方針が出されるなど、ある一面、熊本地震の震災対応については、すこしずつ落ち着きを見せているかのように見えます。しかし、被害の復旧・復興はまだ緒に就いたところで、被災者の住まいや生活・生業の再建は遅れています。日常生活を早く取り戻せるよう、支援の強化を本格的に進めて行かなければなりません。
 熊本地震の本市での犠牲者は60名。直接地震によるものが4名であるのに対し、その後の震災関連死は54名にのぼります。県下他市町村の関連死が一ケタ台であるのに対して、本市がこの数字になっているのは、むろん人口の割合によるものではありますが、いっぽうで全県の平均に比べると、高い割合で関連死が起こっているのも現状です。また6月豪雨の土砂災害でなくなった方も2名いらっしゃいます。こうして、せっかく地震の難から逃れられた命が、過酷な避難所生活や車中泊による体調の悪化、また度重なる余震で緩んだ地盤がもたらした二次災害によって奪われてしまったことは、痛恨の極みではないでしょうか。
 行政として何とか救えなかったものか、個別に精査、検証して今後の対策に活かす必要があります。
 また、本市の住宅被害は、11万2千件。応急仮設住宅、みなし仮設住宅など、約7200戸が整備されましたが、今後は避難者への個別の対策が重要になってきます。とくに世帯単体でちらばって点在する、みなし仮設住宅は、被災者間のつながりが薄れ孤立化の心配があります。丁寧な見守り支援が、これから重要になってきます。また仮設住宅の入居期限である2年後を見据えれば、災害公営住宅の整備も急務です。
 このように被災者の住まい・生活の再建への取り組みは待ったなしの状況です。
 いっぽうで、これまでの本市の被災者支援の取組みは、ともすれば既存の制度の枠内に、被災者をはめ込んでいくようなきらいがありました。しかし、これからはそうはいきません。今後復旧再建の過程で起こりうる事態は、多様化、複雑化していくでしょうし、被災者ひとり一人の事情に寄りそった、丁寧な支援がこれまで以上に重要になってきます。そのうえで必要な措置については、新たに制度を創設するなど、より積極的な行政の関与が必要になってくるでしょう。
 
 この間、わたしたち日本共産党熊本市議団は、全市的なアンケート調査をはじめ、仮設団地や、地域訪問を続けるなかで、被災者お一人お一人の声を拾い上げ、それを元に市への申し入れ、また党国会議員団の協力のもと、政府交渉などで、改善を求めてきました。
 今回は、こうした声を元に、震災から8カ月、今も住まいの確保や生活再建への苦闘を続ける市民にたいして、復旧・復興に何が求められているかをしっかりと見つめるとともに、そのためには、これまでの熊本地震での教訓をしっかりと活かすこと、震災対応について何が問題だったのか、またそれが検証、改善され次につながるものへとなっているかを問うていく必要があると思います。その点をふまえて、質問させていただきます。
  
 まず、冬を迎える被災者の支援について、3点お尋ねします。
 
 ・仮設、みなし仮設への暖房器具などの寒さ対策について
 
 応急仮設住宅では、ひと世帯につきエアコンが一台、入居者の負担なしで
 設置してあります。しかし、部屋が間仕切られている関係上、実質、一世帯で一部屋しか利用できない状態にあります。また、みなし仮設、市営住宅ではそもそもエアコンの設置はなく、入居者の自己負担となっています。
 発災から8カ月、避難所生活から脱して、仮の住まいを得たとはいえ、なかには新しい環境になじめず、ともすれば家にこもりがちになる方もいらっしゃるかもしれません。これから寒さが厳しくなる折、これまでの疲労やストレスから体調を崩される方が増えてくると思います。この時期何と言っても体の冷えが体調を崩す一番の原因です。
 エアコンが配備されている応急仮設住宅でも、夏の暑さの折は、エアコンのない部屋では熱中症寸前の症状になり、極めて不十分だった、との声も寄せられていました。
 ついては、エアコンのない、みなし仮設や市営住宅はもとより、応急仮設住宅についても、エアコンや暖房器具の設置し、寒さ対策に万全を期すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 
 ・みなし仮設世帯への物置の提供について
 
  仮設住宅ではその間取りの狭さから、荷物が収納できないと、倉庫設置の要望がたくさん寄せられていました。今回、応急仮設住宅への設置予算が提案され、仮設住宅のすべての入居世帯に、倉庫が設置されることになりました。
 
 しかし、民間借上げのみなし仮設住宅では、設置の予定がありません。みなし仮設の入居者からも「アパートが狭くて荷物が置けない」などの訴えが寄せられています。
 いっぽうで、みなし仮設住宅では、既存のアパート等を提供してもらう関係上、敷地に倉庫設置スペースが取れない物件もあります。
 ついては、みなし仮設物件については、民間の貸倉庫等を借りる費用の補助・支援をするべきだと考えますがいかがでしょうか。
 
 ・仮設・みなし仮設入居者への見守り、支援について
 
 避難所も閉鎖になったいま、必要になってくるのが、仮設団地、みなし仮設の入居者への見守り、援助です。
 仮設団地、みなし仮設、市営住宅の入居戸数は6,869戸。しかし世帯把握の基礎となる聞き取り調査が、まだ全世帯訪問に至っていません。11月1日からは、看護師40名を各区に振り分けて派遣、20班で訪問・見守りを実施しています。
 
 これから冬場に向けて、寒冷が進むとこれまでの避難生活で蓄積した疲労が重なり、インフルエンザやさまざまな感染症など、病気のリスクが高くなることが考えられます。専門的な保健師などによる、いままで以上の丁寧な見守りが必要だと思われます。
 現在行われている、看護師、区職員40名による訪問、見回りの他に、各分野の専門性の高い職員や、民間団体等の支援を仰ぐなどの取組みで相談、見守り支援の強化については、具体的な手立ては考えていらっしゃいますか。
 
  以上3点、政策局長におたずねします。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 ・暖房器具について
 
 応急仮設住宅には、私も何度となく聞き取りなどで伺いましたが、その間取りは玄関を開けると、いきなり台所というレイアウトになっています。人の出入り等で、風が吹き込む場所である上に、炊事や水回りの仕事でたださえ、体が冷えやすく、長時間の立ち仕事をする場所です。そうした所に全く暖房の設備がないというのは、いかがなものでしょうか。
 半壊、それ以上の被害の世帯には、義援金、生活再建支援金の支給があるので、それでまかなって欲しいとのことですが、言うまでもなく、こうした世帯の皆さんは、今後の住まいの再建の為に、膨大な費用を要する方々です。そうした皆さんの再建の足掛かりとなる住宅については、可能な限りのオプションをつけることで支援すべきだと思います。
 
 ・みなし仮設の倉庫設置について
 
 またみなし仮設への倉庫設置については、既存の住宅を借り上げることから、設置スペースの確保が困難なこと、また避難者以外の他の住民との公平性の点からも設置できないとのことですが、そうであるならば、応急仮設住宅への倉庫を設置とのバランスの問題を一方では、考えなければならないのではないでしょうか。
 自治体の都合で、応急仮設ではなく、民間住宅に入居してもらうのですから、貸倉庫の費用の援助等の支援をぜひやって頂きたいと思います。
 
 ・見守り支援の強化
 
 ・見守り支援の強化については、各区に「地域支え合いセンター」、個別支援会議を設置し、行政のみならず、関係団体との連携のもと、支援に努めるとのことでした。しかし、いっぽうで支援の前提となる、各世帯の訪問調査がまだ完了していない、という現状でもあります。まず、この訪問・聞き取り調査が速やかに完了されるよう、人員、体制の拡充を求めます。先日の新聞報道でも、自宅避難やみなし仮設避難者の「支援格差」の問題が指摘されていました。「孤立化」「孤独死」は過去の震災で繰り返し経験されてきた痛ましい教訓です。被災者、ひとり一人状況に応じた支援のためにも、まずは全世帯の聞き取り訪問を求めます。
 
 ・一部損壊世帯への支援
 
 熊本地震の特徴は何と言っても、膨大かつ甚大な住宅被害です。
 熊本地震での本市の住家被害は、11月28日現在、総数111,987件、うち全壊が5,616件、大規模半壊が8,615件、半壊が3,370件、一部損壊が64,386件となっています。市の試算では、被害総額、1兆6,362億円のうち、住宅被害は、1兆2,121億円で、全体の74%を占める額になっています。
 住宅の再建には多額の費用を要します。しかし、今回の熊本地震でその再建を阻んでいるものは、住宅の損壊判定により支援に差があることです。こと、一部損壊世帯への支援がないことは、震災発災当初から問題になっていました。
 先ほどの住宅被害の試算から宅地を除いた住家、家財の被害額、1兆1,689億円のうち、一部損壊世帯の被害額は7,415億円にものぼり、全体の63%をも占めています。ここに支援がないのです。
 政府は、一部損壊の扱いについて「差し当たり日常生活に支障のない範囲の損害である」との立場から、生活再建支援金や、応急修理制度の対象にもしていません。しかし、そのことが熊本地震の被害の実態に全く即していないことは、明白です。 
 私たち共産党市議団が全市的に行ったアンケート調査でも、回答が寄せられた720件のうち、一部損壊が266件と全体の37%をしめました。かかった費用の内訳をみると、修理費100万円以上というお宅が113件で42%ありました。うち、300万円以上のところが36件で31%、さらになんと1,000万円以上かかると答えられたお宅も5件(4%)ありました。
 このように一部損壊の被害の実態が、「差し当たり日常生活に支障のない範囲の損害」などといえるものではないことは明らかです。
 
 こうしたなか、熊本県と市町村は10月、一部損壊世帯に対して、一定の条件を満たした場合、義援金を支給することを確認、配分については、修理費が100万円以上かかった世帯に一律10万円を支給する方針が出されました。
 しかし、これはあくまで義援金の配分であって、行政が独自に手当をするものではないという点では、依然変わりません。義援金が、全国から寄せられた善意の見舞金であるということを考えれば、今まで一部損壊に線引きをし、その支給をしてこなかったことこそが問題です。今回の支援決定については、一歩前進ともいえるかもしれませんが、余りにも遅きに失したといわざるを得ません。
 
 また、支給に際して修理費100万円以上の世帯という新たな線引きをしていることも問題です。これまで、半壊以上の世帯には一律支援をしてきたものを、一部損壊に限っては、なぜこのような線引きをしなければならないのか。
 「一部損壊は切り捨ての為の制度」、「あたかも自分は被災者ではないとの烙印を押されているような気持ちになる」とこれまで、切ない思いをされてきた一部損壊の皆さんの声を聞いてきました。しかし、これではそうした人たちの中に、また新たな分断を生むだけです。100万円以下の世帯にも、切り捨てをせず一定額の支給をする必要があるのではないでしょうか。
 また先ほど、一部損壊であっても、改修費用に数百万、中には1,000万円を要するお宅があったことを紹介しました。そうした実態に対して、義援金の支給が10万円というのは、余りにも少なすぎます。現在でも、一部損壊には行政の責任による支援はされていないのですから、今回の義援金支給で終わらせるのではなく、住民の生活再建を保証する責任がある立場として、自治体独自の支援制度に踏み出す必要があります。実際、県下市町村では、厳しい財政状況ながらも、早い段階で独自に支援に踏み出したところがあります。復興重点プロジェクトの第1に、「一人ひとりの暮らしを支えるプロジェクト」を掲げる本市であれば、この点は決して避けて通れないところです。
 
 そこで市長にお尋ねします。
 
 一部損壊世帯への支援のあり方について、義援金の支給対象を「100万円以下」で切り捨てず、本市に寄せられた義援金の中からでも一定額の支給をする必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 また、義援金支給で終わりにするのではなく、本市による支援制度を新たに創設し、そのための財政措置を市長の責任で国にしっかりと求めて行くべきだと思いますがいかがでしょうか。発災から8カ月です。従来の「県と協力して国に要望してまいる」ではない、市長の具体的な取り組みへの決意をお聞かせください。
 
 続いて、地盤被害についてお尋ねします。
 
 国から調査の予算が入って、市内各地で調査に向けた住民説明会が開かれています。宅地液状化防止事業、大規模盛土造成地活動崩落防止事業などの適用で着手される見込みです。国の補助率が四分の一から、熊本地震対応で二分の一にかさ上げされましたが、それでも自治体負担があることには変わりありません。
 説明会の場においても、民有地なのでどうしても所有者の負担は生じる、との説明がなされていました。
 当該地域の住民の声を聞けば、住宅の補修だけで既に数百万かかっており、宅地補修まで費用がまわらない。しかし、地域全体で面で取り組まなければならない事業であり、自分だけやりたくないというわけにいかない。困っている、との声です。
 造成地の滑動崩落は、今回の地震により発生したもので、甚大な規模で発生した災害対策として実施されるものであり、国が費用の全額、若しくは大部分を補うことは当然だと考えます。
 
 そこでお尋ねします。
 現時点で、宅地被害について、住民負担の割合については、どうお考えですか。また、住民負担について、限りなくゼロに近づけることが必要だと思いますが、具体的に自治体として、地域住民をどう支援していくのかお聞かせください。
 
 くわえて、液状化被害についても、公共事業として多額の費用が生じることから、国に対してどういった支援を要望していかれますか。
 また、そのうえで自治体の裁量度合いが高い支援をおこなうことが必要だと考えます。公共事業としての国に対する要望内容とその他の支援策について、本市としてどういう取り組みをしていかれるのか、お聞かせ下さい。
 
 以上の2点につきまして、市長並びに、都市建設局長におたずねします。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 本市、独自の新たな支援制度については、被災者アンケート結果を踏まえながら、新年度予算のなかでお示しいただく、とのことでした。
 支援の中身については、様々な費用の補助、助成等の支援か、相談窓口の設置等の支援なのか、現時点で定かではありませんが、被災者の皆さんにとっては、何といっても生活・住まいの復旧、再建に困っている現状ですので、なにがしかの費用による支援を是非願いしたいとお思います。
 
 (返し)
 地盤被害、特に液状化被害では、復旧費用の住民負担が大きな足かせになっています。東日本大震災でも発災から5年以上、液状化被害については、やっとこれからという現状です。先日の新聞報道にもありましたが、東日本大震災の際、千葉県浦安市では、補助金を使っても、1戸当たり200万円程度の住民負担が必要となり、事業の対象世帯、約4100戸のうちの9割で合意が得られず、計画を断念したそうです。
 一番の解決方法として、住民の負担を極力求めない、最小限に留める必要があります。一方で住民が求める生活再建のスピードに支援制度が追い付かない現状もあり、公共事業以外の復旧支援策も視野に入れ、県との早急な協議が求められます。
 
 そのことを指摘して次の質問に移ります。
 
 ・災害公営住宅について
 
 今議会の補正で災害公営住宅の予算が提案されています。
 現在100戸、そして今後50戸が建設予定です。いっぽうで、入居希望数は全体で480戸あり、不足分の330戸は既存の市営住宅を充てることになっています。
 しかしそのことにより、本来市営住宅の入居を希望されていた一般の方に、住宅が供給できない事態が生まれています。 私たちがおこなった震災アンケートに寄せられた声でも、
 「子ども3人の母子家庭です。市営住宅に申し込もうと思っていた矢先に地震があり、団地は被災された方が優先のため申し込みすらできない状況です。この先いつ募集があるか先が見えません。そんな母子家庭はたくさんあると思います。」との訴えが寄せられました。
 
 仮設団地、みなし仮設の入居期限があるなか、災害公営住宅の整備は急務です。一般の入居希望者に住宅が供給できないような、市営住宅を代替するやり方ではなく、災害公営住宅の抜本的な拡充が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
 
 続けて、「被災農業者向け経営体育成支援事業」について、お尋ねします。
 
 ■「被災農業者向け経営体育成支援事業」について
 
 熊本地震に被災した農業者への支援として、「被災農業者向け経営体育成支援事業」が実施されました。現在1次から3次まで申請が受け付けられ、補助金交付の手続きがすすめられています。国としては、61億5千万円を閣議決定し、年内に57億円を交付決定し、年内支払いができるようにと取り組んでいるとのことです。そのうち、畜舎やハウス等の施設や、機械などの修理について、事業完了の確認作業をおこない、16億円程度は年内に補助金が届くようにと関連事務作業がすすめられているようです。
 本市においても803人が補助を申請しています。
 
 1日も早く通常どおりの生産が行われるようにと、この事業は、いち早く壊れた農業施設や機械の修理復旧を行い、後付けで補助申請・補助金交付の手続きが行われるという形が取られました。おかげで速やかな復旧となり、農業者のみなさんにとってはうれしい対応でした。ところが、その後の申請から補助決定・補助金交付の作業の遅れから、まだ補助金支給に至っていません。
 一方、この支援事業によって修繕等を行った事業者は、工事も完了していることから、依頼した農業者に対し、すみやかな修繕費用等の支払いを求めています。特に、年末はどこの事業者も資金繰りに奔走されるので、終わった分の支払いを求めるのは、当然であります。
 差し迫った課題でありますので、以下の点お尋ねいたします。
 
 国に対し、市として補助金の交付が早くなされるように要望すべきではないでしょうか。
 
 また、今回の事案は、熊本地震という未曽有の地震発生によるものであり、さまざまな形で再建に取り組んでいる被災者にさらなる負担をかけないようにするためにも、熊本市でも、市が一時建て替えをするというような対応ができないものでしょうか。
 
 以上の点につきまして、大西市長にご答弁願います。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 災害公営住宅については、そもそもが新たに整備するものではなく、既存の市営住宅ストックを活用する方針であったことが述べられました。
 
 しかし、市営住宅ストックと言われましても、もともと市営住宅については、震災以前から入居希望が多く、ストックの活用どころか、7〜8倍もの高倍率で入居ができない問題があったはずです。それが、こと災害公営住宅ということになると、住宅のストックがあるという話になっているのは、不思議な気がします。
 一方で、新たに建設する災害公営住宅がわずか150戸というのも、余りに少ないのではないでしょうか。本定例会で、先の公共施設マネジメント調査特別委員会の管理計画でも、市営住宅については削減の方針が出されており、あたかも、災害公営住宅も、そのストックは増やさないという方針ありきで計画が進められているのでは、と穿ってしまいます。
 東日本大震災では、5年以上経った今でも仮設住まいを余儀なくされている人が多数いますが、これは災害公営住宅の整備の遅れが大きな原因です。
 また、仮設入居者の見守り支援の質問でも触れましたが、対象世帯の訪問聞き取り調査がまだ完了していないとのことです。現在の入居希望数480戸も10月末時点の聞き取りから、推計したものと聞いております。今後の聞き取りの進捗次第では、入居希望者が更に増えることも考えられます。
 災害公営住宅については、更なる抜本的な拡充を求めるものです。
 
 (返し)
 また、「被災農業者向け経営体育成支援事業」については、一時たて替えをしない代わりに、支払のつなぎ融資として、国の金融支援制度の活用を促すなどの対応を、実施する、その予定であるとのご答弁でした。資金繰りに切羽詰っている方々に対しては、いささか悠長な対応ではないかと思わざるを得ません。
 低金利、実質無担保、無保証人であるとか、借入限度額も熊本地震向けに引き上げられている等の条件面の措置はあるものの、いっぽうで経営状態によっては、審査から実際の融資まで、一か月もかかるケースもあり得るとのことで、これでは年を越してしまいます。
 国や県に対して速やかな事務手続きの要望はもとより、他都市での実績もあることです、ぜひ本市でも一時立て替えのご検討をよろしくお願いいたします。
  
 ■出張所の廃止問題について
 
 昨年9月に示された、「区役所・出張所等の体制に関する基本的な考え方(案)」で、出張所の再編、廃止の方針が示され、廃止対象地域の住民に動揺と困惑をもたらしました。
 策定の背景として、将来の少子高齢化、人口減少社会において、地域の自主自立のまちづくりを、区役所を拠点に行政が支えることが必要であること。また一方で、出張所の窓口サービス機能については、他の政令指定都市に比較して区役所・出張所数が多く行政運営上の課題になっていることとし、そのうえで、より質の高い区政運営のために、出張所の窓口サービスを見直し、まちづくり機能を強化する方向へシフトすることが必要だとしています。
 要は、まちづくり推進のための人員を、出張所の窓口業務を廃止することで確保し、それに充てるということです。
 
 しかし、一言に「まちづくり推進」といっても、はたして行政がそれぞれの地域にどう関与し、市のいうような「自主・自立のまちづくり」を支援、実現していくのか、現時点ではまったく不透明です。そもそも、「まちづくり」とは、その地域ごとに、長い年月を経て形成されてきたものであり、例えば隣り合っている校区であっても、その文化や生活圏が大きく異なっているなどということは、往々にしてあることです。
 そうして形成されてきた、地域独自の文化やコミュニティを尊重した「まちづくり」であってほしいと願います。
 
 また、各出張所は、地域の行政サービスの拠点でありました。政令市移行にあたっては、幸山前市長の「ワンストップサービス」の方針のもと、行政サービスが区役所に集約されるなか、区役所から遠い地域では明らかに住民サービスが低下した現状があります。区役所の利便性を維持するために導入されたはずの「区バス」も採算面を理由に、地域住民になんら周知もされないまま、いつの間にか廃止になってしましいました。
 こうした、区役所に通いたくても通えない地域にとっては、出張所は行政サービスの必要最低限の拠点ではなかったのでしょうか。
 政令市移行前、幸山前市長は、「居住する区にかかわらず、どの区役所でもできるだけサービスが受けられるような窓口サービスの充実や、区役所出張所となる総合支所、市民センターの機能の維持、更には区バスの導入など、住民サービスの低下を招かないような取り組みを進める」と説明していました。
 しかし、どの区役所でもサービスが受けられるという点では、保健福祉関連で給付に関することについては、住んでいる行政区の区役所でしか受けられないサービスが存在しますし、区バスも、廃止されました。
 出張所の窓口サービス廃止で浮いた人員についても、市全体で適正な人員配置に活かすとされており、必ずしも地域のほかの担当にまわる訳ではありません。
 市民との約束を次々に反故にしてきた市の方針に対して、「出張所は廃止になりますが、行政サービスは低下させませんから」と言われても市民は納得できないのではないでしょうか。
 
 また、市は、再編・廃止の理由として、他の政令指定都市に比較して区役所・出張所数が多く、行政運営上の課題になっているとしていますが、熊本市と同規模の、人口72万人の相模原市、および、人口71万人の岡山市は、23か所と熊本市よりも多くの出張所があり、行政運営上の課題にあたるとは思えません。
 
 そうしたなか、来年平成29年度より、廃止対象の出張所では、出張所平均で約15名いた職員を4〜5名に減らし窓口をサービスコーナーに改めるとしています。サービスコーナー化した後は、相談業務も廃止し、証明書の発行業務に特化。翌30年度には、出張所を廃止、証明書発行の端末機すら置かれません。
 
 市はコンビニでの発行で利便性が飛躍的に向上する、としていますが一方でコンビニ発行になったらどういう人たちが不便を被るでしょうか。高齢や障がいのある方で端末の扱いが慣れない人には、コンビでの発行は難しいと思います。
 コンビニで証明書発行の専用機械ではない、マルチコピー機に、マイナンバーカードを読み取らせて、その上暗証番号を入力する。出てきたメニュー画面から自分の必要な書類を探しだし、タッチパネルで操作する。こうした一連の作業を高齢者や障がいのある方に強いるのは問題ではないでしょうか。
 
 証明書のコンビニ交付の前提であるマイナンバーにしても、熊本地震の影響やシステムの脆弱性などの懸念から、本市の普及率、実際にカードを手にしておられる方の割合は、本年10月末現在で、いまだ住民基本台帳人口、約73万4千人のうち約6.24%の4万5千枚にとどまっています。加えて報道によれば「番号通知カード」の発送自体が地震の影響で遅れ、約1万6千世帯分の「番号通知カード」が未配達のまま保管されているという状況です。
 こうした運用面での、そもそもの前提がいまだ成りたっておりません。 
 そこでお尋ねします。
 
 まず運用面での前提である、マイナンバーの普及率がいまだ6%しかないにも関わらず数カ月後の29年度から、移行期間とはいえ、サービスコーナーという名で実質的な窓口廃止に踏み切る、相談業務の一切をなくすというのは、出張所廃止の既成事実を作らんがためと思われても仕方がないのではないでしょうか。
 移行期間終了後、受付件数やマイナンバーカードの普及率が当初の想定よりも及ばないという場合には、出張所廃止を取りやめるという選択肢も必要になってくると思いますが、その考えはおありですか。
 
 また、相談業務の廃止について、その受け皿としてどのような対応をお考えですか。
 つづけて、お尋ねします。
 
 また、出張所の再編にあたって、最寄りの区役所より5キロ以下の出張所を廃止する方針ですが、その中には、北部、飽田、花園の総合出張所も対象になっています。総合出張所と一般出張所の業務には格段の差があり、一般出張所で取り扱う業務が35項目に対して総合出張所は92項目の業務を取り扱っています。証明書発行業務だけでなく、国保や介護、保育所やひまわりカード、ひとり親医療など、高齢者、障がい者、ひとり親、子育て世代など苦労や悩み、さまざまな困難を抱えた方々の受けるサービスの申請や相談、および給付を行っています。
 こうした取扱い業務、特に健康や福祉に関する相談や申請、給付の機会を一気に失う地域住民の不安は計り知れません。
 
 出張所が担ってきた役割というのは、単にこうした行政サービスの提供にとどまりません。たとえば、北部総合出張所は、旧北部町時代から、町役場として住民に親しまれ、地域コミュニティの重要な拠点でした。それを、コンビニで証明書は発行できるからといって、区役所から5キロ以下の出張所を機械的に廃止するなどとういうのは、到底看過できるものではありません。
 
 本年1月に、区役所・出張所を抱える19の地域で開催された住民説明会でも、再編対象となった地域では、厳しい意見が出されました。
 北部地域では
 「どこに区役所をつくればいいかとなるべき部分が、最初から植木ありきであった。その時点で猛反対していたが、植木を区役所にするのであれば、出張所を残して住民サービスを維持する話であった。それが舌の根も乾かぬうちに5キロ以内だからと再編されるのは到底納得ができない。」
 飽田地域では
 「出張所の再編については最初から結論ありきではないかと危惧している。熊本市と合併し、総合支所、総合出張所になり最終的に廃止となれば、私たちはバックボーンを失い、ますます地域格差が広がるのではないか」という意見が出されました。
 このような意見に対し、市自身も「北部、飽田地域では、地域の拠点を失うことや利便性が低下することへの危惧を抱いている意見があった」として、そのことを認識していることが分かります。
 
 しかし、問題はそのことを市がしっかりと受け止め、住民の不安に対して誠実に答える姿勢を見せるかどうかです。
 
 4月4日から5月6日の期間で募集されたパブリックコメントでは、途中熊本地震の発生があったにもかかわらず、募集締め切りの5月6日は延長されませんでした。市に何とか自分の思いを伝えたい一心で、震災の混乱のなか意見を寄せた方もいましたが、しかし結果、コメントを寄せることができたのは、たった3名にとどまりました。意見を寄せたくても、震災で、避難所生活をされていた方、また自宅でも通信手段が確保できなかった方もいたでしょうし、なによりパブリックコメントどころではなかったという方が大半だった思います。
 その後、8月に再度一カ月間、意見募集の期間が設けられましたが、意見を寄せる人はありませんでした。これは、周知の仕方に問題があった、また、本気で住民の意見を集約し運営の参考にしようという意志が極めて低かったといわざるを得ません。
 パブリックコメントに意見を寄せたという方にお話しを伺うことができましたが、
 「あの震災のさなか、パブリックコメントのことを覚えていた人がどれだけいたでしょうか。コメントが3人しかなかったからとして、市は再編をそのまま進めようとするのか。市には、住民の意見を真摯に聞こうという態度が見られない」と憤っておられました。
 
 そこでお尋ねします。
 
 出張所の再編については、あらためて住民から意見を集約する場を設定し、丁寧に意見を聞きとること。また、震災の発災後、地域での拠点を必要としている住民の思いにこたえるため、出張所、総合出張所廃止はいったん白紙に戻し、行政サービスの低下がないことを住民の納得のもと担保されるまでとことん、協議されるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 
 以上の点につきまして市民局長におたずねします。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 7カ所の出張所を廃止するが、急激な市民サービスの低下を招かないように、証明書発行業務をサービスコーナーという形で継続する、との答弁でしたが、例えば、廃止になる大江出張所の平成26年度実績による窓口受付件数は、約82,000件です。一日当たりに換算すると、約315件。移行期間のサービスコーナーでは、4、5人の職員で対応するとのことですが、一人当たり、80〜60件の窓口業務をこなさなければなりません。本当にやっていけるのでしょうか。
 
 くわえて、廃止対象となる3カ所の総合出張所では、窓口業務で忙殺されているであろう、そのサービスコーナーで、健康や福祉に関する相談業務まで行うということです。そのための人員配置については、なんら言及がありませんでした。よもやとは思いますが、相談業務について、専門の職員を置かないということであれば、余りにも安易な対応であるといわざるを得ません。
 
 (返し)
 パブリックコメント等の意見の集約は、規定に基づいて実施しているので問題ない、また、震災を踏まえて再度、意見聴取したとのことですが、再聴取された8月は、いまだ避難所生活されていた方がいる時期です。
 方法に問題なかったとはいえ、寄せられた意見がたった3件であったということ、そしてそれが施策をすすめるにあたって、住民の意見として反映し得る数に足り得るかが問われるべきです。
 
 ・災害時の出張所の役割について
 
 現行の出張所、総合出張所は、公民館と出張所があわさり一体となって運営されているから、出張所サービスとしての存在価値があります。出張所がなくなれば、地域の拠点になりえません。従来の公民館機能の「(仮称)まちづくりセンター」だけでは足りません。
 こんかいの熊本地震では、出張所、公民館が避難所として使われ避難者のみならず、地域住民にとっても災害情報を共有するなどの拠点としての役割を果たしました。避難所の運営については、ボランティアや他の職員の応援があったからできたという側面もありますが、出張所と公民館の双方に、地域に根付いている職員が相応数いたから対応できたのだと思います。
 それが今回の再編案で出張所機能を廃止して職員の配置をなくし、公民館機能を「(仮称)まちづくりセンター」として地域担当職員を多少増員したとしても、災害緊急時のマンパワーとしては足りません。
 過去、2012年の北区龍田陳内の水害の際には、住民が龍田公民館へ避難されてきましたが、職員は不在、建物が施錠されたままで避難できなかった事例がありました。また土嚢の手配を頼んだら、北区役所に取りに行くよう言われた等、災害時の拠点としての役割を十分に果たせなかった教訓がありました。
 
 こうした事からも、地域の防災・災害時には、身近にある出張所がその拠点として機能することが必要です。そのためには、人員を常時配置しておく、また災害備蓄品の増量など、逆に今まで以上の強化が、むしろ必要となってきます。出張所の廃止は、こうした防災・災害対応の取組みに逆行するやり方です。未曾有の震災を経験した本市がとるべき道とは、到底思えません。
 出張所再編方針に明記されている「(仮称)まちづくりセンター(地域担当職員)の想定される役割」では、災害時の拠点としての役割は明確にされていません。出張所は廃止ではなく、災害時の対応も想定した人員を配置し、災害拠点としての位置づけを明確にして残すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 市民局長におたずねします。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 災害発生時には、(仮称)まちづくりセンターの職員のみならず、地域居住の職員を地域担当して避難所運営をさせるとのことでした。しかし、今回の震災で露呈したのは、行革による正職員の削減や施設の管理を民間委託したことで、マンパワーが足りない、施設を有効に活用できない、要はそれぞれの業務に責任を負う者がおらず、対応が後手に回った、ということではなかったでしょうか。
 「自助」、「共助」はもちろん大切です。しかし、災害対応の最低限の人員の確保、それを行政が放棄することはあってはなりません。災害時の拠点として出張所、及び人員を残すべきです。
 
 そのことを指摘して、次の質問に移ります。
 
 ■国保について
 
 国民健康保険についてお尋ねします。
 
 熊本市の健康保険加入は、平成27年度末現在約10万世帯です。市内31万世帯の約3分の1が加入しています。そのうち所得200万以下の世帯が約8割を占めています。
 国民健康保険は、全国どこでも、低所得者が多く加入する医療保険でありながら、保険料が高すぎるというのが共通の問題です。国保の負担軽減は、低所得者対策としても避けて通れません。
 熊本市の国保料はどうでしょうか。熊本市では所得激減等、また低所得者への1割減免など行っていますが、他都市で実施されている多子世帯減免、障がい者減免などは未着手です。少なくない世帯にとって国保料は重い負担となっています。
 
 国民の所得は、実質賃金が減り続けており、高齢者の年金も切り下げが続いています。一方で、介護保険料の引き上げなど暮らしにかかる負担は深刻です。
 政令市の保険料モデルケースの比較で見ましても、熊本市の保険料は、40歳の夫婦と子ども2人、所得200万円のモデル世帯では、年間39万9,070円です。
 ここ数年、市の国保料改悪により、その順位を次々と上げてきましたが、本年度は、とうとう政令市中、ワースト1位という、不名誉な順位になりました。政令市中、最も負担の軽い広島市の年間221,357円の約1.75倍にもなります。
 年間所得の5分の1が、保険証をもらうためだけに消えていく。この国保料を払い続けるのはほんとうにたいへんです。貯金もできません。病気になり働けなくなって、滞納したら、すぐ払えなくなってしまいます。
 そんな国保について国もようやく支援に乗り出しました。昨年度は低所得者対策として、保険者支援制度を約1,700億円拡充しました。これに伴い、被保険者の保険料負担の軽減やその伸びの抑制が可能としています。
 こうした国の取組みで、保険料引き下げを行った政令市がある、いっぽうで、本市は累積赤字解消にその財源措置が補填され、残念ながら保険料軽減に至っていません。
 
 本年度、市の更なる保険料値上げで政令市ワースト1位の高負担になり、震災の被害も相まって、市民生活への打撃は、はかりしれません。負担の限界を超えた、これ以上の保険料引き上げは行うべきではありません。
 
 本市の累積赤字の拡大については、加入者に高齢者や低所得者が多い実態で、財政基盤が脆弱という構造的な課題を抱えている点や、医療費給付の伸びなどがありますが、大きな原因は国保の赤字補てんへの支援額が幸山市政時代の、2012年、2013年には、それぞれ28億8千万円、翌2014年には20億に減額されたものの、それなりの支援がなされていたのに対して、大西市政になってから、一気に8億円と大幅に減額されたことが何よりの原因です。
 制度上の構造的な矛盾を少しでも解消するために行われてきた一般会計からの繰り入れを、政令市平均の半分以下まで減額したことが大きな原因です。
 
 毎年の国保会計の赤字補てん分の繰り入れ大幅に減額されたことで、単年度収支は21億円もの赤字、累積収支も43億円の赤字となりました。このような財政運用をしながら、政令市で高い方から2番目だった保険料の引き上げが決められました。
 しかも、平成28年度も赤字補てんの繰り入れは昨年度同様8億円が予定されているので、単年度収支の赤字、累積収支のさらなる悪化が予想されます。
 市民にはとんでもない高い保険料負担を押し付けながら、赤字は増えるばかりです。
 
 また、今回の震災で、所得200万円以下が8割をしめる、熊本市の国保世帯にとって、震災からの生活、住宅再建のために経済的負担を余儀なくされるなか、年金は下がる、介護保険料の負担は増える、などで生活困窮に追い込まれる世帯がこれから増えていくであろうことは、想像に難くありません。
 熊本地震では、被災世帯に対し、国保険料減免が行われています。申請件数、15,992件のうち、8割以上の13,291件で減免が実施されていますが、この減免も一部損壊世帯では適用されません。住宅被害の6割以上を占める一部損壊世帯への適用がないために、国保加入の約10万世帯のうちのわずか12%しか減免を受けられない状況です。
 こうしたなか、持病があり通院、治療が必要な人のなかでも、受診抑制につながっているケースがあるのではないでしょうか。
 熊本地震の被害により生活が困窮しているときに、政令市で最も高い保険料をとって、当たり前だとしている市の姿勢には、大いに問題があります。
 このような、震災被災者の生活の苦しみを鑑みれば、国保料について、今行うべきは、一般会計からの繰入額を最低でも2012年ベースに戻し、国保会計の健全化を図ることです。そうすれば、保険料の引き上げを行わなくても単年度の収支均衡が図れるとともに、収支の改善が見込まれ、国保料の引き下げもげも可能なってくると思います。
 
 そこでお尋ねします。
 
 まず、政令市でワースト1位となった本市の国保料はについて、高過ぎる国保料であるという認識はお持ちでしょうか。
 そして、先ほど紹介した国保加入世帯の実態から見ても、引き下げるべきだと思いますが、いかがでしょうか。そのために、大西市長になって、ずっと減らされ続けている一般会計からの繰り入れを、元に戻すべきではないでしょうか。
 大西市長におたずねします。
 
 国民健康保険は、全国どこでも、低所得者が多く加入する医療保険でありながら、保険料が高すぎるというのが共通の問題です。国保の負担軽減は、低所得者対策としても避けて通れません。
 熊本市では所得激減等、また低所得者への1割減免など行っていますが、他都市で実施されている、低所得者減免、生活困窮減免、多子世帯減免、障がい者減免などは未着手です。本市でもぜひこうした減免をおこなうべきだと思いますがいかがでしょうか。
 担当局長におたずねします。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 市長ご自身も、保険料の負担は重いとの認識をお持ちとのことでした。
 しかし、厳しい財政状況が続くもと、保険料の引き下げは困難、また一般会計繰り入れは、国保被保険者以外の市民も負担することから、元に戻すことは出来ないとのことでした。
 しかし、大西市政がこの間行ってきた、一般会計からの繰り入れの大幅減額は、いうなれば国保制度の構造的矛盾、その傷口を更に広げるような暴挙であり、到底看過できません。収納率向上も、払える保険料に戻してこそです。
 更に震災の被害で、より保険料納付が困難になり、受診抑制につながるようなことになれば、新たな関連死を生み出すことにもなりかねません。
 累積赤字の解消、またいまだ震災の被害にあえぐ市民の生活、もとより健康や命について考えるならば、いま本市がまずやるべきことは、一般会計からの繰り入れの増額であり、国の矛盾をこれ以上拡大し、市民にそのしわ寄せが及ばないようにすることです。
 
 そのことを強く訴えまして、次の質問に移ります。
 次に、差押えについておたずねします。
 
 平成27年度において、国保料の滞納世帯は、3万4,949世帯、加入世帯の約35%です。うち、短期被保険者証発行世帯が15,374世帯、資格証明書が44世帯あります。資格証明書は、治療費をまず10割全額払わなければなりません。当座のお金がない、なると病院にすぐには行けません。全体のわずか44世帯とはいえ、保険証を取り上げるという、こういう現状は「国民皆保険」とは言えない事態であると思います。
 それでもここ数年、短期被保険者証や資格証明書の発行は減ってきています。
 滞納世帯数も減少傾向にあり、年次推移で平成25年度が40,790世帯、26年度が38,623世帯、27年度は3万5千世帯を割りました。
 しかし、問題は、差し押さえ件数が増え続けていることです。平成23年度は245件でしたが、26年度は634件、昨年は754件と増えています。財産調査の件数も、23年度は約5,331件だったものが、26年度は約117,916件、27年度が139,916件と大幅に増えています。
 そして、昨年度初めて、給与や、不動産収入までが差し押さえの対象となりました。生活の糧となる債権の差し押さえはすべきではありません。
 
 財産調査を139,916件も行っている、そして差押えが754件ある、という現実から見えてくるのは、滞納者が頑張って納められるような納付相談に努められているか、ということです。
 財産調査の労力よりも、直接会って話をする、訪問する、などの体制こそ必要なのではないでしょうか。今のまま収納率をさらに上げようとすれば、無理な収納強化となるのではないでしょうか。滞納者の実情を無視した差押えが行われるのではないかと大変危惧いたします。
 
 そこで、お尋ねします。
 
 給与、年金、不動産収入など、生活の糧となるものの差し押さえについては、どんな対応をしていらっしゃいますか。
 また、差し押さえに至るまでの手続き、滞納者への納付相談などはどうなっていますか。
 
 くわえて、年金は、年金の受給権として、差押えは禁止されていますが、いっぽうで一旦預金口座に振り込まれると、年金の受給権ではなく、預金債権という扱いにより、実質、差押えが可能という事例があるようですが、本市ではその点について、どのように扱われていますか。
 担当局長におたずねします。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 年金や給与については、預金債権となった口座振り込み後も、支給日当日にあわせた差押えは実施していないというものの、支給日後については、差押え禁止額を参考にするなど、慎重に対応しているとのことでした。これは言いかえれば、慎重に差し押さえるとも受け取れかねません。
 いま必要なことは、国保制度の矛盾を深めていくような一般会計繰り入れの削減をやめ、応分の繰り入れを行い財政の改善に努めることです。
 国民健康保険会計は、平成30年度に県への移管が予定されています。
 国民健康保険制度が大きく変わろうとしている時だからこそ、「国民皆保険」の原則を堅持するよう、国保制度の矛盾を深めていくような一般会計繰り入れの削減はやめ、応分の繰り入れを行い財政の改善に努めていただきたい。市民が、払える国民健康保険料に引き下げ、市民の立場に立った、「きめ細かく、ていねいな対応」を行っていただきますよう、重ねて強く要望します。 
 
 ■2016年12月議会一般質問「桜町再開発・MICE整備」
 
 今回の議会には、(仮称)「熊本城ホール」の整備に向け、いよいよ桜町再開発事業の保留床を取得する議案が提出されました。30,800uを総額283億円で取得するというものです。
 私ども日本共産党市議団は、これまでも再開発やMICE整備の問題を議会で取り上げ、問題点を指摘してきました。しかも、今年度は熊本地震という未曽有の大災害が発生し、その復興に本市が多額の費用を費やしながら、今も日夜取り組んでいるところです。日本共産党市議団として、市民アンケートにも取り組み、市民の声を聞いてきましたが、市民の立場で、疑問と思う点を質問します。
 
 1、これまでも繰り返し求めてきましたが、桜町再開発と(仮称)「熊本城ホール」の整備についての説明が市民にほとんどなされていません。283億円もの事業費を支払っていくのですから、それに先立ち市民への説明をきちんと行い、理解を得るべきではないでしょうか。
 
 2、提案されている保留床の価格が妥当なのか、その検証はどのように行っておられるのか。いつ、どのような形で行ったか、具体的にご説明ください。
 
 3、今年10月に、再開発事業の概要が示され、(仮称)「熊本城ホール」のほか、商業施設・シネコン・ホテル・バンケット・マンション・バスターミナル・駐車場・事務所・共用部分などの面積が具体的に説明されています。本市の保留床取得議案の提出も含め、いよいよ再開発事業が本格的段階に入ってきていると思われます。そこで、具体的に示されている施設概要のどの部分に地元の企業・事業者が参加してくるのでしょうか。再開発事業が地域経済にどう貢献するのか、大事な点だと考えますので、ご説明ください。
 
 以上3点、市長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 市民への説明については、いろいろな場を設け意見を交わし、パブリックコメントやアンケートなど、機会をとらえ意見聴取を行ってきたという市と、説明を受ける側である市民には温度差があると思います。今立ち止まって考えなければならないのは、熊本市がMICE整備計画を進めている最中に、未曽有の大地震が発生し、市民の気持ちや行政の仕事のありようが一変したということです。
 今議会に提出されております、「熊本地震復興期におけるMICE施設整備計画の多面的な再検討と、市民への説明責任を求める陳情書」では、「地震からの復興に多額のお金と時間がかかると言われている中で、市が計画しているMICE施設を整備する場合、更なるお金を市民が負担しなければならないことを、私たち市民の多くが初めて知りました。市立学校の体育館の復旧、市民病院の再建、動植物園の復旧、熊本城の復興・・・。熊本が負った深い傷を癒し、元の姿を取り戻すためにやるべきことは山のようにあり、膨大な時間とお金がかかります。それもまだ手付かずの今、MICE施設を整備することは、本当に必要なのだろうか?こうした疑問がわいてきました。」と、市民のMICE整備に対する思いが率直に述べられています。
 この陳情者の方々が行われたアンケート調査でも、「今熊本市がお金をかけてでも取り組むべき最も重要な課題は何だと思いますか」との問いに、約半数の方が「熊本地震からの復旧・復興の推進」と回答され、「再開発に合わせた大型集客施設の整備」を選んだ方はわずか7.3%でした。私ども日本共産党市議団が9月、10月に行った市民アンケートでも、地震からの復興に向け取り組んでほしいことの項目で、「再開発・MICE建設を急ぐ」と回答されたのは、780人のうちわずか6人、0.8%でした。
 先ほどの答弁で市長は、「地震後、震災復興計画に重点プロジェクトと位置付け、パブリックコメントを実施した」と、それで市民の理解が得られたかのような答弁をされましたが、地震の復興に向けてMICE整備を重点として取り組んでいくことに市民の理解は得られていないというのが、実態ではないでしょうか。
 それもそのはず、市のパブリックコメントに意見を寄せられたのがわずか14名であったことは市長が一番よくご存じだと思います。パブリックコメントが実施された8月19日から9月9日の3週間は、まだ市の拠点避難所も開設されていて、避難生活を送る方もおられました。切羽詰まった思いで日々の暮らしをする方々が、冷静に復興計画に意見を述べられるような段階ではなかったと思います。帳面消しのようなパブリックコメントを盾に、説明責任を果たした、市民の理解が得られていると言われるのは、あまりも傲慢ではないでしょうか。
 震災復興計画を決定した臨時議会で、上野議員が指摘しましたように、「第7次総合計画」の基本計画の一部となる復興計画であり、重要な位置づけのものです。にもかかわらず、説明会すら開かれず、わずか14人のパブリックコメントによる意見聴取で、済ませているところが重大な問題です。
 しかも、その少ないパブリックコメントの意見で、MICEにかかわるものが6件ありましたが、
 一つは、「このような時だからこそ、桜町再開発とMICE施設の必要性・重要性について進捗状況を含め丁寧に市民への説明を定期的に行ってほしい」という説明責任を求める意見。
 2件は、施設内のブースの内容と、MICE施設と新市街をぬれずに通行できるようにしてほしいという施設・その周辺についての意見。
 あと3つは、MICE施設が多額の税金投入を必要とすることから、中止・凍結、あるいは白紙再考を求めるというものであり、桜町再開発にMICE施設を整備することが、まだまだ説明不足であり、市民の理解が得られていると言えるようなものではありませんでした。地震発生後の今、MICE整備について説明会を開く、アンケートを取るなどして、市民への説明責任を果たし、意見を十分に聞くべきであると考えます。
 
 保留床価格の妥当性については、今年7月末に再開発準備会社から提示された最終的な床価格について検証を行い妥当性を確認、最終的には不動産鑑定士による評価額約283億円を購入費とすることで協議が整ったと言われましたが、市長は議会にまともに説明する気があるのかと、疑いたくなるような答弁に思えました。
 私は、今議会に保留床取得の議案も出ていることから、この間、市が保留床価格の検証を行うために行ってきた、委託事業や不動産鑑定の結果を拝見しました。
 
 一つは、「公益財団法人・日本建築積算協会」に委託し、今年度行った「(仮称)熊本城ホール工事費管理支援業務委託」で、工事費積算の妥当性を検証するものです。
 2つ目は、「(株)鑑定ソリュート熊本」に委託し、昨年度から今年度まで2カ年にわたって行われている「(仮称)熊本城ホール保留床価額算定基準検証業務委託」で、事業者が策定する権利変換計画書や床価額算定資料等について専門的にその妥当性を検証するものです。
 3つ目が、「日本不動産研究所」に依頼した不動産鑑定です。
 工事費の妥当性検証では、工事費の内訳明細書の単価・メーカー・見積もり金額など、すべて真っ黒に墨塗りされており、結果欄の「妥当」という文言を鵜呑みにするしかありませんでした。しかも、9月議会で説明されましたように、工期が1年延びていますが、この検証では工期延伸に伴う現場管理費増が懸賞の対象となっていないことや、熊本地震による大幅な建設工事価格の上昇の可能性は少ないと判断している点も、疑問です。
 「鑑定ソリュート熊本」の保留床価額の検証も、MICE以外の数値はほとんど黒塗りで、妥当な積算なのか、評価のしようもありません。
 不動産鑑定では、原価法により取引事例比較法を適用して査定するとしながら、土地でも、建物でも、取引事例の大事な部分は黒塗りで、標準価格の査定が妥当なのか、私たちには検証することができません。
 ようするに、保留床価額の妥当性は、民間事業者が妥当だと言っているから妥当なのだと、思うしかないような検証です。しかし、こんな説明で、市民が納得するでしょうか。税金を450億円もつぎ込む事業でありながら、この程度の説明で済ますべきではないと思います。
 再開発事業への地元企業の参加については、「一般的に出店される事業者名はオープン直前にしか公表されない」と言われましたが、そんなことは聞いていません。個別の事業者名でなく、地元の企業がどの程度参加されるのかを伺ったのです。桜町再開発は、九州産交が主体とは言っても、実際上は「HIS」という県外の大手企業がすすめている再開発です。県民百貨店やセンタープラザがなくなったことで、地元企業とその従業員の働く場もなくなりました。そこに熊本市が市政史上最大の税金投入をしようとするのですから、当然、地元に貢献する再開発でなくてはならないと思います。熊本市が購入する保留床の取得価格を見てもそうですが、再開発の床は価格が高いために、なかなか参加企業が決まりません。県外大手チェーンなど、体力のある企業は参入できても、地元の中小企業にとっては難しいというのが現実です。
 
 そこで、市長にお尋ねします。
 「地元企業が優先的に出店される場所を設けたい」という再開発事業者の意向を聞かれているようですが、詳細に示されている再開発事業のどの部分に、どの程度の地元企業が入ってくる見通しを持っているのか、具体的にお答えいただきたい。
 いつまでも、事業者に求めるという答弁でなく、283億円も払って保留床を取得するのですから、きちんと市民に説明する、示す時期に来ているのではないでしょうか。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 何度聞いても、まともな答えはありません。「地元業者が入れるように、再開発事業者に求めていく」というのは、去年から言われていることです。桜町再開発は、事業主体の「HIS」はじめ、総事業費の大部分を占める607億円もの工事費を払う「大成建設」など、県外の大企業によってすすめられています。
 地元企業である県民百貨店やセンタープラザテナントを追い出し、できた再開発ビルに県外の企業・テナントしか参入しなかったら、誰のために市民の税金を400億以上もつぎ込むことになるのでしょうか。せめて、地元の企業が参入して、見える形で地元に貢献する施設とすべきではないでしょうか。
 再開発事業が認可され、いよいよ保留床を取得しようというのに、いつまでも、事業者に伝えるだけではいけないと思います。直ちに、地元企業がどの程度入ってくるのか、市民に説明していただくこと、強く要望いたします。
 
 大地震を経た今、今12月議会までに提案された復興予算は1095億円にも上っています。莫大な復興予算は、全額国庫負担ということではないので、市の負担もあり、その財源ねん出に市も苦慮されています。
 9月議会では、本年度の当初予算を100億円削減したという報告がありました。次年度も、新年度予算編成のために、経常経費・政策経費共に15%のシーリングがかけられています。
 これまで実施してきた何らかの事業を止めないと予算がたたない状況です。
 100億円あった財政調整基金も取り崩し、今や22億円に。貯金も底をついています。そんな時に、地震前からの計画であった、復興とは別物のMICE整備を、復興計画の重点事業に位置付け、聖域扱いして無理やりすすめていくことに、多くの市民が疑問を持っています。
 1095億円の復興予算は、本格的復興に向け、さらに増加します。それとMICE整備が両立するのか、市民の疑問に答えるべく、立ち止まって真剣に考えるべきです。
 震災の復興では、多くの市民が願っている一部損壊世帯への再建支援や、液状化などの地盤被害への支援、学校体育館やホールなどの復旧など、多額の費用を必要とする課題が残されたままです。
 先ほど質問しましたように、国民健康保険会計への一般会計繰り入れは大幅に減額されたままです。市長の公約である子ども医療費助成制度の拡充など、市民が必要としている事業に、必要な財源措置がなされないまま、誰も急ぐことを求めていないMICE整備の予算を聖域とすべきではありません。
 1日も早く被災された方々が元の生活に戻って、安心して暮らすことを最優先で取り組んでほしいと思います。そのためにも、MICE施設の保留床取得の撤回を強く要望します。
 
 そのことを重ねて申しまして、次の質問に移ります。
 
 ■立野ダムについて
 
 立野ダムについてお尋ねします。
 前回、第3回定例会で、那須議員が質問いたしましたが、ダムの最大受益者である熊本市にとっても大事な問題であるとともに、国の事業だからという理由で、市民に対する本市としての説明責任がちゃんと果たされているのか、大いに問われなければならないと考えますので、今回も引き続き質問させていたただきます。
 
 まず大西市長におたずねします。
 11月27日、日曜日 立野ダム建設予定地ならびにその周辺地域に視察に出かけられたと伺いました。崩落した阿蘇大橋はじめ長陽橋をめぐり、立野ダム建設予定地までの視察であったと伺っております。
 地震やその後6月の豪雨で、斜面が崩壊し山肌があらわになった立野ダム建設予定地を実際に目の当たりにした人からお話を伺えば、皆さん「こんなところにダムをつくるのか」とか、「はたして、本当にダムをつくって大丈夫なのか」と異口同音におっしゃいます。
 
 そこでお尋ねします。
 ダム建設予定地をおよびその周辺を視察し、大規模な崩落の状況をみたとき、この周辺地域が危険だとは思われませんでしたか。
 市長におたずねします。
 
 (答弁)
 
 ダム建設予定地では、一時間ほどかけて現地を歩いて視察されたと伺っております。立野ダム事務所長からダムの形状や基礎地盤の健全性の説明を受けられたとはいえ、現場を訪れた人が異口同音に、その被害のすさまじさに、果たしてダムは本当に大丈夫なのかと、おっしゃる、またかつて立野ダム推進派であった流域の保守系有力者の方ですら、現場を見てダムは必要ないとの認識に変わった、と言わしめるほどの状況を、目の当たりにして、地震による被害はなかったとされる市長の答弁には、いったい現場の何をご覧になったのかと、疑問に思わざるを得ません。
 
 さて、今回はダム津波について改めて質問させていただきたいと思います。
 
 7月17日に行われた国土交通省の「第3回技術委員会」で配布された資料では、「立野ダム湛水予定地周辺では、熊本地震での斜面崩壊後、6月洪水で斜面崩壊の範囲が広がっている」ことを指摘し、地震による地割れ、地盤の不安定化に大雨が追い打ちかけ、新たな斜面崩壊が発生するといった状況を認めています。
 
 林野庁の「平成28年熊本地震に係る森林域における航空レーザー計測」は、「熊本地震で多くの山腹崩壊等が発生しており、このほかにも地盤が脆弱になっているだけでなく、多くの亀裂や小崩落が発生している」と指摘し、航空レーザーを用いての詳細な地形状況を明らかにしています。
 さらに資料は、熊本地震時の崩壊に加えて、地震でできた地割れ、ひびによって、6月洪水で崩壊箇所が広がっていることを如実に証明しています。特に北向き山は、各所で山崩れが発生しており、ダム堤予定地上流左岸は、杉の植林地であり、今後、余震、大雨で大量に崩落する危険性が大いにあります。
 
 8月23日、日本共産党の田村貴昭衆院議員が現地調査を行った際、立野ダム事務所長より、熊本地震とその後の6月洪水で、建設予定地河川には、約100トンの土砂が流入しているとの報告を受けました。
 もしダムが完成して試験湛水中、あるいは雨が降ってダムに水がたまっている状況の時に地震が起きれば、この土砂崩れがダム湖になだれ込み、津波が発生していたと思われます。
 1963年、イタリアのバイオントダムでは、実際にダム湖の中に土砂が崩れ落ち、ダム堤体そのものは壊れなかったものの、ダム湖で津波が発生し、ダムを超えて大量の水が下流の町を直撃。2,000名もの尊い命が奪われました。活断層付近にダムを作ることが、あるいは斜面が崩落しやすい箇所にダムを作ることがいかに恐ろしいことかを物語っています。この大惨事は決して他所事ではありません。
 いっぽうで、国交省は、試験湛水時、洪水時のダム満杯状況での地滑り、斜面崩壊についてのシミュレーションはやっていません。これも先の現地調査の際、立野ダム事務所長が明言し、また国交の立野ダムのレクチャーでも明らかにしたところです。
 このように、技術委員会自身が、「立野ダム湛水予定地周辺では、熊本地震での斜面崩壊後、6月洪水で斜面崩壊の範囲が広がっている」と認めているにもかかわらず、いっぽうでダム津波については、まったくそのシミュレーションをやっていないことを考えれば、技術委員会が大丈夫としていることは、なんら裏付けがなく無責任な態度だといわざるを得ません。
 人命最優先の立場に立つならば、技術委員会の結論をうのみにせず、まずは科学的で公正な安全性に関する検証を求めること、そのことこそが必要ではないでしょうか。
 そこで、大西市長におたずねします。
 
 ひとたび、ダム津波が起これば、流域自治体のみならず、熊本市街地も多大な被害を受けることが想定されます。その危険性について、ご自身でどう認識されますか。
 
 続けて、質問します。
 
 次に、熊本が世界に誇る、貴重な財産である地下水への影響についてお尋ねいたします。
 先月、崇城大学名誉教授の村田重之先生(土質工学・防災工学)の、「阿蘇の過去の豪雨災害から立野ダムを考える」の講演を聴講しました。
 その講演のなかで、先生が大変興味深い指摘をされていました。
 立野ダム建設予定地は、その脆弱な地盤のせいで、岩盤の割れ目を埋める為に大規模なグラウチング、つまりセメントミルクの注入を行う必要があります。
 これは岩盤からの水漏れを遮断すること、遮水壁をつくること意味します。
 熊本市は阿蘇カルデラからの伏流水、外輪山に振った雨が地下に浸透して熊本市に流れてきた水で水道水をまかなっていますが、いっぽうで、阿蘇から熊本市への地下水の流れは、まだ完全に判明していないのが現状です。そのことから、地形的に考えれば、地下水脈が立野河口瀬の下あたりを通っていることも十分考えられます。このグラウチングにより地下水の水脈が遮断されると、熊本の地下水の供給が止まって大変なことになります。
 また、地下水が流れている状態では、セメントミルクはなかなか固まりません。グラウチング工事で地下水に触れたセメントミルクが、固まることなく地地下水脈に流入、そのことで地下水が汚染され、汚染された地下水が熊本市に流れ込んでこることも十分に考えられます。また一旦地下水が汚染されれば、元に戻すのにも長い年月を要することでしょう。このことは、たとえは違いますが、福島第一原発で行われている棟土壁工事が地下水脈に触れて土壌が全く凍らないことからも、容易に想像できると思います。
 熊本市が誇る「蛇口をひねれば、ミネラルウォーター」のブランドも台無しになるどころか、市民の飲料水も損なわれる結果になります。
 
 こうした、地下水涵養の源に大量のセメントミルクを流すことで、地下水脈の遮断、汚染の危険性がないのか、市長のご認識をお聞かせ下さい。
 
 続けて3点目、河川改修の問題について、お尋ねします。
 2012年の九州北部水害後行われた「激特事業」による河川改修で、流下能力が上がっていることは、国交省自身が発表している流下能力算定表にもはっきり示されています。
 一方で、2001年から開始されている「白川水系河川整備計画」では、まだ改修が積み残しになっている区間があり、国交のホームページでも改修が未整備で、地域からも早急な対策が望まれている区間として、住民の声とともに、国交自身が取り上げています。
 こうした、住民からの強い要望がありながら、「白川水系河川整備計画」は、現在「激特事業」の一環としておこなわれており、5か年の事業計画も来年で終了します。その後は、再度、整備計画の目標を設定しなおすなど、計画の履行についてはまだ時間を要する。そうしたなか市長は、立野ダムの早期の建設を要望されています。
 
 ダムによらない治水で目標達成は可能であるにも関わらず、万が一の事故が起これば取り返しのつかない事態になるダムによる治水の道は選択すべきでありません。
 
 2012年の水害も、ダムがなかったから起こったのではなく、河川改修がなされていなかった所から、水が溢れたのが実態です。「激特事業」の例をあげるまでもなく、河川改修なら数年で完了できます。河川改修をなおざりに、ダム優先でいいのでしょうか。流域市民の安全を守る責任がある市長として、河川改修こそ推進する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 
 以上、3点につきまして、大西市長にご答弁を求めます。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 ご答弁ありがとうございました。
 まず、ダム津波については、前回の第3回定例会において、那須議員がその危険性を丁寧に指摘した上で質問いたしましたが、市長からは、質問に対して具体的な答弁はなく、「『技術委員会』から立野ダムの建設は技術的に充分に可能であることの結論が示されたことは承知している」として、自身の判断については明言を避けられました。
 それで、今回私から、再度その危険性をお示しした上で、質問させていただいたのですが、今回も中身に対する言及はなく、「第3回定例会で答弁させていただいた通り」などという全く誠意がないというか、ご自身の言葉で語られようとしないその姿勢に、その内、市民との対話、質問に対しても「議会で答弁した通り」などとお答えになるのではなかろうかと、逆に心配なってまいりました。
 
 地下水への影響についても同様で、「地下水へ影響を与えないよう、国交省に申し上げて参る」とされていますが、いっぽうで大西市長は、熊本市地下水保全条例の第5条にあるように、「地下水水質保全の為必要と認めたときは、国に対して必要な措置を取ることを求めなければならない」、という責務を負ったお立場であります。はたして、万が一、ダム建設工事に起因する地下水への影響が生じた際に、工事の差し止めを含めた、その責務を全うする気概が果して、おありかどうか、一連の答弁から伺える市長の国任せの姿勢では、はなはだ疑問であるといわざるを得ません。
 河川改修の問題について申せば、川辺川ダム計画では、人吉市の洪水流量毎秒7000トンのうち2600トン、全体の約37%を、川辺川ダムで洪水調節することになっていましたが、川辺川ダム建設は中止され、現在、国、県、地元が一体となってダムによらない治水対策が検討されています。
 一方、白川の河川整備計画では、熊本市の洪水流量毎秒2300トンのうち200トン、全体の約8%にすぎません、を立野ダムで洪水調節することになっています。この数字を見ても、立野ダムによらない治水対策は十分可能です。
 
 これまでの質問を通じて私が感じたのは、例えばダム建設予定地の崩落のありさまを見て、危険だとお思いにならない感覚や、国交省の説明を鵜呑みにされる、その認識の危うさです。
 市長はあらゆる場で、ダム建設推進の立場で発言されています。いっぽうで議会では、ご自身の言葉で一切答弁されないにも関わらず、何を根拠にダム推進の旗振り役をされているのかと、極めて残念に思います。
 国まかせではなく、市長として市民に対する説明責任をしっかりと果たしていただくことを、改めて求めまして質問を終わります。

9月議会・「2015年度・一般ならびに特別会計決算」反対討論

 2016年9月27日 日本共産党熊本市議団 上野みえこ
9月議会・「2015年度・一般ならびに特別会計決算」反対討論(PDFファイル 208KB)

 議第236号平成27年度「熊本市各会計(公営企業会計を除く)決算について」、賛成できない理由を述べ、反対討論を行います。
 第1に、昨年度も、市政史上最大の箱モノ建設となるMICE施設(仮称)「熊本城ホール」の整備が着々と進められた1年でありました。桜町再開発事業については、国補助を得て建築物等除去費に7億5680万円が助成されました。(仮称)「熊本城ホール」整備については、「保留床価格算定基準検証業務委託」等に1377万円あまりが支出されました。
 昨年度、桜町再開発は5月に施行認可され、7月に権利変換計画も認可されました。着々と事業が進んでいるようには見えますが、民間事業であることを理由にその内容は重要な部分がほとんど公開されず、市が補助金・借金の利息まで含めれば450億円を超える負担をするのに、再開発の事業フレームが固まっているのか、ビルの床が埋まる見通しがあるのか、全く不透明で、約300億円の保留床取得金の単価が民間所有部分に比べ3倍も高いのにその積算根拠は示されず、県民百貨店・センタープラザのテナントや従業員が追い出されながら、再開発事業の財政計画に予定されていた補償金65億円が誰に払われたのかもわかりません。700億円を超える工事費は随意契約で、その他の契約まで含め契約情報の公開は極めて不十分です。日本共産党市議団は、厳しい財政の中で、このような大型開発を推進していけば、市の財政がますます息詰まるばかりか、その影響は広範な市民サービスに及び、必ずや市民生活に必要な事業が犠牲になっていくと、議会の度に問題点を指摘してきました。
 桜町再開発と一体的に中心市街地の賑わいを創出する事業として「花畑広場の整備」もすすめられました。2015年度に用地買収が始まった産業文化会館跡地の隣の民間ビル2棟の用地の買収が完了しました。平成26年度に、11億3392万円が執行され、平成27年度に残りの3億8619万円が執行となりました。花畑広場の整備、そのための用地買収は、産業文化会館廃止・解体の是非と合わせて、裁判で争われていますが、決算実績で支出された15億円の民間ビル2棟の用地買収が本当に必要だったのかが、争点になっています。しかも、昨年度末の一般質問で答弁されたように、花畑広場の整備には、今後20億円もの事業費が予定されており、桜町再開発と合わせ、花畑広場も大型開発の一つとして、その整備は今後市の大きな負担になっていくと思われます。
 以上のように、桜町再開発・MICE施設整備、花畑広場整備など、大型開発の無駄遣い推進の一方で、国土交通省が学校と並び耐震化を最優先する施設と位置付けているのが病院施設、熊本市民病院は、耐震強度が不足し、その安全性が厳しく指摘されてきたという経過もあり、建替えは最優先すべきでした。ところが、大西市長の突然の「凍結」表明、さらには建設費の高騰を理由にした「白紙撤回」の表明。しかし、その判断が、今回の熊本地震による被害によって、すべての患者を他の医療機関に搬送しなければならない、本来ならば災害時に公的医療機関として果たすべき役割が果たせなかったという重大な事態を招いてしまいました。熊本地震発災後はもちろん、地震発災の前からも、私共のもとには、「市が450億円以上もつぎ込むMICE施設が本当につくる必要があるのか」と、多額の費用を必要とするMICE整備には、懸念の声が寄せられていました。しかし市長は、市民の声に耳を貸さずMICE推進で突っ走ってきました。限られた財源で、何を優先していくのか、市民の声に沿った判断が必要です。大型開発・無駄な用地買収等を優先し、市民病院建替えは白紙撤回とした市長の責任は、招いた結果を見ても厳しく問われなければならないと思います。
 大地震からの復興が迫られている今、桜町再開発・MICE施設整備、花畑広場整備など、大型開発の無駄遣いはキッパリと止めて、市民の暮らし・住まいの再建こそ最優先で取り組む必要があると考えます。
 
 第2に、行財政改革推進の下、職員数は削減され、嘱託職員が増え続けてきました。民間委託もすすめられてきました。
 昨年度、8カ所のコミセンが新たに設置され、71校区にコミセンが開設されています。しかし、その指定管理の仕様書には、災害発生時にコミセンが地域の公的施設として、災害救助・復旧等に果たす役割が明記されておらず、その結果、今回の熊本地震においても、身近な避難施設、復旧の拠点としての公的役割が十分果たせませんでした。直営であれば、避難所を開設し、そこにいる職員が被災者への対応も様々な形でできたのではないでしょうか。
 また、昨年度から小学校給食の民間委託が始まりました。私は、小学校給食の民間委託が提案された平成26年9月定例会の予算決算委員会で、災害時には小学校が地域の避難所となることから、民間委託で炊き出し等、災害への協力ができるのか伺いました。教育長は、「大規模災害時に小学校給食室を活用した炊き出し等も考えられる。その際には、委託業者と協議の上、炊き出し等への協力を依頼することは可能であると考える」と答えられました。しかし、今回、熊本地震の発生時、指定避難所となっていた小中学校のうち、炊き出しへの協力ができたのは、被害の少なかった数校で、被害も大きく多くの避難者を出し、大規模な炊き出しを必要とした小中学校の給食施設は炊き出しには使われませんでした。もちろん、都市ガスが止まったことも理由の一つにはありますが、民間委託の小学校では、調理員は出勤して来ず、給食のノウハウを生かした炊き出しへの協力はできませんでした。
 民間委託の場合、災害時に市職員がいないために、必要な救護・復旧活動ができにくいという点があります。民間委託先にありきでなく、直営業務も守っていくこと、指定管理の施設においては仕様書に災害への対応について明記していただくことも要望しておきます。
 
 第3に、さくらカードのICカードへの移行が、大きな福祉の後退を招きました。昨年度末、さくらカードのICカードへの移行の切り替え業務が行われました。収入減額調書では、さくらカード更新手数料が1400万円減額となっており、「おでかけICカードの作成者数が見込みを下回ったため」と書かれています。ICカード化によって、障がい者のパス券が廃止されました。委員会に陳情された方も視覚障害をお持ちで、パス券でなくなったことで、本当に利用しにくいと言われていました。その声は、ほかでもたくさん聞きました。しかも、年間2000円の負担という定額制がなくなり、1割負担の徹底によって、利用者のほとんどが負担増になりました。わずかな障がい者年金や作業所の工賃で、厳しい生活をされている障がい者のみなさんに、パス券廃止は、利用しにくい、負担が重いという2重の負担を求めることになりました。全国的にも、障がい者の公共交通機関の利用負担は、事業者5割です。熊本市の障がい者優待証は、熊本市が運賃の5割を負担しながら利用者負担が1割となっており、障がい者のさくらカードについては、もともとの制度設計をよく検討し、事業者の理解を得ながら障がい者の利用者負担をなくすよう取り組んでいただくことを要望いたします。
 
 第4に、国民健康保険会計では、累積赤字が大幅に増えました。「国保財政健全化10ヵ年計画」は平成26年度に終了し、それまで毎年国保会計の赤字補てん分の繰り入れが毎年20億円以上行われていたものが、平成27年度は一挙に8億円に減額され、単年度収支は21億円もの赤字、累積収支も43億円の赤字となりました。このような財政運用をしながら、政令市で高い方から2番目だった保険料の引き上げが決められました。しかも、平成28年度も赤字補てんの繰り入れは昨年度同様8億円が予定されているので、単年度収支の赤字、累積収支のさらなる悪化が予想されます。市民にはとんでもない高い保険料負担を押し付けながら、赤字は増えるばかりです。また、増えていく累積赤字の下で、保険料の取り立ては厳しさを増しています。毎年、差し押さえの年次実績は増え続けていますが、昨年度初めて、給与や家賃収入までが差し押さえの対象となりました。法に定められた範囲での差し押さえであるとの説明はされましたが、生活の糧となる債権の差し押さえはすべきでないと思います。国民健康保険会計は、平成30年度に県への移管が予定されています。そのとき、本市の赤字は、市が責任をもって解消しなければなりません。国保制度の矛盾を深めていくような一般会計繰り入れの削減はやめ、応分の繰り入れを行い財政の改善に努め、負担の限界を超えた保険料は引き下げるべきであると考えます。
 また、国民健康保険の健康事業として行われている「あんま・はり・きゅう助成事業」は、不用額が738万1000円となっています。不用額とするのならば、削減されてきた利用回数を元に戻し、利用しやすい制度へともどすべきと思います。
 以上、昨年度の決算について、特徴的な問題点を述べ、反対討論といたします。

9月議会・「平成28年度熊本市一般会計補正予算」、「平成28年度病院事業会計補正予算」反対討論


 2016年9月27日 日本共産党熊本市議団 那須円
6月議会・補正予算に関する質疑「熊本地震会計補正予算」(PDFファイル 319KB)

 日本共産党熊本市議団の那須円です。
 議第179号「平成28年度熊本市一般会計補正予算」、議第243号「平成28年度病院事業会計補正予算」について、賛同できない理由を述べ、討論を行います。
 
 まずは、一般会計補選予算についてであります。同予算については熊本地震における震災関連予算が主なものとなっており、公共施設並びに道路等のインフラ復旧、廃棄物処理事業、農地災害復旧経費等がその内容にあたります。震災からの一日も早い復旧に向けた、復旧・復興予算については、大いに賛同できるものでありますが、そのなかにおいて、最大会派自民党も含め多くの議員からの指摘があった保留床取得等を内容とした(仮称)熊本城ホール整備事業に関する補正予算については賛同できません。
 同予算については、一般質問、総括質疑、締めくくり質疑においても、指摘をしてきましたので詳細については触れませんが、熊本地震からの復興を図る際に、最優先すべき分野は市民の生活と生業の再建であり、MICE整備事業は中止をすべきです。
 改めて、今回の地震による被害額の試算が示され、住家、家財、宅地に関する被害額が1兆2123億円と莫大な金額に上ることが明らかになりました。今市民の方々は、様々な支援制度を活用しながら、甚大な被害から一歩一歩再建に向けた模索を始めています。しかし、現行の支援制度の水準においては、生活再建の見込みや展望すら見出すことができない被災者が多く残されていることを肝に銘じる必要があります。兆を超える被害の実態から一人一人の市民が日常を取り戻すために、どこまで個人の資力でできるのか、また行政としてはどの程度の規模で支援を行っていく必要があるのか、こうした議論がまだまだ熟されていません。全会一致で国に対して要望した特措法についても、いまだ制定の見通しもつかず、震災への自治体財政の軽減対策は東日本に及ばず、本市財政の現状や見通しは依然、厳しい状況であるということは明瞭です。
 9月14日付の財政課長から各課長宛てに通知された「平成29年度当初予算の予算要求書提出について」においては、冒頭で「未曽有の震災より5ヶ月、熊本市の財政は極めて厳しい状況にあります。」とし、「とくに歳入面において、震災の影響による市税の約41億円の減収に加え、甚大な被害を受けた熊本城や動植物園等の施設利用料の約13億円の減収に伴う減額補正のほか、財政調整基金については過去最大となる64億円の取り崩しを余儀なくされるという、極めて厳しい予算編成となったところです。」と現状を分析、さらに「こうした極めて厳しい財政環境は来年度以降も続くことが見込まれる」と述べているよう、来年度以降の財政についても警鐘を市自ら鳴らしています。実際には、今議会においても
 今後、現在起債で対応している災害復旧事業においても、10年償還の年8億円の公債費増となるほか、市民病院再開までの収支不足分の約140億円の震災減収対策企業債の償還が求められる病院企業会計への一般会計からの支援の在り方も今後の課題となってきます。加えて、災害公営住宅の建設費用も現状では明らかになっていませんし、市民病院への市電延伸に向けた取り組みを行うとすれば、新たな財政需要が出てきます。さらに、県に創設される復興基金の活用についても、財源を100%基金でということではなく、市の一定の負担も求められる支援制度が検討されることと思います。当然、基金は複数年にわたる活用も考えられることから、それに耐えうる後年の財政計画の見通しを持つ必要があります。こうしたなかで、公明党鈴木議員が整理をして示された熊本城ホールの後年度負担、今後20年間にわたり、年間8億8千万円の公債費増、さらにこれに加え、ホールの大規模改修工事の積み立てが年3億円強の財政負担は決して少ない数字とは言えません。また、桜町再開発事業への126億円の補助金中、本市負担は63億円であり、震災対応に追われるここ数年に支出が予定されています。
 こうしたなかで、震災からの生活再建に向けた財政需要にたえうる財政状況なのか、その見通しが示されていない状況であり、その財政計画を示すよう求める議会の指摘は当然のものであります。市長から10月上旬には、現時点での財政計画を示すとの答弁があったわけでありますが、その財政計画が明らかになっていない現時点では、MICE施設に関する予算については、@きっぱり中止すべきだと思います。A少なくとも凍結がなされるべきであると思います。
 
 2点目は、債務負担行為も含め、4億5千万円に上る花畑町別館解体経費についてです。花畑町別館については、熊本地震による被害が発生したものの、倒壊の恐れがあるのは、西側の塀であり、建物そのものは、耐震性能に課題があった建物と思えないほど、致命的な損害は受けておらず、改修による利活用は可能であるとの指摘も内部調査を行った建築士より示されています。熊本地震全体の復旧・復興の影響から、花畑別館に関する基本方針で示されていた新たなビルの建設計画も、再検討となり、新たな建物整備の具体的なスケジュールも現時点では示されていません。
 花畑町別館の保存利活用を求める陳情でも指摘されているように、震災後の6月17日には、国際学術組織ドコモモの日本支部が、日本におけるモダンムーブメント建築にこの花畑町別館を選定しました。歴史的に価値ある建築物であるとの名誉ある選定があり、なお熊本地震にも耐え、改修すれば利活用もできる花畑町別館を、地震直後の解体業者が不足し、解体費用も高止まりしている今の時期に、解体しなければならない理由は何一つありません。倒壊の恐れのある西側塀の除去や落下物の対策を行うなど安全対策をまずは図るとともに、解体方針を見直し、執務スペースとしての利活用、または、震災の記憶を次世代へつなぐプロジェクトでの活用など、今後の利活用も含め再検討すべきであると思います。
 また、そのほか、アイパルやウェルパルなど供用が再開されている施設においても、階段等の復旧が進んでいない施設もあります。災害時には、避難ルートとなることから、何よりも優先して整備されるべきであります。また、年間3万人が利用している希望荘の復旧をはじめ、市役所立体駐車場のエレベーター修繕など、急を要する施設の復旧には、早急な対応がなされるべきであったことを指摘し、補正予算についての討論とします。
 
 次に、市民病院事業会計補正予算についてでありますが、本予算は東町への移転再建に関する用地取得関連経費及び国家公務員宿舎の解体費用についてであります。共産党市議団としては、市民病院の一日も早い再開を市民はじめ職員の方も望まれていることから、市電での利用者の利便性の低下を招かないよう手立てを取ることなどを条件に、移転建替え方針については、賛成の立場をとりました。今回の補正については、移転そのものに異議を唱えるものではありませんが、用地取得費用についての積算の在り方に、大きな問題があると考え、反対討論を行うものです。
 今回示されている用地取得費用については、国税局が示している相続路線価、具体的に言えば、第2空港線の8万7000円の路線価をもとに、0.8で割り戻し、用地費用が積算されています。しかし、厚生委員会において指摘があったように、本市税務のもっている路線価、つまりは、固定資産税路線価の第2空港線64100円を基に積算をするべきであったと指摘したいと思います。固定資産税路線価は、公示地価の7割を目途としていることから0.7で割り戻し積算してみますと、市民病院が積算した用地費用よりも15%安い積算額となります。
 今回の震災において甚大な被害が発生した市民病院においては、用地取得費用とともに、移転建築費用、年間収支不足を補う震災減収対策企業債での対応などもふくめ、今後厳しい企業運営が強いられることになります。そういう状況の下で、用地取得費用についても、適切かつより安価に取得する積算の在り方、取得交渉が求められたのではないでしょうか?
 今後、国との交渉においては、指摘した点も留意しながら、臨んでいただきますようお願いし、一般会計補正予算、病院会計補正予算についての反対討論といたします。

9月議会・復興特別委員会質疑

日本共産党熊本市議団 山部洋史 2016年9月26日

9月議会・復興特別委員会 質疑(PDFファイル 471KB)

 日本共産党熊本市議団の山部洋史です。
 震災発災から5カ月以上が経ちました。先日、市内最後の避難所が閉鎖され、災害対策本部も解散されるなど、熊本地震に注がれる目には、事態がすこしずつ落ち着いてきているかのように映るのではないでしょうか。しかし一方で、とりわけ被災者の生活再建という点では、その取り組みは、やっと緒に就いたばかり、という感が否めません。
  
 本日は、今回示された復興計画(案)のなかから、被災者の生活再建に向けた取組み、分けても住まいの確保についてお尋ねします。
 
 大変だった避難所生活を経て、6月下旬より順次完成したプレハブ仮設住宅へと入居が始まっています。
 日本共産党では、いま仮設で生活されている被災者が、安心して暮らせる住環境になっているか、健康上の問題はないのか、更には、仮設入居の期限である2年後のくらしの見通しが立っているのか、などについて聞き取り調査を行っています。
 過酷だった避難所生活にくらべたら仮設に暮らせるだけでもありがたいとおっしゃる方がいる一方で、住宅の間取りや仕様、および住環境についてなど、たくさんの要望が寄せられ、まだまだ行政の支援が必要なところが残っていることを痛感しました。
 
 聞き取り調査は仮設の全世帯訪問をめざし、取り組んでいます。私は、先週9月18日に、城南工業団地での聞き取り調査に参加しました。
 15組で手分けして訪問したのですが、ある組が訪問した一人住まいの70代女性宅でのことです。促されてドアを開けるやいなや、その女性が「実は、2日前からめまいがひどくて、食事も摂れていない。助けを呼びたくても、電話は引いていないし、携帯も持っておらずできなかった。すぐに救急車を呼んでほしい」と訴えたのです。訪問した男性があわてて救急車をよぶという事態になりました。念のためにその女性に連絡先を伝えていた男性のもとには、その後も入院についての相談があったそうです。
 仮設団地に入居して、2カ月弱。知り合いもおらず、具合が悪くてもお隣にそのことを相談するコミュニケーションも持てないでいたのです。
 阪神淡路大震災、そして東日本大震災でも仮設住宅、復興公営住宅での「孤立」「孤独死」が問題になっています。発災から21年になる阪神淡路大震災での「孤独死」はこれまでに1,130人に及びました。昨年だけでも33人が「孤独死」しています。仮設住宅に取り残される被災者の孤独感・孤立感はたいへん深刻です。私たちの聞き取り調査でも、東区の秋津、東町の仮設団地では半数ほどの方が「知り合いが一人もいないので心細い」と答えられていました。
 仮設入居までに避難所を転々とし、何度も絆とコミュニティを分断されてきた被災者にはきめ細やかな対応が必要です。
 いただいた別冊資料で、訪問調査の状況をみると、仮設住宅全496戸のうち、聞き取りができたのが、347戸。いまだ全ての聞き取りを終えていない状況ですが、その調査のなかで日常生活支援世帯59戸、日常生活・住まい再建支援世帯が30戸ということで、生活支援が必要な世帯は89世帯、全体の4分の1を占めます。決して少ない数字ではありません。
 そこでお尋ねします。
  
 @
 こうした仮設での世帯状況の把握は急務だとおもわれますが、いつまでに聞き取りを完了される予定でしょうか。また、聞き取り調査後、それぞれの世帯の状況に応じた支援、見守り等が必要になってきますが、どのような体制で、行う予定でしょうか。
 
 A
 また、市議団の仮設住宅改善の申し入れの中で、団地集会所の管理運営と見守り活動、集会所を使ったサロン等の開催を市社協にお願いし、全団地で実施するとうかがいました。いつから、そしてどのように実施されるのかお聞かせください
 
 B
 先ほど述べた救急車で搬送された女性は、2日前から具合が悪かったと語っており、その間誰とも接触できていなかったと思われます。
 また、女性は固定電話も携帯電話もなく、自らは異常を発信できない状況でした。こういう世帯に対しては、福祉電話の貸与、または急病などの緊急時にボタン一つで消防署に通報できる装置の設置などが必要ではないでしょうか。連絡手段を持たない世帯への対応についてお聞かせください。
 以上、3点政策局長にお尋ねします。
 
 (答弁)
 @ 
 仮設住宅における世帯状況の把握についてお答えする。
 1点目の仮設住宅等の訪問調査については、市民病院の看護師により、7月初旬からプレハブの応急仮設住宅を全戸訪問調査している。また、9月からは看護師の増員を図り、みなし仮設住宅長の調査を始めたところ。10月末までに全戸訪問を行う予定である。
 
 支援体制については、訪問調査の結果を踏まえ、関係各課・期間と連携のうえ、被災者の課題に応じた個別支援プランを策定し、訪問による見守り・安否確認や健康相談なども含め、被災者に寄りそった支援に取り組むこととしている。
 
 A
 次に2点目の仮設住宅の集会所等の管理については、9月から市社会福祉協議会に委託している。現時点においては、8団地のうち4団地で集会所が完成しており、そこに社協の相談員が1名常駐し、見守り活動等を行っており、順次サロン等を開催することとしている。
 
 また、入居者に対して、平日の時間外及び休日については、緊急連絡先を周知しており、職員への連絡体制も整えている。
 
 B
 次に、3点目の連絡手段を持たない世帯への対応については、保健福祉部門と連携し、緊急通報装置の設置等についても対応してまいりたい。
 
 (返し)
 訪問聞き取り調査は、来月末までに全戸訪問を完了予定とのことでした。
 また、社協への運営委託もすでに行われており、集会所には相談員が常駐しているとのことでした。相談したいときに常に話せる相手がいるというのは、住民にとってもすごく安心だと思います。
 緊急通報装置については、既に救急搬送の事案も発生しておりますので、速やかな対応をお願いいたします。
  
 続いて団地内での自治組織立ち上げについてお尋ねします。
 先日、ある団体が市内の仮設団地で炊き出し支援をするために市に申し込んだところ、断られたということでした。それまで、甲佐町の仮設団地では炊き出しとともに生活相談なども行い、大変喜んでいただいたということで、熊本市でもぜひ、と思っていたので断られたのは意外だったそうです。
 市に確認したところ、炊き出しなどの支援は「自治組織および各NPO、ボランティア団体、熊本市社会福祉協議会等と協議しながら、実施内容や係わり方について調整する」とのガイドラインに沿って行うもので、まだ自治組織が立ち上がっていない団地では、支援活動を待ってもらっているとのことでした。
 
 C
 仮設団地でのコミュニティの形成には自治組織の存在が不可欠です。今現在、自治組織が形成されている団地はいくつあるでしょうか。また、未組織の団地への組織立ち上げの援助、また立ち上げ後の運営の支援については、どのようなことを考えておられるでしょうか。
 
 D
 大災害の場合には、どの仮設施設でもボランティアが大切な役割を果たしています。熊本市でも、仮設に対するボランティアの支援活動については柔軟な対応をすべきではないでしょうか。
 以上、政策局長にお尋ねします。
 
 (答弁)
 C
 現時点における自治組織が形成されている団地数については、8団地中、5団地に設立されている。
 また、未組織団地の立ち上げの援助を行い、その後の運営支援については、地域の事情に詳しいかっくのまちづくり部門が積極的に仮設住宅に入って、住民と共に自治組織の設立に向けた準備を進めているところである。
 
 自治組織設立運営後の運営支援に関しては、区役所はじめ本庁の関係部署との連携を図りながら、住民主導の組織運営がなされるようバックアップしてまいる。
 
 D
 仮設団地でのボランティアの受け入れは、その判断を主体的に行っていただく自治組織が設立される時期を考えていたものである。
 このことから、仮設住宅団地での受け入れ環境が整い次第、各団体へご連絡している。
 
 議員が述べられたとおり、今回の熊本地震においてもボランティア活動が果された役割は、大変大きいものであったと認識しており、仮設住宅団地におけるボランティアの支援活動が活発に行われるよう自治組織に繋げていきたい。
 
 (返し)
 3つの団地で自治会が未組織とのことでした。設立の準備と共に、その後の組織運営についても十分な支援をお願いします。
 避難所では、個々が各々の思いで行動されたこともあり、情報共有や連携がうまくいかず、避難所運営が混乱した、ということも往々にしてありました。そういう意味でも、適切な運営がなされるような目配せも必要ではないでしょうか。
 
 次の質問に移ります。
 これまでの聞き取りを基に、要望を東区、城南町、富合町の団地ごとにまとめて先日、市へ申し入れをいたしました。
 
 地域ごとに要望は様々ですが、共通しているのはまずは狭い、ということでした。例としては、
 ・足腰の悪い高齢者にはベッドが必要だが、部屋は布団を敷くだけで精いっぱい。
 ・家財道具を置くスペースがない。
 ・独自にコンテナを借りているが、リース料を援助してもらえないだろうか。
 などの要望がありました。その他については、
 ・玄関のひさしが短く、雨が降りこむので対策を取ってほしい。
 ・集会所の整備を急いでほしい。
 ・2年後の計画が立たない。家を建て直せればいいが、見通しがない。
 などの要望が寄せられました。
 
 これらに対し、市のほうからは、仮設住宅の基準は県によって定められているので、改善がはかられるよう市からも要望したいとの回答がありました。
 
 E
 ただ、仮設の財源は、国および県となっているため、ともすると国、県にお任せになり、市独自に住民の要望に応えることに消極的になりはしないかという懸念もあります。具体的に住民から出された要望は県にどんどんあげると同時に、県でやれないというものがあれば、市が独自でやるべきではないかと思いますがいかがでしょうか。
 以上、市長にお尋ねします。
 
 (答弁)
 E
 プレハブ住宅にお住いの方からの要望に対する対応についてお答えします。
 
 プレハブ住宅については、熊本県からの事務委任を受け、これまで県都の協議を行いながら、建設してきたものであり現在、約500世帯の方々が震災からの新たな生活を始めたところです。
 
 今後、生活再建に向け、住民の方々に寄りそった支援を行っていくこととしており、その中で出された要望・意見については、国・県と協議のうえ、可能な限り対応してまいります。
 
 (返し)
 国、県と協議したうえで「可能な限り」対応する、とのお答えでありましたが、市が独自でやるかどうかは、言及がありませんでした。
 これは生活再建支援への取組みの全般にいえることですが、要は、国、県で対処してもらえないこと、また、現行制度で支援できないところに、市としてどう踏み込んでいくかが問われていると思います。
 これまでも一部損壊世帯の支援であれ、宅地、液状化の被害であれ、その支援については繰り返し要望されてきました。
 そうした切実な要望に対しては、待ちの姿勢ではなく、市が独自に支援制度を創設する、そういう気概を国に示すことで、国からもあらたな支援を引き出すことが出来るのではないでしょうか。また、市民もまた、そういう姿勢をみせて欲しいとのぞんでいると思います。
 
 F
 また、要望では、2年後の住まいの確保が見通せないという声も上がっています。今回の復興計画(案)のなかでも、「恒久的な住まいの確保支援」の項目で「災害公営住宅の提供」が言及されています。
 実際東日本大震災では、発災から5年を経た今でも、プレハブ仮設住宅に住まわざるを得ない人たちがいます。プレハブ仮設がいまだ多く残っているところと、災害公営住宅の整備の遅れているところは相関関係にあり、こうした整備の遅れが、仮設生活からの脱却を阻んでいることがわかります。
 仮設住宅の入居期限の2年後を踏まえ、災害公営住宅の提供については、どういうスケジュールで進められる予定ですか。
 以上、市長にお尋ねします。
 
 (答弁)
 F
 災害公営住宅についてお答えする。
 
 今後、被災された方が、一日も早く安心で自立的な生活が営まれるよう、生活の基礎となる住宅の確保に向けた支援を行っていくが、自力での再建んが困難となる方に対しては、恒久的な住宅として災害公営住宅の提供が必要と考えている。
 
 現在、提供が必要な方の需要の把握に努めているところであり、今後、国と協議しながら、早期の整備に向けて取り組んでまいりたい。
 
 (返し)
 現在、住宅の需要の把握に努めている、とのお答えでした。
 災害公営住宅には画一的ではない、入居者の実態と要求に基づいた整備が必要です。
 阪神・淡路大震災では、兵庫県が入居者の要望に応えて、県内74団地の災害公営住宅に、3,905戸の高齢者ケア付き住宅を整備しました。一方、東日本大震災の災害公営住宅では、玄関の鉄のドアが重く開けにくく、部屋に閉じこもりがちになる弊害があり、改善が求められる事案が発生しています。
 こういったことからも住宅の提供にあたっては、丹念な要望の把握を行ってください。一方で、プレハブ仮設の供与期限の2年間のこともありますので、その整備についてはスピード感をもって取り組んでいただきたいと思います。
 
 続いて、みなし仮設入居者の支援についてお尋ねします。
 資料を見ましてもみなし仮設に入居している世帯は、9月12日現在で5219戸ということで、全体の8割以上を占める数にのぼっています。
 同じような境遇の人たちが一緒に暮らす仮設団地とは違い、世帯単体で入居することから、行政からの情報をご近所同士で共有するということもできず、支援の手のひらからこぼれかねません。
 また、これは市営住宅に入居された被災者のはなしですが、他の住民から「避難所でただで食事をもらって、支援金や義援金ももらって、いい身分だ」などという偏見にさらされてとても傷ついたという方もいました。同様に、みなし仮設でも、こうした無理解から心を閉ざし、地域、アパートやマンションなどで孤立するケースがあるのではないでしょうか。
 
 G
 みなし仮設の入居者に関しては、地域住民との結びつきをつくる支援などきめ細やかでデリケートな対応が必要です。また、5,000カ所以上に点在していることを考えると人員の体制も相応に必要になってくると思います。
 みなし仮設については、まずは第1次聞き取りの速やかな実施による要望の把握を早急に行うこと。そして、被災者一人一人の状況に応じた、よりきめ細やかな対応が求められます。市として、どんな手立てをお考えですか。
 以上、政策局長にお尋ねします。
 
 (答弁)
 G
 みなし仮設入居者の現状把握については、今月から市民病院の看護師40名を2名1班の20班体制で、1日当たり160件程度の訪問調査を行っている。みなし仮設は、9月12日時点で5,219戸提供しており、入居者の一時聞き取りは10月末完了を目指しているところ。
 
 先ほども申し上げたとおり、個の訪問調査を基に、今後、被災者の課題に応じた被災世帯ごとの個別プランを策定し、みなし仮設入居者の孤立防止のために訪問による見守り・安否確認や健康相談のほか、就労支援なども含めた総合的かつ被災者に寄りそった支援を進めることとしている。
 
 (返し)
 みなし仮設も第1次聞き取りを10月末までに完了させ、個別の支援プランを策定するとのことでした。「孤立化」を防ぐためにも、地域との結びつきの構築、メンタル面での支援を、特に力を入れてあたって頂きたいと思います。
 
 仮設住宅での「孤立」「孤独死」は阪神・淡路、東日本大震災でも繰り返されてきた痛ましい事態であり、それを防止する取り組みは、本市にとって経験のない、これからの取組みになります。
 被災者、一人ひとりに寄りそった丁寧な支援を行っていただきますよう、重ねて要望しまして、私の質疑とさせていただきます。

9月議会・予算決算委員会締めくくり質疑  那須円

 2016年9月27日 日本共産党熊本市議団 那須円
9月議会・予算決算委員会締めくくり質疑(PDFファイル 315KB)

 日本共産党熊本市議団の那須円です。今議会での総括質疑や震災後の復興特別委員会に置いて、多くの議員の方々が、仮称熊本城ホールについて、取り上げられ、質疑が行われてきました。
 市長からは、ホール整備での経済波及効果が170億円あり、地域経済の活性化や雇用の創出といった熊本地震からの復興を推進する効果があること、短期的には収支バランスがマイナスに陥ることも予想されるが、中長期的に見れば一時的な財政負担がかかっても推進すべきことなどの答弁がなされました。
 市長のこれまでの答弁に関して、疑問に思う点もありますので、お尋ねしてまいりたいと思います。経済分科会において、この問題を取り上げましたが、納得いかない部分もあり、再度市長並びに局長にご認識をお尋ねしてまいります。
 
 まずは、経済波及効果の170億円についてであります。MICE施設の経済波及効果については、観光庁のMICE経済波及効果測定モデルを用いて算出されたとの答弁が総括質疑においてなされました。波及効果については、執行部よりいただいた資料を配布させていただきましたが、国際線運賃、国内移動費、都市内移動費、宿泊費、飲食費、観光・娯楽費、土産・買い物費について、それぞれ、日本人の日帰りと宿泊、外国人ごとの単価が定められ、催事ごとにこれらが設定されています。
 想定される参加者数にこの単価を乗じ、経済波及効果額が積算されているとの答弁が経済分科会においてもあったわけでありますが、まずは費目についてお尋ねします。国際線運賃、国内移動費とはどういう費用なのでしょうか?
 また、例えば、国外・県外から来られる場合は、県内消費・市内での消費は、どのように計算されるのかお答えください。
 
 (答弁)
 資料で示しましたが、国内移動費については、国際会議・国内の大会では、例えば、日帰りの場合は、1日の消費額8991円のうち、国内移動費は4232円と約5割を占めます。そしてコンベンションの主流となる宿泊の場合は、50591円のうち31208円と6割を占めることになります。波及効果額の、5割から6割は、国内移動費です。
 平成26年3月、沖縄県は、「大型MICE 施設整備と街づくりへ向けた基本構想」を発表しました。その中で、経済波及効果算定については、MICE経済波及効果測定モデルを基に算出していますが、県外、外国人観光客の航空料金を消費額に含めず、国内移動費については波及効果の対象外としています。
 本市においても、県外からの移動については、バス、JR、飛行機と様々でありますが、鉄道料金への消費や航空料金の消費の考え方をどのように位置づけるのかで、波及効果はずいぶんと変わってきます。沖縄県のように、飛行機代については、波及効果に含めていない自治体もあります。
 そこで、積算の考え方を経済観光局長に再度お尋ねいたしますが、先ほどの答弁では、国内移動費の半分を控除し、県内自給率をかけて計算されるということでありました。どのような考え方のもと、県内自給率がいくらに設定されており、例えば実際の飛行機代と県内消費額がどう違うのか、先ほどの答弁ではよくわかりませんでしたので、教えていただければと思います。
 
 (答弁)
 
 もう一つお尋ねいたします。
 大西市長による見直しにより、開催数が38件から60件への大きく増えたコンサートなどの文化イベントについてお尋ねいたします。
 文化イベント(コンサート)に参加した場合の、チケット購入の消費額については、費目のどこに含まれるのでしょうか?経済観光局長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 チケット購入の消費額は、観光・娯楽費に含まれるということでした。経済波及効果の費目をみてみますと例えば、日帰りの場合は、1日の消費額が12461円。そのうち、チケット購入が含まれる観光・娯楽費が6025円と消費額の5割を占めることになります。一般的に考えれば、チケット購入については、コンサート主催者の利益となるものです。波及効果額の多く占めるチケット購入についても、地域経済にどれほど効果をもたらしているのか?県内自給率の考え方なども示し、説明をいただきたいと思いますが、経済観光局長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 経済波及効果の額はでていますが、その考え方や積算の理屈については、納得のいく説明はありませんでした。
 170億円の経済波及効果があるといいますが、震災後の地域経済に寄与する波及効果がどれほど生まれるのか、その最も大事な部分の説明がなされていないこと自体が大きな問題だと指摘しておきたいと思います。
 
 次に、市財政への影響についてお尋ねいたします。
 MICE施設整備による市財政に与える影響についての質問に対し、大西市長は「短期的には収支バランスがマイナスに陥ることも予想される」と答弁されました。震災からの財政需要に対応し、なおかつMICE整備も行うのならば、収支バランスがマイナスとなるのは果たして短期間ですむのか、詳細な検証が必要だと思います。
  
 そこで、震災からの復興にむけ、当面、市財政に影響を及ぼす点についてお尋ねいたします。
 一つは、震災による復興・復旧事業費についてです。公共施設関係やインフラについての起債額と返済について、また、市税減収による財政措置について、歳入欠陥債等今後の発行額と返済のスケジュールをお示しください。
 2つ目は、市民病院に関してです。市民病院の再開までの年間収支については、40億円の収支不足が見込まれており、病院再開までの3年6カ月の間、約140億円の震災減収対策企業債で対応されるとのことで、現在国との協議が進められているとのことです。協議は進行中でありますが、現状でいえば、この震災減収対策企業債については、歳入欠陥債のような57%の国の財政補てんもなく、国からの支援は利子の2分の1というもので、15年返済で毎年約10億円ほどの返還が求められます。本年9月に示された熊本市民病院再建基本計画案においては、病床削減による380床での収支予測はわずかに黒字となるもの、年10億円の返済は相当な困難が予想され、一般会計からの繰り出しの在り方も検討していかなければならないと考えます。そこで、一般会計から支援について、現在どの程度検討が進んでいるのでしょうか?以上2点、財政局長にお尋ねいたします。
 3つ目は、市電延伸についてであります。市電延伸は、復興計画素案では、市電延伸の検討等による公共交通の災害対応力の向上ということで、位置づけられましたが、市民病院が移転建て替えとなればその利便性の維持・向上にむけて、具体的な取り組みが迫られてくるものと思います。市電の延伸について、整備費用や財政的な見通しはどうなっているのでしょうか?
 4つ目は、生活再建への財政措置をどこまで進めるのかという点です。これまでも指摘しましたが、何ら支援制度がない一部損壊への支援や擁壁被害や液状化など宅地被害への支援について、国の制度拡充や創設、基金の活用などを行ってもなお、生活再建の見通しがつかなければ、市独自の取り組み、単費での支援も、その程度は様々ではあるかと思いますが、必要になってくると思います。こうした取り組みは本当に可能なのでしょうか?単費で対応する場合は、どの程度の予算規模までは可能だと考えておられますか?大西市長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 公共施設やインフラについては370億円を市債で対応し、10年償還で80億円が本市の負担額ということでありました。年8億円ほどの公債費の増となります。これに加え、一般財源で70億円の支出も行われます。また、市税減収に対する財政措置については、歳入欠陥債32億円を発行するとのことでありますが、57%の国の財政措置分を除くと、13.8億円が4年間の償還となるために年3.5億円ほど公債費が増えることになります。また、法人市民税の減収分9億円についても、75%は翌年の交付税に算定されるとのことですが、25%にあたる2.25億円は歳入減となり、来年度も影響が続く可能性もあります。さらに市民病院のへの繰り出しについては、今後、病院局と協議ということでありましたが、病院再建に向けた企業債分とあわせ、先ほど指摘した約140億円の震災減収対策企業債が企業会計に深刻な影響を与えることは間違いありません。一般会計からの支援の在り方も問われてくることと思います。
 また、市電延伸については、市民病院の利便性向上も念頭に検討したいとのことですが、今年3月に示された熊本市路面電車路線延伸の報告書によれば、概算での事業費が57億円。交通局の整備となるのか、鹿児島市のように軌道を一般会計でみるのか、具体的には決まっていませんが、大きな費用が生じます。
 さらに、生活再建への支援に対する財政措置についても、一定度前向きな答弁に期待しているものですが、単費で対応できる分がどれほどあるのか具体的な数字は示されませんでした。ただ、ここは市長自身も最優先にすべき課題であるとの認識であると思いますので、被害の実態からいえばそれ相応の市財政からの支援が必要になってくるでしょう。
 以上述べてきた通り、震災に関する課題に向き合うのならば、かなりの財政支出が生じることになります。
 こうしたなかで、MICE整備が、復興計画素案に位置付けられましたが、市財政が耐えられるものなのか、またこれらに優先して取り組むべきものなのか市民にも議会にも納得のいく説明がなされていません。中期財政見通しは平成32年度までの見通しが示されていますが、MICEの保留床取得分の今年の市債については、3年の措置期間があることから、その影響が示されるのは32年度となります。来年度、再来年度、さらには3年後のMICEの保留床取得のための起債に対する本格的な返還が行われる32年度以降については、なんら見通しが示されていません。
 そこで大西市長にお尋ねいたします。
 市長は「短期的には収支バランスがマイナス」とおっしゃられましたが、復興費用の起債の返還、歳入欠陥債の返還、市電の延伸費用、市民病院会計への支援の在り方、生活再建への支出、さらには施設利用料収入の減なども含め、収支バランスがマイナスとなるのが短期と判断した根拠を示していただきたいと思います。市長の答弁を求めます。
 
 (答弁)
 
 中期財政の見通しの収支総括表によれば、例えば来年度は収支マイナス6億円、30年度はマイナス8億円。31年度はプラス5億円。32年度はプラス8億円。一般会計の財政規模が3000億円となるなかで、ぎりぎりの財政運営となっている状況ですが、これらは震災に対する影響額が含まれていません。さらに、MICEの市債返還が本格的に始まる32年以降は示されていません。こういうなかで、具体的な数字が示されない市長の答弁に、私自身ももちろんですが、多くの市民は理解を示すことはできないのではないでしょうか。市議団が行っている震災に関わる市民アンケートの回答が、かつてないペースで送られてきます。現在443名からの回答がありますが、復興にMICEが必要と答えられた市民は3名であります。これが、市長のシンクタンクである市民の思いです。ぜひ、こうした意見にも真摯に向き合

2016年9月議会・北口和皇議員の予算決算委員会・総括質疑の発言に関し、財政局長へ申し入れ


北口和皇議員の予算決算委員会・総括質疑の発言に関し、財政局長へ申し入れ(PDFファイル 285KB)


 熊本市長 大西一史  様
 財政局長 宮本国彦  様
 2016年9月14日
 日本共産党熊本市議団
 団長  上野美恵子
 日本共産党熊本地区委員会
 委員長 重松孝文
 申し入れ書             
 予算決算委員会における自由クラブ・北口市議の質疑に対する「赤旗新聞および公明新聞の購読・配布」に関する答弁について抗議し、訂正を求めます
 13日の予算決算委員会における自由クラブ・北口議員の「赤旗新聞および公明新聞」の購読、配達に関する質疑・答弁において、職員の政党機関紙の購読に不当に介入する内容が含まれていましたので、抗議して訂正を求めるものです。
 執行部が、「赤旗新聞および公明新聞に対して、特に優遇措置は行っておりません。また、経緯、購読状況については、個人の契約であり、把握しておりません」と答弁したことは当然の事でありますが、「職員の購読者には、配達先が変更できないかお願いしたいと考えております」との答弁については、まさに不当介入であり、看過できません。
 新聞は個人の契約であり、当然ながら配達先も購読の際に契約するものであります。しんぶん赤旗に関しては、故・井上栄次議員、沢田一郎団長の時代から、半世紀以上にわたって営々と役所内で配達・集金がなされ、セキュリテイの上で問題になったことは一度もなかったことはご案内のとおりであります。もし、セキュリテイの観点から改善が必要であるという事であれば、日本共産党市議団及び日本共産党熊本地区委員会と協議をすれば、直ちに改善できることです。こうした本来なすべき手続きを踏まず、議会において、「職員の購読者には、配達先が変更できないかお願いしたいと考えている」などと答弁すれば、正当な契約をして何らの問題もなく続けてきた配達者側からしても、購読している職員からしても、何が問題なのかわからないまま、困惑せざるを得ないことはだれが考えてもわかることです。現に議会でも多くの議員から「今の答弁はなんだ。おかしいぞ」という声が出されています。幹部職員の中でも疑問と困惑が広がっています。ただちに訂正することが求められています。議会から見ても、職員から見ても、「執行部が北口議員の不当な介入にまた屈した」とみられても不思議ではありません。こういう対応を重ねてきたことが、北口議員の不当要求の範囲を際限なく広げ、議会においても「辞職勧告決議」がなされ、政治倫理審査会でも審査されるに至ったということがわからないのでしょうか。コンプライアンス担当官が指摘していましたが、北口議員の「不当要求が一部局だけでなく役所全体に広がったこと」と「政治倫理違反の問題」にまで発展したのは、北口議員自身の問題であることは当然ですが、執行部の側にも重大な問題があったことを市長も執行部も厳しく反省しなくてはなりません。
 そもそも、職員が庁舎内において購読することの何が問題なのでしょうか。職員個人がどの政党機関紙を購読しようが自由であり、一般に新聞の報道は業務にかかわって必要になることも多々あることは市長も執行部も重々承知していることだと存じます。その場合は、勤務中に読むことが業務の一環になります。とくに「しんぶん赤旗」の中に折り込まれている日本共産党熊本市議団発行の「市議会だより」は、多くの職員から「自分の担当する部門だけでなく、市政全般のことが良くわかる」と大変好評です。私たちは、「しんぶん赤旗」と「市議会だより」が、職員の視野を広げ、市政全般を考えながら、自分の担当部門に責任を果たす上で、重要な役割を果たしていると自負しています。北口議員もかねてより、「共産党の議員はいいわねえ。赤旗新聞で全国の情報が手に入るから」と「しんぶん赤旗」の情報量の豊かさに感心していたほどです。
 私どもは、執行部に対する抗議と訂正を強く求めるだけでなく、今回の「しんぶん赤旗」購読に関する北口議員の不当な質問については、議会運営委員会及び予算決算委員会理事会において削除を求めることを検討しています。
 いずれにしても、議会も、執行部も、市職員がどの政党の機関紙であっても、個人の判断で購読することを「思想・信条の自由」として最大限に尊重すべきであり、不当に介入することがあってはならないことは明らかです。以上の立場から、財政局長の答弁を直ちに訂正することを求めるものです。

2016年9月議会・北口和皇議員の予算決算委員会・総括質疑問題で議会への申し入れ


北口和皇議員の予算決算委員会・総括質疑問題で議会への申し入れ(PDFファイル 264KB)

熊本市議会
議長 澤田 昌作 様
 2016年9月13日
 日本共産党熊本市議団
 団長  上野美恵子
 日本共産党熊本地区委員会
 委員長 重松孝文
   本日の予算決算委員会で北口和皇市議が質疑を予定している「赤旗新聞・公明新聞購読状況」について
 今議会で熊本地震への対応について、議長はじめ議員各位が誠心誠意審議している最中に、議会の全員一致による「辞職勧告決議」を受けた北口和皇議員が、本日の予算決算委員会で、「赤旗新聞・公明新聞の購読状況について」という質疑項目を挙げ、全局長の参加を求めていることを知り、驚きと怒りを禁じえません。
 政党であれば、政治結社ですから、自由民権運動以来、機関紙を発行し、広範な国民にすすめることは当然の権利とされてきたことはご案内の通りです。ましてや今日の憲法では、正当な政治活動として保障されています。そして、購読する職員にとっては、個人の思想・信条の自由、内心の自由の問題です。したがって、これに制限を設けることは憲法上許されないことです。この間、前大阪市長が、「職員の思想信条や組合活動について調査」をしたことが厳しく批判され、裁判所も断罪しました。また政党機関紙購読状況を調査した問題で、横浜地裁川崎支部における判決でも、「市職員が任意に政党機関紙を購読して各種の情報を入手し、それを職務に活かすことは最大限に尊重されるべきであって、いかなる者であってもそれを制約することは許されないことは当然」と述べています。
 議会として、憲法が保障した基本的人権を守ることは最大の責務であり、それに反する「結社の自由の侵害、思想・良心の自由を侵害する」発言は許されないことは明らかです。ところが、「赤旗新聞・公明新聞の購読状況について」なる質問が許されようとしています。もしこれを許せば、歴史と伝統ある熊本市議会の責任と良識が問われることになるでしょう。ましてや質問する北口議員は「不当要求等防止対策会議」において、「その言動が社会常識を逸脱したものであり、市職員の業務執行を妨害したことは明らか」とされ、市職員の尊厳を踏みにじり、市議会議員としてあるまじき行為をしたということで、市議会の辞職勧告を受けたにもかかわらず、今日まで何らの責任をとろうとしていません。さらに近々発表されるであろう「不当要求等防止会議」で問題とされた行為の大半が北口議員のものであることも明らかにされようとしています。こうした議員として許されない数々の行為を重ねながら、またもや「市職員の思想及び良心の自由」を蹂躙する質問がなされるのであれば、全員一致で「辞職勧告決議」をあげた熊本市議会として、市民にどう説明できるでしょうか。
 最後に今回、北口議員が予定している標記の質問は、予算決算委員会にまったくなじまないものであることは明らかであり、執行部も答弁次第では責任が問われることになるでしょう。議長、議運長、予算決算委員長の責任で、しかるべき適切な対応を求めるものであります。また、各会派・議員各位においても、的確な対応をされることを願ってやみません。

2016年9月議会・予算決算委員会総括質疑

 2016年9月13日 日本共産党 上野みえこ

2016年9月議会・予算決算委員会総括質疑(PDFファイル 245KB)

 時間の関係で、2番目の質問は割愛することになると思いますがご了解いただき、早速、桜町再開発・MICE(仮称)「熊本城ホール」整備について質問いたします。
 今議会には、熊本地震復興に関する補正予算が105事業・731億78万円提案されました。5月の先決と6月補正の269億4400万円、市民病院建替えにかかわる補正26億1553万円と合わせれば、1027億3753万円の復旧・復興予算の提案です。莫大な復旧費に対し、激甚災害指定による国の支援があったとしても、本市負担がかなり大きなものになることは間違いありません。現在提案されている復興計画には財政計画が示されておらず、大災害からの復旧復興を本市がどのように進めていくのか、その財政的な裏付けはどうなるのか、議会はもちろん、多くの市民も不安を持っています。特に、熊本地震発災前から、本市の一大事業として計画がすすめられてきたMICE施設・(仮称)「熊本城ホール」の建設は、熊本市が450億円を費やす市政史上最大の箱もの整備であることから、今議会の一般質問でも複数会派から、財政的な負担を心配する意見が出されました。
 市長は、その効果等について繰り返し力説されましたが、漠然とした答弁は市民や議会を到底納得させるものではありません。そこで、お尋ねいたします。
 まず、「整備の効果」についてです。
 1、「桜町再開発など、今後実施される大型投資事業は、幅広い民間投資を呼び込む」と述べられていましたが、どのような形でどの程度の民間投資が呼び込まれ、地域経済活性化に具体的にどのような効果をもたらすのかご説明ください。
 2、「桜町再開発事業の(仮称)『熊本城ホール』整備での経済波及効果額が170億円、再開発事業全体の経済波及効果が500億円と試算される」と答弁されました。経済波及効果の効果額の積算根拠と、熊本の地域経済への効果がどの程度になるのか、具体的にご説明ください。また、(仮称)熊本城ホール」の経済波及効果は、いつ算定されたのでしょうか。
 また、市債返還も含めた(仮称)「熊本城ホール」整備の収支バランスをお示しください。
 3、「再開発事業ができなくなった場合、新規雇用や関連企業においては役1700人の雇用が危ぶまれる」と答えられました。新規雇用がどこで何人と想定されているのか、関連企業での約1700人の雇用の中身とはどのようなものか、その積算根拠をお示しください。
 4、昨年の9月、ちょうど1年前の予算決算委員会の総括質疑の折、「年内をめどにどういうテナントが入って、賑わいが増すようになるという説明が当然なされると思う」と答えられていましたが、3月議会の一般質問でも、「テナント誘致は協議検討中」で、キーテナントも決まっているという答弁ではありませんでした。何度も言いますように、保留床・権利床含め、商業施設部分のテナント誘致がきちんとなされるかは、再開発事業成功のポイントであります。具体的な企業名ということでなく、商業施設部分のテナント誘致がどの程度の割合で事業者が決まっているのかお答えください。また、決まっている事業者のうち地元企業の占める割合はどの程度になっていますか。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 何を聞いても同じことの繰り返しとしか思えない答弁でしたので、続けてお尋ね致します。
 ●本市が2014年3月に策定した「MICE施設整備基本計画」では費用対効果について算定されています。大西市長が行われた見直しの前の数値による算定ではありますが、その時点で経済波及効果は約160億円との試算です。その場合、MICE施設利用者のうち、ミーティングとして括られている「一般会議・試験・研修・表彰会等」は、利用者の消費による経済波及効果はあるものの、市民・地元企業等の利用が多数と想定しているため、本施設での経済波及効果の試算には加えないとされています。そういう考えに立つならば、波及効果の試算に加えられているコンサートや子どもフェア・子育てフェア等のイベントやフリーマーケット等の展示会は、参加対象はほとんど市民と思われるので、一律に波及効果に加えていいものか、疑問です。2015年3月の見直し時点で算出したとのことですが、観光庁の「MICE経済波及効果測定モデル」は、2014年7月にバージョンアップされ、経済波及効果を都道府県・開催都市別にも算出が可能となり、計算結果も経済波及効果の直接効果・間接1次効果・間接2次効果、粗付加価値誘発額、就業効果、税収効果などが図表によってわかりやすく示されるようになりました。170億円の経済波及効果については、内容をきちんと検証するためにも、測定モデルにおける入力データの内容、試算に加えた想定催事の内容・日程・参加者・使用施設の面積等をきちんと示すべきではないでしょうか。
 また、測定モデルによる実際の算出データを資料として提供し、説明責任を果たしていただきたいと存じますが、いかがでしょうか。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 ●「再開発による新規雇用は約1600人と想定している」ということであります。しかし、県民百貨店だけでも1000人、センタープラザなど、再開発事業の実施によって桜町地区から締め出された方々はほぼ同数と考えられるので、当然です。
 また、「関連企業の雇用約1700人というのは、九州産交ホールディングスとその連結子会社8社の全従業員」ということです。再開発事業を実施しなければ、なぜ産交グループの従業員の雇用が危なくなるのでしょうか。再開発事業者からの説明ということのようですが、桜町再開発が実施されなければ、バス事業も含めた産交グループの従業員全員の雇用が危なくなるというのは、あまりにも暴論ではないでしょうか。グループ全体の大部分を占めるのが従業員1000人以上を抱えるバス事業です。公共交通を担うという事業の性格上赤字路線へは補助金も出され、赤字に陥ることを予防する仕組みになっています。再開発をしなければ社員全員が路頭に迷うというようなことには絶対になりません。また、九州産交グループの公開された直近の財務諸表を見ると、桜町地区の地権者になっているランドマークを除き、他のグループ企業は黒字です。再開発をやっていない今でも事業がきちんと継続されている産交グループで、桜町再開発が実施されなければ、産交グループの全企業が倒産するようなことは考えられません。
 再開発事業を実施しない場合、「産交グループ」の構成企業の社員全員の雇用が奪われるような要因・理由とは何でしょうか。
 また、再開発による新規雇用1600人のうち、地元からの雇用がどのくらいあるのでしょうか。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 ●先日の一般質問ではHIS本社を熊本にという質問もありましたが、議会としても、桜町再開発やMICE・熊本城ホールの整備が本当に熊本の地域経済に貢献するのか、真剣な思いで心配しています。桜町再開発は、県民百貨店・センタープラザテナント他、千数百人の雇用を桜町地区から奪ってスタートしたわけです。同程度の雇用がそこで生まれることは当然ですが、それが地元の雇用であって初めて、雇用を確保したといえるのではないでしょうか。しかし、そこは全く不透明であります。
 テナント誘致も、ほとんど毎議会質問してきましたが、協議中とか、期待しているとか、不透明な答弁の領域を一歩も出ません。400数十億の事業費を市が負担し、市が保留床を取得しなければ事業の成立さえ難しいと市が明言しているのに、多額の事業費だけは負担をし、400数十億の事業費の出資者である市民には、事業内容やその進捗をほとんど説明しないというのは全く理解できません。観光庁の経済波及効果測定モデルでは、「税収効果」も示されるようになっていますが、地元が事業に様々な形でかかわらなければ、本市における税収増見通しも変わってくるのではないでしょうか。財政計画では540億円とされていた工事費はじめ、コンサルタント、設計、鑑定その他、再開発事業費のほとんどは県外の大企業が担います。商業施設部分に地元事業者が参加しなければ、出来上がるビルの床もほとんどを県外業者が占め、誰のための再開発なのか、とまたまた疑問になってきます。
 市長は、保留床の取得金や起債の償還でも節約をしたと言われますが、見直し前の計画では、市債の利息まで含めれば480億円から490億円もの事業費をつぎ込む市政史上最大の箱モノです。しかも、市長就任直後の見直しで減るかと思っていた事業費が9億円も増えていたのですから、節約して当然です。今回の節約分を入れても、450億円から460億円ものお金が必要となるのですから、その負担の大きさ、市財政への影響を認識していただきたいと思います。今回、再開発全体の事業費は増えて755億円となったそうです。そのうち補助金も含めれば市の負担は424億円、なんと総事業費の6割近くを負担するわけです。言い換えれば、再開発全体の床のわずか19%を取得するのに、事業費の6割近くを出すわけです。しかも、これだけの負担をしながら、再開発の恩恵を受けるのはHISという大企業や建設を担うスーパーゼネコン・大成建設などです。
 市長は、「MICE整備をしなければ、地域経済に甚大な影響を及ぼす」と言われますが、地元中小企業の経営者からも「MICEはやめたほうがいい」という声が上がっています。そのこともご認識いただきたいと思います。
 
 続いて、「再開発事業の見通し」について伺います。
 1、市長は、一般質問で、「(仮称)『熊本城ホール』の事業継続、延期、中止とした場合の地域経済や本市財政運営等に与える影響になどを踏まえ、改めて熟考した」とお答えになりました。熟考の材料にされた「事業継続・延期・中止とした場合の影響予測」について、具体的なデータを示しご説明ください。
 2、MICE施設の利用見通しと想定催事件数の積算根拠をお示しください。
 3、MICE施設の想定催事件数は、展示会やミーティングなど、メインホール以外の会議室・展示スペースも含めた分を年間1484件とされています。このうち、メインホールでの催事開催予定件数は、をお示しください。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 ●メインホールでの催しは年間104件とのお答えです。市民会館大ホールは、昨年度実績で年間の利用日数が246日で、272件の利用があり、稼働率は75・5%でした。利用見通しで、熊本城ホールは市民会館の4割弱しかありません。しかも、会議や大会で2000人規模以上は、わずか27件しかなく、それ以下は市民会館など、他のホールで対応できるものです。コンサートも2300人規模が60件となっていますが、必ずしも2000人規模のものばかりではないと思います。市政史上最大の投資しながら、この程度の利用で施設が必要だといえるのでしょうか。
 また、言うまでもなく、MICEというのは、企業等の行う会議や研修旅行、国際機関や団体、学会等が行う国際会議、展示会や見本市、イベント等、多くの集客を見込むビジネスイベントなどで、海外からの集客なども呼び込んでいくものです。しかし、本市のMICE施設は、メインホール利用・104件のうち、MICE事業といえる学会・国際会議や大会などはわずか44件で、コンサートの60件がメインホールの6割を占めています。コンサートが「ノー」とは言いませんが、MICE誘致による交流人口の増加という本来の目的から見て妥当であるといえるのでしょうか。また、経済波及効果にもつながりますが、市民が参加するコンサートは宿泊もなく、学会・会議・大会といった宿泊を伴い、県外からの参加者を呼び込むMICEとは、経済効果も大きく違うはずです。この点を、市長はどのように説明されるのでしょうか。
 
 (答弁)
 
 ●いま全国的にも、MICE施設は増え、建設計画も各地で進められています。一方で、MICEの開催件数は必ずしも増えてはおらず、MICEの誘致競争は激化しています。国は、2013年6月に、東京・横浜ほか、全国7都市を「グローバルMICE都市」に選定し、国際的なMICE誘致競争を勝ち抜く都市として誘致力向上のための支援事業を実施してきました。さらに、昨年6月、札幌・仙台・千葉・広島・北九州を「グローバルMICE強化都市」に選定したところです。後追いになってしまったMICE施設は、市に多大な財政負担をもたらす一方で、真のMICE事業の施設として激化する誘致競争の中で果たすべき役割を果たして行けるのでしょうか。
 
 (答弁)
 
 ★熊本市は、学会・国際会議等の誘致が難しいことを、コンサート開催で補った形にしていますが、これが本来のMICEではないと思います。
 MICEが単なる箱モノ建設であってはいけないと、WEDGE(ウェッジ)という雑誌の中で、業界関係者が「日本のいたるところでMICE施設が建設されていけば、ゆくゆくは誘致競争に負けた施設が地元の催しものを行う公民館のような施設として使用される可能性も高い」と厳しい指摘をされていました。
 ★また市長は、「平成31年度開催の世界女子ハンドボール大会やラクビーワールドカップなど大型国際スポーツイベントが本市で開催される予定で、世界中から来熊する観光客を官民連携してもてなす取り組みを計画している」と、MICE施設とスポーツイベントの関連を幾度も強調されていますが、スポーツコンベンションの開催に大会議場であるMICE施設の整備が必要でしょうか。MICEがなければ大会が開催できないというのならともかく、MICE施設はなくても、おもてなしは十分にできます。
 
 続いて、財政面での問題でお尋ねいたします。「今年3月に公表された『中期財政見通し』は収支バランスすると見込んでいたが、地震の影響により、多額の復旧・復興経費が必要となることから、復旧・復興における本市負担の軽減を国に要望する」と述べておられましたように、地震の発生によって「中期財政見通し」は大きく変わらざるを得ません。そういう中で、MICE施設は必要と考え「震災復興計画」に含めた。とも言われています。震災の復旧・復興による財政計画の収支バランスがくずれると思われる中で、補助金含め400数十億の支出を賄うために、何を削って何を確保するとお考えになったのでしょうか。
 
 (答弁)
 
 ●お尋ねいたしました具体的な行財政改革の内容についてはお答えがありませんでしたが、多額の復旧・復興費が必要となるので、本市負担の軽減に向け、国に最大限の支援を強力に要望するとの答弁でした。確かに、国の支援を強く要望していくのは必要なことです。しかし、国の支援にも限りがあると思います。
 直近の大災害であった東日本大震災、その被災自治体で政令市でもある仙台市の災害発生直後の2011年度の3月補正時の予算では、一般会計当初予算額4412億円に、1年間で災害救助・復旧費等の災害対策の補正が2245億円組まれていました。その財源内訳は、国庫支出金が1020億円、県支出金が218億円、一般財源が202億円、市債803億円で、約半分の1000億円超が市の負担です。東日本大震災は、被害総額が16兆9000億円と推計され、桁違いの大災害となったことから、国の支援も大きかったようですが、後年度の交付税措置があるとはいえ、市債約800億円が大きな割合を占め、当面は自治体が借金、国の支援は後からということで、財政運用は厳しかったようです。東日本大震災を上回る支援措置の見通しがあるのでしょうか。
 市長はまた、MICE整備も含めた復興計画の遂行のために、あらゆる行財政改革を取り組むとも述べられています。事務事業や仕事のあり方を根本から見直し、不要不急の事業の廃止や縮小・徹底した事務事業の効率化・人員の適正配置・時間外勤務の縮減等を進めるということです。しかし、これまでも、行財政改革は鋭意力を入れて取り組まれ、業務も人も財政も削られてきました。これ以上の行財政改革が果たして、行政サービスの質を守ってけるのか、疑問であります。
 今議会に提案された約730億円の復旧・復興予算のうち、熊本市の負担となるのが、一般財源と市債返還にかかる本市の負担分等で約120億円とのことです。熊本地震前に作成された中期財政計画では、今年度の収支見通しはわずか1億円のプラスです。赤字ぎりぎりの見通しです。100億を超える自治体負担は大変大きいと思います。今後12月や3月の補正にも引き続き復興費が計上されていけば、当然市の負担分が発生していきます。
 復興財源ねん出のために、今回の補正に合わせ、各局の当初予算が約100億円削減されています。内容はさまざまです。昨日の総括質疑でも一部質問がありました。市営住宅の修繕や老朽化した施設の修繕などの維持補修関係や、中止となったイベントの経費など、今回削った分の多くは次年度以降に実施が求められるものです。関係局も、次年度の予算措置を心配されているのではないでしょうか。今回先送りした予算の確保が次年度きちんとなされる見通しがあるのでしょうか。
 市長に伺います。
 
 (答弁)
 
 地震発災前に計画された市政史上最大の箱モノを、地震の復旧・復興という大事業の中で、「復興」という冠を付けて従前の計画通りに進めていくことには大きな無理があると思います。
 地震の復旧・復興の全体事業費がわからない、事業費に対する国の支援も不透明、県に設置される基金がどれだけ本市の支援に使われるのかもわからない、本市の負担がどうなるのかわかりません。そういう中で、地震で壊れたものでもないMICEに450億円を何が何でもつぎ込むことに異論が出るのは当然ではないでしょうか。しかも再開発事業者のために60億円もの資金を無利子で提供しようということまで聞けば市民はどう思うでしょうか。
 私どもが現在行っている市民アンケートには、生活や住まいなどの再建を強く要望されるとともに、復旧・復興で優先してほしいものでは、「再開発・MICE施設を急ぐ」という項目に丸を付けている方はほとんど見られませんでした。 
 市長は、過去の大規模震災の被災自治体でも、大規模な投資を行いながら、国からの手厚い支援と自らの行財政改革により、財政破たんすることなく、震災からの復興が進んでいるので、本市でもあらゆる行財政改革に取り組むといわれていますが、復旧・復興で市民が何を望んでいるのか、地域の声にしっかり耳を傾けていただきたいと思います。
 私たち日本共産党市議団は、市民のみなさまの声に耳を傾け、その要求に応える復旧・復興をすすめていく決意を述べまして、質疑を終わります。

医療・介護の改悪中止を求める意見書(案)

  日本共産党熊本市議団・提出

医療・介護の改悪中止を求める意見書(案)(PDFファイル 124KB)

 政府は、医療・介護の分野において、あらゆる世代に負担増と給付減を押し付ける社会保障の改悪を一挙にすすめようとしています。
 第1は、世代間の公平を理由に75歳以上の医療費負担を1割から2割へと引き上げます。70歳以上の医療保険や介護保険自己負担上限も引き上げます。後期高齢者医療保険料の「特例軽減」が廃止され、低所得者の保険料は2〜10倍へと急増します。介護保険利用料も1割から2割に引き上げる計画です。しかし、年齢が高くなれば医療費は増えますが、収入は減少するので、負担増により、受診抑制がひどくなり、重症化で医療費はますます増えていきます。
 第2に、「選択」ということで、医療費負担をますます引き上げます。「かかりつけ医」以外を受診すれば、窓口負担と別に1回数百円を別に徴収したり、保険給付を後発医薬品に限定し、先発医薬品を使えば後発品との差額を自己負担とするなどの負担増も検討しています。
 第3に、介護では要介護1・2の訪問介護・通所介護の保険外しを検討していますが、そうなれば対象者の65%が給付を受けられなくなり、自己負担をさらに増やすものです。
 このほか、「地域差」を口実に医療・介護の給付抑制もすすめようとしています。
 医療・介護の分野で、様々に計画される改悪は、高齢者はじめあらゆる世代に負担増や給付削減を押し付けるものです。
 特に、熊本市では4月の大地震の発生によって、市民は未だ復旧・復興の途中にあります。命と健康を守り、速やかな復旧につなげていくためにも、政府のすすめる医療・介護等、社会保障の改悪は中止されるよう強く要望いたします。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

2016年 月 日
熊本市議会

各宛1通

熊本地震における「一部損壊」世帯への支援制度の充実を求める意見書(案)

  日本共産党熊本市議団・提出

熊本地震における「一部損壊」世帯への支援制度の充実を求める意見書(案) (PDFファイル 118KB)

 熊本地震の発災から、4カ月以上が経過しました。震度7レベルの地震に二度にわたり見舞われ、その後も追い打ちをかけるように襲った2000回を超える余震により、熊本市内の住宅被害は約10万1千棟にものぼりました。そのうちの8割にあたる、約8万3千棟が「一部損壊」世帯です。
 一方で、現行制度において、「一部損壊」には、家屋修繕に対する支援制度はなく、修繕費用を確保できない所得の少ない世帯、高齢者などでは、修繕できないまま損壊を受けた家に住み続けざるを得ないケースも多々生まれています。
 「一部損壊」の被害であっても、実際には、瓦の破損等による屋根の修繕、壁の亀裂による修繕など、数百万円の費用が必要なケースも少なくありません。地震発生直後に屋根の応急修理(ブルーシートなど)ができていない世帯は、雨が屋根や壁の亀裂から侵入し、さらに多額の修繕費用を要します。
 また、宅地被害により家が傾き、その改修にやはり数百万円を要する場合でも、家屋にほとんど損傷がないとの理由で「一部損壊」判定になっている世帯も数多くあります。
 住宅被害の8割、約8万3千棟もの圧倒的多数を占める「一部損壊」世帯に対して、支援制度の拡充・創設を行い、被災者に再建に向けた希望や道筋を、行政としてしっかり示すことが必要です。よって、国においては、以下の支援策について特段の配慮を頂けますよう要望するものです。
 
 1. 「一部損壊」とされた住宅については、修繕費用の一定額を修繕支援金として支給するなど、被災者の経済的負担の軽減につながる支援制度を創設すること。
 
 2.「一部損壊」世帯にも、被害に実情に応じて各種減免措置を講ずること。
 
 以上

熊本地震における農業者・漁業者の負担軽減を求める意見書(案)

  日本共産党熊本市議団・提出

熊本地震における農業者・漁業者の負担軽減を求める意見書(案)(PDFファイル 1254KB)

 先の熊本地震により、市内各地において、農業被害・漁業被害が発生しました。農業については、農業機械の損壊、納屋の倒壊、畜舎の破損などと合わせ、農地そのものに深刻な被害が及んでいます。また、漁業についても、本市の基幹産業であるのり養殖業においては、加工施設や乾燥機器の破損、錦鯉やウナギの養殖池や水槽、配管の破損、漁場への土砂の流入など、多大な被害が発生しています。
 また、こうした生業に関わる被害とともに、自宅そのものが損壊ししたため、避難生活を送りながら、農地の復旧や生業の再建に取り組んでおられる方も少なくありません。
 こうしたなか、国の支援事業として、経営体育成支援事業、農業生産振興事業、漁業生産支援経費などの取り組みが鋭意進められているところではありますが、とりわけ農業従事者・漁業従事者からは、復旧・復興にかかる経済的な負担軽減の要望が切実な声としてあげられています。
 現在、補助率の引き上げ等、国と市町村間における協議が進められているところではありますが、例えば農地被害に関しては、現状において復旧費用の2割が農家負担となり、広大な農地被害の復旧を図るとなれば、莫大な費用が生じることになります。復旧経費の負担が重いため、震災を機に農業からリタイアすることを決断せざるを得ないなど、農家の生活再建と農業振興にとっても深刻な事態が広がっています。
 こうしたことからも、下記の点において国としての特段の配慮をお願いいたします。
 記
 1. 現行の支援制度について、農漁業者の負担率軽減を図ること。
 2. 農業被害、漁業被害については、全額国庫負担での復旧に取り組むこと。
 以上

液状化対策への支援拡充を求める意見書(案)

  日本共産党熊本市議団・提出

液状化対策への支援拡充を求める意見書(案)(PDFファイル 120KB)

 4月に発生した熊本地震は、震度7レベルの揺れが二度にわたって発生するという過去に例のない大災害となりました。建物倒壊でも大きな被害が出ましたが、いくつかの地域では、液状化の被害に見舞われ、家屋被害のみならず、地盤被害によって、復旧・復興が極めて困難になっている地域があります。
 液状化被害の復旧には多額の費用が掛かります。また、国補助による液状化対策事業によって地盤の改良を実施しようとすれば、面積や住家の個数、公共物の有無など、必要条件がそろわなければなりません。また、条件に合致して補助対象となっても、これまでの事例を見ると、国補助が事業費の4分の1しかなく、自治体負担が大きいことや、私有地も改良の対象となることで、当該区域の地権者に多額の負担金が発生するなどから、事業の実施には多くの困難があります。
 住家の被害に加え、宅地被害にも見舞われている液状化の発生地域の住民が速やかに復旧・復興していくため、液状化対策について、下記の点に、国としての特段の配慮をお願いいたします。
1、 国の液状化対策事業の要件を緩和し、条件の異なる各液状化発生地域が、国の補助事業の対象となるよう取り計らうこと。
2、 液状化対策事業の補助率を引き上げ、自治体の負担を減らすとともに、当該地域の地権者負担をなくすこと。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

2016年 月 日
熊本市議会

各宛1通

熊本地震からの復旧・復興に関する特別委員会 2016年8月12日 上野美恵子

熊本地震からの復旧・復興に関する特別委員会(PDFファイル 432KB)

 日本共産党熊本市議団の上野みえこです。
熊本地震の発生から、やがて4カ月になろうとしています。8月になって、私共は党市議団として、市民のみなさまの声を聞くための「市政懇談会」を開きました。フリートークの形で意見・要望を伺いましたが、出された要求の多くは地震の復旧・復興に関するものでした。改めて、住まいの再建、生活の立て直しに多くの方が困難を抱えておられることがよくわかりました。寄せられた声に応える立場でお尋ねしてまいります。

1、まず、罹災証明について伺います。
 り災証明の発行は、8月1日現在、住家の1次調査で99158件の申請があり、80507件の発行、また、2次調査には25512件の依頼があり17716件が発行されています。そのほか、農水産業関係では1854件、事業者では20713件の証明書が発行されています。罹災証明は、災害救助法に基づく様々な支援のもとになるものであり、被災者にとっては、たいへん重要なものです。本市では、住家の場合、対象者は、当該建物に居住していることが発行の条件となっています。よって、被災して大規模な損傷を受けていても、そこに人が住んでいなければ罹災証明は発行されません。一方、事業者については、店舗・事務所・工場等及び事業用設備についても罹災証明書が発行されています。そこでは、寺社等の建物についても罹災証明書を発行しています。農林水産関係でも、6月1日より対象者を拡大し、農業従事者でなくても、農地を所有し農作物を栽培する自給農家も対象としています。私共に、居住していない家屋を所有する方から相談がありました。前震・本震でも大きな被害を受けていたが、続く余震もあり、傾きがひどくなっている。倒壊すれば近隣への影響もあると思われるので、解体ができないものか」ということでした。市は、「住んでない建物にり災証明は発行しません」との回答だったので、他都市の状況を調べてみました。同じ政令市の仙台市・さいたま市などでは、住家のり災証明書は、住んでいることを条件とはせず、基本「建物」であれば、その所有者・居住者・管理者・使用者、あるいは関係者等にも罹災証明が発行しているとのことでした。住んでなくても発行する理由としては、固定資産税も払ってあるし、災害救助法の趣旨は、被災者の救済にあり、被災した人を広く救済していくのが法の趣旨であるからとの説明でした。災害救助法の大きな原則の一つに、被災者の立場に立って、柔軟に運用することがあります。罹災証明の発行についても、他都市で運用されているように、被災者保護・救助の立場で、被災建物については非住家でも罹災証明を発行するべきではないでしょうか。
市長にお尋ねいたします。

(答弁)
 「り災証明がなくても一定の支援は行っている」との答弁でしたが、「り災証明」があれば半壊以上の建物は解体の対象となりますが、「り災証明」がなければ、倒壊の危険等という判断基準となるので、対象が限定されます。固定資産税を払っている建物への公平なサービス提供の視点から問題ではないでしょうか。
 また、一定の支援を行うのならば、なおのこと「被災」を証明するものが必要ではないでしょうか。

(答弁)

 り災証明は、復旧の第1歩です。り災証明の発行から復旧・復興は始まっていきます。被災者を広く、平等に救済していくためにも、他都市の事例にあげましたように、住家・非住家を問わず、被災した建物について、まずはり災証明を発行すべきと考えます。

2、続いて、「一部損壊」世帯への支援について伺います。
り災証明の発行で、圧倒的多数を占めているのが「一部損壊」です。一次調査で発行総数の74%以上、被災者の4人のうち3人が一部損壊ということになります。世帯数で6万を超えています。先ほど紹介しました党市議団主催の「市政懇談会」でも、「一部損壊に何の支援もないのはおかしい。一部損壊でも、かなりの修理費になっている。一部損壊も、程度に応じて何らかの支援をしてほしい。家財が壊れても家の被害が大きくなければ、何の支援もない。」などと、多くの人が、疑問や不満を述べられていました。実際、一部損壊でも、屋根が損傷している場合はどうしても修理しなければなりません。私共に相談があった方のお1人は5百万円もかかるのに、「一部損壊」で何の支援も受けられない。年金暮らしで、あと何年生きられるかもわからないので、借金もできないと、頭を抱えておられました。被災者の大多数が「一部損壊」で、被害の程度には大きな幅があります。数百万円もの修理費負担ともなれば、何らかの支援なしには復旧ができません。
県下の自治体では、先ほどの質問でも紹介された合志市や宇城市のほか、玉名市でも、いち早く「一部損壊」への支援策を独自に打ち出し、復旧工事費が10万円を超えた場合、20万円を上限として一定の計算式で、補助をしています。予算は当初4000万円が計上されましたが、予想以上に利用され、さらに7000万円が追加補正され、総額で1億1000万円の事業費が予算化されています。本市においても被災者の圧倒的多数である一部損壊の方々に市の独自支援を市長の実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
市長に伺います。

(答弁)

 「一部損壊」であっても利用できる制度があるとのお答えでした。しかし、私の周りではほとんどの人が、「一部損壊には何の支援もない」と、聞こえてくるのは不満ばかりです。一部損壊になった方々への周知は具体的にどのようにされているのでしょうか。また、実際にそれらの制度がどの程度利用されているのでしょうか、実績をご説明ください。

(答弁)

 多額の復旧費用がかかるのに、経済的支援はほとんどないというのが、「一部損壊」世帯の復旧を遅らせている理由にもなっています。
 「一部損壊」で多額の復旧費用が必要な人の場合、ほとんど瓦が落ち、当面はブルーシートでしのいでいますが、台風が来れば、損壊の規模はさらに大きくなり、住めなくなってしまうことも心配です。このような不安をどうやって解消するつもりでしょうか。

(答弁)

初めに申しましたように、被災者の圧倒的多数を占める6万世帯以上が「一部損壊」です。多額の復旧費用が掛かるのに、資金の支援が全くない「一部損壊」世帯が多いというのが、今回の熊本地震の特徴です。圧倒的多数を占める「一部損壊」世帯の方々も含め、速やかな復興がすすめられてこそ、本当に意味での復興になっていくのではないでしょうか。多額の復旧費用が必要な方への何らかの経済的支援を今後の大きな課題として、ぜひ取り組んでいただきますことを強く要望いたします。

3、応急的な公共施設の修理・復旧について伺います。
市議会では、6月議会開催後、閉会中審査ということで、各常任委員会が開催され、所管する施設の被災状況等が報告されました。私の所属する保健福祉委員会の関連では、中央老人福祉センター・希望荘・ウェルパル・アイパルはじめ様々な施設の被害状況が報告されました。やがて発災から4カ月となりますが、ウェルパル・アイパルなどは、避難施設である「階段」の損傷が未復旧のままとなっています。現在示されている復興計画(案)でも、全庁的な公共施設・インフラの被害状況が説明されています。ただいま紹介したウェルバル・アイパルなどは休まずに現在も運用されている施設であり、不特定多数の施設利用者が毎日利用しています。「避難施設」である「階段」などは、復興計画を待つまでもなく、最優先で修理すべきではないでしょうか。全庁的な避難施設の被災状況と、今後の復旧見通しをご説明ください。
 また、今回の地震災害では、小中学校の体育館が指定避難所して重要な役割を果たしました。しかし現在、小中学校で24校、高校1校の体育館が使用不能です。私共のところにも、今災害が発生すれば、避難に支障をきたすのではないか、学校の授業やイベントにも差しつかえる。今の状態が長く続けば、卒業式もできない、と不安の声が寄せられています。様々な点から、学校の体育館は早急に復旧が必要です。午前中の質問で、学校施設は、修繕での対応の場合で年度末、改修の場合は平成30年度がメドになるとのことでした。使用不能の体育館の修繕での対応、改修での対応、それぞれどのくらいあるのでしょうか。

(答弁)

 「施設の利用に重大な支障があるものについては、すでに応急復旧を行い、施設の利用を再開した」との答弁でした。しかし、ご紹介しましたように、ウェルパルやアイパルはメインとなる階段が使用不能のままの利用再開です。エレベーターは非常時止まってしまいます。それぞれの施設に階段が複数個所あっても、利用者はそれを知らない場合が多く、ほとんどの利用者が使うメインの階段が使用不能では、緊急時避難ルートが絶たれてしまいます。発災からやがて4カ月となります。「避難施設」である階段などは、利用に先立ち最優先で応急復旧すべきであると思います。
 また、市役所に隣接する市営駐車場のエレベーターとその横の階段が使用不能となっています。駐車場利用者の方々は、もう一方の階段を利用されていますが、高齢の方が5階までの螺旋階段を上っておられるのは本当に難儀だと思います。エレベーター・階段の速やかな復旧をお願いいたします。
 避難所となる学校の体育館は、震災対応での早急な復旧と、震災復旧での建て替えができなかった老朽体育館の建て替えも次年度以降急ピッチですすめていかれるようお願いしておきます。
 
4、避難所の問題についてお尋ねいたします。
発災から約4カ月、避難生活も長期になっています。最大時11万人ともなった避難者も、500人程度になりました。市では、学校の再開に向けて拠点避難所を設けたりしながら、だんだんと避難所の縮小が行われてきました。今後、中央区では8月14日をめどに、南区では8月16日または28日と施設ごとに、東区では9月15日をめどに、避難所を閉鎖する予定であると説明されています。
しかし、日時を切って機械的に避難所を閉めるというのには無理があると思います。それぞれの区で、予定している期限が来ても、行先が定まらなかった場合、強制的な退去や、遠い別の避難所への移動をお願いするなど、避難者の意に沿わない対応はすべきでないと思いますが、各区の考え方、対応をご説明ください。

(答弁)

 長期の避難生活は本当に大変だと思います。そういう意味で、早く安心して生活できる住まいの確保を急いでいただきたいとは思いますが、どこの区でも、避難所の閉鎖予定が示されていますので、避難者の意に反し、強制的に退去するなどないようお願いいたします。
以上で質問を終わります

熊本地震からの復旧・復興に関する特別委員会(第4回) 2016年7月14日 上野美恵子

熊本地震からの復旧・復興に関する特別委員会(第4回)(PDFファイル 286KB)

 熊本地震の発生から3カ月がたちました。被災者の皆さんの1日も早い復興を願ってお尋ねしてまいりたいと思います。
 はじめに、安全・安心な住まいの確保について伺います。避難者数は、ずいぶん減ってきたとはいっても、未だ1000人の方が避難をされていると報告されています。3カ月という長期にわたる避難生活で、被災者の方々も心身ともに大変消耗されてきていると思います。1日も早く通常の生活を送れるようになっていただくためにも、何らかの形で、住まいが確保されなければならないと思います。区ごとに避難所でのヒアリング調査が行われ、長期に避難生活を送られている方々の状況把握が行われたと聞いています。その結果について、ご説明ください。
 政策局長に伺います。
 
 (答弁)
 
 家屋の損壊、余震不安など、さまざまな理由で避難をされているということですが、中央区について、その詳細を伺いましたところ、165世帯の避難世帯のうち134世帯にヒアリングが行われ、その内訳は、@みなし仮設が見つかった世帯が7世帯、A新しい住居への引っ越しのめどがついた世帯が10世帯、B修繕手配中の世帯が32世帯、Cメドが立っていない世帯が85世帯ということでした。圧倒的多数の6割以上の世帯がめどが立っていないというのは深刻ではないかと思います。今後のメドが立っていないと報告されている方々への今後の対応についてお聞かせください。特に、罹災証明が「一部損壊」という方々は、実際受けられる支援がほとんどないので、現状を変えることはとても難しいと思われます。この方々については、どのように対応していかれるのでしょうか。
 政策局長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 「一人一人に寄り添い、きめ細かに対応していく」とのことですが、避難者のかなり多くが「一部損壊」という支援策のない方なので、その方々の今後の住まいや生活の再建をどのようにしていくのか大きな課題になってくると思います。罹災証明が一部損壊ではあっても、経済的困難を抱えているとか、多額の復旧費用が掛かるとか、一定の条件で支援をしていくことも必要ではないかと思います。
 
 続けてお尋ねいたします。
 第1に、避難者のニーズに沿った住宅の提供という点で、内閣府の通達では、仮設住宅のバリアフリー仕様の推進とともに、応急仮設に「福祉仮設住宅」を必要戸数定めることができるとしています。本市の仮設住宅で、「福祉仮設住宅」の設置についてはどのようにお考えでしょうか。
 福祉仮設住宅を必要とされている被災者の方々の状況については、どのように把握されているのでしょうか。
 第2に、内閣府の通達では、敷地内に納屋・倉庫等を備える農家住宅や、敷地が広く有効活用が可能である場合、住家と同じ敷地内にあって、これと一体的に利用されてきた納屋・倉庫等を修理し、居住可能なスペースを確保する場合や、住家と同じ敷地内にユニットハウスやコンテナハウス等をリース等により設置する場合は、災害救助法の対象となるとされています。このようなやり方での住まいの確保については、どのように取り組まれているでしょうか。
都市建設局長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 2点目の納屋・倉庫等の活用については、対応された事例はあるのでしょうか。
 
 (答弁)
 
 福祉仮設住宅については、サービス付き高齢者住宅他、福祉的対応のできる住宅提供を行っているとのことですので、引き続き、当事者の実情をしっかりつかんで適切な対応をしていただくようお願いいたします。
 納屋・倉庫等の活用や、敷地内へのリース物件設置については、6月24日の国通知によるものなので、それ以前の相談など、必要とされる方々への適切な情報提供をお願いしておきます。
 
次に、住まいの安全確保で耐震診断、耐震改修への補助について伺います。
 6月の市政だよりで、補助による耐震診断が募集されました。一般診断の募集136戸に対し1453戸の応募、精密診断の募集2戸に対しては13戸の応募がありました。それぞれ募集戸数が選出され、耐震診断が行われることになっています。しかし、予定戸数自体が、熊本地震発生前に予算化されたものであり、予定戸数を大幅に上回る申し込みがあったことは当然だと思います。今回選出されなかった1300戸以上の方々については、「予算」と「耐震診断士」が確保され次第案内するとされています。申し込んだ方々の不安を取り除き、それぞれの住宅の安全確保のためにも速やかな対応が必要であると考えます。今後の事業実施の見通しをお示しください。
 また、本市の耐震診断助成は、かかる費用が一般診断で1戸あたり5500円、精密診断で上限86000円の3分の2補助となっています。たとえば、一般診断で横浜市は無料、福岡市・北九州市は3000円など、自治体で負担額に差があります。また、耐震改修費用への補助についても補助率や上限額など、様々です。本市においても、耐震診断や耐震補強を速やかにすすめるために、診断費の自己負担軽減や、改修費用の増額等検討できないでしょうか。
 都市建設局長に伺います。

(答弁)

 多数の応募があった耐震診断については、耐震診断士等の確保ができ次第実施するとのことなので、速やかな実施に向け頑張っていただくようにお願いしておきます。
 耐震診断や耐震補強の費用負担については、実施方法等による違いなどもあるとは思いますが、他都市の状況など調査していただき、受益者負担よりも、安全な住まいの確保優先ということで、少ない負担で診断や補強工事ができるように検討していただきたいと思います。

生活面への支援について伺います。
 第1に、生活支援メニューの一つに「生活必需品等の支給」があります。現在1300を超える申請が出され、7月5日現在で1037件がすでに発注されています。現物支給ということで、寝具・衣類・紙おむつ・台所用品など23品目から必要なものを支給することになっています。しかし、品目が限られており、費用の上限も、全壊で1人世帯の場合18400まで、半壊の場合は同じく1人世帯で6000円の上限です。
 支給品の品目は、内閣府の事務取扱要領で参考が例示されてはいるものの、個々の実情に応じて決定することが可能であると書かれています。被災者のニーズにあった品物が支給できるような工夫ができないものでしょうか。
 また、金額についても家財がほとんど壊れてしまった方々にはあまりに少ない金額です。これも国の告示によって定められています。半壊や一部損壊でも、家財はほとんど壊れてしまったという方も少なくありません。一部損壊も対象とすることや、金額の引き上げなど、国に要望していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 第2に、高齢者の特定福祉用具の再購入や、障がい者の福祉用具再給付の利用実績をお示しください。また、必要とされる方がきちんと利用できるよう、どのように取り組んでおられるのか、ご説明ください。
 健康福祉局長にお尋ねいたします。

(答弁)

 生活必需品の支給は、現物給付という制約はありますが、被災者の方々のニーズに、できうる限り沿ったものにすることが大切です。今回は新たな品目の追加はできないが、今後は検討するとのことですので、選択の幅が広がるよう検討をお願い致します。国への要望も、よろしくお願いいたします。 
 福祉用具の再購入や再給付については、あまりにも利用者が少ないと思います。答弁されたように、制度の周知等、よろしくお願いいたします。

液状化・地盤沈下への対応について伺います。
 液状化については、空中写真や現地調査によって、一定の地点が確認されています。それをもとに、「液状化被害基礎調査業務委託」によって、南区近見地区を中心とした被害の実態調査が行われています。液状化や地盤沈下の発生している地域は、今後の復旧・復興においても、ただ住宅を再建するにとどまらない、地盤の改良等も含めた液状化・地盤沈下対策も必要となります。現在市が確認している液状化の確認されている地域の実態調査を速やかに行っていくことはその第1歩となります。現在の委託事業で、どの範囲の液状化調査を行うのか、その後の実態調査をどのように行っていくのか、現状と見通しをお示しください。
 都市建設局長にお尋ねいたします。

(答弁)

 地元紙のインタビューに市長が「土地の被害も救済していきたい」と答えられていたように、液状化・地盤沈下の発生している地域の住民は、単に住家の改修・修理にとどまらず、地盤被害にも対応しなければなりません。液状化・地盤沈下等への対策は、事業費も高額となりますので、多くの方が頭を抱えていらっしゃいます。公共物、私有物と、発生カ所に違いはあっても、同じ地区内であれば、一斉に対策事業をしなければならないので、関係者の方々が一致して取り組めるような制度設計が必要だと思います。今回お尋ねした実態把握の調査は、その前提条件となるものなので、答弁された「被害の全容把握」を速やかに実施していただくようお願いいたします。
 また、液状化対策事業は、対象地域が3000平方メートル以上であること、10戸以上の家があること、公共施設の有無など、国の補助要件がありますが、他都市の事例を見ると、自治体負担分について自己負担も設定されています。中には、自己負担が大きすぎるために、補助事業ですら他の要件は満たしているのに、事業実施に至っていないところもあります。今後の課題としては、補助事業の受益者負担を抑えていくこと、補助対象とならない地域の対策をどうするのかなども、被災者の方々の不安に応える立場での検討をお願いしておきます。

「復興計画」についてお尋ねいたします。
 本日配られている資料には、「震災復興計画」の策定スケジュールが示されています。これまで14回にわたる復興座談会が開かれ、現在、ホームページ上での市民アンケートや区役所にご意見シートが配布され、市民の声が聴かれています。
 しかしながら、復興座談会では校区自治協会やまちづくり懇話会、各種団体の意見を中心に聞かれており、今回の地震においては、被災者ではあるものの、支援する側で頑張った方々が中心です。様々な困難を抱え支援を受けて来られてきた方々の声も聴き、復興計画に反映させていくことも重要であると考えます。
 復興計画を速やかに策定し、復興に取り組んでいくことは重要ではありますが、団体別座談会での主な意見にありますように、「一番弱い人を基準に対処。声を上げない人の意見を率先して聞く必要がある」という点が大変重要であると思います。そのための方策については、どのようにお考えでしょうか。
 政策局長に伺います。

(答弁)

 「復興計画」は、今後「市民アンケート」等の結果も踏まえて素案がつくられていくと思いますが、市民の意見をよく聞き、反映させるということが大切だと思います。パブリックコメントも実施されることになっていますが、帳面消しにならないよう、素案の説明会を地域ごとに開くなど、工夫した取り組みが必要ではないかと思います。
 引き続き、被災者の立場に立った復旧・復興に取り組んでいくことを表明しまして質問を終わります。

熊本地震からの復旧・復興に関する特別委員会 2016年6月30日 山部洋史

熊本地震からの復旧・復興に関する特別委員会 山部洋史(PDFファイル 370KB)

  1.今後の仮設住宅計画について、わけても、いまだ避難所からの通学を強いられている児童・生徒世帯の為の住まい確保についてお伺いします。
 
 現在、避難所生活を余儀なくされている避難者は6月27日19時時点で、避難所数41カ所、1,346人です。発災から3ヶ月を迎えようとするなか、長期化でストレスが増え、避難者も大変な思いをしておられます。
 避難所のことで私が問題だと考えているのは、避難者の皆さんが、市の機械的な拠点避難所への集約により、生活を営んできた地域・校区から遠く離れたところへ出ざるを得なくなったことです。
 こうしたなか、避難所から学校に通う児童・生徒の数は、小学生76人、中学生30人の計106人。5月30日時点での調査では161人でしたので、それから比べると減少してはいるものの、決して少ない数字ではありません。なかでも、遠い校区外の避難所からの登校を強いられている児童生徒が少なからず存在することは問題です。
 今現在、校区外避難所から登校している、児童生徒の数は、26名。内訳は、中央区5人、東区8人、西区6人、南区8人、北区はゼロ。通学手段ごとでその距離をみると、保護者送迎による通学で一番遠いのが、中央区の青年会館から東区の二岡中学校までの7.7キロ。徒歩での通学では、東区の託麻公民館から西原中学校までで、なんと4.5キロもあります。毎日、雨の日も片道一時間もかけて歩いて通学していることになります。
 保護者送迎でも、仕事を抱えながら出勤前に時間をつくっての送り出し、そして学校の終業時間にあわせてまた迎えにいくなど、保護者も相応に重い負担を強いられています。
 そこでお尋ねします。
 
 まず第一に、こうした校区外から遠距離通学しなければならない矛盾を抱えた児童・生徒の状況をいちおう「数字」の上では、把握されているわけですが、一方で、「各家庭の事情に即した実態」の把握はなされているのでしょうか。とりわけ子どもたちの長期にわたる避難所からの遠距離通学がなぜ解消されないのか、市としてこの問題をどう解決しようとしているのか、お聞かせください。
 
 第二に、その実態を把握した上で、避難所生活解消のためには、住まいの確保が必要です。
 これまでに市が用意した住宅は、6月21日現在、市営住宅が555戸、雇用促進住宅が620戸、みなし仮設住宅が4800戸、応急仮設住宅458戸の6433戸。一方で、罹災証明発行件数で住宅支援の要件に合致する件数をみると、全壊が3,276件、大規模半壊が3,504件の計6,780件。これにくわえて一部の半壊判定の世帯も対象になることも考えると、住宅を必要とする世帯が、ゆうに7,000件は超える見込みです。まだまだ生活再建のための住宅は足りません。
 しかし、一方で現在提供されている住宅でも、入居が決まっていない戸数が多数あります。とりわけ、配布資料にある「みなし仮設住宅の提供状況」を見れば、提供戸数3.300戸に対し、相談件数が8,945件もあったにもかかわらず、実際に申し込まれたのは、わずか1,511件です。
 また反対に、応急仮設住宅の提供で、東区では、54戸の募集に対し140件の申し込みがあっています。
 こうしたマッチングの問題、住宅のミスマッチについては、被災者側のほうで選択の幅を狭めている、あたかも、えり好みをしている、との言動も散見されますが、今でも過酷な避難所生活を続けている避難者の立場にたてば、これは被災者側の事情だから仕方ない、などと一概に片づけることはできないと思います。
 ミスマッチが起きる原因は何なのか、またその解消のためには何が必要であるとお考えですか。お聞かせ下さい。
 
 第三に、避難所での学習環境の整備も気になります。公民館や大型施設等の避難所は、既存の和室や会議室などで一定の学習スペースの確保は可能かもしれませんが、体育館等の避難所では、各避難世帯のスペースは起居することに優先され、学習のための机などを配置することも難しいと思われます。
 ある生徒さんからは、受験勉強をしたいのだけれど、避難所では消灯時間の制限やほかの避難者への遠慮から、思うように勉強ができないとの悩みも寄せられています。
 避難所での学習環境の現状と、その整備のための取り組みについてどのように検討されているのかお聞かせください
 
 (答弁)
 
 (返し)
 遠距離通学家庭の実態については、いまその把握に努めている、とのことですが拠点避難所への集約から、もはや2か月が経とうとしているこの時期の取組みとしては、あまりも遅いと言わざるを得ません。先日、私がこの質問をするに際し教育委員会にヒヤリングを行った時点では、各家庭の個別の事情については分からない、というお答えでしたので、まさに、やっと調査に入るということだと思います。
 質問で紹介した、一時間歩いて通学している生徒さんについては、通っている西原中学校自体が指定避難所になってはいますが、一方で級友たちに避難生活しているところを見られるのはいやだ、というのが校区外の拠点避難所にいる理由のひとつだということがわかりました。無理からぬ理由だと思います。
 このように、各家庭にさまざまな事情があり、だからこそ丁寧に実態把握して、その事情に寄り添った支援が必要です。校区内での住居確保が困難な家庭には、たとえば、6月議会でも質問しましたが、地域コミュニティセンターなどの公共施設の利活用なども、教育委員会がイニシアティブをとって関係部局を牽引し、行うべきだと考えます。
 
 学習環境の整備についても、学習室が確保されているのは、わずか2施設にとどまっているとのことでした。大半の避難所では、質問でもとりあげましたが、受験勉強に専念できないなど、大変切実な問題をかかえています。学生の派遣などはもとより、日常的に学習できる環境整備を早急に行うべきです。
 
 住宅提供についても、「他都市の罹災状況による応急仮設住宅の入居状況を参考」にしたとのことですが、市長も繰り返し、今までに経験したことのない地震とおっしゃっています。あくまでも熊本の被災者に向き合った対応をお願いします。
 また、公営住宅の優先入居については、遠距離通学の世帯も優先入居の対象にすべきと考えます。
 
 
 2.次に、地震による宅地被害への対応についてお尋ねします。
 
 6月20日深夜、北区津浦町の急傾斜地で土砂災害が発生、土砂の直撃に遭い、2名の方がなくなりました。せっかく地震の災難から免れたにもかかわらず、こうした二次災害で命を落とされたことに、無念の思いを禁じえません。
 私は翌日現場を視察し、近隣の方から当時の状況の聞き取りをいたしました。すると、複数の住民から、土砂災害の原因として、「被害に遭ったお宅の真上にある施設の駐車場で、先の地震により地割れが発生していたが、補修、養生などがなされていなかった。発災から2か月の間に雨水が浸透し、度重なる余震も相まって地盤がゆるみ、この大雨で一気に崩れた。これから雨が続く季節、他でも起こるのではないかと、とても心配だ」との声が寄せられました。
 実際の因果関係については、地質調査などに委ねなければならないのでしょうが、豪雨による避難指示が頻発する事態において、住民の皆さんがそう考えるのも無理からぬことだと思います。実際、担当課へ市民の方からの相談件数が増えていると聞いています。
 
 私が住む北区は、立田山など急傾斜地に宅地造成されたところが、とても多く今回の地震では、同様の宅地被害の相談が急増しています。
 津浦町の災害の一カ月前、5月中旬に、清水岩倉台に住む方から相談を受けました。相談者が住む急傾斜地の真上の敷地に地震で地割れが発生、しかし土地の所有者は別の場所に住んでおり、また敷地内に立つ借家も、応急危険度判定で赤紙が貼られ空き家になり、誰も管理していない状態でした。斜面の擁壁にもヒビが入っており、相談者が、雨水の浸透が心配と自前で砂利を購入し、お一人で地割れを埋めておられました。一方で敷地に建つ借家のほうも外壁に多数の亀裂、割れた屋根瓦がテレビアンテナを支えるワイヤーに引っかかってぶら下がっているなど、土砂災害だけでなく家屋倒壊の危険にもさらされていました。
 私のほうでまず土木センターに連絡、担当課長が現地を視察した結果、緊急性があるということで、相談者および自治会長、近隣住民の立会いをおこないました。
 立会いの場で土木センターから、雨水の浸透を少しでも防ぐために応急的に土嚢を積むこと、土地の所有者が不在のため、近隣住民の総意として自治会長が所有者の代わりに土嚢を積むことを許可すること、加えて行政でできることはここまでで、あとはあくまでも所有者の責任であることの説明を受け、自治会長、住民が確認しました。即日、土嚢の手配がなされました。
 倒壊の危険がある借家については、私から建築指導課に連絡、課のほうで所有者を突き止め勧告しました。所有者のほうでは、解体にむけて震災廃棄物対策課に連絡をとっているとのことでした。
 それから、一カ月あまり、果たして進捗状況はなにもかわっておらず、唯一変化があったのは、借家の基礎部分のコンクリの亀裂がひろがっていたこと、電柱から張られていた電線のたるみがなくなりピンと張りつめていたこと、つまり明らかに借家が前回より傾いていることでした。
 
 このように、宅地被害については、行政が手を出せない一方で、所有者のほうでも何とかしたい思いはあっても、個人の資力では土地の補修・改修、家屋の解体がままならない現実があります。国の補助を受けるにしても様々な条件があり、実効性に乏しいのが現状です。
 先日死者をだした、津浦町の急傾斜地は、県の急傾斜地崩壊危険箇所となっていました。発災後の4月下旬、国交省が行った調査では、今すぐ二次災害が起こる危険度の低い「C判定」がなされていましたが、死亡災害がおこりました。調査から二カ月、相次ぐ余震と豪雨により、地盤の状況は私たちの予想を超える変化を来たしていたのではないでしょうか。
 そこでお尋ねします。
 
 第一に、危険個所となっているところについては、速やかに、県に対して津浦町のような二次災害が出ないように手立てを求める必要があるのではないでしょうか。
 
 また、あらゆる場所で二次災害の危険度が上がっていると思われます。予断を許さず、危険個所以外でも地震による地盤の危険度を改めて調査し、危険個所の見直しをする必要があると考えますがいかがでしょうか。
 
 くわえて地盤の改修については、今まで経験したことのない未曾有の大地震です、従来の枠にとらわれない「熊本方式」として、国庫補助の事業にするための採択要件を緩和するよう、あらゆる角度から国に求めていく必要があるのではないでしょうか。
 以上、お尋ねします。
 
 (返し)
 
 県に働き掛ける、国に要望していくとの答弁でしたが、東日本大震災時の仙台市では、市が独自の支援策を打ちだし、国が財政支援をしました。国の支援待ちではなく、市が独自でこういう支援をするから、国にもお願いしたいとい強い姿勢を示さなければ、国に対しての説得力に欠けると思います。市は被災住民に心を寄せて、市独自で最大限の支援をすべきです。
 
 最後にこれは要望ですが、地震による瓦屋根の損壊でいま、多くの世帯が雨漏りに悩まされています。発災後、応急的にブルーシートを張って処置をされたところも、長い間紫外線にさらされ、シート本体やロープ、土嚢などが劣化、破れる事態になっています。瓦を修理したくても、業者も膨大な量の仕事抱えており、順番待ちで修理するめどが立たない状況です。先般来の豪雨で成す術もなく、とうとう天井が落ちてしまったというお宅もあります。せめてシート張替えだけでもしたいのだけれども、という声に応え、市として人的及び経済的支援をしていただきますよう要望致します。

熊本地震からの復旧・復興に関する特別委員会 2016年6月17日 なすまどか

熊本地震からの復旧・復興に関する特別委員会 なすまどか(PDFファイル 342KB)

 日本共産党熊本市議団のなすまどかです。今回のテーマは、発災から今日までの対応状況ということです。私自身が、避難所の運営に地域の方や避難者の方と取り組む中で、課題、また全体に広げていきたい教訓等、感じた事などについてお尋ねいたします。
 今回の質疑においては、なぜできなかったのか、うまくいかなかったのか、その理由などもお尋ねするわけでありますが、できない理由にとどまらず、どうすればできたのか、今後同規模の災害が発生した場合の教訓となるような答弁を求めるものです。
 
 まず1点目は、指定外の避難所についてであります。発災後、市民は身近な小中学校や公共施設はもちろんでありますが、地域の公民館、公園、集会場などに身を寄せました。今となっては本震と位置付けられていますが、まさか来るとは思っていなかった2度目の揺れ、そして3度目の大きな揺れも来るかもしれないという恐怖の下で、自宅に帰ることができず、避難場所には人があふれ、指定外の保育所や地域のコミセン・公民館など自主避難所、公園、ショッピング施設の駐車場などで、行政が把握しきれていない避難者が集まり、その後、家に帰ることができず、その場で生活を送っていたことは間違いありません。
 熊本市の避難場所開設・避難所運営マニュアルでは、「自主避難の申し入れがあった場合は、氏名・連絡先・人員数・避難先など必要事項を聞き取りの上、速やかに開設責任者および運営責任者を派遣し避難所を開設する」とされています。また、「自主避難先が地域の公民館コミセン等の場合は、区水防部は当該地域の自治会長等と連絡調整し、必要に応じて職員巡回派遣を指示する」との記載もあります。
 しかし、今回は、地震を想定していないマニュアルだったとの答弁が午前中にあったように、こうしたマニュアルが機能せず、行政として市民の避難実態や状況が、把握できないまま、指定避難所と指定外の避難所においては、支援物資をはじめその生活環境、提供される情報等大きな格差が生じました。
 物資が届きはじめ、炊き出しボランティアも入る避難所も生まれる一方、本震から数日たってもパンやおにぎりさえも口にしていないという避難所もありました。想定していない避難者が発生をしたので、しょうがないでは済まされないことと思いますし、今後同程度の災害が発生した際には、こうした事態にどう対処するのか検討しておく必要があると考えます。
 そこでお尋ねしますが、指定外の避難所についてどの程度把握していたのでしょうか?また、どのように把握しようとしたのでしょうか?まずは、実態やこの間の経過を教えていただければと思います。
 
 今後、取り組むべき点として、
 @ これまでの防災本部の避難所一覧にはまだ一度も載っていない避難所もあります。今回の地震において避難所として利活用していた場所、住民が集まり避難していた施設や場所、これは公民館・コミセンや地域の保育園、駐車場も含め、自治会や民生委員などの協力も得て、すべてつかむことが必要だと考えますがいかがでしょうか?
 A そのうえで、つかんだ自主的避難所については、最も近くにある指定避難所との物資・情報のやり取りなどの連携が取れるよう人員体制や連絡網を整備しておく必要があると考えますがいかがでしょうか。この連絡や情報交換がうまくいった避難所は、指定避難所とも連携し、物資などの偏りがずいぶんと改善しています。
 B 次に、車中泊をされている方の8割が行政からの働きかけがなにもないまま、避難生活を送っているという実態が民間団体の調査で示されました。今後の大規模地震の発生時、例えばボランティアの協力の下で訪問・実態把握を進めること、その際に、身近な避難所において食事や物資も提供できるよう体制もとり、地域の避難所とつながるよう手立てをとるなかで、実態把握を務めるなど、車中泊での避難者が孤立しないような手段を検討する必要があると思いますがいかがでしょうか?
 
 (答弁)
 
 
 避難所担当のマンパワーを増強していきたいと考えているとの答弁でありました。人員の配備も当然必要ですが、どこに避難しうる場所があるのか、またそことの連絡連携を誰が担うのか、細かいところまでの備えが必要であると指摘したいと思います
 
 次に、避難者への食事を提供する手段として、給食調理場の利活用について、どの程度利活用できたのかお尋ねいたします。私どもは、給食調理業務の民間委託に関して、民間に委託した場合、災害時に非常食の提供や炊き出しなど役割を果たせるのかこれまでの議会で質してまいりました。今回の熊本地震において、避難所の食事改善については、内閣府からも2度にわたる通達が出されるなど食事の質については改善が遅れました。こうした中で、インフラが復旧したのちも学校調理施設の利活用があまりできていなかったように思います。給食調理場については、実際にどの程度、利活用されたのでしょうか?また、利活用されていない調理場について、なぜ利活用できなかったのかお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 
 課題が挙げられたわけですが、ガスや水道の復旧も地域によっては各々でありました。実際にガスも水も通った後も利用していない調理場もありました。食材の調達の在り方についてもどのような手立てを取ったのか、詳細な検証が必要です。道路等のインフラが打撃を受けてはいても、物資の送り先の拠点を福岡に設け、そこから物資が運んでもらう、18日には野菜等の物資が届けられました。
 
 @ 先ほど調理場が活用された3校は、いずれもプロパンガスです。都市ガスの復旧が4月末までかかり、調理場が使いたいけれども使えないという声も多く聞きました。都市ガスとプロパンの切り替えができるよう整備するべきではないか?その際に、施設が安全に利用できるかこうした点検作業員の確保や災害時の業務提携を行っておく必要があります。
 A 食材の調達については、他都市とも連携をとり、県外の農協や市場や食品メーカーなどと災害時の提携を結ぶ必要があるのではないか?
 B 調理業務を民間委託している調理場については、契約書や仕様書への災害時既定を追加する必要があるのではないでしょうか?
 以上の点について、教育長の答弁を求めます。
 
 (答弁)
 
 
 備蓄倉庫への備蓄内容、貯水機能付き排水管の整備など、震災への備えについてお尋ねいたします。
 各小中学校に整備されている備蓄倉庫、いわゆる分散備蓄倉庫については、今回の震災時にも非常食、懐中電灯、投光器、毛布など、多くの避難所で活用されました。私も、地元の小学校において、備蓄倉庫の活用をお手伝いさせていただく中で、備蓄品について改善が必要であると思うこともありました。
 現場での要望や実態を通じ、改善していただきたい点を指摘したいと思いますし、避難所ごとに様々なご意見もあろうことかと思いますので、ぜひ意見の集約を図り、今後に生かしていただければと思います。
 まずは水の確保です。水がないということほど深刻なものはないと思いました。保存が可能な水の備蓄とともに、28校の小中学校で設置されている貯水機能付給水管の整備が必要だと感じています。私が運営をお手伝いさせていただいた泉ヶ丘小学校では、貯水機能付給水管があったため、比較的早い段階で、お米などの炊き出しが可能となりました。4000リットルほどの水がタンク内にあるわけですが、水道管と校舎の蛇口の間にタンクがあり、子どもたちが日常、学校で水を使っていれば、タンク内の水が循環し、常に新しい水が確保され、災害時には、水道が止まってもタンク内の水が活用できるというものです。ぜひ、整備を進めていっていただきたいと思います。
 次に、非常食の備蓄量についてであります。分散備蓄倉庫にあるアルファ米50食、アルファ米アレルギー用50食、缶詰パン24個では、数百人規模の避難者に対応することは不可能でありました。物資の届く数日間を過ごせる量の備蓄が必要であることは言うまでもありませんが、一食一食のものではなく、50食分一度に炊けるアルファ―米の整備が必要だと感じました。また、カセットコンロはありましたが、数百の避難者に対応するにはパワー不足で、ゴトクなどがあれば、50食用のアルファ米の炊き上げや一程度物資が届いた際の、汁物や温かい食事の提供も可能となることから、ゴトクとプロパンガスの備蓄が必要だと感じています。ゴトクがあるところとないところでは、炊き出しの困難さは劇的に違っていたと思います。
 災害初期段階で、おにぎり等調理の際もゴム手袋が衛生上も不可欠であると感じました。汁物の炊き出しなどがあった際に、お皿類がなく、苦労したということもありました。紙皿があってもあらう水がないために、ラップが活用されていました。ラップの備蓄があればという声もありました。また、塩など保存可能な調味料もあれば重宝することもわかりました。
 もちろん、これらは各々が家に帰れば準備できるものですが、大きな余震が続き緊張や恐怖がピークに達していた発災からの数日は、家の中に入ることすら困難な方もいらっしゃいました。物資が届きはじめる数日をどう乗り越えるのか?こうした視点で、細かいようですが必要と感じたものです。また、備蓄倉庫には災害用救急セットがありましたが、切り傷などを手当てするガーゼ等はありましたが、湿布類がありませんでした。地震直後の避難者から、湿布はないかと求められることが結構ありまして、救急セットの内容に見直し改善も必要だと感じています。
 こうした指摘も含め、どのような備蓄が必要なのか、現時点での見解ととともに、避難所運営に当たった方々の意見を行く場を設け、備蓄倉庫のさらなる拡充や改善など、災害への備え・対策を講じてほしいと思いますがいかがでしょうか?政策局長にお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 
 細かな指摘の検証は、今後のこととなると思いますが、実際に避難所運営に携わった方や避難者の声を基に、備蓄についても検討いただければと思います。
 
 避難所の運営に関して、職員の配置についてお尋ねいたします。発災後、職員が避難所に配置された。2名、配置され、朝と夕方で交代となる2交代制での配置であった。通常業務も抱えながらの避難所運営ということもあり、大変苦労されたのではないかと思う。
 しかし、交代で来る職員が毎回違う方であったために、交代のたびに現場の状況伝達、課題と取り組み状況などの伝達、運営に当たっているメンバーとの自己紹介をその都度行う必要があり、現場ではそうとうな苦労があった。
 避難所を運営に携わっている市民の側からは、交代しながらでもいいので同じ職員が配置されるようできないのだろうか?との要望が出された。避難所運営管理者という位置づけで接していいのかどうなのか混乱した部分もある。
 配置された職員は、避難所の運営責任者という位置づけでよかったのか?また、配置の在り方も今後、どのようにされるのか?
 
 さらに、職員に避難場所開設・避難所運営マニュアルの内容が徹底されていないのではないかと感じた。また、国からの通達など、避難所運営において順守されるべき項目や水準など現場職員の認識が弱かった。職員への運営マニュアルの徹底、通達文書の情報提供などはどのような状況であったのか?また、今後どうすべきか?
 
 避難所の実態については、議員に渡される資料には人数のみしか記載されておらず、現場の実態をつかむにはあまりにも情報が少なすぎた。避難者の人数のみならず、その日の献立や炊き出し状況、内閣府通達による間仕切り、空調、シャワー、洗濯機などの配備状況など、必要な項目がわかるチェックシートなども利活用し、市としても避難所の実態把握に努める必要があったのではないでしょうか?

6月議会・補正予算に関する質疑「熊本地震会計補正予算」

6月議会・補正予算に関する質疑「熊本地震会計補正予算」(PDFファイル 253KB)

 日本共産党熊本市議団の上野美恵子です。
 まず初めに、「災害援護資金貸付事業」に21億6000万円の補正が提案されています。この制度は、そもそも被災者への制度であり、かつ所得制限もあり、生活が大変な方々がその住居や家財などの生活立て直しに利用する制度です。ところが、根拠法令となっている「災害弔慰金の支給等に関する法律」の定めによって、措置期間は無利子であるものの、返済が始まれば年3%の利息を徴収することになっています。中小企業に貸し付けられる「特別融資」は、利息補給によって、3年間は無利子の措置が取られます。そういう対応を見ましても、「災害援護資金貸付」は、最も困った方の利用するであり、利息3%の徴収について、利子補給など、市として何らかの措置を講じて、無利子の貸付けにすることはできないでしょうか。
 また、「災害弔慰金の支給等に関する法律」は、昭和48年にできた法律です。その公布当初から、利率3%が定められており、超低金利の今の時代に全くそぐわないものと思われます。また、償還金が期限内に返済できなかった場合は、年利10・75%の違約金まで払わなければならない仕組みになっています。その違約金もまた、法の公布と同時公布された施行令に定められたものです。これら実態に合わない利息や違約金の徴収はやめて、無利子での貸し付け、違約金はとらないよう、被災者に大きな負担を求めるような制度の見直しを国に求めていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
 
 (答弁)
 
 「災害援護資金貸付事業」は、被災によって大きなダメージを受けただけでなく、その中でも生活が厳しいであろう方々が利用する制度です。その趣旨に則り、国に対し、利息と違約金徴収の中止を強く求めていただくよう要望します。災害援護資金貸付は、措置期間の3年が経過し、実際に返済が始まった時、被災者の方々の状況によっては返済が難しいという状況も出てきます。法律の施行令第11条には「償還金の支払猶予」が定められています。償還が始まった場合には、実情に応じてこうした猶予制度も適切に運用していただくよう要望しておきます。
 
 続けてお尋ねいたします。
第1に、スクールカウンセラー設置について伺います。
 地震発生後の子どもたちの心のケアとして、市立高校では通常のカウンセラー業務で対応されました。小中学校では通常のスクールカウンセラーを拡充配置し、通常よりも手厚い相談体制が取られました。市立幼稚園では、他県の大学のボランティアによる相談体制がつくられました。要するに、市内の市立幼稚園・小中学校・市立高校については、何らかの形で手厚い相談に応えられるような体制が取られました。
 今回のスクールカウンセラー配置事業の補正予算9900万円は、小中学校を対象としたスクルールカウンセラー配置の拡充にかかるもので、夏休み前・7月までの配置の分になっています。心のケアは、1学期で必要なくなるという内容のもではないので、その後も必要な相談に手厚く応えていけるような体制の確保が重要と思われます。補正予算部分の事業終了後のカウンセラー体制拡充について、考えをお聞かせください。
 また、市内の小中学校同様に、県立高校でも、県の地震対応の補正で災害発生地域の県立高校に対し、スクールカウンセラーの配置拡充が行われました。もともとすべての県立高校には日常スクールカウンセラーが配置されています。ところが、今回の地震では私立高校のスクルールカウンセラー配置拡充は行われておらず、通常業務の範囲で相談業務が行われたことになりますが、昨年度の実績で言えば、市内の私立高校14校のうち2校にはスクールカウンセラーが配置されていません。この点では、今年度の私立高校への配置状況を把握することと、私立高校も含めたスクールカウンセラーの配置拡充と、未配置校への配置が行われるよう、県に対し、申し入れていただきたいと考えますがいかがでしょうか。
第2に、補正予算に「応急対応等経費」として熊本城の応急修繕経費が提案されています。熊本城の損傷は誰もが承知の通り大変な被害を受けており、放置しておけば、まわりへ危険な被害を及ぼすことも考えられるので、一定の応急修理は必要であろうと思います。
 今回の熊本地震は、前震・本震という震度7レベルの地震が相次ぎ発生するという未曽有の地震災害であったと同時に、余震がすでに1700回近くも発生するという、想像できない地震災害の様相を呈しています。火山や地震の専門家も様々な形で、今後もかなり大きな余震が襲ってくるという意見を述べられています。だからこそ、応急的に手を付けるべきは、学校施設の応急修理ではないでしょうか。本震によって体育館が避難所として使えなくなったところが24カ所、教育委員会が調べた被害状況調書(5月2日現在)によれば、小学校95校、中学校42校、市立高校2校、市立幼稚園8園から被害報告があり、すべての学校施設が損傷を受けています。すべてを紹介することはできませんが、破損にとどまらず、かなりのところで「さらなる落下の恐れ」「落下しそう」「外壁に近づかないほうがいい」「生徒が入れない」あるいは「隙間があり危険である。緊急を要する」「樹木の倒壊の危険」「天井の扇風機が落ちかけている」「ガラスのヒビ割れ」「壁の亀裂」「金属部品落下の恐れ」などと書かれており、詳細に見れば見るほど、子どもたちが日常過ごす場所としての安全性の確保の問題、今後何らかの理由で避難所としての活用が必要となった場合なども考えると、一刻の放置も許されないのではないかと思います。
 今回の補正予算には提案がないものの、学校施設については、復興計画による段階的な修繕・改修だけではなく、急ぎの応急修理が必要ではないかと思います。この点についてはどのようにお考えでしょうか。
第3に、今回の補正予算に「震災復興計画関係経費」が提案されています。有識者会議等も開かれ計画が策定されていくことと思います。今後、金額の面、内容の面でも多岐にわたる復興については、地域や被災者の実情に即し、自由に活用できる財源が必要となってきます。先日県で開かれた「復旧・復興有識者会議」でも「復興基金」のことが話題になっていました。東日本大震災の被害に見舞われた政令市・仙台市では、全国からの寄付金等で市独自に総額279億円の「震災復興基金」がつくられました。今後熊本市が、地域の要求に縦横に応えられるような復興を進めていこうとするとき、「復興基金」の役割は重要と思われます。国としても是非つくってほしいと考えますし、やり方はいろいろあると思います。今後検討されていくであろう「復興基金」について、市長のお考えをお聞かせください。
 以上3点、市長ならびに教育長にお尋ね致します。
  (答弁)
 
 いよいよ「復興計画」の策定も始まっていきます。応急的な対応から、本格的な復興の時期へとステージが移っていきます。本日、日本共産党市議団として質疑で指摘した点は、求められる対応への改善策のごく一部です。今後は、日本共産党市議団としても設置を要望していた復旧・復興にかかる特別委員会での論議も始まっていきます。今後も様々な場で、被災者の立場に立った支援策の実施を積極的に提案していく立場を表明しまして、質疑を終わります。

6月議会・「一般会計補正予算・国民健康保険繰り上げ充用」反対討論

6月議会・「一般会計補正予算・国民健康保険繰り上げ充用」反対討論(PDFファイル 190KB)

 日本共産党熊本市議団の上野美恵子です。
 議第156号「平成28年度熊本市一般会計補正予算」ならびに議第155号「専決処分の報告・平成28年度熊本市国民健康保険会計補正予算」について、賛成できない理由を述べ、一括して反対討論を行います。
 「一般会計補正予算」では、主な補正内容となっている熊本地震対応関連予算について意見を述べます。
 第1に、避難所の設置等関連経費として、拠点・指定等の一般避難所設置運営に13億2000万円、福祉避難所の設置運営に3億2800万円、そのほか避難所物資の輸送と避難者移送に約3億400万円が予算化されています。避難所運営の問題点は、山部議員が質疑でも述べましたように、前震発災直後の4月15日に内閣府から「避難所の生活環境の整備について」という通達がいち早く出され、ベット・マット・カーペット・畳等、間仕切り用パーティーション、冷暖房機器、テレビ・ラジオ、洗濯機・乾燥機、シャワーや仮設風呂、仮設トイレ等の整備など、避難者のプライバシー確保、暑さ・寒さ対策、入浴や洗濯の機会確保などの生活環境の改善対策を講じることや、栄養バランスが確保された適温食の提供、福祉避難所の設置等も含めた避難所環境の整備への十分な配慮を求めています。ところが、この通知がいつまで経っても現場に生かされませんでした。5月20日は、「避難所における食生活の改善について」という再度の改善を求める通知が短期間に出されたことは、極めて異例のことであり、国会でも問題になった避難所運営についての市の姿勢は厳しく問われなければなりません。
 第2に、住宅再建については、今回みなし応急仮設住宅借り上げ業務委託費が1300万円予算化されていますが、国会で安部首相は「半壊でもそこには当分住めない状況があるから、半壊と認定された住宅を有する方々についても、その希望をしっかり伺いながら、この制度をできる限り柔軟に運用していく考えである」と答弁されており、仮設住宅の提供については、半壊であっても解体を前提をしないという国の立場での運用が必要であると思います。
 そして、那須議員が質疑で指摘しましたように、生活再建支援金や修繕費用の抜本拡充など、再建に見合った金額支給を実施していくべきであります。
 第3に、経済的な支援では、生活必需品支給は金額が少なく、品目にも限りがあるので、必要な人に必要な品物が支給できるような制度とすべきです。災害援護資金貸付は、被災者の中でも経済的に厳しい方の利用する制度であり、質疑で言いましたように無利子での貸し付けや違約金の廃止はもちろん、返済猶予の延長など、柔軟な対応が必要です。
 第4に、農水産業復旧支援経費として、農業用倉庫・機械等の修繕への助成として9億9900万円予算化されています。被災された農家からは、「本人負担の1割も厳しい」との声もあり、復旧にとどまらず、持続可能な農業にしていくためにも、本人負担の軽減措置が取られていくよう要望しておきます。農業共同施設等の復旧・修繕等に9億8000万円も、事業者負担が3割で負担が大きいので補助率引き上げを国へも要望していただきたいと思います。
 第5に、熊本地震によって離職された方も少なくありません。現在、ハローワークや労働局などで様々な対策が行われてはいますが、ここでも市が率先して雇用の創出に取り組んでいくことが必要です。現在、避難所関連の経費として約3000万円が予算化され、震災を理由に離職した人を対象に避難所対応の臨時職員が50人雇用されています。しかし、期間がわずか3か月であることや人数も50人では、少ないと思います。今後は、人数を増やし、期間を延長した本格的な臨時雇用創出に市として引き続き取り組んでいくことや、国に対し熊本地震に対応した雇用創出基金事業の創設を求めていただきたいと思います。
 第6に、教育分野では、お尋ねしましたスクールカウンセラーを幼稚園から高校に至るまで、公私の区別なく、子どもたちへ手厚いケアがなされていくような体制拡充を要望しておきます。学校施設については、施設の修繕・改修について特段の措置を速やかに講じ、国に対しては東日本震災に準じた100%の国費負担を強く要望していただきたいと思います。
 第7に、震災復興計画につきましては、今後策定作業が始まっていくことになりますので、内容の議論は今後の課題となるでしょうが、策定にあたり、被災の状況や被災当事者の意見が最大限反映されるような策定過程が必要です。そして、細かな内容は別として、国・県・市が協力して、熊本地震にあった内容での利活用ができるような「復興基金制度」をつくり,速やかな復旧・復興につなげていただきたいと存じます。
 市長は、今回の熊本地震は、震度7の地震がたて続けに2回も発生するという過去に例を見ない地震であり、復旧・復興も前例のない支援策が必要」との認識を述べておられましたが、今回の補正予算を見てみますと、独自性のある支援策というものは見えません。それどころか、各種支援策の運用についても、市の裁量が全く見られないために、被災者の方々の大きな不満になっています。今回、議会で指摘された事項も含め、改めて被災者の方々の声に耳を傾け、実情をつぶさに見て、その願いに沿った支援策を実施していかれるよう要望いたします。
 
 また、専決処分の報告となっている「国民健康保険会計補正予算」は、平成27年度末の累積収支不足見込み額42億円に留保分の1億円を加えた43億円を、繰り上げ充用しようというものです。国民健康保険会計では、前市長の時代、平成21年度に累積赤字が過去最高の84億円となったことから、国保健全化10ヵ年計画に基づき、平成26年度までの5年間、増え続ける累積赤字の解消のために一般会計繰り入れの赤字補てん分が増やされました。平成22年度・17・2億円、平成23年度・18・2億円、平成24年度・28・2億円、平成25年度・28・2億円、平成26年度・20億円と大幅に増額され、平成26年度以外の4年は単年度収支が黒字になり、累積赤字も大幅に解消され、平成26年度末には20・4億円となりました。ところが、大西市長になって平成27年度から、一般会計繰り入れ赤字補てん分が8億円に減額され、単年度収支が21億6000万円の赤字に転落、累積収支は43億円の赤字へと膨れ上がりました。前年度末20億円まで減っていた累積赤字が2倍以上になってしまったわけです。しかも、今年度予算でも8億円の赤字補てんしか予算化されていないので、累積収支はさらに悪化することが予想されます。いよいよ国保財政の県への移管が2年後の平成30年度に迫っています。そのとき大きな赤字を抱えていれば、どのみち市の責任で赤字解消策を考えなければなりません。そうならないためにも計画的な解消策を積み重ねていくことが適切であろうと思います。市長に置かれては、前市長の時と比べ大きく減額した一般会計繰り入れを元に戻し、計画的な国保会計の赤字解消に努めていかれることを要望しておきます。

6月議会・被災住宅の再建について

6月議会・被災住宅の再建について(PDFファイル 290KB)

 日本共産党熊本市議団の那須円です。発災時より昼夜を分かたず、被災者支援、生活の再建、地域の再建にむけ復興に取り組まれている職員の方々に心からの敬意を表するとともに、ボランティアの方々など復興に向けた様々なご支援に対し、感謝申し上げます。
 震災から2カ月がたとうとしています。震災直後から、被災者への支援活動を通じ様々な要望や声を聴いてきました。今日は限られた時間ですので、現時点で被災者の主な要望の一つである住宅再建に関して、質疑を行います。
 被災者住宅支援については、専決の補正予算や今議会への補正予算で対応されていますが、いうまでもなく、住宅の再建は、個々人の問題に留まりません。個人の住宅の再建、住まいを再建するということは、地域経済の再建やコミュニティー形成など、地域復興を目指す際に避けては通れない課題です。
 しかし、被災者が希望を取り戻し、住宅の再建に踏み出すために、現行の支援制度は貧弱で不十分であるといわざるを得ません。とはいえ、現行の支援制度は、震災のたびに被災者が声をあげ制度の創設や改善が勝ち取られてきた歴史もあります。ですので、現在ある支援制度をどう活用するかとの視点から出発するのではなく、熊本地震における被災者にとってどのような支援制度が必要なのか、という視点で、現在の制度が弱ければ拡充を、制度そのものがない場合は新設を、図るなど、被災者の利益を最優先に取り組みを進める必要があると考えます。
 
 具体的に聞いていきたいと思います。
 一つは、生活再建支援金についてです。同制度については、阪神淡路大震災時にはなかった制度でありますが、この間被災者の運動もあり、上限金額の引き上げ、支給対象の拡大など、復興に向け重要な制度として拡充されてきました。しかし、現行水準は最高額、全壊・建て替えで300万円となっています。家を失った被災者が、住宅を再建していくために、この水準はあまりに低いと言わざるを得ません。私も実際に全壊と判定された方に話を聞きました。地震保険に入っていないということで、今後どうすればいいのか見当もつかないと、親戚の家に身を寄せておられる状況でした。熊本県の地震保険加入率は世帯比率で3割弱であり、現時点で市が想定している全壊件数から計算すれば、少なくとも約2000世帯の方が、地震保険に入っておらず、多くの方が今後の見通しが持てず苦しんでおられるのだと思います。生活再建支援金について、国に対して増額を求めるべきではないでしょうか?
 また、これまで起こった震災の際に、国の支援制度では不十分であると自治体が独自の支援策を実施し、被災者を大きく激励しています。新潟中越地震において、新潟県は、全壊・大規模半壊に対し、100万円の独自の上乗せを行い、国の制度にはない半壊に50万円を県独自に支給しました。熊本県に対しても、独自制度の創設を求めるとともに、市としても独自の上乗せ制度を実施していただきたいと思いますがいかがでしょうか?
 
 二つ目は、家屋の修繕費用についての支援であります。現在、家屋の修繕を支援する制度として、半壊以上の被害認定を受けた方を対象とする上限57万6千円の応急修理があります。今回の熊本地震が過去の大震災と大きく違う点は、膨大な住宅被害、宅地被害が発生しているという点です。阪神淡路大震災は多くの家屋が火災によって消失しました。東日本大震災では、津波によって家屋が根こそぎ流されました。熊本地震は、家は大きな被害を受けたけれどもそれでも残りました。修理さえすれば何とか住める、そんな家屋がおそらくは過去の災害と比べても非常に多く存在しているのではないかと思います。ただし、家屋や宅地に対する現行の修理制度は極めて貧弱です。
 先日は、半壊と被害認定を受けた方から相談がありましたが、外壁のはがれなど大規模な損壊があり、修繕の見積もりを取ったところ、かかる費用は600万円ということでした。57万円の修繕制度では修繕も限られ、定年後、収入も少ない中でどうしようか悩んでおられました。
 自宅が一部損壊と判定された方も、修繕費用は少額とは言えず、屋根の修理で100万円、壁の亀裂修理で50万円という方はたくさんいらっしゃいました。また、初期の段階で、屋根の応急修理等ができたところはいいのですが、できなかった方は、瓦の間から雨が振り込み、天井や壁の腐食が進んでいる、壁の亀裂から雨水が侵入し、内壁が浮き腐ってダメになるなど、傾きのジャッキアップなど、多い方は500万円の修繕費用がかかるなど、一部損壊でも多くの修繕費用がかかり、現実に多くの市民が悩んでおられます。特に修繕費用が高額の方、低年金暮らしの高齢者や低所得の方々など、家屋の修繕に足が踏み出せない、見通しが持てないなど、実態は深刻です。
 また、自宅敷地ののり面が崩壊し、修繕が必要であるが、支援メニューがないために対応が取れず、余震のたびに崩壊部分が広がり、2次被害が懸念されるという事例も相談を受けました。
 そこでお尋ねしますが、半壊世帯に実施している応急修繕の上限額の引き上げと対象の拡大について、一部損壊世帯への修繕費用に対する支援制度の創設について、敷地被害への修繕制度の創設について、以上の点について、国に対して要望するとともに、県とも連携をしながら市として独自の支援制度を作り、住宅再建に取り組んでいく必要があると考えますが、大西市長の見解をお尋ねいたします。
 
 (答弁)
 
 被災者生活再建支援金については、国に対して被災者と被災地の実態に即した制度の拡充を要望していくとの答弁がありました。市としても、現行の制度の水準では不十分であるとの認識が示されたことは重要であると考えます。国は、生活再建支援金はあくまで見舞金という性格だから、この制度で住宅再建ができるものではない、また過去の被災者との公平論を理由に、拡充に慎重な態度を示しています。しかし、2007年の改正被災者生活再建支援法の付帯決議には、「(住宅再建は)地域社会の迅速な復興のために極めて重要」と指摘しているように、地域を復興するためにいくらインフラや公共施設、民間事業所などの再建が進んだとしても、そこに人がいなければ、人が住み続けることができなければ、真の復興は成し遂げることができません。ぜひ、国に対しても積極的に働き掛けていただくと同時に、市としても不十分であるとの認識があるのならば、可能な限りの独自策を講じていくよう、求めておきたいと思います。
 
 一部損壊被害の方への対応ですが、被害の状況は答弁であったように幅があります、ピンからキリまである。屋根の修理一つとっても、これほどの大規模な災害ですので、瓦そのものが確保できず、瓦を使わないスレート屋根で対応せざるをえない、そうすると一部というわけにはいかず、屋根の修繕だけで100万を超えてしまうなど、熊本地震ならではの困難さがある。現行制度では、被害区分を一部損壊、半壊、大規模半壊、全壊の4つの区分にざっくりとわけられているため、半壊に限りなく近い一部損壊であっても、支援面ニューがほとんどない状況です。
 切り捨てられている、被災者と認められていない。という思いを持っている方もいらっしゃった。
 一部損壊であっても、家屋調査の際の被害点数に応じ、修繕の支援額を算定するなど、きめ細かな対応が必要だと指摘します。
 
 大西市長の6月4日のツイッター「誰も好き好んで避難生活を送ってる訳じゃなく1日も早く元の生活に戻りたい。誰もが多くを求めているのではなくせめて震災前と同じような生活を求めているのです。私達熊本市役所一同も被災者の皆さんの立場に立って一生懸命頑張っている」この立場で、ぜひ力を合わせ、震災を乗り越え復興を果たしていけるよう、頑張っていただきたいし、私たちも全力で頑張っていくその決意を述べ、質疑といたします。

6月議会・避難所の環境整備について」

6月議会・避難所の環境整備について(PDFファイル 415KB)

 日本共産党熊本市議団の山部洋史です。
 まず、今回の熊本地震で不幸にして亡くなられた方がた、また被災された皆様に、日本共産党市議団として、心からのお悔やみとお見舞いを申しあげます。
 私からは、避難所の環境整備についておたずねします。
 熊本地震発災から、すでに2カ月が経とうとしています。今回の震災で避難者数は最大で11万人にのぼり、当初市が想定していた約5万8千人を大きく上回りました。そして、6月8日19時時点で、避難者はいまだ1,752人にのぼります。
 今回の熊本地震において、内閣府は、発災翌日の4月15日にいちはやく、県・熊本市に「避難所の生活環境の整備について(留意事項)」という通達を出しました。
 
 通達のベースになった内閣府の指針では、東日本大震災の課題として、
 ・長引く避難所生活のなか、被災者の心身の機能の低下や様々な疾患の発生・悪化が見られた、
 ・多くの高齢者や障害者、妊産婦、乳幼児を抱えた家族、外国人等が被災したが、避難所のハード面の問題や他の避難者との関係等から、自宅での生活を余儀なくされることも少なくなかった、などの点を挙げました。
 それを踏まえて4月15日に出された通達では、
 ・簡易ベッド、畳、マット等の整備、間仕切り用のパーテーションの設置、
 ・冷暖房機器、テレビ、ラジオの設置、
 ・仮設洗濯場、簡易シャワー、仮設風呂等の設置を明記しています。
 
 また、食事については、避難生活の長期化に対応してメニューの多様化、適温食の提供、栄養バランスの確保、高齢者や病弱者に対する配慮等を行うこと、としています。
 
 これら通達の中身は、国が自治体へ一方的にその実現を課すものではなく、災害救助法にもとづき予算等の面でも十分に自治体をサポートすることを前提としたものです。
 
 発災当初は、被害状況の把握もままならず、食料や水の確保に追われ、手探りのなかで避難所運営がなされていました。初期の段階ではいたしかたないとしても、特に食事の面では震災から一カ月が経過した段階でもパンとジュース、カップめん、レトルト食品という状態であり、避難者からも改善の要望が出されていました。市議団としても市に改善の申し入れをし、国会でもこの問題が取り上げられるなか、5月20日、国は再度「避難所における食生活の改善について」という通達を県に出しました。このように再度の通達が出されるのは異例のことです。それを受け5月26日以降、夕食のみ弁当が支給されることになりましたが、最初の通達から一か月半かかってやっと果たされたかたちです。
 今後の避難所運営を考える上でも、食事のみならず施設整備の面でも、通達の立場で改善していくことが求められます。
 また、大規模な余震が警戒されるなか引き続き、通達の立場が果されていないことについては、現時点で分析し総括が求められるのではないでしょうか。
 そこでお尋ねします。現時点で国の通達がなかなか果たされなかった原因をどのように考えておられますか。またそれを課題としてどう解決して、今後にいかしていかれるのかお聞かせください。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 市長の答弁からも未曾有の震災により、避難所対応の遅滞、混乱が生じたことに対する忸怩たる思いが率直に述べられたと思います。また今後の避難所のさらなる環境整備に向けても前向きに取り組む意向がうかがえました。
 いまだ大きな余震が警戒されるなか、様々な事情により避難生活の長期化を強いられる避難者に対しては、拠点避難所だけでなく指定、その他の避難所についても通達の立場での環境整備につとめて頂きたいと思います。
 
 続いて具体的に改善が求められる点についてお尋ねします。
 5月20日通達を受け、夕食は弁当になりましたが、残り2食はパンやおにぎりというところがほとんどです。特に野菜不足は深刻です。弁当でも野菜は付け合せ程度に添えてあるだけです。本市では、現在各区に3名の管理栄養士を配置し、各避難所で巡回指導していますが、せっかくの取組みもいま現在、食事に反映されているとは言い難い状況です。
 先日ニュースで西原村の例が紹介されていました。管理栄養士が、各避難所の食事を点検、野菜不足を指摘。「衛生上、生野菜の提供が難しければ、火を通す、湯通ししたものを提供してください」と要望しました。職員も「災害救助法の食費の基準額では、難しいかもしれないが特別基準の上乗せで対応を検討したい」と述べました。このようにほかの自治体では栄養面の充実に前向きに取り組んでいる事例があります。食事の栄養面での市の認識、取り組みについてお聞かせ下さい。
 
 また、夏をひかえて、暑さ・お風呂対策も重要です。
 拠点避難所は、不十分ながらもクーラーの設置がされていますが、学校体育館などの指定避難所では全てにその設置が済んでいない状況です。暑さ対策は喫緊の課題だと思いますが、利用者の声も聞きながら、今後は指定避難所として、空調が完備されたコミュニティーセンターの利活用も検討すべきではないでしょうか。体育館で、部活動に気兼ねしながらの生活とは違い、アットホームな雰囲気の中で生活できるというメリットもあります。今後のコミュニティーセンターの活用について、どのようにお考えですか。
 また、シャワーについては、拠点避難所は既存施設や簡易シャワーなどでカバーされていますが、高齢者にとっては、やはりお風呂でしっかり疲れを取りたいという方が多いと思います。国の通知「東日本大震災における災害救助法の弾力運営について」では、「入浴の機会の確保が困難な場合には、近隣の銭湯等の入浴施設の利用券や送迎バスの借上げ等の相当な実費についても、……国庫負担の対象となる」としています。市としてもこのような事例に学び、弾力運営を活用し、入浴の機会の充実をはかるべきと思いますが、いかがでしょうか。
 
 最後に、避難所に生活支援情報の資料や冊子が用意されていても、避難者がそれを読み、自分に必要な支援メニューを判断して利用することは、容易なことではありません。たとえば、罹災証明を申請することが必要であることすら知らない人、みなし仮設の制度を知らない、知ったとしても物件を自力で探すことが出来ない人がいるなど、とくに高齢者は支援の手のひらからこぼれかねません。
 避難者がどんな事情で避難生活を強いられているのか、そんな避難者に寄り添うアドバイザーが必要ではないでしょうか。常駐でなくても、巡回などで避難者の生活再建のサポートができる職員の配置を実現させて頂きたいと思いますがいかがでしょうか。
 以上、お尋ねします。
 
 (答弁)
 
 (返し)
 食事の栄養面について、既に発災2か月になろうとしているなかで、「具体的改善策を検討しているところ」というのでは、取り組みが遅いのではないでしょうか。実際避難所でも高齢の方を中心に「野菜を取らないと、通じが出ず困る」「体調がすぐれない」などの声が出ています。速やかな改善を望みます。
 
 コミセンについて、今回の震災でも、空調やバリアフリーが完備されているコミセンは、高齢・要支援者、車いすの方にとってとても有効な施設でしたが、コミセン館長の裁量で使用できるところ、できないところの格差が生じました。ぜひ避難所としての位置づけを明確にして頂きたいと思います。
 
 お風呂については、入浴施設への送迎について、「NPOやボランティアの送迎があった」とのことですが、これは裏を返せば行政による手立てが遅かったから、ボランティアで取り組まざるを得なかったということではないでしょうか。暑い季節に入ります。丁寧な要望の聞き取りもと、引き続きの入浴機会の提供                                                                                                をのぞみます。
 
 避難所での支援サポートについて、避難者数は、減少してきたとはいえ、一方で生活困窮などで生活再建が極めて困難な人、罹災証明書の遅れによりその一歩を踏み出せない人、機械的な集約により遠い校区外の避難所から学校へ通う児童生徒など、その中身はこれまで以上に多様化しています。
 さまざまなニーズ対応できるよう、また避難者の心に寄り添った支援を求めます。
 
 そのことを申し上げまして、私の質疑を終わります。

熊本市民病院の速やかな再建のために特段の財政支援を求める意見書(案)

熊本市民病院の速やかな再建のために特段の財政支援を求める意見書(案)(PDFファイル 189KB)

(日本共産党市議団提出)

熊本市民病院の速やかな再建のために特段の財政支援を求める意見書(案)

 熊本市民病院は、熊本地震・4月16日の本震によって大きな損傷を受け、診療ができなくなりました。地震発生時の入院患者311人には、他の医療機関に移送や退院の措置が取られました。現在は、管理棟で外来のみの診療が行われています。
総合周産期医療・ガンや感染症の拠点病院として診療科34科、病床数556床を持ち、年間の入院患者12万人・外来患者16万人が利用してきた病院の機能ストップが地域医療に与える影響は大きく、早期の再開が求められます。
 市民病院がこれまで重点的に取り組んできた「周産期母子医療・がん医療・生活習慣病医療・救急医療」はもちろん、感染症など、他にない役割も含め、現行の機能をきちんと確保し、また、災害に強い病院として再建していくことが、極めて重要です。
熊本の地域医療に重要な役割を果たしてきた市民病院の建て替えにあたり、国の手厚い財政支援を強く要望いたします。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  
熊本市議会
2016年6月 日
各宛1通
 ※ 発議者人数が足りないために、議案になりませんでした

熊本地震における被災者の生活再建・住宅再建制度の創設・充実を求める意見書

熊本地震における被災者の生活再建・住宅再建制度の創設・充実を求める意見書 (PDFファイル 197KB)

日本共産党熊本市議団提出

熊本地震における被災者の生活再建・住宅再建制度の創設・充実を求める意見書

 熊本地震の発生から、1カ月半が経過しました。過去に例を見ない多数の余震発生は、未だ住民に大きな不安を与え、避難所や車中泊での生活を余儀なくされている住民も少なくありません。
 現在は、被害を受けた住宅の再建や修繕、また仮設住宅の整備等、住まいの確保が重要な取り組みの一つとなっています。
住宅再建に向けての支援策については、被害区分により様々でありますが、被災者の生活を立て直すことや被災地の復興を成し遂げるためにも現行の支援制度の拡充が不可欠です。
例えば、被災者生活再建支援金については、現行では、全壊で建て直しの場合でも300万円となっており、住宅再建をしようとしても新たな住宅ローンを伴う水準となっており、被災者の大きな不安の原因となっています。また、一部損壊の被害であっても、実際には、瓦の破損等による屋根の修繕、壁の亀裂による修繕など、数百万円の費用が必要なケースも少なくありません。加えて、地震発生直後に屋根の応急修理(ブルーシートなど)ができていない世帯は、雨が屋根や壁の亀裂から侵入し、さらに多額の修繕費用を要します。しかし、現行制度において、一部損壊であれば修繕に対する支援制度はなく、修繕費用を確保できない所得の少ない世帯、高齢者などでは、修繕できないまま損壊を受けた家に住み続けざるを得ないケースも多々あります。
今必要なことは、現行の支援制度の拡充・創設を行い、被災者に再建に向けた希望や道筋を行政として示すことです。よって、国においては、以下の支援策について取り組むよう求めるものです。

1. 被災者生活再建支援金については、全壊・建て替えの額を現行の300万円から500万円に引き上げるなど、住宅再建にふさわしい水準に拡充すること。
2. 半壊世帯への、応急修理費用の上限については、現在の57万6千円から、引き上げること。
3. 一部損壊と認定された住宅については、修繕費用の一定額を修繕支援金として支給するなど、被災者の経済的負担の軽減につながる支援制度を創設すること。
 ※ 発議者人数が足りないために、議案になりませんでした

熊本地震における学校施設の復旧に関し、特段の財政支援を求める意見書(案)

熊本地震における学校施設の復旧に関し、特段の財政支援を求める意見書(案)(PDFファイル 191KB)

(日本共産党熊本市議団提出)

熊本地震における学校施設の復旧に関し、特段の財政支援を求める意見書(案)

 4月14日の前震、および4月16日の本震という震度7の地震が相次いで襲いかかるという有史以来の地震災害となった熊本地震において、熊本市内の学校施設は未曽有の被害を受けました。体育館の耐震補強が壊れたり、校舎の損傷など、避難所としての機能すら確保できない状態になりました。
 今回は、公立学校施設災害復旧費国庫負担法の補助率3分の2が、激甚災害に指定されたことによって上乗せ措置も講じられることになっています。
 学校施設は、子どもたちが終日過ごす場所としてその安全確保は万全を期さなければならないと同時に、災害時に地域の避難施設として重要な役割があります。
未だ余震が続き、住民は不安な毎日を過ごしています。避難所としての機能の早期回復と子どもたちの安全・安心な教育の場として、一刻も早く学校施設の再度の耐震改修と修繕を実施しなければなりません。
 東日本大震災においては、すべてを国の負担で学校施設の修繕等が行われています。今回の熊本地震においても、学校施設の再度の耐震改修と修繕についてはすべて国の負担で実施していただくよう、強く要望いたします。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

熊本市議会
2016年6月 日
各宛1通
 ※ 発議者人数が足りないために、議案になりませんでした

2016年3月議会質疑・討論

2016年3月議会一般質問 上野みえこ

討論の内容(PDFファイル 665KB)

 2016年3月議会 2016年3月
<要旨>
子ども医療費助成制度について
「子ども食堂」について
「困難を抱えた子どもたちへの学習支援」について
「障がい者のお出かけパス券」について
「生活保護の支給ミス問題」について
公共施設の老朽化問題について
桜町再開発・MICE施設整備について
花畑町別館建替え問題について
非正規雇用の問題について

連絡先

・日本共産党熊本市議団 熊本市中央区手取本町1−1 議会棟3階
電話 328−2656   FAX 359−5047
メール: kumamsu@gamma.ocn.ne.jp
ホームページ http://www.jcp-kumamoto.com/